ニカラグア フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)
ミエリッヒ(ミエリッシュ)家の歴史
ドイツの地質学者ブルーノ・ミエリッヒ(ミエリッシュ)・ベッティガー(Bruno Mierisch Boettiger)は、1800年代後半にニカラグア政府の国有鉄道建設のために雇われました。
ブルーノの仕事が完了すると、ニカラグア政府は彼と彼の仲間の給料を全額支払うことができなくなりました。報酬を得るために、彼らドイツ人移民はマタガルパ(Matagalpa)の高山に土地を提供されました。ブルーノをはじめとする多くのドイツ人移民は、ドイツに帰ることはなく、ニカラグアで起きていた急成長のコーヒー革命に参加することを選びました。ブルーノの遺志は、彼のひ孫たちの指導のもとで、今もなお受け継がれています。
ブルーノの農園は「ラス・ラハス(Las Lajas)」と名付けられました。この農園は、現在もミエリッヒ家のいとこが経営しています、この農園には、当初はレモンが栽培されていただけでしたが、1908年にブルーノは自分の農園に初めてコーヒーの木を植えました。
フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)(Fincas Mierisch)は、ミエリッヒ(ミエリッシュ)家の第3世代、第4世代、第5世代のコーヒー生産者によって経営されているニカラグアの代表的なスペシャルティコーヒー会社です。
第3世代の生産者であるエルウィン・R・ミエリッヒ博士(Dr. Erwin R. Mierisch)は、1980年代のニカラグア内戦が終結した後の1990年代初頭に、妻のマリア・リギア・マキューアン・デ・ミエリッヒ(Maria Ligia McEwan de Mierisch)、子供のエルウィン・ジュニア(Erwin Jr)、エレアネ(Eleane)、スティーブ(Steve)とともに、家族の遺産を担うことになりました。この時期、彼らの事業は、コマーシャル・グレードのコーヒーから、新しいスペシャルティコーヒーへと移行し始めました。
第4世代のエルウィン・ジュニア、エレアネ、スティーブは、フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)のコーヒーとニカラグアのコーヒーを国際的なスポットライトへと導きました。2000年代前半から半ばにかけて、カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Wxcellence)の開催、審査、参加に携わったことで、彼らは高品質のコーヒーを生産するために必要なすべてのことを学びました。
現在では、エルウィン・R・ミエリッヒがすべての決定権を持ち、エレアネ・ミエリッヒがゼネラル・ディレクターを務めています。エルウィン3世(愛称:ウィンゴ(Wingo))は第5世代のコーヒー生産者で、QCラボやクライアント・リレーションを担当しています。
フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)の所有農園
フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)(Fincas Mierisch)は、ニカラグアに11つのコーヒー農園、ホンジュラスに3つのコーヒー農園を持っています。
ニカラグアでは、マタガルパ県(Matagalpa Department)とヒノテガ県(Jinotega Department)に農園があり、マタガルパ県には8つの農園が、北西に位置するヒノテガ県には3つの農園があります。それぞれの農園は、微気候や土壌の組成が異なるため、経営状態やコーヒーの品質もそれぞれ異なります。
ミエリッヒ(ミエリッシュ)家は、2011年末からホンジュラスに滞在しています。エルウィン・ジュニアは、2010年のホンジュラス カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Excellence)での素晴らしい経験から、セロ・アスール(Cerro Azul)という農園を購入するチャンスに飛びつきました。その後、隣接する2つの農場、サンタ・ルシア(Santa Lucia)とラリタ(Lalita)を購入しました。
ホンジュラスの農園は、コマヤグア県(Comayagua Department)シグアテペケ市(Siguatepeque Municipality)リオ・ブランコ(Rio Blanco) という集落の近くにあります。ホンジュラスの3つの農園はいずれも、ニカラグアのどの農園よりも高い標高に位置しています。エルウィン・ジュニアの先見と努力により、カップ・オブ・エクセレンス(CoE)では、2019年にサンタ・ルシア ゲイシャ ウォッシュトが94.84点を獲得し第1位、2021年に90.67点を獲得し第1位に輝きました。
ニカラグア マダガルパ
- リモンシリョ(Limoncillo)
