松屋コーヒー本店:ブラジル セルトン農園 百年樹 レッドブルボン

松屋コーヒー本店のブラジル セルトン農園 百年樹 レッドブルボンです。松屋コーヒー本店は愛知県名古屋市中区に本社のあるコーヒー会社で、1909年創業の老舗です。昭和30年代に開発された松屋式ドリップ法でも有名です。現会長は3代目の松下和義(まつした・かずよし)氏です。

松下家のコーヒー屋は「松屋コーヒー本店(英語表記では、MATSUYA COFFEE)」までが社名と屋号で、「松屋コーヒー本店」は名古屋市中区大須にある本店に相当する店(その店は「万松寺店」として知られています)を指しているわけではないそうです。そしてこの「松屋コーヒー本店」から暖簾分けした「松屋コーヒー」が、「松屋コーヒー本店」とは別経営の会社としてあります。

「松屋コーヒー(「松屋コーヒー本店」ではない)」には、「松屋コーヒー分店」「千種松屋コーヒー」「松屋コーヒー部」「松屋コーヒー店」が別にあり、「松屋コーヒー部」は現在「ゴルピーコーヒー(GOLPIE COFFEE)」の名前で知られています(この部分は鳥目散帰山人氏からご教示いただきました)。

このコーヒーは「松屋コーヒー本店」で購入しました。

ブラジル セルトン農園 百年樹 レッドブルボン

スポンサーリンク

ブラジル

ブラジル(Brazil)は南米の東部に位置する60億本のコーヒーの木が栽培されている世界最大のコーヒー産地です。人口は約2億930万人で、日系人は約160万人です。国土の60%以上が中部から南部に高原地帯です。北部は熱帯性雨林、中部は亜熱帯地帯、南部は温帯地帯となっています。

ブラジルのコーヒーの生産は、南部のミナスジェライス州が全体の約50%を生産しています。74%がアラビカ種で、26%がロブスタ種です。ブラジルのコーヒー生産量は世界全体の生産量の約30%を占めるため、コーヒーの国際相場はブラジルの生産量に左右されます。

ブラジルは北部のノルチ(Norte)、北東部のノルデスチ(Nordeste)、中西部のセントロ・オエスチ(Centro-Oeste)、南東部のスデスチ(Sudeste)、南部のスウ(Sul)5つの地域に別れ、それらの地域はさらに26のエスタードと呼ばれる州(Estado)と1つの連邦直轄区(首都ブラジリア)から構成されています。セルタオ農園があるミナスジェライス州(Minas Gerais)は南東部のスデスチに位置しています。

スポンサーリンク

カルモ・デ・ミナス

ブラジル セルタオ農園(Fazenda Sertão)はミナスジェライス州リオデジャネイロの北西部に位置するマンチケーラ(Mantiqueira)山脈の高原地帯カルモ・デ・ミナス(Carmo de Minas)に位置する歴史のある農園です。

カルモ・デ・ミナスはコーヒーの名産地として名高い場所です。標高1,100m~1,450mに位置し、穏やかな気候、肥沃な土壌、年間降水量 2000mmの適度な降雨量、十分な太陽の光は、高品質なコーヒー栽培にとっては理想的な環境です。

20世紀が終わるまではコーヒー産地としては無名で、むしろ鉱山やチーズの生産地(ミナスチーズ)、避暑地としてブラジル国内で知られていました。カルモ・デ・ミナスのミナスという言葉は「鉱山」という意味です。その昔、ブラジルがポルトガルの植民地だった頃、ミナスジェライス州はたくさんの鉱山があることで知られていました。金をはじめ、ダイヤモンドやその他の鉱物を採掘するために、多くの人が働きに出る場所でした。職場に持ち運ばれていたチーズが、良質な牛乳から作られて、味の評判も良かったため、いつしかミナスチーズとして呼ばれる名産品になっていきました。

カルモ・デ・ミナスがコーヒー生産地として有名になったのは、1999年からブラジルでCoE(Cup of Excellenceの略)が開催されるようになってからです。ブラジルCoEではカルモ・デ・ミナス周辺の農園が次々と上位入賞・優勝しました。さらに2012年から始まった、その時点では世界で唯一のナチュラルのCoE、ブラジルCoE(ナチュラル)では、2015年12月大会までの5回とも優勝農園はカルモ・デ・ミナスと周辺の町を含むエリア(Mantequeira de Minas)から輩出されています。そこでカルモ・デ・ミナスは優良なコーヒー産地として一気に有名になります。

