カッピング ルーム コーヒー ロースターズ:コロンビア セロ アズール ゲイシャ X.O ナチュラル

カッピング ルーム コーヒー ロースターズ(Cupping Room Coffee Roasters)のコロンビア セロ アズール ゲイシャ X.O ナチュラルです。カッピング ルーム コーヒー ロースターズは、香港(Hong Kong)の有名なサードウェーブ系スペシャルティコーヒー専門店です。数々のバリスタ・チャンピオンを輩出していることで有名なコーヒー店で、日本では2017年、2019年のジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(Japan Barista Championship、略称JBC)で優勝されたフリーランス・バリスタの石谷貴之(いしたに・たかゆき)氏と長い間コラボレートしています。今回のコロンビア セロ アズール ゲイシャ X.O ナチュラルは、2019年のJBCの決勝で使用されたコーヒーです。

コロンビア セロ アズール ゲイシャ X.O ナチュラル

コロンビアコーヒー

コロンビア(Colombia)はカリブ海と大西洋に面する南アメリカ大陸北部の国です。東にベネズエラ、南東にブラジル、南にペルー、南西にエクアドル、北西にパナマとコーヒー生産国に囲まれています。首都はボゴタ(Bogota)です。ブラジル、ベトナムについで、世界第3位のコーヒー生産大国であり、年間平均1,200万袋(1袋60kg)、720,000トンです。コロンビアは南北にアンデス山脈が縦断しているため、山岳地帯の面積が広いです。地域によって標高差が大きく、雨季と乾季が異なるため、一年を通じてコーヒー豆を収穫できます。

コロンビア国内の大半の生産地では収穫期が1年に2度あります。北部の地域ではメインの収穫期が11月、そして5月~6月にかけて第2期の収穫(mitaca、ミタカ)が行われます。南部地域ではそれとは逆に、メインの収穫期が5月から6月で、ミタカは11月に行われます。

アンデス山脈では、年間1,600-1,800時間の日照時間が良質なコーヒー栽培にとって最適とされており、日照量をコントロールするためにシェード(遮光)栽培を行っています。この土地の雨季と乾季が交互で訪れる気候条件も、良質なコーヒー栽培には不可欠です。

コロンビアコーヒーは全体としては、フルーティーな風味と味わいが特徴で、柑橘系の芳醇な香り、滑らかで甘い風味、豊かなコクとほど良い酸味のあるマイルドなコーヒーです。コロンビアコーヒーは地域によって、それぞれ風味が微妙に異なります。

コロンビアコーヒーは、アンデス山脈のいたるところで栽培されています。アンデス山脈は3つの連峰に別れていて、この連峰によって分けられた地域には、それぞれ気候に違いが見られます。コロンビアのコーヒー生産地域は北部、中部、南部の大きく三つに分けることができます。北部・中部の年間平均気温は20.5℃、南部の年間平均気温は19.5℃となっていて、南部より北部のほうが気温が高めです。全体的な風味の傾向としては、南部よりも北部のほうがはっきりとした酸味、しっかりとしたボディ、強いコクが感じられます。セロ・アズール農園はコロンビア南西部のバジェ・デル・カウカ県(Valle del Cauca)に位置しています。

コロンビアコーヒーの大部分は多くの小規模農家が生産したコーヒーを協同組合や生産者協会が集積した大ロットです。そのため、単一農園によるシングルオリジンは珍しく、高品質のコーヒーを他のコーヒーからいかに分離するかが課題となっています。

バジェ・デル・カウカ

バジェ・デル・カウカ、FNC コロンビアコーヒー生産者連合会ホームページより

セロ・アズール農園(Cerro Azul)はバジェ・デル・カウカに位置しています。バジェ・デル・カウカの名前はカウカ谷に由来しています。太平洋に面する最西部に位置していて、コロンビアで人口第3位のサンティアゴ・デ・カリ(Santiago de Cali、通称カリ)が県都です。

