BALMUDA The Brew バルミューダ ザ・ブリュー コーヒーメーカー
BALMUDA The Brew バルミューダ ザ・ブリュー
BALMUDA The Brew(バルミューダ ザ・ブリュー)は、2021年9月8日に予約販売を開始、10月7日から正式販売されたバルミューダ製コーヒーメーカーです。STARBUCKS RESERVE®(スターバックス リザーブ®)と協業した特別モデル、BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED(バルミューダ ザ・ブリュー スターバックス リザーブ リミテッド エディション)も販売されています。
バルミューダ ザ・ブリューは、最初の構想から約6年を経て、販売に至りました。
コーヒーメーカーの開発が始まったのは「バルミューダ ザ・トースター(BALMUDA The Toaster)」の発売直後の2015年後半。約6年間、試行錯誤を重ねてきた。同社の商品設計部でプロジェクトリーダーを務める岡山篤氏は「約6年、何度も開発しては失敗の繰り返しだった。バルミューダ ザ・ブリューの原型となるモデルができたのは約2年前。最初の試作機の段階で『これだ!』という味はできていたが、誰でも、いつでも、どこでも再現できるようにするまでに時間がかかった。最高のコーヒーメーカーができたと思う」と完成までの道のりを振り返った。
「「最良のコーヒー体験に」バルミューダ、完成まで約6年かけたコーヒーメーカーをついに発売」,FASHIONSNAP 2021年9月8日.
バルミューダの社長である寺尾 玄(てらお げん)は、2015年からコーヒー製品の開発を始めました。エアロプレス、スチームプレス、スチームプレスを使ったカプセル式コーヒーメーカーと試行錯誤の後、開発を諦めていたところ、バルミューダ ザ・ブリューの開発のリーダーとなる太田 剛平(おおた たけひら)が開発に名乗り出ました。
開発にあたった太田剛平さん(38)は大のコーヒー好きだ。人がおいしいコーヒーをいれる際の手順を忠実に再現できないか。既存の製品には満足できなかった。
「「驚き」「喜び」に商機 [岐路の資本主義]第1部<5 最終回>」,讀賣新聞オンライン 2022年1月7日.
太田は、前職が自動車関連のメーカー勤務のコーヒーマニアです。
バルミューダの太田氏は、前職は自動車関連のメーカー勤務で自動運転の制御に携わっていた異色の経歴の持ち主。「既存のコーヒーメーカーで自分が満足できるものが無く、コーヒー好きが高じて、いつかは自分で作ってみたいという思いが元々あった。実は入社するまでコーヒーメーカーのプロジェクトがあることを知らなかったが、今回私がやりたかったことと、バルミューダが取り組んでいることがたまたま合致した」と話す。また「コーヒーマシンと車の制御は似ているところがある」とし、前職で培った知識が開発にも活かされているという。バルミューダ ザ・ブリューにおいては、主にソフトウェア制御や味の作り込みなどを担当した。
「開発者は自動車業界出身の"コーヒーオタク"、バルミューダとスタバによるコラボコーヒーメーカー開発秘話」,FASHIONSNAP 2021年11月4日.
バルミューダ ザ・ブリューは、ストロングな味わいとクリアな後味「ストロング&クリア」を実現するために、「Clear Brewing Method(クリア ブリューイング メソッド)」という独自の抽出方法を採用しています。
「自分でやれ」と言われた太田さんがひざの下でやったのは、ハンドドリップのコーヒー液を30mlずつ分けて飲む実験でした。味はだんだん渋くなり、最後には雑味だらけで渋いお茶のような味に。そこで4分の3ほどで抽出を止めてお湯を足すと、雑味のないクリアな味のコーヒーが作れました。
お湯割りにしたことで味は薄くなってしまいますが、「割る前のものを飲んでみると明らかにおいしかった。全量の粉で入れたものより倍くらいはおいしい。この味が最後に上がってくればいいんじゃない」(寺尾社長)いうことで、太田さんたちはバイパス注湯方式を使ったコーヒーメーカー開発をスタート。毎日、朝から夜までコーヒー浸りになりながら開発を進めました。
盛田 諒「バルミューダついにコーヒーメーカー発表「家で飲めるレベルじゃない」」,家電ASCII 2021年9月8日.
この抽出方法では、4分の3の湯量でコーヒーを抽出した後、「バイパス注湯」で4分の1の湯量を加水します。
まず、いちばんはコーヒーがもつ素晴らしい香りや苦み、そこに華やかさとか酸味などが加わります。これを最大限に引き出すんです。
でも、それを出しすぎると嫌だと感じるえぐみや雑味も出てしまう。これをゼロにする方法を考えていたとき、開発の中心メンバーだった太田(剛平)くんがある発見をしました。「雑味は最後の25パーセントで出ます」と言うんですね。ならば、そこまで思いっきり濃く出しておいて、あとは止めてお湯で割ろうと考えました。そして、十分にいい味は出ながらも、後味が驚くほど透明感がある──という今回の方法を編み出したわけです。
「「本能の飲み物」としてのコーヒー、その“ありがたみ”を最大化する:バルミューダ・寺尾玄が語ったモノづくりの現在地(前編)」,WIRED 2021年11月7日.
