ミカフェート グアテマラ サン・セバスティアン農園 ブルボン 2017年 2018年です。
ミカフェート(Mi Cafeto)は、「コーヒー・ハンター」ホセ(José. )川島 良彰氏によって2008年に設立されたコーヒー会社です。「すべては、コーヒーのために。(ALL FOR COFFEE)」を標語とし、「すべてのコーヒーをおいしくする」ことをミッションに、独自の明確な品質基準が設けられています。「本当においしいコーヒーの楽しみ方」で、川島氏のコーヒーに対する考え方が簡単に紹介されています。
グアテマラ サン・セバスティアン農園 ブルボン
サン・セバスティアン農園
サン・セバスチャン農園(Finca San Sebastián)(または、サン・セバスティアン農園)は、グアテマラ(Guatemala)サカテペケス県(Sacatepéquez Department)サン・ミゲル・ドゥエニャス(San Miguel Dueñas)に位置する農園です。コーヒー生産地域としては、アンティグア・コーヒー(Antigua Coffee)に区分されます。
サン・セバスチャン農園については、以下の記事を参照してください。
サン・セバスティアン農園とホセ・川島 良彰
仕事を終えて農園産のマカデミアナッツをあてに、ラム酒で乾杯。
— José. 川島 良彰 (@Josecafeto) May 15, 2019
サンセバスチャン農園を一望に収めるこの見晴台の天井は、コーヒーの幹で作られています。
暗くなるのを忘れて話が弾みました。 pic.twitter.com/rsIZqQWxib
ホセ・川島 良彰氏が、サン・セバスティアン農園を初めて訪れたのは1989年2月のこと、エルサルバドル国立コーヒー研究所(ISIC)(スペイン語:Instituto Salvadoreño de Investigaciones del Cafe)時代の恩師、ウンベルト・アギレラ氏に案内されてのことでした。川島氏はそこで第4世代の総支配人であるマリオ・ファジャ・ゴンザレス(Mario Falla Gonzales)氏と出会います。
*エルサルバドル国立コーヒー研究所で川島氏と一緒に学んでいた日本人に、「自家焙煎珈琲アステカ」の永森 裕良氏がいます。
アナカフェでの勉強を終え、次に向かったのはエルサルバトルにある中米最大の国立珈琲研究所イシック。イシックは、珈琲の栽培、品種改良等を行う研究所で、研究規模、権威ともに中米随一。イシックでは、現在はコーヒーハンターとして名高い川島良彰氏と共に、一年半勉学に励んだ。当時はニカラグア革命に伴う内戦が激化する非常に危険な中で農園に出向き、作業を行った。ヒゲを生やして現地人になりすまし、銃声が鳴り響く安アパートを転々とし、勉強を続ける毎日。ある日、軍の一部のクーデターに遭遇し、銃を突き付けられたことも。
「中米最大の珈琲研究所イシックへ」,自家焙煎珈琲アステカ
その当時の川島氏は、1988年に大西洋で発生したハリケーン・ギルバートで被害を受けたジャマイカのブルーマウンテンの農園の再建から、ハワイ・コナの農園開発を託されていた時期でした。マリオ氏に農園を案内された川島氏は、品質を最優先するこの農園のコーヒー生産に感銘を受け、このことがコーヒーの品質について目覚めるきっかけとなりました。
サン・セバスティアン農園のコーヒーは、川島氏によって1989年に日本に初めて紹介されますが、当時はスペシャルティコーヒーという言葉も一般的ではなく、普通のグアテマラ・コーヒーとして販売されていました。
2001年に川島氏とマリオ氏は、ブルボン2000というプロジェクトを計画します。これは農園の標高2,000mでブルボンを栽培するというプロジェクトで、現在のブルボン2000地区に植えられていたピーチの樹を引き抜いて、コーヒーノキが植えられました。
2003年4月3日、マリオ氏はブルボン2000地区の近くで心臓発作に倒れ、急逝してしまいました。その時、ブルボン2000地区のコーヒーノキはまだ実を付けておらず、マリオ氏がこのブルボンの日の目を見ることはありませんでした。
マリオ氏の死後、マリオ氏の従弟エストゥワルド・ファジャ・カスティージョ(Estuardo Falla Castillo)氏が新しい総支配人となりました。エストゥワルド氏はブルボン2000地区を、スペイン語でピーチを意味する「ドゥラスノ(Durazno)」から、「コンセプション・ドゥラスノ(Concepción Durazno)」と新たに名付け、栽培は継続されることになりました。
2008年に川島氏はミカフェートを設立、同年にグラン・クリュ・カフェ(Grand Cru Café)で最初に紹介されたのが、コンセプション・ドゥラスノのブルボン ウォッシュトです。ナチュラルは第5代目のエストゥワルド氏が2010年に初めて取り組み、2011年に日本で紹介されました。
品種
サンセバスチャン農園の低地1,500m辺りは、ちょうど開花のピークでした。 pic.twitter.com/emajIlxI67
— José. 川島 良彰 (@Josecafeto) May 15, 2019
品種はブルボン(Bourbon)です。
サン・セバスティアン農園の主な栽培品種は、ブルボン(Bourbon)とカツーラ(Caturra)です。農園では、サルバドール時代の栽培や精製の方法が、100年以上にわたって引き継がれています。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)、ナチュラル(Natural)、セミ ウォッシュト(Semi-Washed)です。
サンセバスチャン農園の新しい乾燥場。4段重ねで10トン乾燥できます。 pic.twitter.com/qIAlj5fNpY
— José. 川島 良彰 (@Josecafeto) May 19, 2016
