讃喫茶室 尾山台と帰山人の珈琲遊戯 タンザニア モンデュール AAです。
讃喫茶室 尾山台は、2018年に開業した東京都世田谷区の尾山台駅近くにある自家焙煎珈琲店です。兵庫県宝塚市の自家焙煎珈琲店 讃喫茶室の姉妹店です。代表は浅野 嘉之(あさの よしゆき)、店主は泰圓澄 秀一(たいえんちょう しゅういち)です。
帰山人の珈琲遊戯は、2017年に始まった鳥目散 帰山人(とりめちる きさんじん)による焙煎豆販売です。
タンザニア モンデュール AA
モンデュール・コーヒー・エステーツ
モンデュール・コーヒー・エステーツ(Mondul Coffee Estates)は、タンザニア(Tanzania)アルーシャ州(Arusha Region)に位置する農園です。モンデュリ山(Mount Monduli)の斜面に位置しています。
品種
品種はN39とKP423です。
ともにブルボン(Bourbon)の選抜種で、優れたカップ・クオリティを持つとされています。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)です。
讃喫茶室 尾山台と帰山人 珈琲遊戯 タンザニア モンデュール AA
同じ深煎りでも、帰山人の珈琲遊戯の方が少し深めの焙煎に見えます。帰山人氏の深煎り「一本焼き」珈琲は、独特のフレグレンスがあります。
焙煎
讃喫茶室 尾山台で使用されている焙煎機は、富士ローヤル R-103です。浅野は、富士ローヤルオフィシャル焙煎講師を務めています。
富士ローヤルR-103
— 浅野嘉之 (@asanosancafesan) May 17, 2020
僕の自家焙煎は手網からスタート、そして最初に得た焙煎機がこの機種、かなり以前の形式なので現行モデルとは随分異なる。ただドラムの形状やモーターの容量、ダンパーの形式など基本的な部分は同じ。やはりR-105やR-110と並んでロングセラーモデルで信頼性を得ている。
富士ローヤルR-103
— 浅野嘉之 (@asanosancafesan) May 17, 2020
バーナーは火足の高いブンゼンで標準で6000kcal、ユーザーによってはバーナーを増設される方もいる「強火の遠火」などの実現とか、MAXのカロリーをあげたいとか様々な理由が存在していて、焙煎士の珈琲感とか技法によってカスタマイズされている。勿論標準装備でも充分である。
富士ローヤルR-103
— 浅野嘉之 (@asanosancafesan) May 17, 2020
この形式の焙煎機は僕にとって最も思い入れのある機種だ。やはり出会いの焙煎機であることが影響されているのと、現在の讚喫茶室尾山台店がこの機種を使って営業していることが大きな要因である。現行機種は随分スマートに色々な計器がおさまっていてスタイリッシュである。
富士ローヤルR-103
— 浅野嘉之 (@asanosancafesan) May 17, 2020
この機種あたりから消煙をかんがえなくてはならない。例えば自分の店舗は世田谷の住宅街でマンションも存在しているので、ローヤルクリーンという消煙機を着けている。立地によっては排煙を気にしなくて良いので、そのあたりは事前のマーケティングをしておいたほうが無難だ。
帰山人の焙煎機は、パンチングメッシュの手廻し焙煎機です。
うむ、大坊さんの手廻し焙煎機は穴無し。
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) July 15, 2016
そんで、帰山人の手廻し焙煎機は穴有り。 pic.twitter.com/skILr2EJku
帰山人氏の焙煎は「一本焼き」という「何もしない」ことを特徴とする焙煎ですが、焙煎を極めていくとこのような考えに行き着くのかもしれません。
その範疇で今火力について思うことがある
焙煎のながれのなかでここでパワーがほしい時あるいはここは抑えたい時
火力の強火とか弱火で極端にすることはあまりよくないと感じている
あくまで釜の燃焼効率でしたほうがよいように思う
これはあくまで体験的なことなので理論てきではないけれど
あきらか豆の煎りあがりに差がある
抜けの感覚も違う
結局「何もしない」焙煎となる
しかしそれは全体のストーリーを押さえてのことだ
するとおのずと火力が決まっていく
はまった時は痛快である
「火力の6」,讃喫茶室 2012年10月28日.