アンデス地方のバジェ・デル・カウカは標高1,200~1,800mと高地で、平均気温24℃と温暖な気候、年間雨量2,300 mmと豊富な降雨量があり、良質なコーヒー生産に恵まれた条件が揃っています。収穫時期は、中央地域が3月〜6月、北部が9月〜12月です。

バジェ・デル・カウカは水はけが良い火山灰の土壌です。火山灰の土壌は良質なコーヒー生産にとって最適の土壌です。火山灰の土壌は植物が根を張りやすいため、育ちやすいです。また保湿力が高いため、雨の少ない乾季にも植物に十分な栄養を与え続けることが出来ます。また火山灰に多く含まれる硫黄が、コーヒー豆に豊かな香りを与えます。

コロンビアのコーヒーは、北部のサンタマルタ(Santa Marta)、同じく北部のカルタヘナ(Cartagena)、西部のブエナベントゥラ(Buenaventur)の三つの主要な港湾都市から輸出されます。バジェ県にあるブエナベントゥラからは、バジェ・デル・カウカとその近隣にある県で生産されたコーヒーが輸出されています。

バジェ・デル・カウカの北部地方は、2011年にユネスコの世界文化遺産「コロンビアのコーヒーの文化的景観」の一部に認定されています。

カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサ

セロ・アズール農園はカフェ・グランジャ・ラ・エスペランサ(Cafe Granja La Esperanza)が運営しています。カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサはリゴベルト・コレア氏(Don Rigoberto Herrera Correa)が運営するコロンビアの大手コーヒー生産会社です。カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサは、所有するコーヒー農園で様々な品種の栽培、精製方法などを実験的に試みています。

カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサを運営するドン・リゴ氏(リゴベルト・コレア氏の愛称)の祖父母は「アンティオキアの入植」(La Colonización Antioqueña、 英語でThe Antiochian Colonization)と呼ばれる文化、経済、社会にまたがる運動の一環として、バジェ・デル・カウカにやってきて、1930年にポトシ農園(Potosi)を設立しました。この運動によって、主にコロンビアのアンティオキア県(Antioquia)に住んでいた多くの家族が、空いている土地を求めてコロンビアの中部と南部に入植しました。

カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサの始まりは、1945年にドン・リゴ氏の父が既存のティピカ種に加え、3つの新しいティピカ種(イエローブルボン、レッドブルドン、カツーラ)の栽培をはじめたのが最初です。

ドン・リゴ氏の父には11人の子供がいて、全員が農園で働いていましたが、そのうちコーヒー生産に特別な関心を持ったのはドン・リゴ氏と彼の兄弟ルイス氏の2人でした。1990年代後半に彼らは農作を有機栽培に変え、その有機栽培を拡大するためにバジェ・デル・カウカのトルヒージョ地区(Trujillo)に新しい農園であるラ・エスペランサ農園(La Esperanza)を設立しました。

2007年に、ドン・リゴ氏はパナマのボケテ(Boquete)地区にあるカルレイダ農園(La Carleida)を運営する機会を得ました。その1年後、パナマのスペシャルティコーヒー協会が主催するコーヒー品評会のベスト・オブ・パナマ(Best of Panama)で1位を獲得しました。 彼はこの時にゲイシャをコロンビアに持ち込むことを決めたのです。そして、このカルレイダ農園のゲイシャがセロ・アズール(Cerro Azul)農園に持ち込まれ、コロンビアでの最初のゲイシャの栽培が始まりました。セロ・アズール農園はコロンビアで最初にゲイシャの栽培を始めた農園となりました。

カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサの所有農園

カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサの所有農園は以下の通りです。

それぞれの農園の場所、青色がポトシ農園とラス・マルガリータス農園、えんじ色がセロ・アズール農園とラ・エスペランサ農園、黄土色がハワイ農園、Cafe Granja La Esperanzaホームページより

