コスタリカ モンテ・コペイ・コーヒーと井崎 英典バリスタ

コスタリカ モンテ・コペイ・コーヒーと井崎 英典バリスタ

モンテ・コペイ・コーヒー

"A VIVA VOZ | Café Monte Copey",A VIVA VOZ COSTA RICA 2016年5月14日.

モンテ・コペイ・コーヒー(Monte Copey Coffee)は、 コスタリカ(Costa Rica)サン・ホセ州(San José Province)ドータ・カントン(Dota Canton)サンタ・マリア地区(Santa María District)に位置するマイクロミル(Micromill)です。コーヒー生産地域としては、タラス(Tarrazú)に区分されます。

モンテ・コペイ・コーヒーは、2009年にルイス・エンリケ・ナバーロ・グラナドス(Luis Enrique Navarro Granados)と、彼の兄弟ホスエ(Josue)によって設立されました。ナバーロ家は、現在で第4世代目となるコーヒー生産者一家です。

モンテ・コペイ・コーヒーの所有農園では、バク、パカ、ハナグマ、ペッカリーなどの野生動物を見ることができ、農園の西向きの斜面には、イチジクやバナナなどシェードツリーとして植えられています。

ナバーロ家

ナバーロ家のコーヒー生産は、ドータ渓谷(Dota Valley)にティピカを植えたことから始まりました。第3世代のエンリケ・ナバーロ・シニア(Enrique Navarro Sr.)は、彼の祖父(第1世代)がこの地域で最大のコーヒー生産者の1人であったことから、その遺産を受け継ぐことを考え始めました。

エンリケ・ナバーロ・シニアは18歳のとき、最初の農園を購入しました。その時、彼はこの地域で最も大きなコーヒー協同組合である「クープ・タラス(CoopeTarrazú R.L)」で働いていました。彼はそこで、コーヒーについて強い関心を持ち、どのように栽培するのが最善なのかを学びました。

1990年代初頭に、彼は現在モンテ・コペイ・コーヒーが位置している場所に、3ヘクタールの農園を購入しました。当時は標高1,800mの高地でのコーヒー生産は難しいと考えられていましたが、すぐに高品質なコーヒー生産が可能であることがわかりました。やがて彼の息子で、第4世代のエンリケ・ナバーロ・グラナドスが16歳で学校をやめ、家族経営のコーヒー農園の仕事に情熱を注ぎ始めました。

2009年に、エンリケ・ナバーロ・グラナドスと兄弟のホスエは、家族経営の農園を引き継ぎ、コスタリカで最高のコーヒーを生産することを決意しました。従来のコーヒーの生産方法を改め、高品質なスペシャルティコーヒーの生産に集中することにしたのです。

彼らはまず、生産と品質を改善するために、ペナゴス(Penagos)と呼ばれる機械式パルピング・マシーンに投資しました。それから22の乾燥用のテーブルを作ることで、コーヒーの汚染を防ぎ、ゆっくりとした乾燥を可能にしました。また、彼らは設備投資だけではなく、生産方法も改善しました。標高、気候、品種、日射量、土壌など、どの要因がどのような条件で優れた品質のコーヒーを生み出すのかを科学的に分析しました。

井崎 英典バリスタとワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)

"2013 World Barista Championship, Round 1 - Hidenori Izaki, Japan",World Coffee Championships 2013年11月7日.

2013年に、当時丸山珈琲に所属していた井崎 英典(いざき ひでのり)バリスタは、コスタリカ サモラ農園(Finca Zamora)のブラック・ハニー精製のコーヒーを使用し、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)(World Barista Championship)に挑戦しました。

この時の「Umami フレーバー」のプレゼンテーションが、SNS上で物議を醸しました。

"2014 WBC Champion: Hidenori Izaki, Japan",World Coffee Championships 2014年9月22日.

スペシャルティコーヒーの生産とマイクロミルの設立から4年後の2014年、モンテ・コペイ・コーヒーの所有農園であるラ・メサ農園(Finca La Mesa)のカツーラ(Caturra)が、コスタリカ カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Excellence)で92.67点を獲得し第1位に輝きました。

同じ2014年に、井崎バリスタはラ・メサ農園のティピカを使用し、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)に再挑戦しました。そして、彼はアジア人および日本人として初の優勝を果たしました。

"Hidenori Izaki Campeón mundial barismo 2014 Rimini con café Monte Copey",Josué Navarro Porras 2014年7月29日.

モンテ・コペイ・コーヒーで生産されるコーヒーは、井崎バリスタが使用していたコーヒーということもあって、その70%が日本や韓国などのアジアに出荷されています。現在は国際的な需要の増加に伴い、その需要を満たすための生産量の増加を課題としています。

井崎バリスタは、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)優勝後、2017年2月に丸山珈琲から独立し、サムライコーヒーエクスペリエンス(Samurai Coffee Experience)を設立しました。

 今年2月、井崎は丸山珈琲から独立し、コンサルティング業務を中心とする会社「サムライ・コーヒー・エクスペリエンス」を神奈川県内に設立した。バリスタの育成に加え、新商品の開発や食品関連イベント出演などが仕事だ。

「一杯にこだわる」   コーヒー文化広めたい」,47NEWS 2017年2月2日.

2019年1月、井崎バリスタは株式会社QAHWAを設立し、コーヒー事業を展開しています。また、珈空暈(Cokuun)という会員制/招待制のコーヒーバーをオープンしており、元丸山珈琲の鈴木 樹(すずき みき)バリスタもサービスを担当しています。

モンテ・コペイ・コーヒー Monte Copey Coffee:https://real-coffee.net/category/coffee-origin/central-america/costa-rica/tarrazu/monte-copey-coffee

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