カルモ・デ・ミナスコーヒーの歴史はペレイラ家の歴史といっても過言ではありません。カルモ・デ・ミナスのコーヒー栽培は、18 世紀にペレイラ(Pereira)家の先祖がポルトガルからこの地に移民し、 1866年に最初のコーヒー栽培が開始されたことに始まります。

現在は5世代目のジャック・ペレイラ・カルネイロ(Jacques Pereira Carneiro)氏と、彼のいとこで前ブラジルスペシャルティコーヒー協会(Brazil Specialty Coffee Association (BSCA))会長のルイス・パウロ(Luis Paulo)氏が、ペレイラ家の所有する12の農園と6つの精製工場を監督しています。また、彼らはコーヒー輸出会社であるカルモ・コーヒーズ(Carmo Coffees)を経営しています。

スポンサーリンク

ブラジル セルタオ農園

ブラジル セルタオ農園は、100年以上の歴史があるセルタオ・グループ(Sertão Group)によって運営されています。セルタオ農園はホセ・イシドロ・ペレイラ(José Isidro Pereira)氏とナザレス・ディアス・ペレイラ(Nazareth Dias Pereira)女史に引き継がれ、現在は息子たちとその家族が運営しています。

セルタオ・グループはカルモ・デ・ミナスにコーヒーを栽培する広大な土地を有しています。敷地内には約135家族が常勤しており、これらの家族がセルタオ・グループの中心的な役割を担っています。無料の住宅、水、電気、牛乳、コーヒー、果物が提供され、また、初等および中等教育、施設内医療および歯科医療、サッカー場、釣り池が提供されています。

サステナブルな環境保護にも熱心で、農園では泉、水源、野生生物、森林と他の植物、土壌を保護するためのプログラムが実施されてきました。 精製やパルパーで使用される水はすべてリサイクルされ、水の過剰な使用や周囲の環境の汚染を避けるために、残留物は池に貯められます。 コーヒーの殻は、コーヒーの肥料や有機物として使用されています。

農園は標高1,250m級に位置する850ヘクタールの広大な農園で、そのうち350ヘクタールでコーヒーが栽培されています。コーヒーの他に、バナナ、コーン、大豆が栽培され、乳牛が飼育されています。

セルタオ・グループはジロランド種(Girolando cattle)という牛を育てており、ジロランド・ダ・セルタオ(Girolando da Sertao)というブランドはブラジルの畜産の最高の育成者の象徴となっています。

ちなみにスターバックス リザーブ®のセルタオファーム、帰山人の珈琲遊戯のセルタォン、そしてこの松屋コーヒーのセルトン農園はSertãoの読み方が違うだけで、すべて同じ農園です。

管理

コーヒーは精製処理後、COCARIVE(Cooperativa Reg Cafeicultores Vale do Rio Verde Ltda)というブラジルの農協の倉庫で管理されます。

品種

品種はレッドブルボン(Red Bourbon)です。コーヒーチェリーが黄色に熟すものはイエローブルボン、ピンクに熟すものはピンクブルボンと呼ばれ、チェリーの熟し方によって呼び名が変わります。ブラジルでは、このブルボンとそこから派生した品種がよく栽培されています。

農園では他にも、、イエローカツアイ(Yellow Catuaí)、アカイア(Acaiá)、ムンドノーボ(Mundo Novo)、イカツ(Icatu)、カツアイ(Catucaí)が栽培されています。

このブラジル セルトン農園 百年樹 レッドブルボンは、農園創業当時から植えられている100年以上の樹齢のレッドブルボンです。年間生産量は約100袋と少量しか採れない希少なコーヒーです。古い歴史を持つ農園だからこそ生産のできるコーヒーです。

