帰山人の珈琲遊戯 ゲイシャとポップコーン焙煎機です。
帰山人の珈琲遊戯(GAME of COFFEE)は、2017年に始まった鳥目散 帰山人(とりめちる きさんじん)による焙煎豆販売です。
ゲイシャとポップコーン焙煎機
ゲイシャ
同じゲイシャでも、産地でも精製でも焙煎でも
これだけ違う。さあ、ゲイシャと遊びましょう。
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ゲイシャ(Geisha)は、1930年代にエチオピアで発見された野生種です。その後いくつかの国を経て、中米に持ち込まれました。しかし、商業的な困難さなどにより栽培が放棄され、長い間忘れられた品種でした。その後、パナマ エスメラルダ農園のダニエル・ピーターソン(Daniel Peterson)が、エスメラルダ農園のハラミージョのマリオ区画でゲイシャを再発見しました。そして、2004年のベスト・オブ・パナマ(BoP)(Best of Panama)に出品されたエスメラルダ農園のゲイシャが、当時破格の1ポンドあたり21ドルで落札されたことから、一躍有名となりました。
このゲイシャは何の縁か、芸者発祥の地である日本で特に話題を呼びました。現在では、ベスト・オブ・パナマ(BoP)のみならず、各国のカップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Exellence)の上位に入賞するロットの多くがゲイシャです。
このように世界を旅したゲイシャは、鳥目散 帰山人(とりめちる きさんじん)の手によって巡り巡って花街に戻ってきました。帰山人の珈琲遊戯の花街には、ゲイシャ発見の地であるエチオピアのゲイシャ、再発見の地であるパナマのゲイシャ、グアテマラの有名農園であるエル・インヘルト農園のゲイシャがそろい踏みです。
コーヒーのゲイシャは日本の芸者と何の関係もないはずですが、口を掛け、玉代をお支払いして、ゲイシャを呼び寄せました。そして、お茶を挽かずに、コーヒーを挽きました。
ゲイシャの花街はすぐに消えてしまう花街の夢です。後朝の別れが惜しい。
珈琲を喫み遊びをり旅芸者 帰山人
(こーひーをのみあそびおりたびげいしゃ)
「珈琲を喫み遊びをり旅芸者」,帰山人の珈琲遊戯 2019年12月8日
パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ エスメラルダ・スペシャル 2019 ES-W-2-4 Lino Carnaval Washed
「えすめらるだ げいしゃ」は、帰山人が松屋コーヒー本店から譲り受けたエスメラルダ・スペシャル 2019 ES-W-2-4 リノ・カルナバル ウォッシュト(ES-W-2-4 Lino Carnaval Washed)を「邪・Roast」で焙煎したコーヒーです。
邪・Roast
「邪・Roast(じゃ・ロースト)」は、「コーヒー・パラノイア(珈琲狂)」の帰山人が開発した熱風式焙煎機です。帰山人が購入した原物の当時の価格は1770円、「邪・Roast」のロゴが入ると1770万円のようです(原物の値段は変動します)。
2018年4月1日付けの虚珈新聞によると、Paranoic(パラノイック)社のコーヒーサービス事業「邪・Roast(じゃ・ロースト)」は中止になったようです。帰山人は、パナソニック株式会社のコーヒーサービス事業「The Roast」のサービス開始の延期に、「あまりにもぶざまだ。」と噛み付いていましたが、「邪・Roast」のサービス開始も中止になりました。
本格的な味や香りを一般家庭でも手軽に楽しめるとするコーヒーサービス事業が、中止になっていたことが1日、本紙の調べでわかった。
「カフェリンピック」,帰山人の珈琲漫考 2018年4月1日.
