堀口珈琲 インドネシア マンデリン オナンガンジャン フレンチローストです。
堀口珈琲 HORIGUCHI COFFEEは、東京都世田谷区にあるスペシャルティコーヒー専門店です。創業者は、堀口 俊英(ほりぐち としひで)です。
インドネシア マンデリン オナンガンジャン フレンチロースト
マンデリン オナンガンジャン
インドネシア マンデリン オナンガンジャン(Indonesia Mandheling Onan Ganjang)は、インドネシア(Indonesia)スマトラ島(Sumatra)北スマトラ州(North Smatra)フンムバン・ハスンドゥタン県(Humbang Hasundutan Regency)オナンガンジャン(Onan Ganjang)で生産されるマンデリンです。
インドネシア・スマトラ島のマンデリンは独特の風味で、日本では戦前から長く愛され、飲用されている豆です。
1990年代は、特徴的な風味のある豆は、この豆以外にエチオピア、イエメンがありましたが共に品質が悪く、堀口珈琲ではこのマンデリンのフレンチが一番の売れ筋でした。この豆を1kg単位で買うお客様も多くいました。
しかし、当時この豆の生産履歴は曖昧で、世界中のバイヤーや日本の輸入商社も栽培地に入ることはほとんどなく、コーヒー集積地であるメダンで取引を済ませていました。車で8時間から10時間かかります。この状況を打破するため、2000年代に入ってから産地調査を行うことにしました。現地ドライミルを運営する輸出会社を通し、流通のかなめであるブローカー(小農家から生豆を買い付け輸出会社に売る)と接触することを試みましたが、秘密性が高く困難で、輸出会社との信頼関係の構築に数年の時間がかかりました。スマトラ式の精製方法と品種を現地確認できたのは、2000年代中盤以降でした。
そして、さらに生産農家を特定できるまでには、数年を要しました。
「マンデリンの風味の楽しみ方」,パパ日記 2019年4月28日
ここまでたどり着くのに、長い歴史を刻んでいるわけです。
他のマンデリンとは異なる方法がとられていますので高品質が維持されていますので、価格も高い生豆です。
品種
品種はオナンガンジャン(Onan Ganjang)です。
マンデリンの大部分は小農家が栽培し、ブローカーが買い集めそれを輸出会社などに売ります。したがって、栽培農家が特定できないのが当たり前の世界でした。またそこまで求めるとレーダーやロースターもいませんでした。
しかし、私はこの農家の特定にこだわりました。
数年前に小農家を特定するミッションを組み、当社使用の豆が樹齢70年の樹を含む在来種であり、主には40農家が栽培しているものと始めて特定できました。また、精製の工程においても、香味がぶれないようメダンまでウエットパーチメントを運び、乾燥、脱穀しています。
さらには、輸出会社では、ハンドピック工程を厳密に行い、他のマンデリンと根本的な差別化を図っています。
20年間、同じ品質、香味を維持できている最高峰のマンデリンといえます。このマンデリンをフレンチローストにし販売してきました。
「マンデリン」,パパ日記 2011年3月30日
繊維質がやわらかく、焦げのないフレンチローストを作るのが難しい豆で、この点でも他との差別化を図っています。
このフレンチローストの香味がマンデリンの本質と考えていますのでぜひお試しください。
精製方法
精製方法はスマトラ式(ギリン・バサ(Giling Basah)、ウェット・ハル(Wet Hulling))です。
マンデリンは特殊な精製方法でスマトラ式といいます。
小農家が果肉を除去しパーチメントを天日乾燥し、まだ水分値が多い状態でブローカーや脱穀業者に販売します。ここでパーチメントを脱穀し、生豆の状態で天日乾燥します。
雨の多い産地でかつ乾燥場が少なく、伝統的に早い乾燥工程が選択され、この方法が独特の風味を生み出します。「マンデリン」,パパ日記 2013年9月8日
主要産地はリントンとアチェですが、一般的な傾向としてはリントンの方により個性的な風味があるように思います。リントンのマンデリンでも品種により香味は大きく異なります。
世界中に流通している大部分のマンデリンはカチモール系の香味で、酸は弱く、重い香味です。
在来種系の品種ばベースのものは、レモンのようなしっかりした酸があり、華やかな果実感、植物や檜のような香味があり、複雑な香味をもっています。またなめらかなベルベットのような舌触りも特徴です。
堀口珈琲のマンデリンが他のマンデリンと異なる点は、多々あります。
「マンデリンと精製・品種」,パパ日記 2016年3月23日
農家でパーティメントの一次乾燥、夜のうちにメダンに運び、メダンでの2次乾燥、そして脱穀後の生豆での3次乾燥などで品質が担保できます。
多くの場合は、生産農家からブローカー、脱穀業者などのプロセスの中で輸出業者にわたるまでの過程で品質のばらつきが出ますが、LCFマンデリンはメダンのミルで一括管理されます。
また、その後のハンドピックも厳密です。(ネットショップ参照)
このウオッシュトでもナチュラルでもないマンデリン方式の精製がクリーンでなめらかな触感を伴う独特の風味を生みだします。
堀口珈琲 インドネシア マンデリン オナンガンジャン フレンチロースト
19世紀末に発生したさび病(コーヒーノキの病気)の甚大な被害とその後の耐病性品種への植え替えにより、マンデリンの産地であるスマトラ島では当時栽培されていたティピカ系の品種はほぼ消失してしまいました。ただ、そのなかでもスマトラ島北部トバ湖周辺の標高の高い地域では細々とではあるものの同品種が生き残っている地域があります。こちらの「オナンガンジャン」はこうした背景から生まれたコーヒーです。
「オナンガンジャン」とは地域の名前でもあり、品種の名前でもあります。同品種はこの地域でわずかに生き残っていた程度ですので、今回の商品を作るにあたり各農家には該当の樹に目印をつけてもらっています。この地域は小規模な農家が多く、その農家の農地には必ずしもティピカ系品種だけが植えられているわけではないのです。単一品種のみで構成されたロットを実現するため、多くの農家に目印作戦に協力してもらいました。
堀口珈琲
味
バタークリームのような滑らかな口当たりをベースに、青草やハーブのようなフレーバーが非常にクリーンに広がります。フレーバーの余韻とともに、レモンのような強い酸味が広がります。マンデリンの特徴が非常にクリーンに感じられる印象です。