新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とコーヒー産業(2022年 - 2023年版)
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とコーヒー産業(2022年 - 2023年版)

エチオピア内戦とモカ

「コーヒー発祥の地とされ、「モカ」の愛称で有名なエチオピア産のコーヒー豆に供給懸念が浮上している。現地の政情不安で輸送に支障が生じたとの見方が広がるほか、世界的な海上輸送の混乱も重なり輸入は滞りぎみだ。」(「「モカ」コーヒーに供給懸念 エチオピアの政情不安で」,日本経済新聞 2022年1月9日.)

海外

「イタリアではエスプレッソの価格が高騰し、地元の人々をがっかりさせている。

 「550万人のイタリア人の日々のルーティンを富裕層向けの贅沢に変えてしまいました」とトゥルッツィ氏は話している。」(「イタリア、エスプレッソの価格高騰で消費者に不満が広がる」,Business Insider 2022年1月27日 .)

「「広東省では貿易が盛んなことから、コーヒーの貿易に関わる企業が多い。また当省では、家電産業も発達している。そのため、家庭用コーヒーメーカー製造企業も多い。加えて、レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーの代表的なブランドの企業も広東省に本社を置く」とした。広東省内では、貿易や製造業の基盤を背景に、コーヒー産業の集積が進んだとみられる。」(「Z世代の人気集める「本格派インスタントコーヒー」(中国)」,JETRO 2022年2月3日.)

「米ブルーボトルコーヒーは25日、上海に中国本土1号店をオープンした。お茶文化だった中国は、コーヒー文化が急速に浸透。民間調査で上海のコーヒー店舗数は世界一となった。ブルーボトルコーヒーは品質や入れ方にこだわり、急成長する中国市場を開拓する。」(「米ブルーボトルコーヒー、上海に中国本土1号店」,日本経済新聞 2022年2月25日.)

「中国雲南省(Yunnan)プーアル市(Puer)のコーヒー価格は、10年ぶりの高値を記録しました。」(「雲南省のコーヒー価格 10年ぶりの高値」,AFPBB News 2022年3月13日.)

EC販売

EC販売の伸び。「スペシャルティコーヒーを実店舗やECで販売する丸山珈琲の2021年12月期のEC売上高は、前期比15%増となった。EC売上高は推定で3億5000万円。」(「丸山珈琲、ECは15%の増収 ペットボトル入りコーヒーが入口に」,「日本ネット経済新聞」 編集部 2022年1月20日.)

廃業

「2021年の「喫茶店」の休廃業・解散が初めて100件に達し、過去最多を記録したことが東京商工リサーチの調査でわかった。
 大手チェーンや「コンビニコーヒー」との競争に加え、昨今の輸入コーヒー豆の高騰も痛手となった。コロナ禍で生活様式が変化し、商談や「時間つぶし」、「勉強」などの需要も減っている。先行きが見えず、債務超過に転落する前に廃業を決断したとみられる。
 オミクロン株の流行拡大で、1月に入り「まん延防止等重点措置」が東京などに適用された。在宅勤務が増え、需要回復は期待できない。2022年は廃業だけでなく、息切れによる倒産増の可能性も高まっている。」(『「喫茶店」の廃業、2021年は過去最多の100件』,東京商工リサーチ 2022年1月23日.)

「そのように純喫茶の常連だった経験から言わせていただくと、純喫茶を「文化」などと持ち上げるムードには危ういものを感じている。時代によって柔軟に姿や役割を変えていくのが喫茶店なのだから、それを無理に「文化」などと枠にハメて、敷居を高くしてしまうと、逆に一般人から遠いものになってしまう恐れがあるからだ。

 「着物」が分かりやすいが、「文化」を言い出した産業というのは往々にして衰退が歯止めにかからない。」(「喫茶店数は30年で半減! 「純喫茶」はこのまま絶滅してしまうのか」,ITmedia ビジネス 2022年1月25日.)