サン・セバスティアン農園では、近年新しい乾燥場が建設されました。
この農園の精選技術に敵う農園には未だにお目に掛かったことはありません。特に乾燥技術は他を圧倒しています。それを支えているのは、4代に渡って乾燥を担当している家族です。こんな経験豊富なスタッフがいるからこそ、この農園の技術は抜きん出ているのです。
ミカフェート「グアテマラ ミルキーブルボン サン セバスティアン農園 セミウォッシュト」
ミカフェート グアテマラ サン・セバスティアン農園 ブルボン
グラン・クリュ・カフェ(Grand Cru Café) グアテマラ サン・セバスティアン農園 ブルボン ウォッシュト 2018年
精製方法
精製方法はウォッシュトです。
コンセプション・ドゥラスノのブルボン・ウォッシュトは、2008年に紹介された最初のグラン・クリュ・カフェです。
味
2018年度 極彩色なフルーツ風味が溢れ出る。清らかで活々とした酸味。後味は甘酸っぱく、それでいてカルメラのような香ばしさもある。風味の強さは2008クロップが甦ったかのよう。王道中の王道と呼ぶにふさわしい仕上がり。
ミカフェート
高品質のブルボンに特徴的な繊細な甘さとフルーティーな酸味が優しく広がります。同時にカラメルや焦がしバターのような香ばしいフレーバーも感じられます。特筆すべきは極めて透明感のある繊細な口当たりです。高品質のブルボンの中でも、特に透明感のある繊細な口当たりを特徴としています。極めて洗練された印象のコーヒーです。
グラン・クリュ・カフェ(Grand Cru Café) グアテマラ サン・セバスティアン農園 ブルボン ナチュラル 2018年
精製方法
精製方法はナチュラルです。
コンセプション・ドゥラスノのブルボンのナチュラルは、2010年に第5世代のエストゥワルド氏が初めて取り組み、2011年に日本に紹介されました。
サン・セバスティアン農園の乾燥工程では、コーヒーチェリーを重ならないように均一に広げ、1時間おきに反転させながら約24日乾燥させます。非常に時間と手間をかけて生産されたコーヒーです。
味
2018年度 アイスワインのような濃縮された甘さとアマレットのような風味、とろみのある質感。時折みせるローズの様な香り。ブルボンのナチュラルプロセスとは、本来かくあるべきという決定的な味わい。
ミカフェート
非常に繊細な甘さの奥に、バラやワインのようなエレガントなフレーバーが控えめに香ります。バラのようなフレーバーは冷めてくるほどにはっきりと感じられるようになってきます。バラやワインのようなエレガントなフレーバーと非常に繊細な味わいは、プルミエ・クリュ・カフェのブルボン・ナチュラルでは感じられない印象です。極めてエレガントな印象のコーヒーです。
レゼルバ(RESERVA) ミルキーブルボン グアテマラ サン・セバスティアン農園 セミ ウォッシュト 2017年
精製方法
精製方法はセミ ウォッシュトです。
ブルボンのセミ ウォッシュトは、2016年5月に川島氏がサン・セバスティアン農園を訪れた際に、エストゥワルド氏から紹介されたコーヒーです。標高1,700mで収穫されたそのブルボンのセミ ウォッシュトは、ミルクのような濃厚な風味を持つコーヒーでした。
ブルボンのセミ ウォッシュトは、2017年にレゼルバで紹介され、2018年にはコンセプション・ドゥラスノのブルボンでグラン・クリュ・カフェに登場しました。
グラン・クリュ・カフェのセミ・ウォッシュトは標高2,000mのコンセプション・ドゥラスノで栽培されたブルボンですが、レゼルバは標高1,700mで栽培されたブルボンです。このコーヒーは、「ミルキーブルボン」と名付けられています。
味
2017年度 アマレットのようなアロマが香り、甘く、キャラメルの風味が感じられる。とろけるような質感で、余韻にミルク香が残る。
ミカフェート
キャラメルチョコレートのような香ばしいフレーバーと甘さ、オレンジのような酸味、ミルクのようなまろやかな口当たりが印象的です。全体としてとろけるミルクキャラメルのような印象を生んでいます。冷めてくるに従って、アマレットのような印象が強くなります。
プルミエ・クリュ・カフェ(Premier Cru Café) グアテマラ サン・セバスティアン農園 ブルボン ナチュラル 2017年
精製方法
精製方法はナチュラルです。
プルミエ・クリュ・カフェのサン・セバスティアン農園のブルボンは、ナチュラルのみの取り扱いです。
味
オレンジやグレープフルーツのような甘酸っぱいフレーバー、チョコレートのようなフレーバーと甘さ、透明感のある繊細なボディが印象的です。チョコレートのような繊細なボディをベースに、このブルボン特有の柑橘系のフルーティーなフレーバーとチョコレートのような香ばしいフレーバーがキレイに香ります。プルミエ・クリュ・カフェにおいても、味わいはとても繊細なものです。
<参考>
川島 良彰(2013)『私はコーヒーで世界を変えることにした』,ポプラ社.
「グアテマラ サン セバスティアン農園」,MI CAFETO<https://www.mi-cafeto.com/brand/grandcrucafe/1>
「グアテマラ サン セバスティアン農園 ナチュラル」,MI CAFETO<https://www.mi-cafeto.com/brand/grandcrucafe/60>
「グアテマラ サン セバスティアン農園 セミウォッシュト」,MI CAFETO<https://www.mi-cafeto.com/brand/grandcrucafe/61>
「ミルキーブルボン グアテマラ サン セバスティアン農園 セミウォッシュト」,MI CAFETO<https://www.mi-cafeto.com/brand/reserva/54>