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ニカラグア カフェタレラ ブエノス・アイレスとニカラグアのマラカツーラ
カフェタレラ ブエノス・アイレス
カフェタレラ ブエノス・アイレス(CAFETARELA BUENOS AIRES)は、ルイス・エミリオ・ヴァジャダレス・セラヤ(Luis Emilio Valladarez Zelaya)によって設立された家族経営の企業です。ニカラグア(NIcaragua)ヌエバ・セゴビア県(Nueva Segovia Department)ディピルト市(Dipilto Municipality)ブエノス・アイレス(Buenos Aires)を中心に、様々な農園を経営しています。
ルイス・エミリオは、1957年にブエノス・アイレス農園を購入し、コーヒー生産を始めました。いくつかの農園を購入した後、コーヒーの生産と輸出を一貫して管理するために、カフェタレラ ブエノス・アイレスを設立しました。現在はヴァジャダレス家の第2世代がスペシャルティコーヒーを生産しています。
カフェタレラ ブエノス・アイレスは、10の品種と12の異なった精製方法を採用し、実験的な試みと品質改善に取り組むことによって、ニカラグア スペシャルティコーヒーの世界で有名になりました。
ブエノス・アイレス エル・カルメン エル・ナランホ・ディピルト ラ・カンパナ オホ・デ・アグア ラ・ラグーナ
カフェタレラ ブエノス・アイレスの所有農園は、標高1,200m - 1,700mに位置しており、砂質土の土壌です。約70%のコーヒーがシェード・グロウンです。主にマラカツーラ(Maracaturra)とカツーラ(Caturra)の栽培で有名です。
ブエノス・アイレス農園
ブエノス・アイレス(Buenos Aires)は、 ルイス・エミリオ・ヴァジャダレス・セラヤが1957年に購入した最初の農園で、カフェタレラ ブエノス・アイレスの中心的な存在です。ホンジュラスの国境近く、ディピルト市ブエノス・アイレスに位置しています。
主な栽培品種は、カツーラ(Caturra)、カツアイ(Catuai)、マラカツーラ(Maracaturra)、ビジャ・サルチ(Villa Sarchi)です。
エル・カルメン農園
エル・カルメン(El Carmen)は、1969年に購入された2つ目の農園です。マドリス県(Madriz Department)サン・ファン・デル・リオ・ココ市(San Juan del Rio Coco Municipality)テルパネカ(Telpaneca)に位置しています。
標高約1,200m、年間降雨量1,460mm、平均温度24℃です。
栽培品種は、マラカツーラ70%、カツーラ30%です。
エル・スヤタル
エル・スヤタル(El Suyatal)は、1975年に購入された農園です。ホンジュラスとの国境近く、ディピルト市ラス・マノス(Las Manos)に位置しています。
標高1,300 - 1,550m、面積15マンサーナ(1マンサーナ=約0.7ヘクタール)です。
エル・スヤタル農園は、ルイス・エミリオ・ヴァジャダレス・セラヤ(Luis Emilio Valladarez Zelaya)が1975年に購入した農園です。彼の息子のルイス・エミリオ・ヴァジャダレス・アセベド(Luis Emilio Valladares Acevedo)が、1997年にエル・スヤタル農園でカツーラ(Caturra)の栽培を始めました。
カフェタレラ ブエノス・アイレスは、2006年にエル・スヤタル農園のカツーラのウォッシュト(Washed)を初めてニカラグア カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Exellence)に出品し、84.31点を獲得し第25位に入賞しました。
エル・ナランホ・ディピルト農園
エル・ナランホ・ディピルト(El Naranjo Dipilto)は、1990年にジェイム・アルビル(Jaime Albir)から購入した農園です。ディピルト市、パン・アメリカン・ハイウェイ(Pan-American Highway)沿いにあり、松の木に囲まれ微気候に恵まれた場所に位置しています。
面積120マンサーナのうち、30マンサーナでコーヒーが栽培されています。
栽培品種はマラカツーラです。近年になって、マルセレサ(Marselleza)とカツーラの栽培も始めました。
