工房 横井珈琲:パナマ ママカタ農園 ゲイシャ ハイドロハニー

工房 横井珈琲のパナマ ママカタ農園 ゲイシャ ハイドロハニーです。

工房 横井珈琲は1996年にオープンした札幌市西区に本店があるスペシャルティコーヒー専門店です。現在札幌市内に2店舗展開しています。

パナマ ママカタ農園 ゲイシャ ハイドロハニー

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パナマとボケテ

パナマ(Panama)は中米で最も南アメリカ大陸の近くに位置し、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の境であるパナマ地峡を形成しています。西はコスタリカ、東はコロンビアに接し、北はカリブ海、南は太平洋に面しています。

パナマは紀元前1300年以前にはすでに先住民が生活していたと考えられています。パナマ中部や西部のチリキ県から金製品や彩色土器などが出土しているため、パナマにはオルメカ、マヤ、アステカなどの大規模な遺跡文明はありませんでしたが、これらを使用する先住民文化は存在していた考えられています。 1492年のコロンブスの新大陸発見後、パナマもスペインによって植民地化されます。1519年に現在の首都であるパナマシティ(パナマ市)が設立されると、ここがスペイン本国との船の拠点として繁栄しました。

17世紀-18世紀になるとヨーロッパでのコーヒー飲用が本格化したのに伴い、オランダやフランスの植民地でコーヒー栽培が始まり、グアテマラ、コスタリカ、メキシコなど中央アメリカにも18世紀後半にコーヒーが伝わりました。

パナマコーヒーの栽培は、コスタリカ国境に近いパナマ西部チリキ県(Chiriquí Province)ボケテ地区(Boquete District)を中心に行われています。高品質のコーヒーが栽培されるボケテ地区は、パナマの最高峰、標高3,474mを誇るバル火山(Volcán Barú)の東に位置するバホ・ボケテと呼ばれる峡谷地帯にあります。ママカタ農園もこのボケテ地区にあります。

パナマのボケテ地区には3度の移住ラッシュがありました。1度目の移住ラッシュは、19世紀半ばにカリフォルニアで金が発見され、ゴールドラッシュが始まったことがきっかけです。パナマ地峡を横断し、太平洋側からカリフォルニアに向かう船を待っている間、チリキ県の豊かな自然と肥沃な土地に触れた人々のなかから、そこで生活を営み、簡単な農業を始める人たちが現れました。さらにゴールドラッシュが終焉すると、一攫千金の夢に破れた人々のなかには、行きがけに通ったチリキ県の肥沃な土地を思い出し、パナマに戻って入植し、農業を始める人たちも現れました。入植はチリキ県南部の沿岸からボケテ区近郊まで進み、入植当初からコーヒー栽培が始まりました。

2度目の移住ラッシュは世界恐慌後の1935年以降です。第二次世界大戦中にはパナマ経済の好況を受けて、学校や教会、高速道路などが建てられてボケテ地区は発展を遂げました。その後、軍事政権が成立するとボケテ地区は停滞しますが、軍事政権崩壊後は再び発展しはじめました。

3度目の移住ラッシュは1999年以降です。ボケテ地区は自然豊かな住み心地の良い場所として、欧米で評判が高まり、リタイアした人々が余生を過ごすために移住するようになりました。2001年には、AARP(全米退職者協会)の機関紙「Modern Maturity(現 AARP the Magazine) 」で、2005 年にはFortune誌で、それぞれ「退職後に暮らしたい場所、世界のトップ5」の一つに選出されるほど評価の高い地区となりました。2011年には、ボケテ地区の100周年式典が開催されました。

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パナマ ママカタ農園

パナマ ママカタ農園 ゲイシャ ハイドロハニーを生産するママカタ農園(Mamacata estate)はチリキ県ボケテ地区アルト・キエルに位置しています。

バル火山周辺はママカタ農園をはじめ、エスメラルダ農園、エリダ農園のベスト・オブ・パナマ(Best of Panama(BoP))という世界最高レベルのコーヒー品評会で優勝経験を持つ農園がひしめいています。バル火山は非常に険しく、風が強いため、コーヒー生産には向かない場所と考えられていましたが、現在は非常に高品質のコーヒーを生産する地域として知られています。

農園はテオドロ・ガリード(Teodoro garrido)、ホセ・ダビド・ガリード(Jose david garrido)のガリード親子によって運営されています。ママカタ農園は1959年創業のボケテ地区で最も古い農園の一つです。標高1,500m-1,750mで、2018年と2019年にベスト・オブ・パナマで優勝したエリダ農園よりも標高は低い場所に位置しています。農園面積は50ヘクタール、栽培面積は48ヘクタールです。

ガリード家はママカタ農園の他にも、ボケテ地区のボルカンチノ地域(Volcancito)にボルカンチノ農園(Volcancito estate)、 アルト・リノ地域(Alto lino)にマルガリータ農園(Margarita estate)、 ラ・カテラ地域(la catera)にエル・パロマル農園(El palomar estate)を所有しています。

