ミカフェートと帰山人の珈琲遊戯 グアテマラ サン・ミゲル ブルボンです。
ミカフェート(Mi Cafeto)は、「コーヒー・ハンター」ホセ(José. )川島 良彰(かわしま よしあき)氏によって2008年に設立されたコーヒー会社です。
帰山人の珈琲遊戯(GAME of COFFEE)は、鳥目散 帰山人(とりめちる きさんじん)氏によって2017年から始まった珈琲豆の焙煎販売です。
川島氏と帰山人氏の2人は、川島氏の言い方を借りれば、「コーヒーアミーゴ(コーヒー友達)」です。
グアテマラ サン・ミゲル ブルボン
サン・ミゲル・コーヒーズ
サン・ミゲル・コーヒーズ(San Miguel Coffees)は、サン・セバスチャン農園を経営するファジャ家(Falla Family)の別農園です。コーヒー生産地域としては、アンティグア・コーヒー(Antigua Coffee)に区分されます。
サン・ミゲル・コーヒーズについては、以下の記事を参照してください。
品種
品種はブルボン(Bourbon)です。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)です。
コーヒーは、比重選別によって未成熟の豆を取り除いた後、パルピング(果肉除去)後、12時間から18時間の水槽発酵させます。サン・ミゲルは効率的に水を使用できるミルを所有しており、環境に配慮して水が使用されています。
乾燥工程はパティオで7日間から14日間、水分含有量10%から12%まで乾燥させます。
ホセ(José. )川島 良彰と鳥目散 帰山人
ホセ(José. )川島 良彰氏と鳥目散 帰山人氏が最初に出会ったのがいつなのか定かではありませんが、2人がまだ10代の頃に、すでにすれ違っていたかもしれません。
この1975年頃、当時小学生だった私は、初めて‘ウマイ’と思えるコーヒーに出会った。私の父が勤務先近くの店で豆と抽出器具を買ってきて、自宅でレギュラーコーヒーを淹れたのである。‘ウマイ’、だがもっともっと‘ウマイ’コーヒーがあるのではないか?…ホセが「コーヒー乃川島」を営む実家を出て‘コーヒーハンター’への歩みを踏み出した頃に、そんなこととは露知らぬ私は、「コーヒー乃川島」のコーヒーを喫して‘珈琲狂’への歩みを踏み出していたのである。
「珈琲への扉」,帰山人の珈琲漫考 2013年5月11日.
「「コーヒー乃川島」のコーヒーを喫し」た帰山人氏が、川島氏と実際に接近遭遇していたかどうかはわかりません。しかし、それぞれ違った形でコーヒーの道を歩んだ2人はのちに友人となります。
*追記:川島氏と帰山人氏が最初に出会ったのは、1992年に神戸ポートアイランドのUCC上島珈琲株式会社(本社ビル3階大会議室)で開催された「国際コーヒー文化会議」でのことのようです。
1992年5月にUCC上島珈琲の新本社ビルで開催された「国際コーヒー文化会議」に出席するためにホセは一時帰国した(私は川島良彰氏の存在を知っていたが、直接に顔を合わせたのはこの催事が初である)。
「コーヒーハンター アウトポスト」,帰山人の珈琲漫考 2020年4月24日.
帰山人氏の「帰山人の珈琲遊戯」のコーヒーは中川 正志(なかがわ まさし)氏の「フレーバーコーヒー」を通して販売されていますが、中川氏を川島氏と石光商事(株) 代表取締役社長で『コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために』で知られる石脇 智広(いしわき ともひろ)氏に引き合わせたのは帰山人氏です。
場を「味処 幸ちゃん」へ移した催事後の懇親会に参加。「フレーバーコーヒー」中川正志氏を川島良彰・石脇智広両氏に引き合わせれば、大物対談(?)始まり、シメシメ、ニヤニヤ。
「進化するコーヒー? 雑記篇」,帰山人の珈琲漫考 2014年8月22日.
この懇親会は、「珈琲工房 ひぐち」の代表である樋口 精一(ひぐち せいいち)氏が東京大学 東洋文化研究所 池本研究室の「コーヒーサロン」を招来して、2014年8月20日に催された「進化するコーヒーを語ろう」という催事後に行われました。珈琲工房 ひぐちではミカフェートの生豆も取り扱われており、サン・ミゲルのブルボンも購入することができます。
帰山人氏が、サン・ミゲルのブルボンの生豆をどこで入手したのかはわかりません、ミカフェートから譲り受けたのか、珈琲工房 ひぐちから譲り受けたのか。しかし、このサン・ミゲルのブルボンの生豆は、ミカフェート取り扱いの生豆であることは確かなようです。
いずれにせよ、ミカフェートの生豆を焼いてみたい欲は捨てられなかったようで、2020年1月15日、ミカフェート取り扱いの生豆を帰山人氏が焙煎したコーヒーが、ついに帰山人の珈琲遊戯に登場しました。
そりゃ私も焼いてみたいっすよ。でも‘グランクリュ’は生豆では出さないし、‘プルミエ クリュ’もキビしいでしょうなぁ。ワインならばまだあきらめがつくかもしれないけれど、コーヒーの場合は「焼いてみたい」欲は捨てられないよネ(笑)
「珈琲への扉」コメント欄の帰山人氏のコメント,帰山人の珈琲漫考 2013年5月11日.