ポトシ農園(Potosi)

バジェ・デル・カウカ、カイセドニア(Caicedonia)に位置するカフェ・グランジャ・ラ・エスペランサの最初の農園。標高1,400~2,000m、農園面積52ヘクタールに188,725本のコーヒーノキが植えられている。品種はコロンビア(Colombia)とカツーラ( Caturra)

ラス・マルガリータス農園(Las Margaritas)

バジェ・デル・カウカ、カイセドニアの美しい景観の丘に位置している。標高1,450~1,800m、農園面積33.8ヘクタールに94,367本のコーヒーノキが植えられている。品種はゲイシャ(Geisha)、ローリナ(Laurina)、レッドとイエロー・ブルボン(Red & Yellow Bourbon)、ブルボン・テキシック(Bourbon Tekisic)、パカマラ(Pacamara)、ルメ・スダン(Sudan Rume)と豊富で、珍しい品種も栽培されている。 こちらの農園のコーヒーはかつてスターバックス リザーブ®で取り扱われていた。

セロ・アズール農園(Cerro Azul)

バジェ・デル・カウカのトルヒージョ地区(Trujillo)に位置している。標高1,700~2,000mと高地にあり、農園面積17.4ヘクタールに33,879本のゲイシャのコーヒーノキのみを生産している。パナマのカルレイダ農園からゲイシャが持ち込まれ、コロンビアで最初にゲイシャが栽培された農園。

ラ・エスペランサ農園(La Esperanza)

バジェ・デル・カウカのトルヒージョ地区(Trujillo)に位置している。標高1,430~1,760m、農園面積34.3ヘクタールに96,600本のコーヒーノキを栽培している。栽培品種はゲイシャ、ローリナ、イエロー・ブルボン、ティピカ、コロンビアと豊富。

ハワイ農園(Hawaii)

クンディナマルカ県(Cundinamarca)に位置している。標高1,800~2,000m、農園面積15ヘクタール。栽培品種はモカ。

コロンビア セロ アズール農園

セロ・アズール農園、Cafe Granja La Esperanzaホームページより

コロンビア セロ・アズール農園(Cerro Azul)はコロンビアのバジェ・デル・カウカのトルヒージョ地区(Trujillo)に位置しています。標高1,700~2,000m、年間降水量1,520mm、平均気温15-21℃、カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサの所有農園のなかでもゲイシャの生産で有名です。

このコロンビア セロ アズール ゲイシャ X.O ナチュラルは、競技会向けの特別なゲイシャで、セロ・アズール農園のなかでも1,950mと最も高い標高で生産されています。カフェ・グランジャ・ラ・エスペランサのホームベージでは、92.5点のスコアを獲得しています。

ゲイシャ

セロ・アズール農園のゲイシャの元種となったパナマのカルレイダ農園は、パナマのゲイシャを一躍スターダムにのし上げたエスメラルダ農園の隣に位置しています。(パナマ・エスメラルダ農園についてはこちらから)。

ゲイシャはエチオピア起原の野生種で、最も希少で高価な最高品質のコーヒーとして有名です。1930年代にエチオピアのゲシャ地方で発見された品種です。パナマ・エスメラルダ農園が復活させたゲイシャは現存するコーヒーのなかで、最も高品質で美味しいコーヒーのひとつとして知られています。

ゲイシャはイギリス植民地時代のアビシニア(Abyssinia、現在のエチオピア)で、ベンチ・マジ地方(Bench Maji)の領事であったリチャード・ウォーリー大尉(Richard Whalley)が、ゲシャ山周辺で10ポンドのコーヒーの種子を集めた時に発見されました。ウォーリー大尉はケニアの農業局長からの指令により、エチオピアコーヒーの野生種の調査の一環として、これらの種子を集めることを任務としていました。エチオピアの原生林はコーヒーの発祥の地であり、その主要品種を調査することでイギリス植民地でコーヒーの商業栽培ができるかどうか、その実行可能性を評価する目的で行われました。すでに1930年代時点において、ゲシャ地方のコーヒーが美味しいものであると、コーヒー業界の人々の耳には届いていました。

