パナマのコーヒー生産地域とその特徴 ボケテ
パナマのコーヒー生産地域
パナマ(Panama)は、北米大陸と南米大陸を繋ぐ地峡国で、国土が細長く横に広がっています。この地形的特徴によって、カリブ海と太平洋の両方の影響を受け、独特のマイクロクライメイト(微気候)が発生します。気候は高温多湿の亜熱帯、雨季は5月から12月、乾季は1月から4月で、気候は地域ごとに異なります。国土の大部分は山岳地帯で、パナマ西部のチリキ県(Chiriquí Province)にあるバル火山(スペイン語:Volcán Barú)が最高峰です。
バル火山は、16世紀に最後に噴火した成層火山です。 噴火によって周辺の土壌にテフラが散らばったことにより、火山周辺は栄養分が豊富な肥沃な土壌で、コーヒー栽培に理想的な環境となっています。パナマの高品質なアラビカ種は主に、バル火山周辺のチリキ県ボケテ地区(Boquete District)、ティエラ・アルタス地区(Tierras Altas District)、レナシミエント地区(Renacimiento District)で生産されています。また、ボケテ地区と南側で接するドレガ地区(Dolega District)でも、コーヒー生産が行われています。
ロブスタ種は主に、コクレ県(Coclé Province)、パナマ・オエステ県(Panama Oeste Province)、コロン県(Colón Province)、ベラグアス県(Veraguas Province)、エレーラ県(Herrera Province)、ロス・サントス県(Los Santos Province)、ボカス・デル・トロ県(Bocas del Toro Province)、パナマ・エステ県(Panama Este Province)、ダリエン県(Darien Province)などの低地で生産されています。
パナマで栽培されているコーヒーの約70%から80%がアラビカ種で、残りの約20%から30%はロブスタ種です。チリキ県で栽培されるアラビカ種は主に輸出されますが、パナマの低地で栽培されるロブスタ種は主に地元で消費されます。
ボケテ
ボケテ地区(Boquete District)は、バル火山東斜面に位置しています。バホ・ボケテ(Bajo Boquete)、アルト・ボケテ(Alto Boquete)、カルデラ(Caldera)、ハラミージョ(Jaramillo)、ロス・ナランホス(Los Naranjos)、パルミラ(Palmira)の6つのコレヒミエント(Corregimiento)(または、サブディビジョン(Subdivision))に分かれています。
ボケテ地区は、Uの字の形をしています。南側は谷になっており、西にバル火山が見えます。北側には、タマランカ山脈(英語:Talamanca Mountain Range、スペイン語:Cordillera de Talamanca)が走っています。東のセロ・アズール(Cerro Azul)の山塊は、3つの山頂といくつかのタイプの土壌を形成しており、パルミラ(Palmira)、ボルカンシト(Volcancito)、エル・サルト(El Salto)、アルト・キエル(Alto Quiel)、オルケタ(Horqueta)、パロ・アルト(Palo Alto)、ハラミージョ(Jaramillo)の7つのサブリージョンを構成しています。
ボケテ地区は、面積448.4㎢、標高1,200m - 2,100m、5月から12月は主に太平洋側からの降雨、12月から3月は主に大西洋側からの降雨があります。気温は10℃から26℃、ボルカンシト(Volcancito)、エル・サルト(El Salto)のような、より乾燥したマイクロクライメイトを持つ場所から、ハラミージョ・アバホ(Jaramillo Abajo)のような、より多くの降雨がある非常に湿ったマイクロクライメイトを持つ場所まであります。
大西洋側からの霧状の雨は「バハレケ(Bajareque)」として知られており、オルケタ(Horqueta)、パロ・アルト(Palo Alto)のような北部の土地で年間を通して一般的です。太平洋側からの降雨は、パルミラ(Palmira)、コチェア(Cochea)、ハラミージョ(Jaramillo)のような南部の土地に影響を与え、中部の土地は両側の海洋の降雨を受けます。
ボケテ Boquete:https://real-coffee.net/category/coffee-origin/central-america/panama/boquete