工房 横井珈琲 ボリビア アグロ・タケシです。
工房 横井珈琲(YOKOI COFFEE)は、北海道札幌市西区発寒にあったスペシャルティコーヒー専門店です。オーナーの横井 力(よこい ちから)は、1996年に横井珈琲を創業し、北海道のスペシャルティコーヒーの先駆けとなりました。
ボリビア アグロ・タケシ
アグロ・タケシ
アグロ・タケシ(Agro Takesi)は、ボリビア(Bolivia)ラ・パス県(La Paz Department)南ユンガス地方(Sud Yungas Province)ヤナカチ市(Yanacachi Municipality)に位置する農園です。
アグロ・タケシのプロジェクトは、オーナーであるマウリシオさんが32歳の時にスタートしました。あまりにも標高が高いため、他国の農学博士をはじめ、誰もが「ここではコーヒーは育たない」とおっしゃったそうですが、マウリシオさんたちは信念を曲げず、努力を重ねられました。
この地に農園を作ることを志してから10年目にして、カップ・オブ・エクセレンスのチャンピオンになり、世界中のバイヤーから大注目を浴びる生産者になったのです。 アグロ・タケシ農園は、2009年ボリビア・カップ・オブ・エクセレンスで、1位に輝き、はじめて皆様にご紹介いたしましたのが2010年秋でした。以来、毎年ご紹介させていただいております。
「ボリビア・アグロ・タケシ」,横井のさんかくらいふ 2013年6月10日.
アグロ・タケシは、丸山珈琲および珈琲の味方塾(現ジャパン・ロースターズ・ネットワーク(JRN)(Japan Roasters' Network))と長く取引しています。現在アグロ・タケシと直接取引しているロースターは、アジアでは丸山珈琲のみです。
ではここで、私たちとアグロ・タケシについて触れさせていただきたいと思います。今から4年前のロングビーチで行われたSCAA(アメリカ・スペシャルティコーヒー協会)のカンファレンスに遡ります。
丸山珈琲の丸山さん、桐生の伊東屋珈琲の伊東さん、八丁堀の珈琲屋めいぷるの関口さんらがカンファレンスの会場ではじめてアグロ・タケシと出会ったんです。偶然とは云え、今回の旅のメンバーで私を除く3名が当時、その場に居合わせたことになります。何か深いご縁があるんですね。
その後、私たちはボリビアのサンプルのカッピングを行ったとき、ダントツでアグロ・タケシが一番だったんです。でも、既にその時はアメリカのロースターとの間に3年間の独占契約が結ばれていたことが後でわかり、アグロ・タケシを手に入れることは出来ませんでした。かなり、がっくし。
でも、私たち以上にバイヤーとしての丸山さんの落胆が大きかったことは云うまでもありません。今でもよぉ〜く覚えています。
しかし!皆様がご存知の通り、女神は微笑んだんです!おほほぉ〜
2009年のカップ・オブ・エクセレンスでチャンピオンになったアグロ・タケシをポンド35.05ドルで落札に成功したんです。
そして、ここにもドラマがありました。
私たちはインターネットオークションのあった2009年11月19日はコロンビアに向かうため成田空港にいたんです。15時55分発のヒューストン行きの機内で固唾をのんでいました。セキュリティチェックを終えロビーに出たところで丸山さんが「やった!」と叫んだんですね。そこで一同は、アグロ・タケシの落札を知り、大歓声を上げたんです。日本に残ったメンバーがビットして見事落札に成功したんです。
更にうれしいことは続きます。アメリカのロースターとの契約が切れ、2010年に収穫されたアグロ・タケシは晴れて私たちの元へ届いたんです。現在のアグロ・タケシの年間生産量は最大で2トン弱。昨年は60kg麻袋でわずか18袋の収穫量でした。
「南米の旅路その6/アグロ・タケシ 第2日目その1」,横井のさんかくらいふ 2011年8月11日.