ゲイシャ(Geisha)は、もともとはゲシャ(Gesha、あるいはGechaと書かれることもあった)と表記されていました。それがいつから"Geisha"と表記されるようになったかははっきりしていませんが、現地語のカッファ(Kafa)は口頭言語であるため、ローマ字に置き換える際に"Gesha"に"i"の文字が入ったという説や単純にスペルミスという説もあります。

ゲイシャはアラビカ種の亜種の一つです。アラビカ種はもともと栽培に大変な手間がかかり、病害虫にも気候変動にも弱いコーヒー種です。ゲイシャはそのなかでも著しく生産量が低く、栽培には大きなリスクを伴います。

また、収穫にも困難が伴います。ゲイシャのコーヒーノキは樹高が4mにまで成長します。これは同じアラビカ種であるブルボンやティピカ種の2倍の高さです。ゲイシャのコーヒーノキは枝葉が少なく、側枝と側枝の間隔が広いので、機械で収穫することは困難です。パナマの農園は険しい山の斜面に位置しており、手摘みの収穫には厳しい労働と高い精度が求められます。このようにゲイシャはもともと生産性の低いアラビカ種のなかでも特に生産性が低いため、商業生産は困難であると長い間考えられていました。

1970年に中南米では初めて、ブラジルでコーヒーさび病が発生しました。その後さび病は南米諸国に広まり、 やがて中米にまで被害が広がります。1984年までにはパナマを除く、中米地域のすべての産地がさび病に見舞われました。その後、多くの国でさび病対策のため、耐病性のアラビカ種とロブスタ種の交配種の生産を増やしたため、交配種の普及による香味劣化が問題視されるようになりました。ところが、現在までパナマだけで大規模なさび病の流行が確認されていません 。パナマではコーヒーの大敵であるさび病の流行がなかったため、ゲイシャの栽培に最適な環境を維持しています。

1930年代にエチオピアで発見されたゲイシャは、その後ケニアに渡り、アフリカのタンザニア、そして海を渡り1953年に中米のコスタリカの熱帯農業研究・トレーニングセンターCATIE (Tropical Agriculture Research and Training Center) に入りました。

パナマ・ゲイシャの歴史は1963年にパナマ・ドンパチ農園のフランシスコ・セラシン・シニア(Sr. Francisco Serracín、通称ドンパチ・シニア(Don Pachi Sr.))氏がコスタリカのCATIEからゲイシャを持ち帰り、中米で栽培したのが最初です。ドンパチ農園は1873年に、セラシン家がカジェ・ホン・セコ地区(Calle jon Sec、埃だらけの乾燥した道という意味)に開園した歴史ある農園です。しかし、ゲイシャは栽培と商業的な難しさのために栽培が放棄され、しばらくはそのまま放置されることになりました。

1960年代以降、コーヒーはピーターソン家やその周辺の農園で栽培されていましたが、その後数十年に渡って、複数の農園で生産されたコーヒー豆は、すべて品種を問わずミックスし、出荷されていました。コーヒー豆を農園ごと、品種ごとに区別して取り扱うという考えは、スペシャルティコーヒーというコンセプトが生まれてからのことです。それまでは、生産者にも、消費者にも、コーヒーを品種ごとに扱うという考え方はほとんどなく、すべての豆が一緒くたに扱われるのが当然でした。

1990年代にスペシャルティコーヒーという概念の登場によってコーヒー生産が注目を集めるようになると、ピーターソン家は1997年に高地に新しい農園を買い取り、ハラミージョ(Jaramillo)と名付けました。1997年はパナマに「オホ・デ・ガーヨ(Ojo de Gallo)」、日本語で「アメリカ葉斑病(American leaf spot (of coffee)」というコーヒーの病気が広まりました。これは植物の葉に斑点を形成し、発光反応を阻害する"Mycena citricolor"という病原体が、コーヒーノキをゆっくりと腐敗させます。