最初に成分を抽出した後に加水して薄めるという抽出方法、豆の種類、焙煎度合い問わず、抽出方法を一定にするという考え方は、松屋コーヒー本店の「松屋式」と同じ考えです。
このバルミューダ ザ・ブリューは、Coffee ProのMIRACLE AUCTIONで購入した商品です。Coffee Proの傘下にあるフレーバーコーヒーのYouTubeチャンネル、フレーバー放送局では、バルミューダ ザ・ブリューを使用した「松屋式」をはじめとして、様々な検証動画が投稿されています。
このバルミューダのコーヒーメーカーは中古です。
それも実験のためにいろいろと改造しました。その部分に関しては一応戻しておきました。
しずくだれ防止機能に関しては外してあります。しかし、ドリップに関しては全く問題なく動きます。
Coffee Pro
バルミューダのコーヒーメーカーの性能を損なうような状態にはなっていませんので安心してください。
BALMUDA The Brew バルミューダ ザ・ブリュー
取扱説明書 コーヒーメーカー(家庭用) K06Aシリーズ:https://www.balmuda.com/downloads/pdf/K06A_JP.pdf
ドリッパーとサーバー
ドリッパーは円錐形です。
「ドリッパーの形は、一般的に台形か円錐形の2つ。前者はお湯を溜めつつ出すのでゆっくり、後者は溜めずに出すので速いという特徴があり、『BALMUDA The Brew』は後者ですね。遅いか速いかは一長一短で、台形は雑味が出にくいのですが、豆本来のおいしさも出にくいんです。一方、円錐形はおいしさをダイレクトに出しやすいぶん、雑味も出てしまいがち。
この雑味を防ぐために、適切な湯量を適切なタイミングでコーヒー豆に注げるよう、ソフトウェア制御でしっかりコントロールしています。温度管理もそうですね。いかにコーヒー豆のおいしい部分だけを抽出できるかを考えて、ネガティブな風味が出る温度までは上がらないようにしているんです」(太田さん)
中山 秀明「開発者は筋金入りのマニアだった! バルミューダのコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」のこだわりを聞く」,GetNaviweb 2021年10月2日.
本体上部はオープンドリップ式の開放系となっています。抽出の様子を観察でき、音や香りが楽しめる設計になっており、抽出時に噴き上がる蒸気も演出と捉えることもできます。
サーバーは、真空二重構造のステンレスを採用しています。味の劣化を防ぐため保温機能を削っていますが、抽出が始まる前にスチームで温めることにより、温度低下を抑えています。また、サーバーの底にはマグネットが仕込まれており、マグネットを検知することで、他のものが置かれても動作しない仕様になっています。
ペーパーフィルター
バルミューダのオリジナルフィルターが付属しています。大きさは市販の1〜4杯用、2〜4杯用のペーパーフィルターと同じサイズです。使い終わった後は、市販の1〜4杯用、2〜4杯用のフィルターで代用できますが、バルミューダのオンラインストアでオリジナルフィルターを購入することもできます。
付属のペーパーフィルターを使い終わった後はどこで購入できますか?:https://www.balmuda.com/jp/support/brew/k06a/1809
抽出
モードはレギュラー、ストロング、アイス、カップは1~3杯(レギュラー、ストロング 約120ml・約240ml・約360ml、アイス 約75ml・約150ml・約225ml)から選択できます。
電源を入れると橙色のランプが付き、同時に加熱が始まります。スチームでサーバーを温めた後、5つの孔からシャワーのようにお湯が噴出し、抽出が始まります。
杯数に応じて、93℃で25~40秒の蒸らし、その後83℃まで温度を段階的に下げながら、500円玉くらいの大きさの範囲にシャワーで0.2ml単位の細かな注湯が行われ、仕上げに86℃のバイパス注湯で加水されます。開始音と完了音、抽出中は古時計の振り子をイメージした音が鳴ります。
味
抽出に使用したコーヒーは、MIRACLE AUCTIONでバルミューダ ザ・ブリューを購入した際に付属していたDirect Fire Roast 環 イエメン ハイマ・ハリジヤ イエメニアです。
注湯が細かく制御されているため、10gのレギュラーモードの抽出でも、味が強く出ます。そのため、ハンドドリップでは難しい粉量の少ない抽出でも、しっかりとした味わいが実現します。味が強く出る分、フレーバーは出にくく、後味に若干イガイガした感じが残ります。
抽出方法が固定されているため、味や濃度の調整は挽き目と粉量で調整するしかありませんが、その分調整方法はシンプルです。粉量を少なくしても味がしっかりと出るため、経済的です。
総評として、スタイリッシュなデザインとシンプルな操作性、味の実現性、巧みに設計されたコーヒーメーカーという印象です。