讃喫茶室 尾山台:グアテマラ ドン・アントニオ農園 カツーラ

讃喫茶室 尾山台のグアテマラ ドン・アントニオ農園 カツーラです。讃喫茶室 尾山台は、2018年に開業した東京都世田谷区の尾山台駅近くにある自家焙煎珈琲店です。兵庫県宝塚市の自家焙煎珈琲店 讃喫茶室の姉妹店です。代表は浅野嘉之氏、店主は泰圓澄氏です。

代表の浅野氏については、以下の記事を参照してください。

グアテマラ ドン・アントニオ農園 カツーラ

グアテマラ

グアテマラ(Guatemala)はシェラ・マドレ山脈(Sierra Madre)が縦横に走っている中米北部の国です。シェラ・マドレ山脈はメキシコの北西から南東にかけて連なる大山脈で、北はロッキー山脈に続き、南端に位置するのがグアテマラです。

グアテマラは火山国で、グアテマラコーヒーの多くは山脈の斜面で栽培されています。標高1,300m-2,000mの高い標高、降雨量の多い肥沃な火山灰土壌で、高品質なコーヒーの栽培に恵まれた環境です。気象は、太平洋側と大西洋側のそれぞれの熱帯性気候に影響されます。

グアテマラには狭い国土に8つの代表的な産地があり、山脈を挟んで気象条件が違うため、それぞれに特徴が異なります。

中央にあるのがアンティグア地区、国を囲むようにしてあるのがフライハネス地区、アカテナンゴ地区、サンマルコス地区、アティトラン地区、ウエウエチナンゴ地区、コバン地区、ヌエボ・オリエンテ地区の8つです。

これらの産地は、1960年に設立されたグアテマラ国内のコーヒー生産者を代表する組織であるアナカフェ(Asociación Nacional Guatemalteca de Café (Anacafé))によって認定されています。

ウエウエテナンゴ

グアテマラのコーヒー生産地、CAFE IMPORTSより

ウエウエテナンゴ(Huehuetenango)はグアテマラ北西部に位置する地区です。ウエウエテナンゴは県の名前であり、同県の県都の名前でもあります。メキシコに国境を接しており、南にサン・マルコス県(San Marcos)、ケサルテナンゴ県(Quetzaltenango)、トトニカパン県(Totonicapán)に接しており、東にエル・キチェ県(El Quiché)に接しています。

ウエウエテナンゴは、グァテマラ北西を横切るクチュマタネス山脈(スペイン語:Sierra de los Cuchumatanes)に位置しており、標高3,850mを超える高地から350mの低地まで起伏に飛んだ地形のため、気候は地形と標高によって様々な違いとして現れます。

グアテマラは北西から南東にグアテマラ・アンデス(スペイン語:Cordillera de Los Andes、英語:Guatemala Andes)が貫いており、クチュマタネス山脈はその支脈です。クチュマタネス山脈は、トドス・サントス・クチュマタン(Todos Santos Cuchumatán)、チャンコル(Chancol)、エマル(Xemal)で最高峰に達します。

クチュマタネス山脈は非火山性の山脈で、山脈の西と南西を流れるセレグア川(Selegua River)によって、火山性のシェラ・マドレ山脈と分かれています。

ウエウエテナンゴは、起伏のある地形と多様な気候のために、様々な作物が栽培されています。温暖な気候の場所では、コーヒー、サトウキビ、タバコ、コショウ、キャッサバ、アナトー、そして様々な果物などが栽培されています。また、涼しい気候の場所では、小麦、大麦、ジャガイモ、豆、アルファルファ、野菜、自生の果物などが栽培されています。

ウエウエテナンゴはグアテマラのコーヒー生産地の中でも、最も標高が高く乾燥した地区です。中央アメリカでは珍しく、非火山性の石灰岩の山々が連なるため、非火山性の石灰性の土壌です。

この地区では、ほとんどの農園が独自の精製所を持っています。この地区では数多くの川や小川が流れているため、どの場所でも精製所を設立することができます。

品種

主な栽培品種は、ブルボン(Bourbon)、カトゥーラ(Caturra)、カトゥアイ(Catuai)です。

収穫時期

収穫時期は、1月-4月です。

ウエウエテナンゴのコーヒーは一般的に、高い酸味、フルボディ、ナッツやフルーツのようなフレーバーを特徴としています(実際の味は、農園や品種、精製方法によって異なります)。

ドン・アントニオ農園

ドン・アントニオ農園に至る道、アタカ通商より

ドン・アントニオ農園(Don Antonio Estate)グアテマラのウエウエテナンゴ地方サン・ペドロ・ネクタ(San Pedro Necta)に位置する農園です。サン・ペドロ・ネクタは、グアテマラ・シティから直線距離で北西約160km、車だと約7時間の距離にある、コーヒーの栽培地域としてはグアテマラ・シティから最も遠い場所にあります。農園は人里離れた場所にあり、サン・ペドロ・ネクタからさらに2時間ほど悪路を進むと農園に到着します。

アントニオ・サンチェス氏、アタカ通商より
アントニオ・サンチェス氏の自宅、アタカ通商より

ドン・アントニオは英語で「ミスター・アントニー(Mr. Anthony)」を意味しており、農園主のアントニオ・サンチェス(Mr. Antonio Sanchez)氏から取られています。

