新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とコーヒー産業(2020年版)
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2019年11月に中華人民共和国湖北省武漢市で確認された「原因不明のウイルス性肺炎」は、瞬く間に世界に感染を広げました。このウイルスは、2020年2月11日に世界保健機関(WHO)によって正式名称を「COVID-19」とされ、3月11日にパンデミック(世界的大流行)が宣言されました。

ここでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行とコーヒーを取り巻く状況を振り返りたいと思います。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とコーヒー産業(2020年版)

2019年12月から2020年3月

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以前の状況として、2010年代のコーヒーの取引価格は一貫して低水準でした。

「コーヒー豆の価格は2011年に1ポンド(約454g)当たりおよそ3ドルをつけ、その後は一時的に高騰することがあっても、おおむね下落を続けてきた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、2019年10月中旬には同0.93ドルにまで下落。その後は上昇に転じ、12月初めの時点では年初と比べておよそ20%の値上がりとなっている。」(「コーヒー豆を取り巻く脅威が拡大、価格不安定化の要因に」,Forbes 2019年12月21日)

2019年12月の確認以降、SNS上などでは、一部の専門家によって議論が行われていましたが、世間はまだ様子見の状態でした。2月にダイヤモンドプリンセス号内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染が発生し、一般市民の間でも少しづつ危機感が共有されていきました。私見では、2月のバレンタインデーを過ぎたあたりから、街中から人の姿が消え、人々が巣篭もりを始めました。

2月には、ワタルの小澤 志朗顧問がコーヒー生豆市場の展望を分析しています。(「コーヒー・コーヒー用クリーム特集:ワタル・小澤志朗顧問 コーヒー生豆国際市況」,日本食糧新聞 2020年2月28日)

タルゴナコーヒー

3月には、韓国でテレビ番組をきっかけに、タルゴナコーヒー(または、ダルゴナコーヒー)が流行しました。テレワークや巣ごもり消費の影響もあり、世界的な流行となりました。「Googleトレンドによると「ダルゴナコーヒー」という単語は世界中で検索されており、検索数は2020年3月半ばに1800%に増加、4月半ばにはそこからさらに1700%にまで跳ね上がっています。」(「2カ月で検索数が爆増した「ダルゴナコーヒー」とは?実際に作ってみた」,GIGAZINE 2020年5月4日)

政府の呼びかけにより、3月2日から春休みに入るまで、全小中高校に臨時休校になりました。学校給食用の生乳が行き場を失ったため、世間では牛乳を積極的に消費しようという動きが生まれ、蘇(そ)を作ることが流行しました。タルゴナコーヒーに挑戦した鳥目散 帰山人氏は(「スゴモリタルゴナ」,帰山人の珈琲漫考 2020年3月17日)、カフェオレの消費を呼びかけました。(「賛同するなら買ってくれ」,帰山人の珈琲遊戯 2020年3月1日)

コーヒー・フィルター・マスク

トイレットペーパの買い占めやマスク不足と転売などが問題になったのがこの頃で、一部コーヒー屋や愛好家の間では、「日本珈琲狂会アウォード2020(CLCJ Award 2020)」の「ヴェルジ賞(Verde Award)」を受賞したコーヒーフィルターでマスクを作る動きが見られました。(「コーヒーフィルタを使った簡単マスクの作り方」,静岡大学 教育学部 2020年4月6日)

その後、メリタなど企業によるマスク生産が始まりました。(「ベトナムのスタートアップ、コーヒー繊維からマスク生産」,VIET JO 2020年4月14日)(「メリタのマスク」はコーヒーフィルター製ではなく医療の欧州規格にも適合!」,TABI LABO 2020年5月4日)("‘A gift from heaven’: The company turning coffee filters into face masks",INDEPENDENT 2020年5月23日)

MICE 2020とWorld of Coffee 2020

また、3月には、MICE 2020やWorld of Coffee 2020 Warsawの延期が発表されました。(【緊急】5月オーストラリア、メルボルン開催予定 MICE 延期のお知らせ」,SCAJ 3月12日)(「Update!【緊急】6月 World of Coffee Warsaw 2020およびMICE延期のお知らせ」,SCAJ 3月14日)

MICE 2020とWorld of Coffee 2020は、その後開催中止が発表されました。("2020 World Coffee Championships Canceled Due to COVID-19 Travel Restrictions",World Coffee Events)

コーヒーチケット

他には、売り上げの低迷した喫茶店を支える目的で、愛知県でコーヒーチケットのクラウドファンディングが始まりました。(「名古屋でポジティブな新型コロナ対策。コーヒーチケットで喫茶店を応援!」,Yahoo!ニュース 2020年3月18日)(「名古屋モーニングもピンチ コロナで「客は8割減った」」,朝日新聞デジタル 2020年4月20日)(「愛知)終息心待ちにコーヒー券購入で喫茶店応援」,朝日新聞デジタル2020年4月21日)