工房 横井珈琲の横井 力(よこい ちから)のブログ「横井のさんかくらいふ」の「南米の旅路その5/コロイコからアグロ・タケシへ 第1日目」、「南米の旅路その6/アグロ・タケシ 第2日目その1」、「南米の旅路その7/アグロ・タケシ 第2日目その2」、「南米の旅路その8/アグロ・タケシ 第2日目その3」、「南米の旅路その9/アグロ・タケシ 第2日目その4」、「南米の旅路その10/アグロ・タケシ 第2日目その5 さよなら、アグロ・タケシ!」、「南米の旅路その11/アグロ・タケシ農園から首都、ラ・パスへ! 第2日目その6」、「南米の旅路その12/ラ・パスからサンタ・クルスへ ありがとう!アグロ・タケシ! 」で、2011年の買い付けの様子とアグロ・タケシとの取引の裏話を知ることができます。
品種
品種はゲイシャ(Geisha)とレッド・カツアイ(Red Catuai)です。
アグロ・タケシでは、ゲイシャとレッド・カトゥアイの他に、ティピカ(Typica)、ジャバ(Java)が栽培されています。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)です。
乾燥は機械乾燥です。
工房 横井珈琲 ボリビア アグロ・タケシ ゲイシャ
アグロ・タケシ農園は、標高5,850mのムルラタ山を一望できる世界でも有数の標高を誇るコーヒー農園です。
このヤナカチ村でコーヒー栽培をしているのは、アグロ・タケシ農園だけです。
タケシという農園の名前には現地の言葉で「人々を目覚めさせる」という意味があり、ムルラタ山からタケシ渓谷へと続く、インカ時代から残る小道にちなんで名付けられました。
コーヒーのおいしさを決める要素はたくさんありますが、標高が高いことでフルーツのように青実から赤実まで熟すのに時間がかかり、風味と甘さが豊かになると考えられています。
花から完熟の実になるまで、一般的には6~8ヶ月かかると言われていますが、アグロ・タケシ農園では10~11ヶ月の時間がかかります。農園のふかふかの有機層の土の中にはインカの遺跡の石が多くあり、この石が日中の日差しで温められ蓄熱し、朝晩の厳しい寒さから木を守ります。このことがこのような高地でのコーヒー栽培を可能にしました。
工房 横井珈琲
また、アグロ・タケシ農園の特殊な農園環境では雨が降ったり止んだりする気候のため、一本の木の中にも花が咲いているものや、青い実や赤く熟したものなど、様々な状態のコーヒーチェリーがあります。
木に負担をかけない様、熟したチェリーのみをその都度収穫し、アグロ・タケシ農園のこの特殊な地理的条件と、完璧な作業の積み重ねがすばらしい甘さと酸味、豊かな風味や質感を持つコーヒーを生み出しています。
類い希な環境を生かし、ヤナカチ村でコーヒーの栽培をはじめようと決意し、この環境では標高が高すぎてコーヒーの栽培は難しいと専門家に言われるも、このヤナカチ村の可能性を信じ、信念貫き今のアグロ・タケシがあります。
この想いに呼応するかのように、ご愛飲いただいたたくさんのお客様の笑顔と感動が積み重ねられ、アグロ・タケシの魅力がより増しているように感じます。
今年もお馴染みのアグロ・タケシ農園のご案内の季節が巡って参りました。
より多くのお客様にアグロ・タケシの素晴らしさをお愉しみいただきたいと思います。
味
ゲイシャ特有のジャスミンのようなフレーバー、ピーチのような果実感のある甘さ、柑橘系の酸味、非常にクリーンな口当たりが印象的です。非常に明確な強いゲイシャフレーバーを持っています。
工房 横井珈琲 ボリビア アグロ・タケシ レッド・カツアイ
味
フローラルなフレーバーと滑らかな口当たり、非常にクリーンな味わいが印象的です。