- ロス・プラセレス(Los Placeres)
- ラ・ウェジャ(La Huella)
- ママ・ミーナ(Mama Mina)
- エル・ススピロ(El Suspiro)
- ロス・アルトス(Los Altos)
- エル・エンカント(El Encanto)
- ラグーナ・ヴェルデ(Laguna Verde)
ニカラグア ヒノテガ
- ラス・デリシャス(Las Delicias)
- サン・ホセ(San Jose)
- ラ・エスコンディダ(La Escondeda)
ホンジュラス
- セロ・アズール(Cerro Azul)
- サンタ・ルシア(Santa Lucia)
- ラリタ(Lalita)
ニカラグアの農園
リモンシリョ
リモンシリョ(Limoncillo)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)ヤシカ・スール(Yasica Sur)に位置する農園です。標高850m - 1,110m、コーヒー栽培面積119ヘクタール、最高気温25℃、最低気温17℃、収穫時期は12月から2月です。
「リモンシリョ(Limoncillo)」は「小さなレモン」を意味しています。リモンシリョは、1930年にエルウィン・R・ミエリッヒの祖父が購入したミエリッヒ家の所有農園では2番目に古い農園です。現在、ミエリッヒ(ミエリッシュ)家を代表するコーヒー農園となっています。
リモンシリョは、2008年のニカラグア カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Excellence)で91.43点を獲得し第2位に入賞しました。
環境
リモンシリョは、自然豊富な山奥の山林に位置し、木々、竹林、滝が庭園のように美しく管理されています。 リモンシリョには、この農園のシンボルとも言える滝があり、水資源が豊富ですが、精製処理には出来るだけ水を使用せず、水資源を汚染しない方法でコーヒーが栽培されています。農園はレインフォレスト・アライアンス(RA)(Rainforest Alliance)認証やUTZ認証を獲得しています。
品種
リモンシリョでは、1990年代まではティピカ(Typica)が唯一の栽培品種でしたが、その後気候変動、不安定な市場価格、コーヒーさび病菌の流行などの理由により、多様な品種を栽培し始めました。
リモンシリョでは、ジャバ(Java)、レッド・パカマラ(Red Pacamara)、イエロー・パカマラ(Yellow Pacamara,)、エチオサル(Ethiosar)、レッド・カツアイ (Red Catuai)、レッド・ブルボン(Red Bourbon)を栽培しています。
ラス・デリシャス
ラス・デリシャス(Las Delicias)は、ニカラグア(Nicaragua)ヒノテガ県(Jinotega Department)リプルロ(Lipululo)に位置する農園です。標高1,260m - 1,450m、コーヒー栽培面積12ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は12月から3月です。
ラス・デリシャスは、2017年のニカラグア カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Excellence)でジャバ(Java)のウォッシュト(Washed)が89.87点を獲得し第4位に入賞しました。
品種
ラス・デリシャスでは、ジャバニカ(Javanica)、イエロー・パカマラ(Yellow Pacamara,)、ゲイシャ(Geisha)、イエロー・パーカス(Yellow Pacas)、レッド・ブルボン(Red Bourbon)を栽培してます。
サン・ホセ
サン・ホセ(San Jose)は、ニカラグア(Nicaragua)ヒノテガ県(Jinotega Department)リプルロ(Lipululo)に位置する農園です。標高1,250m - 1,400m、コーヒー栽培面積46ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は12月から3月です。
サン・ホセは、2012年のニカラグア カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Excellence)でジャバ(Java)のウォッシュト(Washed)が85.47点を獲得し第24位に入賞しました。
品種
サン・ホセでは、ジャバニカ(Javanica)、イエロー・パカマラ(Yellow Pacamara,)、ゲイシャ(Geisha)、レッド・カツアイ(Red Catuai)、カツーラ(Caturra)、イエロー・パーカス(Yellow Pacas)を栽培してます。
ロス・プラセレス
ロス・プラセレス(Los Placeres)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)ヤシカ・スール(Yasica Sur)に位置する農園です。標高840m - 970m、コーヒー栽培面積169ヘクタール、最高気温25℃、最低気温17℃、収穫時期は12月から2月です。
