コスタリカのコーヒー生産地域とその特徴:タラス

コスタリカのコーヒー生産地域とその特徴 タラス

コスタリカのコーヒー生産地域

コスタリカのコーヒー生産地域 出典:ICAFE

コスタリカコーヒー協会(ICAFE)(英語:Coffee Institute of Costa Rica、スペイン語:Instituto del Café de Costa Rica)は、コスタリカのコーヒー生産地域を、セントラル・バレー(英語:Central Valley、スペイン語:Valle Central)、トレス・リオス(Tres Rios)、トゥリアルバ(Turrialba)、ブルンカ(Brunca)、グアナカステ(Guanacaste)、タラス(Tarrazú)、オロシ(Orosi)、ウェスト・バレー(英語:West Valley、スペイン語:Valle Occidental)の8つに分類しています。

8つの生産地域は、標高1,000m以下の低地と、標高1,200m以上の高地にある火山性の地域に分かれており、高地ではより強い酸味と香りを持つコーヒーが生産されます。コスタリカでは、降雨量や湿度、気温は標高が高いほど低くなる傾向がありますが、傾斜地によって大きく異なります。標高は気候的な要因に関係し、全体として種子の大きさや硬さに影響し、また品質の特定の要素、特に酸味に影響します。これらの要素にアラビカ種の特徴が加わり、香り高く繊細で味わい深い飲み物を作り上げます。

タラス

タラス(Tarrazú)は、コスタリカで最も有名なコーヒー生産地域の一つであり、コーヒー生産は地元経済の主な収入源となっています。

19世紀半ば、セントラル・バレーから移住してきた人々が、現在地元民によってロス・サントス(Los Santos)と呼ばれている南西部に移住してきました。「聖人たち」を意味する「ロス・サントス (Los Santos)」という名前は、サン・パブロ・デ・レオン・コルテス(San Pablo de León Cortés)、サン・マルコス・デ・タラス(San Marcos de Tarrazú)、サンタ・マリア・デ・ドータ(Santa María de Dota)など、この地域のカントンが様々な聖人の名を冠していることに由来しています。

太平洋側の斜面の山脈に守られたこの地域は、神秘的な鳥や森の聖域であり、小さな谷や山の斜面で最高品質のコーヒーが栽培されています。この地域で栽培されるアラビカ種コーヒーの特徴として、実が少ない、豆が小さい、平たい、色が青っぽい、外観が良い、硬いが挙げられます。

この地域では、約22,000ヘクタールでコーヒーが栽培されており、コーヒー生産者の多くは平均約2.5ヘクタールの小規模農園です。

タラスで生産されるコーヒーの約95%が、ストリクトリー・ハード・ビーン(SHB)(Strictly Hard Bean)に分類されます。

標高

タラスのコーヒー生産地は、標高1,200m - 1,900mと高地の理想的な環境にあり、土壌は主に堆積物由来で、その成分から酸性を示します。ほとんどの植林地は日陰になっており、様々な外来樹木と在来樹木が植えられています。

気候

年間平均降水量2,400mm、年間平均気温19℃、雨季(5月〜11月)と乾季(12月〜4月)が明確に区分された気候が特徴で、コーヒーの開花に有利な条件となっています。この明確に区別された気候が、コーヒーチェリーに均一な成熟をもたらします。雨季にコーヒーが成長し、収穫時期は11月から3月までの5カ月間で、乾季と収穫時期が重なっています。

サブリージョン(カントン)

アコスタ(Acosta)とアセリ(Aserrí)は、標高800m - 1,200mの地域で、夏が非常に暑く、石の多い土壌と急斜面が特徴的です。

デサンパラードス(Desamparados)とカルタゴ(Cartago)は、標高1,200m - 1,700mの地域で、平均気温20℃の夏が特徴的です。急な斜面と小さな起伏のある谷が組み合わさっており、より質の高い土壌を持っています。

ドータ(Dota)、タラス(Tarrazú)、レオン・コルテス(León Cortés)は、標高1,900mにも及び、雨季と乾季が明確に区分されており(雨季7ヶ月、夏季5ヶ月)、気温が低いのが特徴です。ほとんどの土壌は普通の質で、酸性度が高く、塩基含有量が少なく、傾斜が急であることが特徴です。

品種

主な栽培品種は、カツーラ(Caturra)、カツアイ(Catuai)です。

その他にも、ブルボン(Bourbon)、ビジャ・サルチ(Villa Sarchi)、ビジャロボス(Villalobos)、サチモール(Sarchimor)、ヴェネシア(Venecia)、コスタリカ 95(Costa Rica 95)などが栽培されています。

精製方法

主な精製方法は、ウォッシュト(Washed)、ハニー(Honey)です。

この地域の標高の高さ、雨季と乾季が明確な涼しい気候、豊かな火山性土壌、栽培品種の組み合わせにより、タラスのコーヒーは世界市場で高く評価される官能特性を備えています。また、この地域で生産されるコーヒーは、火山性堆積土の組成によって、はっきりとした酸味を持つことを特徴としています。

タラスで生産されるコーヒーの一般的な特徴として、豊かな香り、高い酸味、はっきりとしたボディ、チョコレートのようなニュアンスを持つ上品な味わいが挙げられます(実際の味は、場所、農園、品種、精製方法などによって異なります)。

タラス Tarrazú:https://real-coffee.net/category/coffee-origin/central-america/costa-rica/tarrazu

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