帰山人氏の「何もしない」「一本焼き」焙煎は、不安定な直火の手廻し焙煎でありながら煎り揃えを良くするのに適した方法なのかもしれません。
Loring Smartの循環熱風による構造的合理、つまり安定性・再現性・省エネ性などを私は好評する。焙煎の自動化に興味はないけれども。そして、だだ漏れムラだらけの直火の手網や手廻し釜で、不安定で再現性が弱くエネルギーの無駄遣いだと知っておきながら補正する気もなく焙煎する。それが好きだから。
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) May 11, 2020
@y_tambe いけないおとながいる
— 珈琲屋になりたい (@espresso_lover) July 15, 2016
よし! だいぼうさんとたんべさんとオレで、焙煎実技と科学解説と文化解説をやる催事をやろう。ふつうにやると面白くないので、その場で担当をクジ引きで決める。メチャクチャになった方が面白いw @y_tambe @espresso_lover
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) July 15, 2016
帰山人の珈琲遊戯 2017年7月12日の「珈琲豆「ICBM」の二段焼き焙煎の狙いと技法」において、火力一定の「一本焼き」と後半で火力を調整する「二段焼き」の違いについて説明されています。それによると、「二段焼き」は難度の高い「一本焼き」よりもさらに難度の高い焙煎方法に思えます。
リンク先の図のイとロの境が、浅野の火力調整のポイントであると帰山人は理解しているそうです。
どうしても工程のどこかで火力を変えるならば、まず真っ先に「豆温度の上昇率が変わるポイント」で調整するという私の手法は、ハゼ音のポイントとも再ガラス化のポイントともズレているので、どんな焙煎機でも見出し難いかもしれません。温度計があっても率が変化してからでは、時すでに遅いもんねw https://t.co/8LJVWOFBgE
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) July 13, 2017
承前) いずれにしても、焙煎過程を図のイ・ロ・ハに分けた場合、イで思惑が外れちゃったらロ・ハではリカバーできないし、ロで思惑が外れたらハで取り返すことはできない。リカバーで温度や時間や豆色のいずれかを揃えても、香味は必ず違う。…まぁそんな厳密なこと言えば、プロは商売にならんけどw
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) July 13, 2017
焙煎
— 浅野嘉之 (@asanosancafesan) May 29, 2020
他の条件がおなじなら
直火=伝導熱<対流熱
半熱風=伝導熱>対流熱
熱風=対流熱(少量伝導熱)
ということか、では
直火=クリーンでややコクのある風味に仕上がりやすい
半熱風=コクがありややクリーンな風味に仕上がりやすい
熱風=かなりクリーンな風味に仕上がりやすい
こんな単純てはないな絶対
この《他の条件が同じなら》というのがクセモノで、焙煎機の方式による実態の差は、伝熱(熱伝達)種類や配分の差だけでは決まらない。これに、少なくとも2つの要素、焙煎される豆の雰囲気温度の安定性の差、(特に2ハゼ前から)豆自体の発熱量の差、を加えて考えないと、《仕上がり》具合は占えない。 https://t.co/AGYLTxhXgS
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) May 29, 2020
んで、じゃあ、直火は直火の味がするし、半熱風は半熱風の味になる、嗜好の問題と片付けられるかと言えば…焙煎機の買い替えで方式を変えた珈琲屋も知り合いに多いけれども、「味が変わった」という感想は聞くけれども「前と今、どっちが美味しい?」って訊くと、ゴニョゴニョ言う人ばっかりでねww
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) May 29, 2020
この《他の条件が同じなら》というのがクセモノで、焙煎機の方式による実態の差は、伝熱(熱伝達)種類や配分の差だけでは決まらない。これに、少なくとも2つの要素、焙煎される豆の雰囲気温度の安定性の差、(特に2ハゼ前から)豆自体の発熱量の差、を加えて考えないと、《仕上がり》具合は占えない。 https://t.co/AGYLTxhXgS
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) May 29, 2020
ありがとうございます。その日楽しみにしています!