品種
ロス・プラセレスでは、ジャバ(Java)、レッド・パカマラ(Red Pacamara)、イエロー・パカマラ(Yellow Pacamara,)、エチオサル(Ethiosar)、レッド・カツアイ (Red Catuai)、カツーラ(Caturra)、レッド・ブルボン(Red Bourbon)を栽培してます。
ラ・ウェジャ
ラ・ウェジャ(La Huella)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)エル・アレナル(El Arenal)に位置する農園です。標高1,315m - 1,400m、コーヒー栽培面積76ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は12月から3月です。
品種
ラ・ウェジャでは、ジャバニカ(Javanica)、レッド・パカマラ(Red Pacamara)、イエロー・パカマラ(Yellow Pacamara)、ゲイシャ(Geisha)、イエロー・パーカス(Yellow Pacas)、レッド・カツアイ(Red Catuai)、ピンク・ブルボン(Pink Bourbon)、H1、SL-28を栽培してます。
ママ・ミーナ
ママ・ミーナ(Mama Mina)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)エル・アレナル(El Arenal)に位置する農園です。標高1,275m - 1,400m、コーヒー栽培面積34ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は12月から3月です。
品種
ママ・ミーナでは、ジャバニカ(Javanica)、レッド・パカマラ(Red Pacamara)、レッド・カツアイ(Red Catuai)、レッド・ブルボン(Red Bourbon)、エチオサル(Ethiosar)を栽培してます。
ラ・エスコンディダ
ラ・エスコンディダ(La Escondida)は、ニカラグア(Nicaragua)ヒノテガ県(Jinotega Department)リプルロ(Lipululo)に位置する農園です。標高975m - 1,230m、コーヒー栽培面積70ヘクタール、最高気温25℃、最低気温21℃、収穫時期は12月から3月です。
「エスコンディダ(Escondida)」とは、「隠された」という意味です。この農園が木々によって道から隠れた場所にあるため、この名前がつけられました。2006年に最初のコーヒーノキが植えられた新しい農園です。
品種
ラ・エスコンディダでは、ローリナ(Laurina)、レッド・カツアイ(Red Catuai)、ジャバニカ(Javanica)、イエロー・パカマラ(Yellow Pacamara)を栽培してます。
エル・ススピロ
エル・ススピロ(El Suspiro)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)エル・アレナル(El Arenal)に位置する農園です。標高1,350m - 1,450m、コーヒー栽培面積15ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は12月から3月です。
品種
エル・ススピロでは、オレンジ・ブルボン(Orange Bourbon)、レッド・ブルボン(Red Bourbon)、レッド・カツアイ(Red Catuai)、カツーラ(Caturra)、わずかにジャバニカ(Javanica)とゲイシャ(Geisha)を栽培しています。
ロス・アルトス
ロス・アルトス(Los Altos)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)エル・アレナル(El Arenal)に位置する農園です。標高1,250m - 1,400m、コーヒー栽培面積46ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は12月から3月です。
ロス・アルトスは、2015年のニカラグア カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Excellence)で89.27点を獲得し第3位に入賞しました。
品種
ロス・アルトスでは、レッド・カツアイ(Red Catuai)、レッド・パーカス(Red Pacas)を栽培しています。
エル・エンカント
エル・エンカント(El Encanto)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)ヤシカ・スール(Yasica Sur)に位置する農園です。標高800m、コーヒー栽培面積83ヘクタール、最高気温21℃、最低気温19℃、収穫時期は12月から2月です。
品種
