
ウニール コロンビア ラパルマ・イ・エルトゥカン シドラ・ラクティック・ナチュラルです。
ウニール(Unir)は、京都府長岡京市に本店を置くスペシャルティコーヒー店です。
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コロンビア ラパルマ・イ・エルトゥカン シドラ・ラクティック・ナチュラル

コロンビア
コロンビア(Colombia)はカリブ海と大西洋に面する南アメリカ大陸北部の国です。東にベネズエラ、南東にブラジル、南にペルー、南西にエクアドル、北西にパナマとコーヒー生産国に囲まれています。首都はボゴタ(Bogota)です。ブラジル、ベトナムについで、世界第3位のコーヒー生産大国であり、年間平均生産量は約1,200万袋(1袋60kg)、約720,000トンです。
コロンビアは南北にアンデス山脈が縦断しているため、山岳地帯の面積が広いです。地域によって標高差が大きく、雨季と乾季が異なるため、一年を通じてコーヒーを収穫できます。
コロンビアのコーヒー生産地域は北部、中部、南部の大きく3つに分けることができます。北部・中部の年間平均気温は20.5℃、南部の年間平均気温は19.5℃となっていて、南部より北部のほうが気温が高めです。全体的な風味の傾向としては、南部よりも北部のほうがはっきりとした酸味、しっかりとしたボディ、強いコクが感じられます。
コロンビア国内の大半の生産地では収穫期が1年に2度あります。北部の地域では、主な収穫期が11月、そして5月から6月にかけて第2期の収穫である「ミタカ(Mitaca)」が行われます。南部地域ではそれとは逆に、主な収穫期が5月から6月で、ミタカは11月に行われます。
アンデス山脈では、年間1,600-1,800時間の日照時間が良質なコーヒー栽培にとって最適とされており、日照量をコントロールするためにシェード(遮光)栽培を行っています。この土地の雨季と乾季が交互で訪れる気候条件も、良質なコーヒー栽培には不可欠です。
標高の高い場所は気温が低く、水はけの良い肥沃な火山灰の土壌です。火山灰の土壌は良質なコーヒー生産にとって最適の土壌です。火山灰の土壌は植物が根を張りやすいため、育ちやすいです。また保湿力が高いため、雨の少ない乾季にも植物に十分な栄養を与え続けることが出来ます。また火山灰に多く含まれる硫黄が、コーヒーに豊かな香りを与えます。
コロンビア・コーヒーはマイルド・コーヒーと評されています。柑橘系の芳醇な香りと程よい酸味、滑らかで豊かなコクのあるコーヒーです。
コロンビア・コーヒーの大部分は、多くの小規模農家が生産したコーヒーを協同組合や生産者協会が集積した大ロットです。そのため、単一農園によるシングル・オリジンは珍しく、高品質のコーヒーを他のコーヒーからいかに分離するかが課題となっています。
自然地域区分