彼の父親であるリゴベルト・サンチェス氏(Mr. Rigoberto Sanchez)は、1966年からコーヒーの仕事を始めました。

リゴベルト氏は自ら農園を始めるだけの資金がなく、他のオーナーが所有するコーヒー農園で労働者として働いていました。しかし、当時の農園主が熱心に働くリゴベルト氏に資金援助をし、サン・ペドロ・カルチャ(San Pedro Carcha)に初めて土地を購入する事ができました。リゴベルト氏のコーヒー生産への情熱は現オーナーのアントニオ氏に引き継がれて、素晴らしいコーヒーを生産するに至っています。

カルメン女史、アタカ通商より

アン トニオ氏の娘でリゴベルトの孫娘のカルメン女史は、現在鶏肉会社でマーケティング担当を担当しています。

コーヒーの栽培地域、アタカ通商より

農園の標高は1,800m-2,000m、非常に乾燥した地域でもあり、乾いた石灰岩土壌の、起伏の激しい急斜面でコーヒーが栽培されています。

ドン・アントニオ農園は、年間降雨量1,500mmと雨は少ないながら、寒暖の差が激しく、日中でも霧が発生し立ち込める地域にあります。夜間は気温が一気に下がるため、コーヒーの天敵である霜が降りやすく、通常コーヒーの栽培には不向きな気象条件です。しかし、クチュマタネス山脈から吹き下ろされる冷たい風とメキシコのテウアンテペック地峡(Isthmus of Tehuantepec)の高原地帯から吹き付ける乾燥した熱風により、霜害から守られ、高品質なコーヒー生産が可能になっています。

コーヒーは日陰で栽培され、100%天日乾燥されます。

品種

ドン・アントニオ農園のカツーラ栽培地域、アタカ通商より

品種はカツーラ(Caturra)です。

1935年にブラジルで発見されたブルボンの突然変異による品種です。ティピカの3倍近い高い生産性を誇る品種ですが、栽培にはケアと肥料が必要となります。標高が高ければ高いほど品質が上がりますが、生産性が落ちるのが特徴です。

ドン・アントニオ農園は5か所に点在しており、場所によって栽培されている品種が異なります。

ドン・アントニオ農園のカツーラはアタカ通商の取り扱いです。アタカ通商では、ドン・アントニオ農園のブルボン(Bourbon)やムンド・ノーボ(Mundo Novo)の取り扱いがありました。

精製方法

ドン・アントニオ農園のパティオ、アタカ通商より

精製方法はウォッシュト(Washed、湿式)です。

カツーラのウォッシュト精製は、これといった特徴のない平板な味に仕上がります。

讃喫茶室 尾山台のグアテマラ ドン・アントニオ農園 カツーラ

焙煎

讃喫茶室 尾山台で使用されている焙煎機はフジローヤル R-103です。浅野氏はフジローヤルのオフィシャル焙煎講師を務めています。

抽出

浅野氏は「日本ネルドリップ珈琲普及協会」の理事です。日本ネルドリップ珈琲普及協会の代表は、「カフェ・ド・カルモ」の繁田武之氏です。

そんな繁田さん

出会いはもう随分前

無我夢中でブラジルから持ってきたカルモシモサカを全国行脚で売り歩いていた

今でこそカルモシモサカはナショナルブランドになったといえるかもしれないが

当時(20年以上前になるかな)はまったくの無名の珈琲

自家焙煎店の飛び込み営業

ホームセンターやスーパーに小型焙煎機をもちこんで実践販売

なんとかカルモシモサカを皆さんに知ってもらおうとの啓蒙活動

そんな中、関西にこられていたとき(確か知人の紹介だった曖昧な記憶)会いに行ったのがはじめて

100Kg超級の体に似合わないかわいい笑顔(失礼)で

「こんにちは、はじめまして繁田です」

そのときはこんなに長いお付き合いになるとはおもいもよらなかった

残暑お見舞い申し上げます」,讃喫茶室 2012年8月27日.
「浅野嘉之の浅野嘉之的珈琲の入れ方」,TheThreecrossより

浅野氏による、ネルドリップ抽出の動画です。

グアテマラ ドン・アントニオ農園 カツーラは、中煎りで焙煎されています。

豆をやいていると2回のハゼがあって

僕は2回目のハゼがくる直前から2回目のハゼが入ってまもなくのあたり

そのくらいのところを中ほどの焙煎としている

ここの領域は劇的に香味が変化する

生産国・年度・品種・生産者・表作裏作・ロットなど

生豆の特性と複雑に絡み合って

酸味や苦味の質・量・状態

香りの質やまめの顔など

刻々かわっていく

大げさではなく秒単位で

楽しい

中ほどの焙煎」,讃喫茶室 2012年9月18日.

じんわり広がる甘味と、非常にクリーンでバランスのとれた味わいが印象的です。

同じカツーラのウォッシュト精製の浅煎りのパナマ ハートマン農園 カツーラと比較すると、非常にクリーンな味わいはそのままに、甘味とボディの強いコーヒーです。

<参考>

「ドンアントニオ農園 カツーラ」,ATC Specialty Coffee<https://www.specialtycoffee.jp/beans/2260.html>

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