精製方法

精製方法はパルプト・ナチュラル(pulped natural)です。他の国では、ハニー(Honey)と呼ばれる精製方法です。

コーヒー豆の精製方法は、大きく2つに区分できます。1つは、収穫したコーヒーチェリーをそのまま天日干し乾燥させ、その後、脱穀してコーヒー生豆を取り出す伝統的なナチュラル(Natural、乾式)です。もう1つの方法は、収穫したコーヒーチェリーの果肉と外皮を除去し、発酵、水洗いをしたパーチメント(Parchment)付きコーヒー豆を乾燥させ、完全乾燥後に脱穀するウォッシュト(Washed、湿式)です。ナチュラルでは果肉の風味や甘味、酸味がコーヒー豆に移りやすく、複雑で強い味わいに仕上がります。ウォッシュトでは水洗いするため綺麗な味わいに仕上がり、コーヒー豆が持つ本来の風味を楽しむことが出来ます。

パルプト・ナチュラルはその中間の半水洗式の一種です。パルプト・ナチュラルはパルピング・マシーン(Pulping machine、果肉除去機)によってコーヒーチェリーの外皮(outer skin)と果肉(pulp、パルプ)を剥がし、ムシレージ(Mucilage、粘液質のこと、一般的にはミューシレージとも)を残した状態で乾燥工程に入ります。ムシレージの成分によって、複雑な香味やボディを持つコーヒー豆に仕上がります。またパルプト・ナチュラルでは、パルパー(Pulper、果肉除去)の工程で過熟豆、未熟豆を取り除くことが出来るというメリットもあります。

ブラジルでは、ナチュラルが一般的な精製方法のため、半水洗式はISO3509でパルプト・ナチュラル(pulped natural)と呼ばれるようになりました。

マンゴーやバナナのような非常に独特のフレーバーが特徴です。パルプト・ナチュラルの甘味があり、まろやかな口当たりです。非常に独特の香味なので、好き嫌いは分けると思います。

松屋式ドリップ法

松屋コーヒー本店は昭和30年代に松屋式ドリップ法という抽出法を編み出しました。

松屋式ドリップ法とは、安定した味が出しやすくコーヒーの旨味成分だけを抽出し、時間が経っても味が劣化しない独自の抽出法です。中部地区の多くのカフェや喫茶店でも支持されています。

「松屋式ドリップ」,株式会社 松屋コーヒー本店ホームページより
松屋式ドリップ

松屋コーヒー本店の松屋式ドリップのページで、松下会長の実演動画を見ることができます。松屋コーヒー本店では、松屋式ドリップ専用のオリジナル金枠とペーパーフィルターが販売されています。

挽き目

挽き目の目安

松屋式ではコーヒー豆を粗挽きにします。

松屋式では、粉が動かず、すべての粉から均一においしい成分だけが抽出されます。また、雑味やえぐみが出る以前に抽出を止めるため、非常にキレイな味に仕上がります。

松屋コーヒー本店のブラジル セルトン農園 百年樹 レッドブルボン

希少なブルボンの中でも更に希少な「レッドブルボン」。 しかも稀に見る100年を超える樹齢の木からはごくわずかなチェリーしか採取できず、年間生産量は約100袋と非常に少量です。 滑らかな口当たり、ブラッドオレンジのようなジューシーなフレーバーが特徴です。

松屋コーヒー本店 ホームページより

焙煎

焙煎:ハイロースト(8段階中4番目)

中深煎りです。ちょうど真ん中、バランスのとれた焙煎度合いと言えます。1ハゼ(パチパチという音)と2ハゼ(ピチピチという音)の中間ぐらいの焙煎度です。ミディアムローストまでに比べ 酸味が押さえられ、苦味・甘味が強くなってくる段階です。酸味と苦味の調和が取れており、酸味は残っていますが、ほんのりと苦味も感じられる焙煎度です。

欠点豆少しあります。

マンゴーやバナナのような非常に独特のフレーバーが強く広がるのが印象的です。甘味があり、酸味、苦味は控えめです。口当たり非常にまろやかで、クリーンな味です。

<参考>

「Farm Profile: Fazenda Sertão」, Collaborative Coffee Source<https://www.collaborativecoffeesource.com/the-collaborative-blog/2013/01/23/farm-profile-fazenda-sertao>2019年9月8日アクセス.

「Fazenda Sertão - Brazilian Natural」, Populus Coffee<https://populuscoffee.de/fazenda-sertao/>2019年9月8日アクセス.

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事