医療従事者へのコーヒーの支援

スターバックスが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最前線で対応している人たちにコーヒーを無償で提供する支援を始めました。(「米スタバ、「最前線」の人たちにコーヒーを無料提供」,CNN 2020年3月26日)

なお、医療従事者などにコーヒーを提供する支援は、その後様々な企業やコーヒー屋が実施しています。(「医療従事者は「スイーツやコーヒ半額」ローソン応援」,テレビ朝日 2020年4月10日)(「LDH、新型コロナ医療従事者にコーヒーを無償提供」,TOKYO HEADLINE 2020年4月22日)(「「医療従事者の方に、安らぎと活力を!」」,FOODS CHANNEL 2020年5月1日)(「スタバ 医療従事者らにコーヒー寄贈」,日本経済新聞 2020年5月2日)(「医療従事者にコーヒー1万人分贈呈 茨城の12社」,日本経済新聞 2020年5月12日)(「新型コロナ:小川珈琲、ドリップコーヒー2万杯分無償提供」,日本食糧新聞 2020年5月14日)等。

カタツムリとコーヒーさび病菌

オナジマイマイがコーヒーさび病菌を捕食するという研究結果が発表されました。(「コーヒー襲う「さび病」、カタツムリが救世主に?」,ナショナル ジオグラフィック 2020年3月15日)

2020年4月

ラッキンコーヒー

4月に入ると、中国のラッキンコーヒーの不正会計疑惑が報じられ、株価が急落しました。(「中国ラッキンコーヒー株、米市場で8割下落-不正会計疑いで内部調査」,Bloomberg 2020年4月3日)(「不正会計で株価急落のラッキンコーヒー、破産宣告の可能性」,Forbes 4月7日)

4月26日に、ラッキンコーヒーへの立ち入り調査が行われました。(「不正会計発覚の中国ラッキンコーヒー、当局が立ち入り調査-関係者」,Bloomberg 2020年4月28日)「ラッキンコーヒーの不正会計問題に関し、謝田教授は「マディ・ウォーターズ・キャピタルなどごく一部の投資会社を除いて、中国企業の詐欺行為を知っている金融機関が多くある」と指摘した。」(「中共肺炎の感染拡大、米投資家「ウォール街と中共の関係を揺さぶる」,大紀元 2020年4月30日)「中国企業による不正会計は今に始まったことではない。米国の証券取引所では2011年から2012年にかけて、50社以上の中国企業が不正会計などの不祥事で取引停止や上場廃止になり、その後も、毎年のように不正会計で上場廃止になる中国企業が相次いでいる。」(黒木 亮「時価1兆円の「中国版スタバ」があっという間に上場廃止となる中国市場の闇」,PRESIDENt Online 2020年12月8日)

スターバックスは、中国の紅杉資本(Sequoia Capital China)と業務提携をしました。("Starbucks says in partnership with Sequoia Capital China for investments",Reuters 2020年4月27日)「このLuckin Coffee の意図しないタイミングでの急落、さらには新型コロナウイルスによる「サードプレイス」の根本的な変革タイミングの重なり。実はスターバックスこそ、新型コロナウイルス流行によって、最も大きなトランスフォーメーションを遂げることになる最初の一社となるかもしれません。」(「Luckin Coffee(瑞幸咖啡)の失速とコロナ禍で浮上する「中国スターバックス」、Sequoia China(紅杉資本)とタッグ」,BRIDGE 2020年5月5日)

ラッキンコーヒーの不正行為は、匿名のレポートにより明らかになりました。(「中国で恐れられる「上場企業の殺し屋」と呼ばれる投資家の正体」,ダイヤモンドオンライン 2020年4月9日)(「Luckin Coffee(瑞幸咖啡)の不正行為を振り返る——本当の悪者はCOOだけか」,BRIDGE 2020年4月21日)(「ラッキンコーヒー転落、匿名リポートから始まった」,THE WALL STREET JOURNAL 2020年6月30日)

ラッキンコーヒーは、6月26日にナスダックへの上場が廃止となりました。(「不正会計の中国ラッキンコーヒー、米ナスダック上場廃止へ」,日本経済新聞 2020年6月27日)米証券取引委員会(SEC)に1億8000万ドルの和解金を支払うことで合意しました。(「中国ラッキンコーヒー、不正会計問題巡りSECに和解金1.8億ドル」,Reuters 2020年12月17日)

国際コーヒー機関(ICO)の報告

4月8日に、国際コーヒー機関(ICO)から"IMPACT OF COVID-19 ON THE GLOBAL COFFEE SECTOR T H E D E M A N D S I D E"という報告が出ました。この報告では、世界的な景気後退がコーヒー消費に与える影響を予測し、その結果世界のコーヒー需要の0.95%の減少を見込んでいます。