コーヒーの値上げ

「世界的な資源価格の高騰が北関東の食品企業などを直撃している。気候変動による影響や中国の需要増などによる食品の値上がりに加え、原油高と円安がコストを押し上げる。コロナ禍の中で転嫁に慎重な企業も多いが、コーヒーや干し芋など一部商品には値上げの動きが広がり始めた。」(「コーヒーや干し芋、豆腐…北関東の食品企業に値上げ圧力」,日本経済新聞 2022年1月20日.)

「高級コーヒー豆の先物市場で在庫が急減し、22年ぶりの低水準に落ち込んだ。新型コロナウイルス禍による海上物流の混乱が長期化し、ブラジルなどの産地から欧米の消費地にある指定倉庫への入荷が滞っている。欧米では変異型「オミクロン型」の感染が減少に転じ、需要も堅調に推移する。コーヒー豆の品薄感が強まっており、先物価格は10年ぶりの高値を付けた。コーヒー製品の値上げが広がる可能性がある。」(「高級コーヒー豆在庫22年ぶり低水準 物流混乱・需要堅調」,日本経済新聞 2022年2月10日.)

「 コーヒー各社が3月から値上げする。
 コーヒー生豆国際相場が高騰し高止まりに収束の兆しが見えないことが背景。今後もさらなる値上げの動きが予想される。

 コーヒー生豆国際相場の高騰要因は、世界最大のコーヒー生産国ブラジルの大幅な減産予測と米国・欧州の経済活動再開に伴うコーヒー消費量の増加にある。
 コーヒー生豆相場は昨年7月にブラジルのコーヒーベルトで霜害(降霜)が発生しコーヒーノキを直撃したことが大きく影響して年初も高止まりを続け、直近では1年前の2倍以上となる1ポンド240セント前後の高値で推移している。」(「コーヒー値上げの春 各社3月から実施 価値向上の動きも」,食品新聞 2022年3月1日.)

「ブラジルは、昨年発生した寒波によりコーヒー豆をはじめとした農作物の記録的な不作が理由だ。南半球にあるブラジルは、北半球の日本とは季節が真逆になる。昨年7月、冬のブラジルを寒波と大規模な霜害が襲った。

コーヒー豆の生産量世界第2位のベトナムの場合は、新型コロナでの主要都市のロックダウンによる、輸送状況の悪化に原因がある。

コロンビアの原因は、政情不安だ。コロンビアでは昨年、新型コロナによって拡大した格差の是正を求めて、長期間に渡って大規模な反政府デモが行われた。」(「UCC、セブンイレブン…コーヒー製品相次ぐ値上げの理由は「インフレ」だけではない」,SAKISIRU 2022年6月26日.)

ロシアウクライナ侵攻

「SCAはWorld Coffee Championsipsへのロシアの参加を停止した。SCAは、World of Coffee Warsawのチケット販売による収益の100%を、ウクライナのコーヒービジネスとコーヒー専門家の救済活動のために寄付する予定であることを発表した。」("SCA Suspends Russian Participation In World Coffee Championships",SPRUDGE 2022年3月1日.)

「 キーコーヒーは7日、ウクライナ人道危機救援金への義援金として100万円を拠出したと発表した。」( 「キーコーヒー、ウクライナ人道危機救援金への義援金拠出」,食品新聞 2022年3月7日.)

「欧米の制裁措置が世界第6位の輸入国の金融システムに打撃を与えるなか、コーヒー取引業者はロシアに豆を販売する新たな取引に前払い金を求めている。」("Coffee traders seeking advance payment in new deals with Russia",REUTERS 2022年3月2日.)

「ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、コーヒー豆や天然ゴムといった商品作物が値下がりしている。ロシアや欧州各国はこれらを輸入に頼る。世界の企業がロシアからの撤退や事業の縮小に動き、飲食業や自動車産業などの用途で需要が減速している。ロシア発の供給ショックで高騰する石油や金属資源と異なり、景気不安が市況を下押しする商品も目立ってきた。」(「コーヒー豆・天然ゴム下落 ロシアと欧州の需要懸念」,日本経済新聞 2022年3月14日.)