コロンビアは、アンデス山脈が3つの連峰に枝分かれしており、アマゾン川、オリノコ川、マグダレナ川といった大河が流れています。入り組んだ山と川が、国土を分断しています。
コロンビアは、その地理的特徴から大きく5つの自然地域にされます。
カリブ自然地域
カリブ自然地域(英語:The Caribbean (natural) region、スペイン語:La región Caribe (de Colombia))は、コロンビア北部のカリブ海沿岸地域です。森林、サバンナ、砂漠まで、多様な生態系を特徴とする地域で、ラ・グアヒーラ県(英語:La Guajira Department、スペイン語:Departamento de La Guajira)の砂漠地帯からアンティオキア県(英語:Antioquia Department、スペイン語:Departamento de Antioquia)北部のウラバ湾岸(Gulf of Urabá)までがこの地域です。
コーヒー生産地としては、アンティオキア(Antioquia)、マグダレナ(Magdalena)がここに位置しています。
アンデス自然地域
アンデス自然地域(英語:The Andean (natural) region、スペイン語:La región Andina (de Colombia))は、アンデス山脈の広がる地域で、3つの連峰に挟まれた渓谷や高原が含まれます。
この地域にはコロンビアの人口が集中しており、コロンビアの首都ボゴタもこの地域に位置しています。肥沃な土壌のため、多様な作物が栽培されています。コロンビアのコーヒー生産地は、この地域に集中しています。
コーヒー生産地としては、ノルテ・デ・サンタンデール(Norte de Santander)、サンタンデール(Santander)、カルダス(Caldas)、トリマ(Tolima)、キンディオ(Quindio)、クンディナマルカ(Cundinamarca)、リサラルダ(Risaralda)、バジェ・デル・カウカ(Valle del Cauca)、カウカ(Cauca)、ウィラ(Huila)がここに位置しています。
太平洋沿岸/チョコ自然地域
太平洋沿岸/チョコ自然地域(英語:The Pacífico/Chocó (natural) region、スペイン語:La región del Pacífico (de Colombia))は、コロンビア西部のチョコ県(英語:Chocó Department、スペイン語:Departamento de Chocó)からナリーニョ県(英語:Nariño Department、スペイン語: Departamento de Nariño)を含む地域です。
西に太平洋、東にアンデス山脈西部に挟まれた地域で、降水量が多く、生物多様性のホット・スポットとなっています。
この地域の主な栽培作物は砂糖ですが、近年はコーヒーの生産が増えています。
コーヒー生産地としては、バジェ・デル・カウカ(Valle del Cauca)、カウカ(Cauca)、ナリーニョ(Nariño)がここに位置しています。
オリノキア自然地域
オリノキア自然地域(英語:The Orinoquia (natural) region、スペイン語:La región de la Orinoquía (de Colombia))は、アンデス山脈の東側連峰からベネズエラの国境まで続く平原地帯です。
コロンビア国土の20%を占める地域に、草原や森林地帯が広がっています。草原地帯を活かした牧畜が盛んな地域です。
コーヒー生産地としては、カサナレ(Casanare)、メタ(Meta)がここに位置しています。
アマゾン自然地域
アマゾン自然地域(英語:The Amazonía (natural) region、スペイン語:La región Amazónica (de Colombia)、またはAmazonía)は、アマゾンのジャングル地帯で、動植物の豊かな生態系に恵まれた地域です。この地域には、先住民が多く居住しており、数多くの国立公園があります。
コーヒー生産地としては、カケタ(Caquetá)がここに位置しています。
クンディナマルカ
クンディナマルカ(Cundinamarca)は、アンデス自然地域に位置しています。首都のボゴタは、この地域に位置しています。
クンディナマルカは、アンデス東部山脈の中部に位置しており、西側はマグダレナ川(Magdalena River)によって区切られています。
コーヒーは1860年頃に、西斜面とマグダレナ川に向かうリャノ(Llanos)という熱帯平原にもたらされました。栽培地域は10年から20年かけて北西へと広がり、多くの農民がインディゴからコーヒーへと転作しました。そして、ボゴタ周辺には、100万本以上のコーヒーノキを栽培する大規模農園が出現することとなりました。
生物多様性に富んだこの地域には、コーヒー栽培に最適な独特の微気候があります。収穫時期は、西部地域が7月、東部地域が10月-1月です。
ラパルマ・イ・エルトゥカン
ラパルマ・イ・エルトゥカン(La Palma y El Tucán)は、2011年にフェリペ・サルディ(Felipe Sardi)氏と彼の妻のマエリサ・マドリニャン(Elisa Madriñán)女史によって始まったプロジェクトです。
ラパルマ・イ・エルトゥカンは、コロンビアのクンディナマルカ(Cundinamarca)に位置しています。「ラパルマ・イ・エルトゥカン(La Palma y El Tucán)」という農園名は、スペイン語で「椰子(ヤシ)とオオハシ」を意味しており、生産者とロースターの共存関係を表しています。