「現在のところ19/20年度の需要は生産を上回る見込みだが、状況は急速に展開し、新型コロナ拡散の封じ込め措置の結果として消費の減少、特に家庭外での消費が減少する可能性があると指摘している。」(「世界のコーヒー消費量 新型コロナウイルスで「相当な減少リスク」 家庭外市場で懸念深刻に」,食品新聞 2020年4月27日)

また国際コーヒー機関(ICO)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がコーヒー価格の変動性を高めると警告を発しています。("ICO Warns of Increased Coffee Price Volatility as Coronavirus Unfolds",Daily Coffee News 2020年5月20日)

緊急事態宣言

日本では、4月7日に、1度目の「緊急事態宣言」が発出されました。このことで、スターバックスやドトールコーヒー 、コメダホールディングスなどの大手も営業時間の短縮や休業に踏み切りました。(「「緊急事態宣言」で暮らしはどうなる」,NHK 2020年4月7日)(「ドトールとスタバ 直営店舗など休業へ「宣言」対象の7都府県」,NHK 2020年4月8日)(「タリーズコーヒー/緊急事態宣言拡大で全国約450店を臨時休業」,流通ニュース 20204月17日)(「「ドトールコーヒー」直営店中心に臨時休業を全国拡大、FC店舗は協議のうえ順次対応、「エクセルシオールカフェ」なども」,食品産業新聞社 2020年4月20日)(「タリーズコーヒーが550店舗を臨時休業、新型コロナウイルス感染拡大防止で」,食品産業新聞社 2020年4月28日)(「コメダHD、メガバンク3行から100億円借り入れ、運転資金を確保」,ダイヤモンド・チェーンストア 2020年4月23日)(「「利益より人命を優先してほしい!」 カフェ・ベローチェで労働者たちが改善を要求」,Yahoo!ニュース 2020年4月29日)

大手コーヒーチェーンの休業によって、セブンイレブンのセブンカフェの売り上げが急増することが起きたそうです。(「スタバ休業でセブンカフェの売り上げ急増 コロナ収束後への好材料」,livedoor 2020年4月11日)

緊急事態宣言下で、国民に「不要不急の外出自粛」が呼び掛けられましたが、喫茶店やカフェが「不要不急」にあたるのか否かが問題となりました。(「緊急事態宣言 カフェって「不要不急」?」,NHK 2020年4月9日)

喫茶店やカフェが休業したことにより、家飲み需要が拡大しました。「新型コロナウイルスの世界的大流行を受けて消費者がコーヒーの買いだめに走り、生産休止や移動制限で供給が乱れるなかで、コーヒー豆の需要が3月に急増し、焙煎業者は対応に追われている。」(「コーヒーの家飲み需要拡大、豆供給リスクも浮上」,日本経済新聞 2020年4月16日)世界的にコーヒー豆の需要が一過的には急増し、コーヒー価格を押し上げました。("Coffee prices rally as coronavirus lockdowns see drinkers caffeinate at home",CNBC 2020年4月16日)

コーヒー消費国への影響

3月後半から物流の影響が報告され始めました。ブラジルからの船便が通常40日のところ、60日掛かったそうです。(「コロナの影響による物流の遅れ」,セラード珈琲 2020年3月24日)

物流が滞ったことを見越して、輸入国では買い注文が急増し、このことがコーヒーの価格を押し上げました。「コーヒー輸入国が買い注文を最大で1カ月前倒ししているため、他のコモディティ商品が軒並み値を下げているのとは反対に、コーヒー豆の価格は上昇している。」(「コロナショックでコーヒー価格急騰=主要輸入国が買いだめで需要が急増」,ニッケイ新聞 2020年3月31日)

コーヒーのサプライ・チェーンに支障が出始め、感染防止の観点から、収穫労働者(ピッカー)を集めたり、労働させることの難しさが露わになりました。小ロースター向けで品質重視のスペシャルティコーヒーと、大口向けで安定した供給重視のコモディティコーヒーでは、サプライチェーンに支障が出たときの備蓄戦略という点で大きく差が開きます。また、コモディティにおける政治、経済、安全保障の重要性という観点からも顕著な差が生まれます。

「スイスのコモディティ(汎用品)業界は他業界よりもコロナ危機への対応力が高いとされる。コモディティの多くは国の備蓄戦略の対象であり、商品取引企業には市場変動に対応してきた経験があるためだ。」「例えばスイスの商品取引会社はスイス政府が掲げるコーヒーとカカオの備蓄方針に従い、焙煎業者やチョコレート製造業者との緊密な協力関係の中で主要食糧を国内に供給している。」「ホンジュラスは3月19日から完全なロックダウン(都市封鎖)を実施しており、商社は同国のコーヒーやカカオを購入できない状態だ。ホンジュラスでは活動停止(シャットダウン)の影響で農業活動も止まっている。」(「コロナ危機でも毎朝コーヒー 裏に商品取引企業の努力」,SWI 2020年4月5日)

