モハメッド・アブディラヒ・オグサデイとM.A.O. ハラール・ホース

モハメッド・アブディラヒ・カヒン・オグサデイ

モハメッド・アブディラヒ・カヒン・オグサデイ（Mohammed Abdillahi Kahin Ogsadey, 1920 - 2006）は、エチオピアを拠点とするソマリアの実業家で、アフリカ初のコーヒー輸出企業であるM.A.O. ハラール・ホース（M.A.O. Harar Horse）を設立しました。

オグサデイは、1920年にソマリアのガビリー（Gabiley）の貧しい家庭に生まれました。父親のアブディラヒ・カヒン（Abdillahi Kahin）は、貧しい貿易商でしたが若くして亡くなり、母親が4人の息子と1人の娘を育てました。オグサデイとアリ・アブディラヒ（Ali Abdillahi）とアダン・アブディラヒ（Adan Abdillahi）の3人の兄弟は、コーヒービジネスに大きく関わり、ハジ・アスカル・アブディラヒ（Haji Askar Abdillahi）はガビリーに残り、やがて自分の名を築き上げました。

オグサデイと2人の兄弟は、やがて仕事とより良い未来を求め、エチオピアに移り住むことになりました。オグサデイはトラック運転手として、慎ましいスタートを切りました。その後、彼らは1942年にM.A.O.コーポレーション（M.A.O. Corporation）を設立し、東アフリカ最大級と言われるコーヒーの輸出入帝国を60年近くにわたって築き上げました。

オグサデイはコーヒーを扱い、アリは日々の取引の管理を担当し、最年少のアダンは商品の輸送を担当しました。オグサデイには20人の子供がおり、多数の姪、甥、孫が彼の巨大ビジネスに深く関わっているか、海外留学しています。

オグサデイは、面倒見の良い人物で、家族愛が成功の主な理由であると語っていました。その勤勉さが実を結び、やがてビジネスを3つの大陸に広げました。

2006年2月9日、オグサディはソマリランドのガビリーで妹のハリモ・アブディラヒ（Halimo Abdillahi）が亡くなった後、ソマリランドに向かう途中、エチオピアのジジガ（Jijiga）郊外で心臓発作により死去しました。享年86歳でした。

オグサデイは、公の場で自分の富について語ることはありませんでしたが、大方の推定では、彼が亡くなった時点で最低2億7,500万米ドル（30億エチオピア・ブル以上）であると考えられています。長いキャリアを通じて、彼はコーヒー、不動産、ガソリンスタンド、銀行など、さまざまな業界で支配的な人物となりました。1980年代の一時期、彼はエチオピアで最も裕福な人物でしたが、この地位は後に億万長者のモハメド・アル・アムーディ（Mohammed Al-Amoudi）が占めることになりました。

M.A.O. ハラール・ホース

オグサデイが亡くなった2006年以降、M.A.O.は弱体化し、以前と同じようには経営がうまくいかなくなりました。一時期日本には、オグサデイの甥にあたるラシッド・アブディラヒ（Rashid Abdullahi）によって、ハラー・ホース・ブランドの栄光の時代のコーヒーを再現した「ナフィシフィ（Nafisifi）」というロットが販売されていました。