フェリペ夫妻は2011年の最初の1年間で100を超える農園を調査し、彼らの厳しい条件を満たすエコトープ(Ecotope)を探し求めました。そして、11月に理想的な土地を見つけ、過去10年間牛の飼育に使用されていた18ヘクタールの土地を購入しました。
すぐに農園の建設が始まり、2012年に様々な精製方法の実験が可能な最先端のウェット・ミルと、農園で生産された全てのコーヒーの分析、焙煎、カッピングが可能なラボが建設されました。同時に、コーヒーの珍しい品種の播種のために必要な土壌の耕作を始めました。
コーヒーの播種が始まると、地元の100以上のコーヒー農家と連絡を取り、彼らが直面している課題を共有しました。また、特別な訓練を受けたピッカーを雇用し、最先端のウェット・ミルでコーヒーを精製することにより、コーヒーを類まれな品質にまで引き上げました。
2015年に最初の収穫を迎え、2016年の終わりまでに、コロンビアにおいて過去最高額で生豆が取引され、地域および全国の15以上のチャンピオンシップで勝利し、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)(World Barista Championship)でも使用されました。
2017年には、「ラパルマ・イ・エルトゥカン・ホテル(La Palma y El Tucan Hotel)」という体験型ホテルが建設されました。
2018年に、これまでのコーヒーの単作から、1ヘクタールあたり24種以上の植物を含む持続可能な多作へと栽培方法を変更しました。10月には、生物多様性の余地を与えるために、数千本のシドラ(Sidra)、ゲイシャ(Geisha)、SL-28、ティピカ(Typica)コーヒーノキが伐採されました。
また、スペシャルティコーヒー産業の限界を押し上げる目的で、「デラグア・コーヒー・パラダイス(Delagua Coffee Paradise)」と「クリエイティブ・コーヒー・ディストリクト(Creative Coffee District)」というプロジェクトが始まりました。
品種
品種はシドラ(Sidra)です。
ラパルマ・イ・エルトゥカンの全生産量の10%を占める希少ロットは、レジェンダリー・シリーズ(Legendary Series)、ヒーローズ・シリーズ(Heros Series)、ウォリアー・シリーズ(Warrior Series)の、3つのシリーズから構成されています。
精製方法
精製方法はラクティック・ナチュラル(Lactic Natural)です。
80時間以上の嫌気性発酵を行うことで乳酸発酵を促す方法です。
ラパルマ・イ・エルトゥカンとバリスタ・チャンピオンシップ
ラパルマ・イ・エルトゥカンのコーヒーは、バリスタ・チャンピオンシップにおいて様々なバリスタによって使用されています。
日本においては、サザコーヒーの安 優希バリスタが、2019年のジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)(Japan Barista Championship)で、シドラのスーパー・ナチュラルを使用し第4位に入賞しました。
また、韓国のモモス・コーヒー(Momos Coffee)のジュヨン・ジョン(Jooyeon Jeon)バリスタが、2019年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)(World Barista Championship)で、シドラのアネロビック ・ファーメンテーション・ナチュラルを使用し優勝を果たしました。
ウニールと〈まるい〉珈琲マルシェ2020
〈まるい〉珈琲マルシェ2020
ウニールは、2020年9月30日から10月5日まで、丸井今井札幌本店 大通館9階 催事場で開催された〈まるい〉珈琲マルシェ2020に出店しました。2016年の初出店から、2020年で5回目の出店です。


ラパルマ・イ・エルトゥカン シドラ・ラクティック・ナチュラル
コロンビア ラパルマ・イ・エルトゥカン シドラ・ラクティック・ナチュラルは、2020年9月30日から10月5日まで、丸井今井札幌本店 大通館9階 催事場で開催された〈まるい〉珈琲マルシェ2020で販売された「Unir スーパーエクセレントシリーズ」の「ローストマスターセレクション」です。


このロットは、シドラのラクティック・ナチュラル精製です。ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)(Japan Barista Championship)やワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)(World Barista Championship)といった、バリスタの競技会を念頭に買い付けされたロットです。
ウニール コロンビア ラパルマ・イ・エルトゥカン シドラ・ラクティック・ナチュラル



味
綺麗に伸びていくオレンジやトロピカルフルーツのキャンディのような明るく華やかなフレーバーと、シロップやハチミツのようなとろみのある口当たりが印象的です。余韻が長く続きます。
<参考>
La Palma y El Tucán<https://lapalmayeltucan.com/>