一部の企業は、サプライチェーンのリスク・ヘッジのための備蓄があリます。しかし、インテリジェンシア・コーヒーのような品質を重視する会社では、このような戦略を取れません。鮮度を重視するため、備蓄が困難なためです。("How The Pandemic Is Impacting Coffee Supply Chains In Central And South America",Forbes 2020年5月5日)

「コーヒー豆やサトウキビの収穫期を迎える南米で、サプライチェーン(供給網)リスクが浮上している。新型コロナウイルス対策の都市封鎖や外出制限で人手不足が広がり、産地で収穫や加工作業が滞る恐れが出ている。世界最大の生産国ブラジルの今年度の生産量は良好と見られているが、新型コロナによる物流への影響が相場を乱す可能性もありそうだ。」(「コーヒー豆と砂糖 南米に供給リスク、新型コロナで収穫停滞」,日本経済新聞 2020年5月12日)

コーヒー生産国への影響

ハワイ・コナの山岸農園の山岸 秀彰氏は、FNNのインタビューに答えて、コーヒー収穫の季節労働者を集めることができないことについて語っています。(「コロナがハワイのコーヒー農園を直撃「コーヒーを摘む外国人労働者がいなくなる」」,FNN PRIME 2020年4月15日)

イエメンでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、内戦で疲弊するイエメンにさらに追い討ちをかけました。(「内戦とパンデミック コーヒー産地に迫る危機」,NHK 2020年4月24日)

機械収穫が主なブラジルにおいても、機械化できないコーヒー生産地域は、人手が集まらず影響を受けました。("How COVID-19 May Affect the Chain as Brazil Heads Into Harvest",Daily Coffee News 2020年4月27日)

メキシコと中央アメリカは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける前に収穫を終えました。コロンビア、ペルー、エクアドルの南米各国の調査では、コロンビアとペルーでは労働力不足が、エクアドルではインフラストラクチャの欠如がより大きな問題となりました。市場価格と収穫量の低さから、エクアドルとペルーはコーヒー生産で利益を生むことが難しくなっています。("Pandemic at Harvest: A Survey of Coffee Growers in South America",Daily Coffee News 2020年4月30日)("How Is COVID-19 Impacting Coffee Producers?",SPRUGE 5月4日)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、スペシャルティコーヒーの需要に大きな影響を与えました。"The specialty coffee market is very different, since many farmers sell directly to specialized distributors and roasters that prize the personal relationship and advertise the narrative about the family farm along with the product. These micro-lots are placed in the market almost exclusively through the personal visits of representatives and cuppers to the farms to rate every single bag purchased. The closure of coffee shops, particularly in the Asian markets that had become their major clients in the last few years, has meant canceled or reduced orders. While farmers continue to send samples to their clients, they are finding that absent that personal touch, new orders are not materializing. The 2020-2021 harvest looks even more uncertain for these farmers whose innovations led to a more expensive, higher quality, exclusive product, given that massive unemployment throughout the world is going to lead coffee drinkers to prioritize other necessities and purchase lower-priced coffee."("Coffee and Coronavirus: A World of Difference"Resilience 2020年4月30日)

現地の情報としては、コロンビアやホンジュラスのコーヒー生産者が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のコーヒー生産への影響について語っています。("Coronavirus coffee farmer: 'We're definitely scared'",BBC 2020年5月2日)("A tale of two coffee farmers: how they are surviving the pandemic in Honduras" The Conversation 2020年7月15日)

カップ・オブ・エクセレンスとSCAJ 2020

カップ・オブ・エクセレンス(CoE)の開催方式の変更やSCAJ 2020の開催中止が発表されました。("CUP OF EXCELLENCE PROGRAM UPDATE FROM ERIN WANG, SENIOR MANAGER OF CUP OF EXCELLENCE",ACE)(「【重要】SCAJ2020展示会 開催中止のお知らせ」,SCAJ 2020年4月24日)

陰謀論

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が人工ウイルスであるという陰謀論も唱えられました。(「新型ウイルス「人工でも、遺伝子組み換えでもない」 米情報当局」,AFP 2020年5月1日)

2020年5月

日本コーヒー文化学会

5月1日に日本コーヒー文化学会から、コーヒーには人を動かす、変化をもたらす『コーヒーのチカラ』があるというメッセージが発せられました。(「応援メッセージ『コーヒーのチカラで難局を乗り越えよう』」,日本コーヒー文化学会 2020年5月1日)