しかし2019年12月18日、「邪・Roast」焙煎による「えすめらるだ げいしゃ」が突如として帰山人の珈琲遊戯に登場しました。
帰山人の珈琲漫考の2016年1月18日のエントリー、「ポップなコーン」では、「邪・Roast」のプロトタイプによるサンプルローストの様子が公開されています。この熱風式焙煎機による焙煎では、「味わいはやや淡白だが、香り立ちはとても良い。この傾向は、冷めても変わらない。」という味の評価になるようです。
エスメラルダ農園のゲイシャは、焙煎によってフレーバーをいかに引き出すかが最も重要です。「邪・Roast」によって、はたしてフレーバーを十分に引き出すことができるのかが見どころ、というより飲みどころです。
えすめらるだ げいしゃ
「えすめらるだ げいしゃ」は、パナマはボケテで
威を張るラ・エスメラルダ農園による2019年の
プライベートオークションロット100%の生豆を、
熱風焙煎機「邪 Roast」(じゃ・ロースト)で
焙煎しました。
※中煎りから深煎りまで混ざっていますが、
これは約50gずつ4回に分けて「邪 Roast」の
自動温度管理に任せて焙煎したためです。
各回毎の煎りぞろえは見事なものですが、
煎り止めが勝手に異なったため、全体として
焙煎度合いが異なる混合体となりました。
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中煎りから深煎りまでが混ざった状態です。
中煎り程度の焙煎豆と深煎り程度の焙煎豆を選別しました。
味
中煎り程度
プロ仕様の焙煎機で焙煎されたエスメラルダ・スペシャルと比較すると、味わいはとても淡白です。エスメラルダ・スペシャル特有のゲイシャフレーバーは意外に強く感じられますが、エスメラルダ・スペシャル特有のパワフルさはそれほど感じられません。この焙煎度で現れる柑橘系の酸味は少し感じられる程度です。フレーバーはそれなりに豊かに感じられますが、その割に味がのっぺりとした印象です。焦げっぽい印象が気になります。温かい状態と冷たい状態で印象に違いが生まれません。
深煎り程度
深煎りになると、香り立ちは控えめで、柑橘系の酸味と苦味が前面に出てきます。ここまで深く焙煎すると、ゲイシャ特有のフレーバーは控えめになりますが、味は割としっかり感じられるようになります。こちらも焦げっぽい印象が気になります。
混合体
混合体にすると、エスメラルダ・スペシャル特有のゲイシャフレーバーや柑橘系の酸味が強く感じられ、味もそれなりにしっかり感じられます。
味の平板さと焦げっぽさ、フレーバーがクリーンに感じられないのが難点ですが、それなりに美味しく飲めるコーヒーではあります。
グアテマラ エル・インヘルト農園 ゲイシャ
エル・インヘルト農園
エル・インヘルト農園(Finca El Injerto)は、グアテマラ(Guatemala)ウエウエテナンゴ県(Huehuetenango Department)ラ・リベルタード(La Libertad)に位置する農園です。コーヒー生産地域としては、ハイランド・ウエウエ(Highland Huehue)に区分されます。
エル・インヘルト農園については、以下の記事を参照してください。
える いんへると げいしゃ
ゲイシャという栽培品種に‘ゲイシャらしい’特徴が
あるとすれば、それは何なのか? 正直なところ、
私もわからなくなってきました。元となる株で決する
かと思えば、収穫年を経て香味が変わってしまう。
同じ株を違う国や産地で育てると、これまた変わる。
そうした中で、ただ酸っぱいわけでも、ただ臭いだけ
でもない、けれども焙煎中に「あ、ゲイシャだな」と
久しぶりに思えるロットのゲイシャに出遇いました。
それが、この「えるいんへると げいしゃ」です。
さすがグァテマラはウエウエテナンゴで威を張る(?)
