*以下、メモ書きと紹介。
キャーティプ・チェレビー(Kâtip Çelebi)著、ジェフリー L. ルイス(Geoffrey L. Lewis)訳の『真理の天秤(The balance of truth)』の日本語訳がオンライン上で読むことができます。『真理の天秤』には、「六. コーヒー(SIX COFFEE)」という章があります。内容はリンク先の翻訳で確認してください。
levha.netというサイトでは、ジェフリー L. ルイスによる英語訳の『真理の天秤』が、日本語で全訳されています。イスラムに関して非常に参考になるので、全文読まれることをおすすめします。
『真理の天秤』の「五. たばこ」という章では、コーヒー・ハウスの営業禁止とともに、火事の原因となったという理由で喫煙も禁じられることになったと述べられています。
その後、故スルタン・ムラド四世が在位の終わり間際になって、「邪悪な行為の門を閉ざすため」との理由でコーヒー・ハウスの営業を禁じたが、それと同時に、ある不審火の発生原因となったという理由で喫煙も禁じられることになった。2(原文:After that, the late Sultan Murad IV, towards the end of his reign, closed down the coffee-houses in order to shut the gate of iniquity, and also banned smoking, in consequence of certain outbreaks of fire.2)
2. ムラト四世はわずか十二歳で即位した。ほぼ無政府状態といっていい時代、反抗的なテュルクの兵たちには、冷酷な処置を取らざるをえなかった。彼はコーヒー・ハウスを閉鎖し、喫煙に対しては死罪をもって禁じた。1633年9月16日、イスタンブルの1/5を破壊した大火事から二週間後のことである。コーヒー・ハウスは退廃の温床ではあったが、しかしスルタンが喫煙を禁じた理由はほとんど不明である。カディザーデ・メフメド・エフェンディ(第二十一章を参照)が、煙草は罪深い革新であるとの考えから、非合法化するようスルタンを説得したのだとする意見もある。歴史家たちによれば、大火事は喫煙者の不注意によるものではなく、水もれを防ぐためのかしめ作業を行なっていた船着場が原因であったという。(原文:2 Murad IV (1623-40) had come to the throne when barely 12 years old, in a period of anarchy, and had been obliged to take ruthless measures against the mutinous Janissaries. He closed the coffee-houses and forbade smoking on pain of death, on 16 September 1633, a fortnight after the great fire which destroyed one-fifth of Istanbul. The coffee-houses were breeding-places of disaffection. The reason for the Sultan's objection to smoking is less obvious: some say he was persuaded to outlaw tobacco by Qadizade Mehmed Efendi (see Chapter Twenty-one), who regarded it as a sinful innovation. According to the historians, the great fire was not due to a careless smoker but started in a shipyard where caulking was going on. )
『真理の天秤』 著 キャーティプ・チェレビー 訳と解説 G. L. ルイス 「五. たばこ」levha.net 2016年3月13日.
キャーティプ・チェレビーは、1657年に一杯のコーヒーを飲んでいたときに亡くなりました。
1657年10月、彼は不意に、だがおだやかな死を迎えた。ちょうどカップに一杯のコーヒーを飲んでいたところだった。(原文:He died in October 1657, peacefully and suddenly, while drinking a cup of coffee.)
『真理の天秤』 著 キャーティプ・チェレビー 訳と解説 G. L. ルイス 「はじめに I. 著者と作品について」levha.net 2016年3月2日.
彼は「カップ一杯のために」亡くなったのでしょうか?
とりわけこれを愛飲する常習中毒者たちは、これぞ生きるための活力、喜びの源と見なしており、このカップ一杯のために死ぬ気まんまんだったのである(原文:Drug-addicts in particular, finding it a life-giving thing, which increased their pleasure, were willing to die for a cup. )
『真理の天秤』 著 キャーティプ・チェレビー 訳と解説 G. L. ルイス 「六. コーヒー」levha.net 2016年3月13日.
*スーフィズムに関して、「年表・The A to Z of Sufism」が役立ちます。