— 浅野嘉之 (@asanosancafesan) May 29, 2020
抽出
浅野は、日本ネルドリップ珈琲普及協会の理事です。
対して、帰山人の松屋式金枠を用いた点滴抽出です。
【私見です】 これは《ネルドリップで》どう淹れたいのか、によります。一杯淹てで点滴抽出(抽出過程の全てを点滴注湯しなくても特に最初の方で点滴したい場合も含む)したい場合は、注湯量を自在にコントロールしやすい根太を薦めます。太さの変わらない細口(タカヒロの雫とか)だと加減し難い。
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) December 8, 2017
【私見です3】 但し、ポットの先を伸ばし潰しても、角度や形状によっては注ぎ口の下をつたってからしか湯滴が落ちないものをよくみかけます(実は大坊さんのもそういう感じです)が、それなら変形加工しないでスキッターを差し込んだ方がイイ、というのが私の結論です。
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) December 8, 2017
【私見です5】 《ネルドリップで》どう淹れたいのか…例えば「別にペーパードリップで点滴やってないし、素材をネルに変えたいだけなんだけど」くらいの淹れ方ならば、1~4は全部忘れていただいてよいと存じます。私の選択理由は実践上の機能優先に偏ってますからね(笑) ───以上です。
— 鳥目散 帰山人 (@kisanjin) December 8, 2017
讃喫茶室 尾山台 タンザニア モンデュール AA
焙煎は深煎りです。
2回目のハゼが徐々におおきくなってくる
ピシ!と割れる様な音がとても心地よい
やがてかなりの煙をともなってやがてハゼは終了していく
僕はそこからしばらくの間までの間を深い焙煎としている
漆黒の珈琲はその存在を鼓舞するように黒光る
まぎれもなく珈琲好きにはたまらない領域
「深い焙煎」,讃喫茶室 2012年9月20日.
浅野がジェントルビリーフ(Gentle Belief)を経営していた当時は、タンザニアの浅煎りも注文可能だったようです。
「たとえば、『タンザニアの豆を浅煎りで』といわれたら、通常は酸味が出てしまうため深煎りをおススメしますが、浅煎りでもテクニックで美味しく飲めるようにすることも可能です」という、まさにオンデマンドな焙煎
「特集|ロースターは燃えているか?|第2章「マイ・ロースターを求めて」」,OPENERS 2015年2月16日.
味
赤ワインのようなこってりとしたボディと滑らかな口当たり、非常にクリーンな味わいが印象的です。酸味が抑えられた焙煎で、全体の調和に優れた味わいです。
帰山人の珈琲遊戯 タンザニア モンデュール AA
紋霧(もんきり)一党は北部の山麓に潜んで機を窺う。
その北部産の打倒を狙う南部改方の安部部(あびぶ)の
手が迫り、ついに紋霧旦左衛門(たんざえもん)が動く!近来のタンザニアのコーヒー生産は、キリマンジャロ
山麓の伝統産地であるモシ地区(キリマンジャロ州)や
アルーシャ地区(アルーシャ州)などの北部よりも、
ルヴマ州・ンジョンベ州・ムベヤ州などの南部へと
投資や開発の規模と勢いが移りつつあります。
タンザニア最大規模を誇るルヴマ州のアビブ農園などは
徹底した知略と管理で、まるで安部式部(あべしきぶ)の
ようです。それはそれで魅力はありますが、やはり
昔ながらの「キリマンジャロ」の風味は北部産ならでは、
多少の闇があっても奥深い味わいのある雲霧仁左衛門
(くもきりにざえもん)の一党も捨てがたい…何の話だ?以前に珈琲遊戯で登場した「ふかたん」や
「まそたん」や「もんたん」や「しん・もんたん」などと
同様に、今般もモンデュール・コーヒー・エステートの豆を使用しました。
名付けて、紋霧旦左衛門(もんきりたんざえもん)。薄く淹れるとサッパリと明るく、「サラメシ」ナレーションの
フレーバー通販ページ
中井貴一のように、濃く淹れるとガッツリと重厚に、
「雲霧仁左衛門」主演の中井貴一のように…何の話だ?
まぁ、抽出の濃度で味わいの違いを楽しめるコーヒーです。
帰山人の珈琲遊戯の「紋霧旦左衛門(もんきりたんざえもん)」は、2018年2月28日の「ふかたん」、2018年9月4日の「まそたん」、2019年3月5日の「もんたん」、2019年8月13日の「しん・もんたん」に続く、タンザニア モンデュール AAの焙煎豆です。
【生豆と焙煎の仕立て】
タンザニア連合共和国 アルーシャ州
モンデュール・コーヒー・エステート AA
N39/KP423 ウォッシュト(湿式精製) 100%直火の手廻し釜で火力一定の「一本焼き」
フレーバー通販ページ
20分05秒で深煎りに仕立てました。
力強さと繊細さ、その両方を風味に感じられる
「紋霧旦左衛門」、その手口をお楽しみください。
味
赤ワインのようなこってりとしたボディと滑らかな口当たりが印象的です。深煎りですが酸味の残る焙煎度です。濃厚に淹れると厚みのあるボディが、薄く淹れると上品な爽やかさが目立ちます。芯の通った苦味が味の支えになっているような非常に独特の味わいです。