エルインヘルト農園のゲイシャ、‘優等生’の香り。
クリアな甘酸っぱさとコクのある味わいが一体となる
焙煎度合を追ってみました。発酵による着香を抑えた
ウオッシュト(湿式精製)なので、臭みで誤魔化されて
いない独特の香味が感じられます。高級っぽく言えば、
よりフローラルな甘い香りをまとった洒落臭い感じ。
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【生豆と焙煎の仕立て】
グアテマラ共和国 ウエウエテナンゴ地区
エルインヘルト農園 ゲイシャ
ウォッシュト(湿式精製) 100%
直火の手廻し釜で火力一定の「一本焼き」20分05秒。
いわゆる‘インヘルトフレイヴァー’ともいえるクリアさ、
いわゆる‘ゲイシャフレイヴァー’ともいえる独特さ、
甘酸っぱさと甘苦さが交差するピンポイントを追って、
「高級上等! オレならこう焼く」って言いながら、
珈琲遊戯らしい中深煎りに仕上げました。ご笑味あれ。
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味
深煎りゲイシャの苦味にキレイな甘いフレーバーを纏わせた味わいです。ゲイシャ特有の酸味が残っており、苦味と甘さと酸味がハーモニーを奏でています。
ゲイシャの深煎り焙煎は、帰山人の珈琲遊戯ならではの他では見られない焙煎です。ゲイシャが深煎りで焙煎されると、ゲイシャ特有のフレーバーな鳴りを潜め、独特の甘いフレーバーが残るように感じます。
デミタス抽出すると、独特の甘いフレーバーが特に強く感じられます。
2020 ピーベリーブレンド 香ってマウス 甘いでチュウ
香ってマウス 甘いでチュウは、えるいんへると げいしゃのピーベリーが40%、インドネシア スラウェシ島 トラジャ ピーベリーが30%、ニカラグア リモンシリョ ブルボン ナチュラルのピーベリーが30%で構成されたピーベリーブレンドです。センターがエル・インヘルト農園のゲイシャで、両サイドをスラウェシ トラジャとリモンシリョ ブルボン ナチュラルが固めるという布陣、フォティーシックスの選抜コーヒーです。
香ってマウス 甘いでチュウ
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ただのピーベリーブレンドではありません。
エルインヘルトのゲイシャの丸豆が4割、
スラウェシのトラジャとリモンシリョの
ナチュラルの丸豆が3割ずつで計6割、
だから、「香ってマウス 甘いでチュウ」は
46(フォーティ・シックス)によるものです。
それも、センターがゲイシャで、両サイドに
トラジャとリモンシリョという選抜メンバー。
つまり、2020年を迎えるに相応しい
高級豆ばかりで構成されていまチュウ。
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【生豆と焙煎の仕立て】
グアテマラ共和国 ウエウエテナンゴ地区 エルインヘルト農園
ゲイシャ ウォッシュト(湿式精製) ピーベリー 40%
インドネシア共和国 スラウェシ島 トラジャ地区
カロシ スマトラ式精製(ギリン・バサ) ピーベリー 30%
ニカラグア共和国 マタガルパ地区 リモンシリョ農園
ブルボン ナチュラル(乾式精製) 30%
一粒一粒を手選別でピーベリー(丸豆)ばかりを精選しました。
実は、手選別で集めたピーベリーは他にもあったのですが、
「香ってマウス 甘いでチュウ」に相応しくなるように今回の
メンバーを選抜して構成しました。
全ての生豆を一つに混ぜて、直火の手廻し釜で「一本焼き」。
いわゆるモカ系の香りとは全く異なる、けれどしっかりとクセの
ある香りを感じられます。同時に、この構成と焙煎だからの
甘酸っぱさと甘苦さも味わえます…ご笑味ください。
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味
ゲイシャの独特に甘い香りを纏った、ダークチョコレートのような強いボディを持つコーヒーです。深煎りですが酸味も少し残る焙煎度合いです。ボディがかなりしっかりしているため、味の輪郭がはっきししており、その上に苦味と甘さと酸味を纏っているような印象です。
「期待を超えるコンピューター。」ならぬ「期待を超えるコーヒー。」です。
エチオピア グジ ゲレナ ゲイシャ G1 ナチュラル 「ジャスミン」
エチオピア グジ ゲレナ ゲイシャ G1 ナチュラル 「ジャスミン」は、エチオピア(Ethiopia)グジ地方(Guji Zone)に位置するゲレナ(Gelena)で生産されたゲイシャです。