「モスクワに課された西側の制裁とキエフの港湾閉鎖の動きによって両国への貿易の流れが崩壊しているため、コーヒー取引業者はロシアとウクライナに向かう出荷の方向を変えようと奔走している。

ロシアは、EU、米国、日本に次いで世界第4位のコーヒー輸入国である。」("Coffee traders scramble to redirect Russia, Ukraine shipments",REUTERS 2022年3月15日.)

「 米マクドナルドは8日、ロシアで展開する全850店を一時閉鎖する方針を明らかにした。欧米の主要企業が相次ぎロシア事業の見直しを表明するなか、マクドナルドは明確な方針を示さず投資家などから批判の声が出ていた。同様に態度を鮮明にしていなかった米スターバックスやコカ・コーラも事業停止を表明した。」(「マクドナルド、ロシア全850店閉鎖 スターバックスも」,日本経済新聞 2022年3月9日.)(「スターバックス、ロシア撤退へ 130店舗を閉鎖」,AFPBB News 2022年5月24日.)

Russia’s War in Ukraine is Affecting Coffee in Brazil

先物取引

コーヒー先物価格は高値と安値に上下しましたが、2023年1月に2021年7月上旬以来約1年半ぶりの安値をつけました。(「コーヒー豆、7カ月ぶり安値 ロンドン先物」,日本経済新聞 2022年4月20日.)(「コーヒー豆、現物価格上昇 在庫は23年ぶり低水準に」,日本経済新聞 2022年7月11日.)「喫茶店などのコーヒーで用いられるコーヒー豆(アラビカ種)の国際価格が急落している。国際指標の米ニューヨーク先物(期近)は10日、一時1ポンド149.1セントと2021年7月上旬以来約1年半ぶりの安値をつけた。主要国の景気悪化懸念から国際在庫が膨らんでいるうえ、主要産地の南米で豊作が見込まれ、需給緩和を想定した売りが広がっている。」(「NYコーヒー先物、1年半ぶり安値 需給緩和観測で」,日本経済新聞 2023年1月11日.)(「NYコーヒー先物、3カ月半ぶり高値 ブラジル不作懸念」,日本経済新聞 2023年2月3日.)(「NYコーヒー豆2カ月ぶり安値 景気悪化で需要減を警戒」,日本経済新聞 2023年3月30日.)(「コーヒー豆・粗糖が高騰 喫茶店に値上げ圧力」,日本経済新聞 2023年4月12日.)(「コーヒー豆、インスタント用も高値 ベトナムで農家減少」,日本経済新聞 2023年4月20日.)「コーヒー豆やカカオ豆が高騰、供給懸念にドル安も影響」,日本経済新聞 2023年5月2日.)

「環境や人権に配慮した「エシカル(倫理的)」な原料調達を巡り、世界各地の農作物市場で混乱が起きている。認証や生産者支援のための制度の設計が難しく、需給バランスをゆがませたり、価格の急騰を招いたりしている。産地や需要家双方が納得する仕組みを整備しなければ、持続可能な調達に支障をきたしかねない。」(「エシカル調達」、コーヒー・ココア豆の需給ゆがめる」,日本経済新聞 2022年4月27日.)

2022年は、アウトホームでのコーヒー消費が増えたため、日本のコーヒー消費量が増加しました。「一般社団法人全日本コーヒー協会は2月2日、2022年の日本のコーヒー消費量を発表し、前年比2.2%増加の43万2873トンで着地したことを明らかにした。

今回、4年ぶりに増加に転じたのは、人流が徐々に回復して外食でのコーヒー需要が増えたことが大きい。味の素AGFの担当者は、「人流の回復で2022年4月以降はアウトホーム(家の外における)飲用が回復してきた」とする。

一方、家庭用コーヒー市場は、コロナ禍において自宅でコーヒーを楽しむ習慣が根付いたことで成長してきたが、2022年は価格改定により金額ベースは前年比2%増加したものの、数量ベースは前年を下回っており、課題が残った。」(「コーヒーの国内消費量が4年ぶり増加、人流回復による外食での需要増で」,食品産業新聞社ニュース 2023年2月3日.)

緊急事態宣言終了

2023年5月5日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急事態宣言を終了すると発表しました。5月8日以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は5類感染症に移行しました。

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