チモトコーヒー:イエメン クラシックモカ

今回はチモトコーヒーのイエメン クラシックモカの紹介です。こちらはコーヒーメーカーで、実店舗はありません。

チモトコーヒーのイエメン クラシックモカ

イエメンはアラビア半島の南端に位置し、南はインド洋に面し、西は紅海に面しています。首都はサナアです。

イエメンは「緑のアラビア」と呼ばれるほど、中東アラブにあって、緑が豊かで雨にも恵まれている国です。気候は亜熱帯気候で、気温は日中は一年を通して約30℃前後です。昼夜の温度差が激しいため、豆が収縮することで糖分を蓄え、脂肪分の豊かなコーヒー豆が生まれます。また、中東には珍しく年間降水量1,000~1,500mmと降水量が豊富です。

国民はほぼすべての人がイスラム教を進行しています。イスラム教はアルコールの飲用を禁じているため、コーヒーの皮殻で作る「ギシル」とコーヒーの豆を焙煎して作る「ブン」の二つのコーヒーの飲用文化や、「カート」(アカネ科の植物の葉で錯覚作用がある)を噛む習慣が始まったと言われています。

国民の生活は、基本的には自給自足で国民の7割が農民です。しかし、生産性は低く、農業生産額は国民総生産の3割を切っています。その中でもコーヒーは、唯一の外貨を獲得できる商品です。

コーヒーの歴史は、かつてのイエメンの首都であるアデンのイスラム聖者、シーク・ゲマレディンが、1454年に旅行先のアビシニア(現在のエチオピア)でコーヒーの効能を知り、アラビア半島でコーヒー飲用を認めたのが始まりと言われています。コーヒーの起源については実際にわかっていないことも多く、他にも山羊飼カルディの発見説、シーク・オマルの説など、様々な仮説がありますが、現在ではこのシーク・ゲマレディンの説がいちばん有力と考えられています。それとほぼ同時期に、イエメンの山岳地帯でコーヒーの商業栽培が始まります。そのイエメンの山岳地帯で、現在に至るまで栽培され続けているのが「モカ」です。

「モカ」という冠がつくコーヒーは、イエメン南西部サナア州バニー・マタル(マタリ)地方で生産される「モカ・マタリ」に代表されるイエメン産、エチオピア東部ハラール州で生産される「モカ・ハラール」に代表されるエチオピア産の二つがあります。この「モカ」という呼び名は、イエメンの紅海に面した西海岸の港町「モカ」から由来しています。イエメンの山岳地帯で収穫されたコーヒーは「モカ」に集められ、イスラム諸国、ヨーロッパへと輸出されていきました。

「モカ」の特徴は、「モカ臭」と呼ばれる独特の発酵臭です。また、コーヒー豆の形や大きさも不揃いで、最高グレードでも欠点豆が多いです。イエメン・モカは麝香を思わせる芳醇な香り、コクのなかに酸味を感じさせる複雑な味わいが他の豆にはない特徴です。それに対して、エチオピア・モカはコクは控えめで、さわやかな味わいと酸味が特徴です。イエメン産のコーヒーは数種類しかなく、収穫量も少ないです。それに比べてエチオピア産は数千種類あり、収穫量も多いです。

イエメンのコーヒーの産地は西部を南北に走る高地山岳地帯に集中しており、コーヒー豆は急峻な山肌に作られた標高1,700~2,300mにあるテラス(段々畑)と、伏流水となっているワジ(涸れ川)に沿った標高1500~1,700mにある農地で生産されます。農法は、雨季の雨水を利用した天水農法で、自然の雨水を最大限に活用した、昔からの伝統的な手法によってコーヒーが生産されています。代表的な産地として、バニー・マタル、バニー・イスマイル、ハラズ、ライマ、ヤーフェなどがあります。

イエメン クラシックモカはイエメンのサイヒ産のコーヒーのことです。「クラシックモカ」は登録商標名です。サイヒは、首都サナアより北西約60km、イエメンの最高峰ナービー・シュワイプ山より北方の山の標高1800mに位置しています。サイヒで生産されるコーヒーは、バニー・マタル、バニー・イスマイルなどと並んで、イエメンコーヒーの中でも最高級のコーヒー豆にランク付けされます。サイヒ地方は水が豊かなため、毎年、比較的安定したクオリティの豆が生産できます。

イエメンでは安定した水源確保ができないため、コーヒー豆は伝統的にすべてナチュラル(乾式)で精製されます。

イエメンでは国全体で統一されたグレードの基準はありませんが、地方別にグレードがあります。バニー・マタルが最高グレードで、評価が高い順にサナア、シャーキ、ホデイダと続きます。バニー・マタルにはNo.6~No.9までグレードがあり、イエメンコーヒーのなかではバニー・マタルのNo.9が最高級です。

また、イエメンのコーヒーの品種は次の4つに分けられます。

ダワイリ 樹高1~4m 大きく丸いコーヒーチェリー
トゥファーイ 樹高2~6m 大きいリンゴ型のコーヒーチェリー
ウダイニ 樹高2~4m 小さく丸いチェリー
ブラーイ 樹高1~3m 小さく楕円形のチェリー

この中でウダイニが他と多く共通点が見られるため、イエメン品種の原型ではないかと考えられています。

イエメン クラシックモカは、イエメンコーヒーの中では、比較的大粒の豆で丸みを帯びています。香りはバニー・マタルのコーヒーほど強くないですが、モカ特有のワインフレーバーが特徴的です。味は、甘みが強く、滑らかで柔らかく、コクがあるのが特徴です。

エチオピアと並びコーヒーの源流と言われるイエメン。果実やスパイス、赤ワインなどの複雑な香味がある。質の高い高級豆を栽培している。又、特殊な栽培方法で生産され手織り、ワディと呼ばれる涸れ谷の農園と峡谷の斜面のテラス(棚畑)がある。ワディはサンガ地帯の峡谷の川底にあり標高1,500mほど。雨季以外は枯れているが、伏流水が流れていると推測される。土地がやせているように見えるが見事に実がなる不思議な土地です。一方のテラスは標高2,200mもの高知にあり生産されたコーヒーは高級輸出豆となる。『チモトコーヒー 商品説明より』

コーヒーの淹れ方が付いてきます。

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焙煎

焙煎:フルシティロースト(8段階中6番目)

深煎りです。イタリアなどで好まれます。2ハゼ(ピチピチという音)が一番大きくなったあたりの焙煎度です。
酸味は消えて、苦味が強く出てきます。アイスコーヒー、エスプレッソに用いられます。

イエメンモカは脂肪が豊かで、豆が柔らかいので、脱穀(注・石臼を使用)をする時に、豆が割れ、欠豆になりやすいです。もともと欠点豆が多い産地ですが、欠豆、貝殻豆など欠点豆が見られます。

イエメンモカ特有の赤ワインフレーバーが特徴的です。イエメンモカマタリなどと比べると、香りはそれほど強くありません。深煎りですが、苦味がそれほど強くはなく、モカ特有の酸味と苦味のバランスが良いです。

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チモトコーヒー ではありませんが、他のお店のイエメン クラシックモカはこちらから。

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