この「珈琲への扉」のエントリーの1週間後の2013年5月18日、帰山人氏はかつて「コーヒー乃川島」本店であった「川島珈琲店」を約四半世紀ぶりに訪れました。
同2013年5月18日、さらに車を走らせて他用の合間に、「川島珈琲店」を訪ねる。懐かしい北街道の街並み、暫く店の前に佇んで周囲を見渡す…この豆売り店が同じ場所で「コーヒー乃川島」本店であった頃、最後に寄ってから約四半世紀ぶりの訪。「タンザニア・ピーベリー」の試飲コーヒーをいただき、昔話(?)を混じえた談話を店員と交わしながら豆を選ぶ。帰宅後に早速淹れてみた「ハワイ・カウアイ」、コクのある酸味は予想以上で好いが、産地の味わいというよりも‘川島’の味わい、久しぶり。ふと、先代社長の川島康雄氏(コーヒーハンター・ホセ川島氏と現社長・啓晃氏の父/2009年7月22日没)に、「コーヒーの苑」のハイブレンドと同じ産地種別の配合で私だけのブレンドを作ってもらった昔を思い出し、独り笑う。時代の風薫るコーヒー。
「薫風つれづれ」,帰山人の珈琲漫考 2013年5月18日.
ミカフェートと帰山人の珈琲遊戯 グアテマラ サン・ミゲル ブルボン
コーヒー・ハンターズ(COFFEE HUNTERS) グアテマラ サン・ミゲル ブルボン
ミカフェートでは、サン・セバスティアン農園のブルボンは、グラン・クリュ・カフェ(Grand Cru Café)、レゼルバ(RESERVA)、プルミエ・クリュ・カフェ(Premier Cru Café)の高級ラインで取り扱われています。サン・ミゲルのブルボンは、コーヒー・ハンターズ(COFFEE HUNTERS)の普及ラインで取り扱われているコーヒーですが、一般的なスペシャルティコーヒーを上回る品質基準で作られています。
サン・ミゲル
味
オレンジやグレープフルーツのような甘酸っぱいフレーバーとブルボンに特有のナッティーなフレーバー、チョコレートのようなボディと甘さがあり、余韻が長く続きます。ベースのチョコレートのようなボディが、柑橘系の酸味と甘さをうまく調和させています。
サン・セバスチャン農園のブルボンに比較すると、サン・ミゲルのブルボンはチョコレートのようなボディがしっかりしたブルボンです。
サン ミゲル ダーク
味
深煎りになると、香ばしいアーモンドのようなフレーバーとダークチョコレートのような濃厚なボディ、ほのかな甘さが印象的です。深煎りになってもなお、繊細でまろやかな口当たりです。粒揃いのいいコーヒーなので、苦味もクリーンです。
帰山人の珈琲遊戯 ヨン ミゲル ダーク
ヨン ミゲル ダーク
コーヒーハンターを名乗るホセ川島が営むミカフェートの
「Grand Cru Café」や「Premier Cru Café」でもおなじみ、
グァテマラの名園サンセバスティアン農園と同じオーナーが
経営する「サンミゲル農園」で作られたブルボン亜種の
コーヒー生豆を原料100%にしています。
ミカフェートでは通常のSM(サンミゲル)より
焙煎度合を浅くしたものをSM⁻(サンミゲル ライト)、逆に
焙煎度合を深くしたものをSM⁺(サンミゲル ダーク)として
いますが、今般の珈琲遊戯はさらに圧倒的に深煎りです。良質の生豆を焙煎して、サンをヨンにする挑戦です…
フレーバー 通販ページ
だからダークな「ヨンミゲル」です。
ダークチョコレートやローストアーモンドのような苦甘さが
充分に形成されるところ、でも酸味も消失しきらないまま、
コク深さを重ねて感じられるところ、ここを狙いました。
グァテマラでありアンティグアである深みのある芳醇さ、
その真髄を珈琲遊戯の「ヨンミゲル」で追究しています。
【生豆と焙煎の仕立て】
グアテマラ共和国 アンティグア地区
サンミゲル農園 SHB
ブルボン亜種 ウォッシュト(乾式精製) 100%ミカフェートではCOFFEE HUNTERS(コーヒーハンターズ)の
フレーバー 通販ページ
ブランドで通途なサンミゲル農園のコーヒー生豆を入手して、
直火の手廻し釜で火力一定の「一本焼き」、焙煎時間22分45秒。
「ヨンミゲル」になったサンミゲルの深煎りを、ご笑味ください。
ミカフェートのサンミゲル ブルボンは、「コーヒー・ハンターズ」ラインで取り扱われてる「サン ミゲル」と「サン ミゲル ダーク」の2種類があります。帰山人氏は「サンミゲル」を「圧倒的に深煎り」にすることで、「ヨンミゲル」に変貌させました。
味
ミカフェートの「サン ミゲル ダーク」でも感じられた香ばしいアーモンドのようなフレーバーとダークチョコレートのような深みのある濃厚なボディがあり、ミルクのような甘さとまろやかな口当たりがより強く感じられます。そこに帰山人氏の焙煎と釜由来の独特の香味が加わっています。ミカフェートの「サン ミゲル ダーク」よりもアーモンドのような香ばしさとミルクのような甘さがより強く感じられます。
<参考>
川島 良彰(2013)『私はコーヒーで世界を変えることにした』,ポプラ社.
「【コーヒー 豆/粉】サン ミゲル農園 サン ミゲル COFFEE HUNTERS」,MI CAFETO<http://shop.mi-cafeto.com/fs/micafeto/coffeehunters/san_miguel>
「【コーヒー 豆/粉】サン ミゲル農園 サン ミゲル ダーク COFFEE HUNTERS」,MI CAFETO<http://shop.mi-cafeto.com/fs/micafeto/coffeehunters/san_miguel_dark>