精製方法

精製方法はハイドロハニー(Hydro Honey, Natural-Hydro Honey)です。

ハイドロハニー精製はコロンビアのコーヒー生産者で、エル・ミラドール農園(El Mirador)を運営しているエルキン・グズマン氏(Elkin Guzman)によって生み出された精製方法です。

この精製方法は最初は通常のナチュラル精製のようにコーヒーチェリーの状態で乾燥されます。その後発酵タンクに移され水分補給と発酵処理をした後、パルピング(Pulping、果肉除去)し、ハニー精製のようにムシレージ(Mucilage)の付いた状態で乾燥されます。

ナチュラル精製とハニー精製の両面を取り入れた精製方法のため、果実感と甘味の伴う非常に複雑なカップに仕上がります。

品種

品種はゲイシャ(Geisha,Gesha)です。

ゲイシャは1930年代に発見されたエチオピアの野生種です。ゲイシャには大きく分けてアフリカで栽培されているアフリカン・ゲイシャと、中米で栽培されているセントロアメリカン・ゲイシャがあります。パナマはセントロアメリカン・ゲイシャに分類され、最も高品質なゲイシャとして評価されています。

エチオピアで発見されたゲイシャは、1953年に中米のコスタリカの研究所に持ち込まれ研究されていました。そして、それはさび病対策として様々な農園に譲渡されていましたが、一定の標高以下では効果がないことがわかり、ほとんどの農園が引き抜いて処分しました。しかし、パナマ エスメラルダ農園のダニエル氏が買い取った農園に生えていたゲイシャを焙煎してみたところ、その優れた味わいに驚き、エスメラルダ農園で栽培を開始することになりました。そして、2004年のベスト・オブ・パナマで、パナマ エスメラルダ農園のゲイシャが当時破格の落札価格を記録したことから一躍有名となりました。

ママカタ農園は古くにゲイシャを栽培していましたが、引き抜いて処分してしまった農園の1つです。ここ数年でゲイシャの可能性を再発見し、ゲイシャ栽培に取り組んでいます。

ママカタ農園ではゲイシャの他にも、ティピカ(Typica)、カトゥーラ(Caturra)、カトゥアイ(Catuai)他が生産されています。

パナマゲイシャ特有のジャスミンやワインのようなフレーバーとハイドロハニー精製の果実感を伴ったハチミツのような甘味が特徴的です。鼻の奥に抜けるような強いフレーバーはバル火山で生産されるゲイシャらしく、またシルクのような滑らかな口当たりが素晴らしいコーヒーです。

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工房 横井珈琲のパナマ ママカタ農園 ゲイシャ ハイドロハニー

工房 横井珈琲のチラシ

パナマの優良産地ボケーテにある、テオドロ・ガリードさんと息子のホセ・ダビド・ガリードさんが
運営するママ・カタ農園よりゲイシャのコーヒーをご紹介いたします。

今回ご紹介するのは、カンテラ区画で栽培されたゲイシャです。
ママ・カタ農園は1959年よりガリード一家によって営まれており、現在は、息子のホセ・ダビドさんが
中心となり、父親のテオドロさんとともに運営しています。

ママ・カタ農園では30年前よりゲイシャの栽培を始めましたが、生産性と耐病性の高いカトゥーラ種や
ブルボンなど他の品種に植え替えが進み、ゲイシャの木を多く切ってしまいました。
しかし、その後この場所は区画毎にしっかりとした特徴のある、素晴らしいコーヒーを生み出すことができる
特別な土地であることに気付き、この数年はゲイシャの保護と栽培に精力的に取り組んでいます。
ぜひこの機会にガリード親子のゲイシャのコーヒーをお楽しみください。

工房 横井珈琲 ホームページより

ゲイシャ特有のジャスミンやワインのような強いフレーバーとハイドロハニー精製の果実感を伴ったハチミツのような甘味のバランスに優れています。鼻の奥に抜けるようなパナマゲイシャのフレーバーは特に素晴らしいです。

<参考>

旦部 幸博 「パナマとパナマコーヒーの歴史(概観)」,『バッハコーヒー・インフォメーション』<http://www.bach-kaffee-planandconsul.jp/Panamacoffee.pdf

「ママ・カタ・ゲイシャ/ハイドロハニー」,YOKOI COFFEE<https://www.yokoi-coffee.com/modx/167/287/288/1311.html>2019年6月14日アクセス.

「#006 - Dear Growers」,『 Discover Coffee Project』<http://www.discover-maruyamacoffee.com/dear-grower/single.html?no=6>2019年6月14日アクセス.

「GARRIDO'S COFFEE & ESTATES –」,『Specialty Coffee Association of Panama』<http://scap-panama.com/2017/04/04/garridos-coffee-estates/>2019年6月14日アクセス.

「Elkin Guzman」,『Cafe Import Europe』<https://www.cafeimports.com/europe/blog/elkin-guzman/>2019年6月14日アクセス.

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