ピーターソン家が買い取ったこの農園も病気で荒れ果てていましたが、ダニエル氏はこの農園に偶然植えられていたゲイシャのコーヒーノキだけは痛みが少ないことに気づきました。それはゲイシャが「Ojo de Gallo」に対する耐病性を持っていたためでした。コスタリカに入る以前、ゲイシャは遺伝子バンクやコーヒー研究所のネットワークで交換されていましたが、当時「Ojo de Gallo」に耐病性を示すサンプルについて、特別注意が払われることはありませんでした。ダニエル氏は、それまでゲイシャが植えられていた場所よりももっと高い標高1,650m以上の場所を含む、この農園の多くの場所に、ゲイシャのコーヒーノキを植えることにしたのです。

スペシャルティコーヒーという考え方が浸透し始めた2000年代から、コーヒー品評会が生産各国で開催されるようになりました。1999年にブラジルが世界で初めてコーヒーの国際品評会であるベスト・オブ・ブラジル(Best of Brazil)を開催します。これは現在のCoE (Cup of Excellence)の前身です。その成功を受け、パナマでも2001年からCoEが開催され、2003年からベスト・オブ・パナマ(Best of Panama)が始まります。

ピーターソン家は出品のために、それまでになかった新しいことを試みました。生産したコーヒーを農園の異なる区画ごとに極めて注意深く精製処理をし、優れたロットを分離したのです。区画ごとにコーヒー豆をカップテストした際に、ハラミージョ農園で生産されたコーヒー豆だけが、特別に素晴らしい香りと味を持っていることを発見します。コーヒーのカッパーが100%ゲイシャのサンプルを味わったのはこれが初めてのことでした。それから、この独特の香りと味をつくるこの品種を選別し、分離して栽培し始めました。エスメラルダ農園でも忘れられていたゲイシャが、最初にエチオピアで発見されてから約70年後に再発見されることとなったのです。

そして2004年のベスト・オブ・パナマで、エスメラルダ農園の出品したゲイシャ「Jarmillo Especial」が1ポンドあたり21ドルという当時のオークションで最高落札価格当時破格を記録したことから、エスメラルダ農園のゲイシャはそのユニークな香味特性とともに一躍有名となり、それまでは個性不足と言われたパナマコーヒーの個性を打ち出すことに成功します。エスメラルダ農園のゲイシャは2004年ベスト・オブ・パナマで最高価格を記録して以来、自ら持つ記録を毎年更新し優勝し続けます。2004年、2005年、2006年、2007年、2009年、2010年と、ベスト・オブ・パナマで連続一位に輝きます。2007年のオークションでは、落札価格1ポンドあたり130ドルという史上最高値を大きく更新し、世界中の注目を浴びます。

エスメラルダ農園のゲイシャは、コーヒー品評会に出品すれば、必ず優勝するという伝説のコーヒーになりました。そのため、2008年からはベスト・オブ・パナマの別枠で「Esmeralda Special (エスメラルダスペシャル)」として、エスメラルダ農園独自のプライベート・オークションが行われることになりました。上記の記録で2008年が抜けているのはそのためです。この2008年にベスト・オブ・パナマで優勝したのが、セロ・アズール農園のゲイシャの元種となったカルレイダ農園のゲイシャです。

味は花や香水を思わせる強烈なゲイシャフレーバーが特徴です。オレンジ、ベルガモットのような柑橘系のきれいな酸味と甘味がフレーバーの印象を引き立てます。

精製方法

精製方法はX.O ナチュラル(X.O Natural)です。アナエロビック・ファーメンテーション(Anaerobic Fermentation、嫌気性発酵)の一種です。