ネスプレッソ

自宅でコーヒーの学習ができることを目的に、ネスプレッソが「ヴァーチャル・コーヒー・マスタークラス(VIRTUAL COFFEE MASTERCLASSES)」を立ち上げました。

コーヒー生産国への影響

5月4日からイタリアは、インド・コーヒーの輸入の規制を解除しました(イタリアはインドコーヒーの最大の輸入国であり、インド・コーヒーの多くはヨーロッパ諸国で消費されます)。5月の夏のシーズンは、ヨーロッパの観光シーズンとも一致し、通常はコーヒーの消費量が増加しますが、イタリアのカフェはまだオープンしていないため、一部の輸入業者はインドのコーヒー輸出業者に出荷を2-3か月延期するように求めました。("Brazil’s coffee harvest brews trouble for Indian exporters",The Economic Times 2020年5月6日)イタリアでは、バルの閉店により、エスプレッソを飲むことができなくなったため、エスプレッソマシーンの売り上げが伸びました(「コロナ禍でイタリア人のコーヒーライフに異変 エスプレッソマシーンがブームに」,日本食糧新聞 2020年12月12日)

コロンビアでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の封じ込め以前から、気候変動によって3月から4月に雨季が遅れ、収穫に影響が出ていました。2019年4月、コーヒーの価格はニューヨーク市場で1キロあたり8,428コロンビア・ペソ(2.6米ドル)で、5年間で3番目に低いレートでした。2019年4月以来、価格はゆっくりと上昇に転じ、世界的なロックダウンが始まって以来、コロンビアのコーヒーの価格は過去最高近くに達しました。コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)は、メンバーに支払う基本価格を、昨年に比べて平均70%引き上げました。この価格上昇は大手ロースターとサプライヤーの買い占めによって説明できます。

コーヒーの価格が高値を維持できる場合は、スペシャルティコーヒーの生産者はコモディティコーヒーの生産に戻る可能性があります。政府の固定価格でコモディティコーヒーを販売する方が、はるかにリスクが少ないためです。("COVID-19 and the Most Complex Colombian Coffee Harvest in Decades",Daily Coffee News 2020年5月6日)

市場価格が高値で推移したため、コロンビアでは2021年もコーヒー生産量を維持する見込みです。("Colombia looks to maintain coffee output in 2021, federation says"REUTERS 2020年12月2日)

ベトナムの国内コーヒー価格は、供給不足のため、この週値上がりしました。農家は値上がりを見込んで、販売するのをためらっていました。("Asia Coffee-Domestic prices inch higher in Vietnam on scarce supply",REUTERS 2020年5月7日)

ルワンダはこれまでのところ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の封じ込めに成功しており、コーヒー生産は、社会的距離の規制を遵守した上で、許可されています。("Rwanda’s coffee harvest will go forward despite pandemic – at a safe distance",The Conversation 2020年5月7日)("Rwanda’s Coffee Harvest Will Go Forward Despite Pandemic – at a Safe Distance",Daily Coffee News 2020年5月14日)

コロナル・ロブスタ ・コーヒー(Clonal Robusta Coffee)を栽培しているウガンダでは、「コロナル(clonal)」と「コロナ(corona)」が混同され、一部でパニックが引き起こされました("Seeds of fear sown in Uganda as farmers confuse clonal coffee with coronavirus",Alliance for Science 2020年5月18日)ウガンダのコーヒー輸出は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行にもかかわらず急増しました。("Uganda: Coffee Sales Rise Despite Pandemic",The East African 2020年6月3日)

ジャマイカでは、コーヒーの輸入と輸出にかかる税金を50%削減することが主張されました。("JACRA seeks to resolve pressing coffee issues",JAMAICA OBSERVER 2020年5月10日)また、コーヒーの在庫が問題となりました。("Coffee Stories: Effects of The Covid-19 Crisis",The Gleaner 2020年6月7日)ジャマイカは、ブルー・マウンテンの日本市場への輸出を約1,000万米ドルで維持しました。("Coffee exporters seeking to retain US$10 million in exports to Japan",Jamaica Observer 2021年1月5日)そのため、洪水の被害からの回復を楽観視しています。("Coffee exporters optimistic about recovery",Jamaica Observer 2021年1月7日)

スペシャルティコーヒー

全体として、スペシャルティコーヒーの焙煎豆の1ポンドあたりの小売価格は、4月以降、特に高価格帯で大幅に下落する傾向が見られました。("Tracking Roasted Specialty Coffee Retail Prices and Other Changes During Covid-19",Daily Coffee News 2020年5月11日)

デイリー・コーヒー・ニュース(Daily Coffee News)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がスペシャルティコーヒーのサプライ・チェーンに与える中長期的な予測や、小売に与えた影響などについて考察しています。("With a Disrupted Coffee Value Chain, Collaboration is Needed to Help Save Specialty",Daily Coffee News 2020年5月13日)("COVID-19 Has Dramatically Reshaped Coffee Retail, According to New SCA/Square Report",Daily Coffee News 2020年5月20日)