この場所には、カフェタレラ ブエノス・アイレスのウェット・ミル、「ラ・カンパナ(La Campana)」があります。カフェタレラ ブエノス・アイレスの所有農園で栽培されたコーヒーは、すべてこのミルに集荷されます。
オホ・デ・アグア農園
オホ・デ・アグア(Ojo de Agua)は、2003年に購入された農園です。ディピルト市オホ・デ・アグア(Ojo de Agua)に位置する8マンサーナの小さな農園です。
当初はカツーラが栽培されていましたが、マラカツーラ栽培に切り替えています。
ラ・ラグーナ農園
ラ・ラグーナ(La Laguna)は、2011年にヴァジャダレス家の友人であるヒューゴ・サルガド・ロボ博士(Dr. Hugo Salgado Lovo)から購入した農園です。ディピルト市ラ・ラグーナ(La Laguna)の地域から名前が取られました。
45マンサーナの面積で、カツーラが栽培されています。
ニカラグア カップ・オブ・エクセレンス(CoE)とマラカツーラ
カフェタレラ ブエノス・アイレスは、ニカラグアのマラカツーラの評価を確立した農園です。カフェタレラ ブエノス・アイレスは、2006年に初めてニカラグア カップ・オブ・エクセレンス(CoE)(Cup of Exellence)参加し、2015年に初優勝を遂げました。
2006年、エル・スヤタル農園のカツーラが84.31点を獲得し第25位に入賞しました。
2008年、ブエノス・アイレス農園のマラゴジッペが85.86点を獲得し第14位に入賞しました。
2009年、ブエノス・アイレス農園のマラカツーラが85.28点を獲得し第14位に入賞、エル・ナランホ・ディピルト農園のマラカツーラが84.44点を獲得し第21位に入賞しました。
2011年、エル・ナランホ・ディピルト農園のマラカツーラが84.40点を獲得し第26位に入賞しました。
2012年、オホ・デ・アグア農園のマラカツーラが88.83点を獲得し第8位に入賞、ラ・ラグーナ農園のカツーラが85.88点を獲得し第21位に入賞しました。
2014年、エル・ナランホ・ディピルト農園のマラカツーラが90.10点を獲得し第2位に入賞、ブエノス・アイレス農園のマラカツーラが86.47点を獲得し第14位に入賞、エル・カルメン農園のマラカツーラが86.37点を獲得し第15位に入賞しました。

2015年、ブエノス・アイレス農園が89.69点を獲得し第1位に輝きました(品種不明)。落札価格は1ポンドあたり21.60ドルです。また、エル・スヤタル農園が86.88点を獲得し第16位に入賞(品種不明)、ラ・ラグーナ農園が85.08点を獲得し第34位に入賞しました(品種不明)。
2017年、エル・ナランホ・ディピルト農園のマラカツーラが89.04点を獲得し第9位に入賞、エル・カルメン農園のマラカツーラが88.58点を獲得し第10位に入賞、ブエノス・アイレス農園のマラカツーラが88.33点を獲得し第11位に入賞、オホ・デ・アグア農園のマラカツーラが87.83点を獲得し第14位に入賞、ラ・ラグーナ農園のカツーラが87.75点を獲得し第17位に入賞しました。
2018年、オホ・デ・アグア農園のマラカツーラが88.27点を獲得し第20位に入賞しました。
カフェタレラ ブエノス・アイレスは、スペシャルティコーヒー運動の初期からマラカツーラの栽培を始めた農園です。カフェタレラ ブエノス・アイレスのマラカツーラは、カップ・オブ・エクセレンス(CoE)で次々と上位入賞を果たすことで、マラカツーラはニカラグアの代表的な品種として認識されるようになりました。
エルサルバドルで開発され、グアテマラで評価が確立したパカマラに対し、ニカラグアはマラカツーラで対抗したとも言えます。
グアテマラがパカマラなら、ニカラグアは「マラカツ」で勝負、というわけか。マラゴジッペとカツイアの交配種がそれで、スクリーン19アップというかなりの大粒豆だ。昔からニカラグアのマラゴジッペはおいしい豆だったが、いかんせん生産性が低い。そこで収量が多く矮性(樹高が低いので収穫作業が容易)のカツアイを掛け合わせてみた。結果花のような香りとさわやかな酸をもつ品種ができ上がった。おまけにワインでいう所の複雑精妙な味わいにもなった。
田口 護(2013)「田口護のスペシャルティコーヒー大全 知識編」,NHK出版.p.44
カフェタレラ ブエノス・アイレス(CAFETARELA BUENOS AIRES):https://real-coffee.net/category/coffee-origin/central-america/nicaragua/nueva-segovia/cafetarela-buenos-aires