インドネシア ワハナ・エステート
スポンサーリンク

インドネシア ワハナ・エステート

ワハナ・エステート

"Wahana Graha Makmur, PT - Wahana Estate",Andy Sutiono 2016年5月2日.

ワハナ・エステート(Wahana Estate)は、インドネシア(Indonesia)スマトラ島(Sumatra)北スマトラ州(North Sumatra)ダイリ県(Dairi Regency)シディカラン(Sidikalang)ラエ・マンクール(Lae Mungkur)に位置する農園です。経営会社はf社(PT. Sari Makmur)です。

シディカランは、インドネシアおよび世界最大のカルデラ湖であるトバ湖の北西部の山岳地帯にあります。インドネシアで最も有名なコーヒー栽培地域の1つであり、インドネシアで第2位のマンデリン生産地域です。

シディカランは、トバ湖周辺で最も標高が高い山岳地帯です。ワハナ・エステートは、標高1,200m - 1,500mの高地に位置し、年間降水量は約2,000mm - 3,000mmと十分な降雨量があります。気温は15℃から25℃の涼しい気候で、日中と夜の気温差が10℃を超えるため、豆が収縮を繰り返すことで、糖分を多く含んだコーヒー豆が生産できます。

サリ・マクムール社

サリ・マクムール社は、1995年にスーリョ・プラノト(Suryo Pranoto)によってメダン(Medan)に設立されたインドネシアで最大手のコーヒー輸出業者です。サリ・マクムール社は、創業当時はコーヒーや野菜の生産加工を請け負う会社でした。しかし、スーリョは、高品質なコーヒー生産のためにはそれだけでは不十分であると考え、自ら農園経営に乗り出し、2005年にワハナ・エステートを設立しました。

サリ・マクムール社は、コーヒーと野菜の生産加工業を行うワハナ・グラハ・マクムール社(Pt. Wahana Graha Makmur)、2000年に設立されたスペシャルティコーヒーの生豆の取引業者であるオパール・コーヒー(Opal Coffee)を経営しています。また、サリ・マクムール社は、直営農園のワハナ・エステートの他に、約5,000もの小規模農家と契約を結んでいます。

ワハナ・エステート

ワハナ・エステートは、スマトラ島で唯一の単一農園です。敷地面積468ヘクタールのうち、コーヒー栽培用の土地が250ヘクタール、コーヒー苗床用の土地が30ヘクタール、コーヒー精製施設用の土地が10ヘクタール、自然保護区が100ヘクタール、その他野菜栽培用の土地、堆肥工場、労働者用施設、その他施設およびゲストハウスで構成されています。

農園主はサリ・マクムール社代表のスーリョ・プラノトとマリア・ゴレティ(Maria Gorethy)夫妻です。

ワハナ・エステートを経営するワハナ・グラハ・マクムール社の社名は、「偉大なる成功のための船」を意味しています。ワハナ・エステートは、これまでのスマトラ島のコーヒー生産に変革をもたらし、最高品質のコーヒーを生産することとコミュニティの創造を目的としています。スーリョは、世界最高の農法でコーヒー生産をするために、メルボルン大学で農学を学んだスーリョの息子ディエント(Diento)を含む、大学教育を受けた農学者の知識を借りています。どの品種がユニークなスマトラの気候条件で繁殖するかを追跡するために、世界中から集めた品種が区画ごとに整理され植えられます。1ヘクタールに約2,000本のコーヒーノキが植えられ、ギンネム(Lamtoro)の木の木陰でコーヒーが栽培されています。

ワハナ・エステートは、800人から1,000人の労働者を雇用する地元の重要な雇用主です。そのため、企業の社会的責任(CSR)(Corporate Social Responsibility)を実施し、労働者用の無料の診療所を設立しました。また、 小規模農家にコーヒー農園の管理に関する情報を提供し、シェード、有機肥料、コーヒーの種子を農家に無料で配布することで農家を支援しています。

ワハナ・エステートは、マイクロロットの生産も行っており、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)(World Barista Championship)でも使用されています。

品種

ワハナ・エステートでは、15品種が栽培されています。主要栽培品種はスマトラ・ロングベリー(Sumatra Longberry)とラスナ(Rasuna)です。

スマトラ・ロングベリーは細長い外観をしています。 ロングベリー・ハラー(Longberry Harrar)と呼ばれる品種と類似していて、マトラのトバ湖地域に実験用に持ち込まれたエチオピア由来の品種と考えられています。

ラスナは、主にインドネシアで栽培されている品種で、カチモール(Catimor)とティピカ(Typica)のハイブリッドです。カチモールは、生産性の高いインドネシアの主要栽培品種のひとつですが、樹齢10年を過ぎると収穫量が減ります。そこで生産性は低いですが、寿命の長いティピカと配合することで生まれたのがこの品種です。

また、ジャコウネコの糞から作られるコピ・ルアク(Kopi Luwak)も生産しています。

精製方法

スマトラ島では、スマトラ式(Wet Hulling, Giling Basah)以外の精製方法が困難でした。この状況を打開するために、2009年にサリ・マクムール社は、ワハナ・エステート内に大型の屋内精製所を建設しました。これにより、ウォッシュト(Washed)、ナチュラル(Natural)、ハニー(Honey)、スマトラ式などの様々な精製方法が可能になりました。この精製所には、数十台の乾燥機と2ヘクタールの乾燥パティオがあり、年間生産能力は10,000トンです。

サリ・マクムール社は、栽培から輸出までのコーヒー生産に関わるすべての工程を一貫して取り扱っているため、高品質なコーヒー生産へのアプローチが可能です。トレーサビリティと品質を保証するために、ロットごとに管理され、記録され、オーダーに応じて精製方法をカスタマイズすることができます。

ワハナ・エステート(Wahana Estate):https://real-coffee.net/category/coffee-origin/southeast-asia/indonesia/sumatra/wahana-estate

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事