パナマ フィンカ ラ・ムーラ マドリサ ゲイシャ ラバード C425 ベスト・オブ・パナマ 2020年 ゲイシャ ウォッシュト部門 第7位
フィンカ ラ・ムーラ
フィンカ ラ・ムーラ(Finca La Mula)は、パナマ(Panama)チリキ県(Chiriquí Province)ドレガ地区(Dolega District)ポトレリージョス・アリーバ(Potrerillos Arriba)に位置する農園です。バル火山の南東斜面に位置しています。
ポトレリージョス(Potrerillos)は、ポトレリージョス・アリーバ(Potrerillos Arriba)とポトレリージョス・アバホ(Potrerillos Abajo)に分かれています。「アリーバ(Arriba)」は「より高い場所(Upper)」を意味しており、「アバホ(Abajo)」は「より低い場所(Lower)」を意味しています。
標高1,700m - 1,800m、農園面積5ヘクタールのうち4ヘクタールに、約6,000本のゲイシャのコーヒーノキが植えられています。
ウィレム・ブート
農園主はウィレム・ブート(Willem Boot)(または、ウィリアム・ブート)氏です。
フィンカ ラ・ムーラは、ハートマン家のケリー・ハートマン(Kelly Hartmann)氏が管理しています。
ウィレム氏は、オランダの家族経営の焙煎業者でバイヤーを務めていたコーヒーのキャリアの初期に、コーヒーが環境に有害な方法で栽培されているのを目の当たりにしました。コロンビアやコスタリカでは、高収量のコーヒーノキを密集栽培し、農薬に依存した方法で栽培されていました。また、自然豊かなパナマにおいても、有害な除草剤の使用により、土壌が枯渇している様子を目にしました。
2004年にパナマのベスト・オブ・パナマ(BoP)(Best of Panama)でゲイシャが初めて披露された時、ウィレム氏はこの品種のコーヒーを初めて味わいました。その後、パナマのコーヒー生産者であるグラシアーノ・クルス氏から、バル火山の斜面にあるユニークな土地の話を聞き、彼は2006年に初めてこの土地を訪れました。
彼はラバでバル火山の起伏の多い地形を探索し、雑草が生い茂り、美しい原生林に囲まれた、放棄された小さな農園を発見しました。ボケテ地区の南の渓谷にあるその素晴らしい土地の景観は、彼にコーヒー生産者になることを決意させるのに十分でした。「ラ・ムーラ(La Mula)」という農園名は、この「ラバ(Mule)」から取られています。
ラ・ムーラは2006年に植栽を開始し、2007年に完了しました。古いティピカのコーヒーノキの根を刮ぎ、約6,000本のゲイシャのコーヒーノキを広い間隔をとって植えました。農園を意図的に人里離れた場所にするために、道路を新設しないことに決めたため、コーヒーの苗木は森の中を曲がりくねった小道を通って徒歩で運ばれました。農園に光が入るようにシェードツリーを剪定し、土壌の侵食を防ぐために、根深いギンバイカの木を植えました。
持続可能性
ラ・ムーラは正式な認証を取得していませんが、環境的、社会的な持続可能性のモデルに基づいて設計されています。農園は多様な原生林、野生動物、微生物が活発になる豊かな土壌を持ち、農業活動が森林の生物多様性に与える影響を最小限に抑えています。除草剤と殺虫剤の使用は禁止されており、生分解性殺菌剤はどうしても必要な場合にのみ使用されます。
労働者
ラ・ムーラでは、15人のノベ・ブグレ族(Ngöbe-Buglé)が、雑草の管理、コーヒーノキの剪定と施肥、収穫に至るまでを担当しています。
農園は、フランシシコ(Francisco)氏とレオナルド(Leonardo)氏の2人を、常勤労働者として雇用しています。彼らとその家族は、2011年に建てられた従業員用の建物で生活しています。農園の一部では、従業員のために、豆、トウモロコシ、野菜が栽培されています。
農園は、パナマの最低賃金をはるかに超える賃金を労働者に支払い、そこには医療保険料が含まれてます。
品種
品種はゲイシャ(Geisha)です。
農園では、65%のブロンズ・チップ ゲイシャ、30%のグリーン・チップ ゲイシャ、そして5%の自然交配した矮性ゲイシャの、3つのタイプのゲイシャが栽培されています。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)です。
このロットは、収穫の最初のピークがあった2020年2月28日から3月7日までに収穫されました。収穫されたコーヒーチェリーはパルピング(果肉除去)し、36時間のドライ・ファーメンテーション後、水洗しました。
乾燥ベッドで8日間の予備乾燥させた後、乾燥の第2段階は、事前に乾燥させた空気と、紫外線の影響をフィルターで除去した特定の周波数の光を使用した、特別に制御された条件下で行われ、水分含有量11.5%まで乾燥させました。
フィンカ ラ・ムーラのコーヒーの70%はナチュラルで、残りの30%はハートマン家の精製所でウォッシュトで精製されます。
ベスト・オブ・パナマ 2020
マドリサ ゲイシャ ラバード C425(Madrisa Geisha Lavado – C425)は、2020年のベスト・オブ・パナマ(BoP)(Best of Panama)のゲイシャ ウォッシュト (Geisha Washed)部門で92.75点を獲得し第7位に入賞しました。
ロット | スコア | Boxes | 重さ | 入札単位 | 入札 | 合計数 | 件名 | 最高入札者 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GW-07 | 92.75 | 2 | 100lbs | $0.50 | $107.50/lb | $10,750.00 | MADRISA GEISHA LAVADO – C425 | Coffee Tech ltd (coffee-tech.co.nz), GeeCoffeeRoasters, Saza coffee, 丘精品咖啡生豆商, Koyanagi Coffee Nippon, |
2020年9月17日(日本時間)に行われたオークションで、ニュージーランドのコーヒー・テック株式会社(Coffee Tech ltd)によって、1ポンドあたり107.50米ドルで落札されました。
ウィレム・ブートの所有農園であるフィンカ・ソフィアは、フィンカ・ソフィア オリンポス ゲイシャ ラバード C460(Finca Sophia Olympus Geisha Lavado – C460)がゲイシャ ウォッシュト部門で第1位、フィンカ・ソフィア パルナッソス ゲイシャ ナチュラル D450(Finca Sophia Parnassus Geisha Natural – D450)がゲイシャ ナチュラル/ハニープロセス(Geisha N-H-P)部門で第2位に入賞しています。
サザコーヒー パナマ フィンカ ラ・ムーラ マドリサ ゲイシャ ラバード C425 ベスト・オブ・パナマ 2020年 ゲイシャ ウォッシュト部門 第7位
味
ジャスミンの花のような繊細で甘いフローラルフレーバーから、レモングラスのような甘さのある酸味へ移り変わり、ハチミツレモンシロップのようなまろやかな甘さと酸味で終わります。極めてエレガントで洗練された印象のゲイシャです。
<参考>
"Lot GW-07: MADRISA GEISHA LAVADO – C425",Best of Panama<https://auction.bestofpanama.org/ja/lots/madrisa-geisha-lavado--c425>
LA MULA<http://www.lamulacoffee.com/>