ゲレナは、2014年にグジ地方に設立された新しい農園です。農園主はイスラエル・デガファ(Israel Degafa)です。
イスラエルは、2013年に「ケルチャンシェ(Kerchanshe)」というコーヒー貿易会社を設立した若い企業家です。彼は、ゲレナを含む多くの農園と精製所と所有しています。
茉莉花(まりはな)
エチオピアはグジ地区のゲレナ農園で栽培されて
乾式精製で仕上げられたゲイシャを入手しました。
以前に「ゲレザ」というブランド名が付されたG3の
生豆を焼いてみましたが、
今般は「ジャスミン」というブランド名が冠されたG1
(ナチュラル=乾式精製なのにG1?:笑)の豆を
焼いてみました。
生豆が「ジャスミン」なので、珈琲遊戯では「茉莉花」。
「茉莉花」は、一般的には「まつりか」と読みますが、
今般は強いて「まりはな」と読ませます。
だって(『アラジン』に登場する王女の)ジャスミンも
言っていたじゃないですか……
「ほんとうに魔法の世界みたい…」と。
だから「茉莉花」(まりはな)なのです。やってみな。
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【生豆と焙煎の仕立て】
エチオピア共和国 グジ地区 ゲレナ農園 G1
ジャスミン ゲイシャ ナチュラル(乾式精製) 100%
直火の手廻し釜で火力一定の「一本焼き」19分05秒。
生豆を売る方がG1と勝手に付しても、中米の粒揃いとは
全く違うので、そのバラつきも承知と覚悟の上です。
でも、さすがゲレナ農園のゲイシャ、確かにゲイシャで、
でもアビシニアンモカであり、どう抑えても意図的な
発酵の臭いが出てしまうナチュラル(乾式精製)です。
その「嗚呼やっぱり エチオピア グジ ゲイシャ だなぁ」
という独特に強い香味を最大限に生かそうと想って、
やや浅めの中深煎りで仕上げました。
ほんとうに魔法の世界みたい…「まりはな」ですから!
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味
ジャスミンのような甘い香りが印象的です。モカのようなフレーバーも感じられますが、とてもクリーンな味わいです。「ジャスミン」というブランド名の通り、ゲイシャの中でも特にジャスミンのような甘い香りの強いコーヒーです。
エチオピア モカ ゲイシャ MDMA
MDMAは、茉莉花(まりはな)を60%、エチオピア イルガチェフェ コンガ農協 G1 アビシニカ ウォッシュトを40%ブレンドしたエチオピア・ブレンドです。グジ地方とイルガチェフェ群という近隣地方と群の、ゲイシャとアビシニカという異なる品種がブレンドされています。
MDMA
Modish(モゥディッシュ:流行を追った)で
Delish(デリッシュ:おいしい)な
Mocha(モカ)コーヒーです。
Abyssinia(アビシニア=エチオピア)で採れた
ゲイシャとアビシニカ種を配合して、
深煎りに仕上げました。略して、
MDMA(えむ・でぃー・えむ・えー)です。
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【生豆と焙煎の仕立て】
エチオピア共和国 グジ地区
ゲレナ農園 G1 ゲイシャ ナチュラル(乾式精製) 60%
エチオピア共和国 イルガチェフェ群
コンガ農協 G1 アビシニカ ウォッシュト(湿式精製) 40%
直火の手廻し釜による「一本焼き」です。エチオピアで栽培された
ゲイシャとエチオピアで栽培された非ゲイシャ(アビシニカ?)を
混合焙煎したので、「エチオピア モカ ゲイシャ」と妙に名乗ります。
コンガを先行で投入、1分45秒後にゲレナを後追い投入して、
計22分15秒で仕上げました。どこまでがゲイシャで、どこまでが
モカなのか、深煎りでも、いや深煎りだからこそ得られる独特の
薫りと複雑な味わい、これは珈琲遊戯ならでは…ノメ。ゼッタイ。
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味
「茉莉花」の甘いゲイシャフレーバーが前面に感じられ、「茉莉花」と「イルガチェフェ」の特徴が渾然一体としています。深煎りの苦味に「茉莉花」と「イルガチェフェ」の明るい酸味が残っています。「茉莉花」の甘いゲイシャフレーバー以外は、どこからどこまでが「茉莉花」の特徴で、どこからどこまでが「イルガチェフェ」の特徴か判然としません。