緊急事態宣言延長と解除

5月の第2週の終わりに、アメリカ合衆国のスターバックスの85%が再開することになりました。("Starbucks will reopen 85 percent of its coffee shops, but with new protocols",The Washington Post 2020年5月6日)

日本では、5月4日に、5月31日まで「緊急事態宣言延長」が決定されました。これを受けて、大手コーヒーチェーンはそれぞれの対応を発表しました。(「コーヒー/スタバ・ドトール休業延長、タリーズ280店持ち帰り中心再開」,流通ニュース 2020年5月7日)大手コーヒーチェーンは、売り上げに大きな影響を受けました。(「ドトールもスタバもコメダも危機的状況…好調ムードが新型コロナで一転、業績見通せず」, Busines Journal 2020年5月11日)

5月15日に緊急事態宣言が一部解除され、ドトールコーヒーやスターバックスが営業を再開しました。(「ドトールコーヒー、緊急事態宣言解除39県の直営店舗を営業再開、特定警戒8都道府県も「テイクアウト・コーヒー豆等」限定で一部再開」,食品産業新聞社 2020年5月15日)(「スタバ店舗が全国で営業再開、東京・大阪など8都道府県はテイクアウト限定/スターバックス コーヒー ジャパン」,食品産業新聞社 2020年5月19日)(「タリーズコーヒー、臨時休業を170店舗に縮小へ、新型コロナ緊急事態宣言解除で」,食品産業新聞社 2020年5月18日)(「スタバ 店内飲食再開、北海道・近畿・関東の8都府県で/スターバックス コーヒー ジャパン」,食品産業新聞社 2020年5月27日)

人工呼吸器

コーヒーマシーンから人工呼吸器を製造されました。("Coronavirus: 'I made a ventilator from a coffee machine'",BBC NEWS 2020年5月27日)

2020年6月から12月

ジョージ・フロイドの死

ジョージ・フロイド(George Floyd)の死に呼応して、アメリカ合衆国では多くのコーヒー企業が休業しました。("Coffee Businesses Respond in Solidarity Amidst US Protests",Daily Coffee News 2020年6月1日)

コーヒー価格への影響

コモディティコーヒーの価格は、2か月連続で下落しました。("Global Coffee Prices Fall for Second Straight Month, ICO Reports",Daily Coffee News 2020年6月1日)スペシャルティコーヒーの価格も、特に最高価格帯で下落しました。("Prices for High-End Roasted Specialty Coffee Drop for Second Month Straight",Daily Coffee News 2020年6月4日)

6月頃の市場では、供給過剰になるとの見方から一時安値を付けましたが(「コーヒー豆、8カ月ぶり安値 NY先物 供給過剰見通しで」,日本経済新聞 2020年6月16日)、霜害による供給減の懸念から高値に転じました。(「コーヒー豆、1カ月ぶり高値 ブラジルで霜害懸念」,日本経済新聞 2020年7月2日)

その後、コーヒー価格は高値と安値に揺れ動きました。(「NYコーヒー豆、3カ月ぶり高値 中南米の供給懸念」,日本経済新聞 2020年7月30日)(「NYコーヒー豆、5カ月ぶり高値 中米で供給懸念観測」,日本経済新聞 2020年8月26日)(「NYコーヒー豆、2カ月ぶり安値 ブラジルの供給潤沢の観測」,日本経済新聞 2020年9月30日)(「NYコーヒー豆3カ月ぶり安値 ブラジル降雨で作柄懸念後退」,日本経済新聞 2020年10月20日)(「コーヒー豆・カカオ豆…喫茶材料相場に下げ圧力」,日本経済新聞 2020年11月19日)(「ベトナム天候不順、農作物相場押し上げ」,日本経済新聞 2020年12月9日)(「NYコーヒー豆3カ月ぶり高値 ブラジルで減産観測」,日本経済新聞 2020年12月15日)("Coffee Economics with Karl: Why Coffee Prices Change",Daily Coffee News 2020年10月28日)

コーヒー生産国への影響

ケニアでは、コーヒーの取引量が減少したため、収益も大幅に減少しました。("Coffee earnings fall Sh2.5bn in eight months to May",Ghana Web 2020年6月9日)また、オクラトキシンというカビ毒が基準を超えたため、日本と韓国で輸入に許可がおりませんでした。("Kenyan coffee risks losing global appeal on chemicals",BUSINESS DAILY 2020年10月6日)

