老舗 あづみ
スポンサーリンク

老舗 あづみ

歴史

老舗あづみは、昭和2年(1927年)に創業しました。創業者である安積 勇が京都府綴喜郡井手町に自園と製茶加工場を構え、宇治茶の卸業を始めたことがその始まりです。宇治は日本を代表する茶どころとして知られ、その地で培われた製茶技術と品質へのこだわりが、あづみの基盤となりました。

1940年(昭和15年)には鐘紡株式会社の茶業本部である昭和産業の嘱託として宮崎茶の卸販売を開始しました。1950年(昭和25年)には鐘紡の茶業部廃止に伴い、宮崎市(現・新富町)にある約10ヘクタールの茶園と工場を取得し、生産から製茶加工までを担う体制を整えました。温暖な宮崎の気候は茶の栽培に適しており、品質の安定と向上が図られました。

1972年(昭和47年)には札幌市に支店を開設し、北海道で小売および卸売を開始しました。老舗あづみは、北海道において一番最初に深蒸し茶の販売を手がけた存在として知られています。深蒸し茶は通常より長い時間蒸すことで、茶葉の内部まで十分に熱が通り、濃厚な旨味とまろやかな味わいが引き出される製法です。一方で、茶葉が細かくなりやすく、当時は見た目の点で評価が分かれることもありました。そのような中で製法の改良と品質向上が重ねられ、北海道の風土や嗜好に合った味わいが追求されてきました。

1977年(昭和52年)には個人事業から法人へ移行し、株式会社安積製茶工場を設立しました。1982年(昭和57年)には札幌市西区琴似に自社ビルを構え、1990年(平成2年)には宮崎と札幌を分社化、本社を札幌へ移転しました。代表者は安積 孝三が就任し、1996年(平成8年)には増資により株式会社へと組織変更が行われ、経営体制の強化が図られました。

京都で創業し、宮崎で生産基盤を築き、北海道で販路を広げたあづみの歩みは、日本茶の伝統を背景に地域に根ざした展開を行ってきた歴史でもあります。とりわけ深蒸し茶に注力し、見た目にとらわれず味わいを重視する姿勢は、多くの顧客に支持されてきました。濃厚でまろやかな風味は、日常の中で親しまれる味として広がりました。

しかし、長年にわたり営業を続けてきた老舗あづみは、諸般の事情により2026年3月をもって閉店することとなりました。イオン各店や丸井今井各店などの店舗は2026年2月中旬から順次閉店し、琴似本店も同年3月に営業を終了しました。

昭和初期に京都で産声を上げた一軒の茶商は、およそ一世紀にわたり日本茶の販売と製茶に携わってきました。その歴史は、産地と消費地を結びながら、時代の変化とともに歩んできた軌跡といえます。

外観

老舗 あづみ

内観

閉店のお知らせ

メニュー

静岡茶

まろやかでコク深い味わいです。緑茶の味がしっかりと感じられます。

Xでフォローしよう

おすすめの記事