マレーシア コピ・パク・マト(Kopi Pak Mat)
コピ・パク・マト(Kopi Pak Mat)
コピ・パク・マト(Kopi Pak Mat)は、マレーシアのマレー半島で製造されるコーヒーです。このコーヒーを製造するモハド・サビア・カディール(Mohd Sabiah Kadir)と妻のカエダハ・アフマド(Kaedah Ahmad)は、約40年にわたりこの仕事をしてきました。
コピ・パク・マトは、薪ストーブでコーヒー豆を真っ黒になるまで揚げ、砂糖と一緒に煮込み、レソン・ヒンディク(Lesung Hindik)という乳棒を使った木製の乳鉢を使って粉砕するなどの特徴があります。使用されるコーヒーは、インドネシアから輸入されたロブスタ種とリベリカ種のようです。
コピ・パク・マトは1981年に製造を開始し、このコーヒーパウダーの需要の高さから、現在毎月約200ポンドが製造されています。しかし、彼ら夫妻はすでに老齢のために、需要のすべてを満たすことはできません。
特異な方法によって製造されるコピ・パク・マトは、スペシャルティコーヒー(Specialty Coffee)ならぬスペシャルトラディショナルコーヒー(Special Traditional Coffee)です。
焙煎方法
コーヒー豆を焼くのではなく揚げるコピ・パク・マトの焙煎方法は、オイル・ローストの一種(?)かもしれません。オイル・ローストについては、中川 正志(なかがわ まさし)氏のフレーバーコーヒーの「オイルローストコーヒーをつくろう」や、「週刊フレーバー・オイルローストコーヒーを試す」、「週刊フレーバー・オイルローストコーヒーを極める」を参照できます。
この週刊フレーバーのオイル・ロースト回は、帰山人の珈琲漫考「JCS喋喋記(2)」に触発された回のようです。
抽出液の香味は、少なからず油っぽい感じが出ますが、例えば通常のアラビカ種の深煎りを基準にすれば、ゲイシャ種やモカ種の浅煎りの香味ほどにも差異はありません。まぁ、普通のコーヒーには無い油臭さをオイルロースト抽出液で意識すると余計に違和を感じてしまう、ってコトでしょう。他人に黙って飲ませれば、「なんか変わった風味がするな」程度です、意外と。
「JCS喋喋記(2)」,帰山人の珈琲漫考 2021年12月04日.
<参考>
"Pak Mat's traditional coffee a specialty",BERNAMA<https://www.bernama.com/en/news.php?id=1857441>
"Aroma of wood kitchen coffee | Daily Metro",Tekdeeps<https://tekdeeps.com/aroma-of-wood-kitchen-coffee-daily-metro/>
"Special traditional coffee from Sik’s ‘Kopi Pak Mat’",Malay Mail<https://www.malaymail.com/news/eat-drink/2020/07/05/special-traditional-coffee-from-siks-kopi-pak-mat/1881591>
"Keistimewaan kopi tradisional Pak Mat",Sinar Harian<https://www.sinarharian.com.my/article/90833/EDISI/Utara/Keistimewaan-kopi-tradisional-Pak-Mat>
"Keistimewaan kopi tradisional Pak Mat",Astro Awani Network<http://www.astroawani.com/berita-malaysia/keistimewaan-kopi-tradisional-pak-mat-249888>