ボルソナロ大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を軽視したために、瞬く間に感染が広がったブラジルでは、無事に収穫が始まりました(「コロナでお騒がせのブラジル無事収穫始まっています!!!」,セラード珈琲 2020年6月17日)しかし、手摘みで収穫をするスペシャルティコーヒーには影響が出ています。("From Brazil's farms to Melbourne's cafes, coronavirus is crippling the coffee industry",ABC News 2020年7月17日)コスタリカなどの中米やコロンビアなどの南米においても同様です。("Costa Rican coffee may go unharvested as pandemic creates migrant worker shortage",REUTERS 2020年6月30日)("No pickers, no coffee: How Covid threatens Colombia's harvest",BBC NEWS 2020年12月13日)

ブラジルでは、出荷の遅れから、港にコーヒーが停留しました。("Brazil Is Shipping More Coffee Than Ever Before, Trader Says",Bloomberg 2020年9月25日)ブラジルでのコーヒーの地産地消の試みが紹介されています。(「コーヒーの「地産地消」——ブラジルの取り組みに学ぶ、“内需”の生み出し方」,AMP 2020年10月3日)

メキシコとグアテマラの国境を行き来する不法労働者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)時代に健康と安全のリスクを高めるため、労働者を合法的に採用する取り組みが始まりました。("On Mexico’s coffee farms, COVID-19 highlights need for fair recruitment",modern diplomacy 2020年8月18日)

ホンジュラスなどの中米では、ハリケーンの深刻な被害を受けました。("Hurricane Damage Estimates Emerging from the Coffee Lands of Honduras and Nicaragua",Daily Coffee News 2020年11月30日)("Honduras fearful of big losses for coffee",Northwest Arkansas 2020年12月2日)ホンジュラスのコーヒー輸出は、12月に前年比17.2%減少しました。("Honduran coffee exports drop 17% as coronavirus pandemic bites",REUTERS 2020年1月5日)

ミャンマーは、2020年のコーヒーの輸出量が、従来の年500-600トンから300トンに半減しました(「コーヒー輸出が半減見通し、コロナ影響で」,NNA ASIA 2020年12月4日)

グアテマラの国際コーヒー機関(ICO)離脱

グアテマラが国際コーヒー機関(ICO)から離脱することを表明しました。("UPDATE 1-Guatemala says will leave the International Coffee Organization",REUTERS 2020年7月3日)

コーヒーズ・ネクスト・ジェネレーション

国際コーヒー機関(ICO)は2020年度、「コーヒーズ・ネクスト・ジェネレーション(Coffee’s Next Generation)」というプログラムに取り組みました。("Coffee’s Next Generation in the spotlight for International Coffee Day",Global Coffee Report 2020年9月24日)("ICO Seeks Support for Coffee’s Next Generation on International Coffee Day",Daily Coffee News 2020年9月25日)

ハワイ州とコーヒーさび病菌

唯一コーヒーさび病菌の感染が確認されていなかったハワイ州ですが、2020年10月に感染が確認されました。("Coffee Leaf Rust Spreads to the Big Island of Hawaii",Daily Coffee News 2020年11月12日)

喫茶店とカフェの変容

新しい生活様式に対応して、コーヒー業界にも変革が求められています。(「D2C モデルを試みるコーヒー卸売業者たち:「コーヒー文化は変わりつつある」」,DIGIDAY 2020年7月13日)(「丸山珈琲・丸山健太郎さんに聞く「日本のサードウェーブ系コーヒーは生き残れるのか?」」,BUISINESS INSIDER 2020年7月15日)(「沸騰するコーヒービジネス」,ダイヤモンドオンライン)「カフェにはどこか落ち着く気分にさせるところがある。人と一緒なのだけれど、同時にプライベートでもある。そんな人生のハブが、何世紀にもわたって作家や思想家たちをインスパイアしてきたのも不思議ではない。だから今こそ、これまで以上にコーヒーショップに対する私たちの支援が必要な時なのだ。」(「今こそ、あなたのお気に入りの「カフェ」を支援すべき理由」,BAZAAR 2020年7月19日)

スターバックスとThink Labは、テレワーク向けの店舗を開店しました。(「スタバ×Think Lab/銀座に新たなテレワーク提案「集中できる」店舗」,流通ニュース 2020年7月29日)

大手コーヒーチェーンは業績が悪化しましたが、コメダ珈琲は黒字を確保しました。(「「ドトールコーヒー」が初の赤字に転落 業績立て直しにM&Aも」,M&A Online 2020年7月15日)(「赤字転落のドトール、なぜ“一歩足打法”のコメダより業績悪化?新型コロナ禍で明暗」,Business Journal 2020年7月27日)(「米スタバ、赤字転落 コロナで店舗閉鎖、4割減収―4~6月期」時事ドットコムニュース 2020年7月29日)(「コロナ禍でも黒字確保「コメダ珈琲」のすごみ」,東洋経済オンライン 2020年12月25日)(「コメダ珈琲がコロナ禍でも「勝ち組企業」である理由/カフェ・レストラン【11月度・業界天気図】」, ダイヤモンドオンライン 2021年1月5日)