石谷バリスタのプレゼンテーションによると、25℃未満で温度管理、60時間の発酵工程を行うことで、ボディとフルーツフレーバーを最大化します。使用するコーヒーチェリーの糖度をBRIXで18度に揃えることで、均一な発酵を促します。徹底管理された発酵工程の後、28日間天日乾燥、その後3ヶ月間保管することで水分含有量を安定させます。この乾燥工程が液体の透明感につながります。この精製がゲイシャの品種特性に加わることで、複雑なコーヒーに仕上がります。

ちなみに、ラス・マルガリータス農園のゲイシャがこのX.O ナチュラルで精製されると、「ゲイシャ・ナポレオン(Geisha Napoleon)」と呼ばれます。

Cup Profile
Fragrance and aroma: jasmine, vanilla, tamarind, vine, regaliz. Taste and aftertaste: coñac, strawberry, pineapple, violets, Citronella, nutmeg, pronounced sweetnees, malic acidity, creamy body, a long finish on the palate.

グレープのキャンディやブルーベリーヨーグルト、ストロベリージャムのような厚みとボリュームのあるフレーバーと甘味が特徴です。このなかでも支配的なフレーバーはグレープです。フレーバーと甘味が濃厚で、厚みとボリュームがありますが、後味はクリーンでスッキリしています。

石谷貴之バリスタとJBC

JBC決勝の様子、SCAJConferenceより

ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(Japan Barista Championship)決勝では、15分間の制限時間内にエスプレッソ、ミルクビバレッジ、シグネチャービバレッジという3種類のドリンクを4杯ずつ、それぞれのカテゴリーに分かれた審査員に提供し、評価を競います。審査員は全員で7名います。

席に座っている4名が「センサリー・ジャッジ(Sensory judge)」と呼ばれる審査員で、4名で構成されています。ドリンクの味、バリスタの仕草、プレゼンテーションを評価します。

タイマーを持って立っているのが「テクニカル・ジャッジ(Technical judge)」と呼ばれる審査員で、2名で構成されています。使用された後のエスプレッソマシンやグラインダーの状態など、バリスタの技術を評価します。

後ろに立って動き回っているのが「ヘッド・ジャッジ(Head judge)」と呼ばれる審査員で、1名です。競技の全体を統括する役割です。ヘッド・ジャッジは競技の評価に関係しません。

石谷貴之バリスタはこのコロンビア セロ アズール ゲイシャ X.O ナチュラルを使用した「未来のコーヒー体験」というプレゼンテーションで、2019年JBCで優勝されました。

カッピング ルーム コーヒー ロースターズのコロンビア セロ アズール ゲイシャ X.O ナチュラル

説明

焙煎

焙煎は浅煎りです。

欠点が若干あります。ファーメンテーション精製のコーヒー豆を焙煎すると、一部黒みがかったような焙煎豆に仕上がります。

石谷バリスタのプレゼンテーションによると、焙煎は1ハゼ後の温度を急激に下げ、デベロップメント・タイム・レイシオ(Developing Time Ratio、略称DTR)を21%に設定することで、フレーバーと甘味を最大限引き出しました。

グレープのキャンディやブルーベリーヨーグルト、ストロベリージャムのような厚みとボリュームのあるフレーバーと甘味が印象的です。ストロベリーやブラッドオレンジのような強い酸味があり、マスカットのような爽やかさを伴っています。冷めてくるとチョコレートっぽさが強くなります。フレーバーと甘味に厚みとボリュームがありますが、クリーンで後味がスッキリした印象です。

このコーヒーはドリップよりも、エスプレッソやミルクビバレッジに合ったコーヒーだと思います。

<参考>

「コーヒーの産地、バジェ・デル・カウカ(Valle del Cauca)」,FNC コロンビアコーヒー生産者連合会<http://cafedecolombia.jp/colombia/origin-valle/>2019年10月12日アクセス.

Café Granja la Esperanza<https://cafegranjalaesperanza.com/>2019年10月12日アクセス.

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