エル・エンカントでは、エチオサル(Ethiosar)、カツーラ(Caturra)、レッド・カツアイ(Red Catuai)を栽培しています。
ラグーナ・ヴェルデ
ラグーナ・ヴェルデ(Laguna Verde)は、ニカラグア(Nicaragua)マタガルパ県(Matagalpa Department)ラグーナ・ヴェルデ(Laguna Verde)に位置する農園です。標高1,275m - 1,300m、コーヒー栽培面積76ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は12月から3月です。
品種
ラグーナ・ヴェルデでは、マラゴジッペ(Maragogipe)を栽培しています。
ホンジュラスの農園
セロ・アスール
セロ・アスール(Cerro Azul)は、ホンジュラス(Honduras)コマヤグア県(Comayagua Department)シグアテペケ市(Siguatepeque Municipality)リオ・ブランコ(Rio Blanco) に位置する農園です。標高1,600m - 1,700m、コーヒー栽培面積96ヘクタール、最高気温25℃、最低気温17℃、収穫時期は2月から6月です。
品種
セロ・アスールでは、レッド・カツアイ(Red Catuai)、イエロー・パカマラ(Yellow Pacamara)、オレンジ・ブルボン(Orange Bourbon)、イエロー・パーカス(Yellow Pacas)、ジャバ(Java)、エチオサル(Ethiosar)が栽培されています。
サンタ・ルシア
サンタ・ルシア(Santa Lucia)は、ホンジュラス(Honduras)コマヤグア県(Comayagua Department)シグアテペケ市(Siguatepeque Municipality)リオ・ブランコ(Rio Blanco) に位置する農園です。標高1,550m、コーヒー栽培面積22ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は2月から6月です。
サンタ・ルシアは、2019年のホンジュラス カップ・オブ・エクセレンス(CoE)でゲイシャ(Geisha)のウォッシュト(Washed)が94.84点を獲得し第1位、2021年のホンジュラス カップ・オブ・エクセレンス(CoE)でゲイシャ(Geisha)のウォッシュト(Washed)が90.67点を獲得し第1位に輝きました。
品種
サンタ・ルシアでは、ゲイシャ(Geisha)、イエロー・パーカス(Yellow Pacas)、ジャバ(Java)、ローリナ(Laurina)、イエロー・ブルボン(Yellow Bourbon)、オレンジ・ブルボン(Orange Bourbon)、 SL-28を栽培しています。
ラリタ
ラリタ(Lalita)は、ホンジュラス(Honduras)コマヤグア県(Comayagua Department)シグアテペケ市(Siguatepeque Municipality)リオ・ブランコ(Rio Blanco) に位置する農園です。標高1,450m - 1,550m、コーヒー栽培面積15ヘクタール、最高気温21℃、最低気温15℃、収穫時期は2月から6月です。
品種
ラリタでは、レッド・カツアイ(Red Catuai)、エチオサル(Ethiosar)、オレンジ・ブルボン(Orange Bourbon)を栽培しています。
ベネフィシオ ドン・エステバン
ベネフィシオ ドン・エステバン(Beneficio Don Esteban)は、フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)の所有するニカラグアで最初のフルトレーサビリティ・ドライ・ミルです。集荷されたコーヒーチェリーからコーヒー生豆を完成させるまでのすべての工程を行うことのできるドライ・ミルです。ここには、フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)の所有するニカラグア国内のすべての農園からコーヒーチェリーが集荷され、ドライ・ミルが行われます。
ベネフィシオ ドン・エステバンでは、農園名、生産者名、品種、乾燥方法等を記入したトレーサビリティ・カードが発行され、厳密な管理がなされます。
ロス・ファボリートス・プライベート・オークション
ロス・ファボリートス・プライベート・オークション(Los Favoritos Private Auction)は、 フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ)のプライベート・オークションです。5年間の休止期間を経て、2021年5月18日に復活しました。
ロス・ファボリートス・プライベート・オークションには、88点以上が付けられたナノ・ロットが出品されます。
フィンカス・ミエリッヒ(ミエリッシュ) Fincas Mierisch:https://real-coffee.net/category/coffee-origin/central-america/nicaragua/fincas-mierisch