日本でのコーヒー生産

広島、福島、新潟、山形など、日本各地でコーヒー栽培が始まりました。(「瀬戸内でコーヒー豆栽培 耐寒性高め収穫期間短縮 東区の老舗豆店 /広島」,毎日新聞 2020年7月26日)(「今度は『広野コーヒー』 町振興公社栽培、希少性軸に販売戦略」,47NEWS 2020年8月18日)(「コーヒーノキを栽培して自分だけの一杯を! 新潟発のコーヒープロジェクト」,Colocal 2020年9月17日」(「コーヒー、北国だって育ててみせます 東北萬国社、2年後の収穫めざす」,山形新聞 2020年10月30日)(「沖縄北部にコーヒー研究拠点 グアテマラに次いで2カ所目 適した栽培調査へ」,琉球新報 2020年11月5日)

缶コーヒー

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、缶コーヒーの売り上げは低迷しましたが(菊池 美智世「缶コーヒーが“消える”!? 「クラフトボス・ショック」から3年、市場で起きた異変とは」,文春オンライン 2020年11月24日)、『鬼滅の刃』とコラボした「ダイドーブレンド」は、売り上げを大幅に伸ばしました。(「「鬼滅」でダイドー缶コーヒーが大ヒットの事情」,東洋経済オンライン 2020年10月30日)

キーコーヒー

キーコーヒーは、2020年で創業100周年を迎えました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、業績が低迷したキーコーヒーは(「キーコーヒー、コロナ下での需要変化に積極対応」,日本経済新聞 2020年11月20日)(「コロナで大打撃の業務用コーヒー、立て直しへ正念場 構造改革、地方産品で回復目指すキーコーヒー」,食品新聞 2020年11月30日)、12月21日に約100人の希望退職者を募集すると発表しました。(「キーコーヒーが希望退職者を募集 業務用コーヒーの消費減が響く」,ITmedia ビジネスオンライン 2020年12月22日)

コーヒーの消費

オフィスでは、ネスレが置き売りの新サービスを始め(「コーヒーだけじゃない……ネスレが置き売りの新サービス」,朝日新聞 2020年9月29日)、非接触コーヒーマシンや(「アングル:休憩室がコロナで一変、非接触コーヒーマシンも登場」,REUTERS 2020年10月3日)、スペシャルティコーヒーを導入する動きが見られました。(「オフィスに高級コーヒーを コロナだからこそ福利厚生」,NIKKEI STYLE 2020年12月19日)

コロナ禍においても、ロブスタ種の需要は拡大しました。(「味わいにも魅了 ベトナムコーヒー豆の需要拡大中」,朝日新聞 2020年9月4日)(「コーヒー、インスタントが存在感 巣ごもり消費で相場高」,日本経済新聞 2020年9月17日)(「ベトナム産コーヒーの対EU輸出が急増、EVFTA発効で関税撤廃」,VIET JO 2020年9月18日)(「ベトナム産コーヒー、日本の輸入量で首位に」,NNA ASIA 2020年9月25日)「新型コロナウイルス禍でもロブスタ種の需要は堅調で、生産拡大の勢いは増しそうだ。」(「割安コーヒー豆産地に高級化の波、コロナ禍で消費堅調」,日本経済新聞 2020年12月12日)

「コロナ禍のおうち時間増により、約4割がコーヒーを飲む頻度が増えた。」(「2020年版 コーヒー事情に関する調査レポート」,時事ドットコムニュース 2020年12月25日)

中国におけるコーヒー需要は、思ったようには伸びていないようです。(「アングル:過熱する中国コーヒー市場、乱入と競争が期待に冷水」,REUTERS 2020年7月26日)(「前には閉店危機・後ろにはミルクティ攻撃 コーヒーなぜ不振?」,人民網日本語版 2020年9月21日)

スターバックスは、2030年度までに20,000店舗を増やし、55,000店舗にまで達する計画を掲げています。("Starbucks Boosts Outlook, Sees 20,000 More Cafes With Worst Over",Bloomberg 2020年12月10日)

SCAJ 2021

SCAJ 2021は、2021年11月17日から19日に開催予定です。

感染症とコーヒー

コーヒーの消費に関する影響として、喫茶での飲用は減少しましたが、焙煎豆の需要が増え、業務用の需要は減少し、家庭用の消費は増えました。全体としてのコーヒーの消費量は減少しましたが、ロブスタ種の需要は拡大しました。スペシャルティコーヒーは手摘みの収穫労働者を集めることが困難になり、また、バイヤーが産地に行くことができないため、今後が懸念されます。

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