コーヒーカウンティ ホンジュラス ホセ・デ・ラ・クルス モレノ ザ・ミドルです。
コーヒーカウンティ(COFFEE COUNTY)は、2013年11月に福岡県久留米市にオープンしたスペシャルティコーヒー店です。代表は森 崇顕(もり たかあき)です。
ホンジュラス ホセ・デ・ラ・クルス モレノ ザ・ミドル
エル・バラコン
エル・バラコン(El Barracon)は、ホンジュラス(Honduras)サンタ・バーバラ県(Santa Bárbara Department)ラス・ベガス(Las Vegas)エル・セドラル(El Cedral)に位置する農園です。
農園主はホセ・デ・ラ・クルス モレノ(Jose de La Cruz Moreno)です。
この地域の先住民の多くは、1940年代からコーヒーを栽培し始めました。コーヒーは、他の作物の副産物として、主に低地で栽培されていました。1970年代からは、当時の価格上昇に伴い、ブルボンを中心としたコーヒーが主産業となりました。それ以来、コーヒーはこれらの地域の経済の基礎となり、また重要な文化的要素になっています。
ホセは若い頃、この地域がまだ人口も少なく、土地も手ごろだった頃に移住してきました。彼は長年、この土地でトウモロコシや豆、野菜を栽培していましたが、新政府による農地改革プロジェクトの一環として、徐々にこの土地が他の農家に再分配されるようになりました。25年ほど前、わずかな土地を利用して、ホセはコーヒー栽培を始めました。コーヒーの品質は一般的なものでしたが、市場が安定し、持続可能なものだったため、最初の数年はうまくいきました。しかし、ホセの子供の1人が精神疾患を患い、高額な治療費が必要になったため、さらに土地を売り、現在の農園はわずか0.7ヘクタールになりました。そんな中、数年前にホセの甥たちが、すでにバイヤーがついていて、新しい市場で数年の経験があったことから、ホセにスペシャルティコーヒーの生産に挑戦することを勧めました。甥たちは、農学から収穫、加工、選別まで、スペシャルティコーヒーのバイヤーがより高い価格で購入できるような準備の仕方を教えました。
品種
品種はパーカス(Pacas)です。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)です。
コーヒーの精製は、ベネフィシオではなく、すべて現地で行われます。
コーヒーカウンティ ホンジュラス ホセ・デ・ラ・クルス モレノ ザ・ミドル
世界中から多くのバイヤーが集まるサンタバルバラにおいても特級区とも言えるセドラル村からホセさんのコーヒーです。
セドラル村の設立者での一人でもあるホセさんが若く、この土地に来たばかりの頃は、住んでる人もほとんど無く、たくさんの土地を安値で買うことができました。彼はその土地にコーンや豆、野菜を育てることにしましたが、数年後、その権利を失い、ほとんどの資産を失いました。
25年前、ホセさんは小さな土地にコーヒーを植え始めました。最初の数年の収穫は、コンベンショナルコーヒーとして販売したにも関わらず、彼にとって良い収入となりましたが、その頃彼の息子のうち二人が精神的な病を患い始めました。ホセさんは医者を探し、農園の多くを手放さないといけない状況(1ヘクタールの土地を残すのみ、現在の彼の農園)になるまで専門的で高額な治療を施しましたが、回復には至りませんでした。その後も最低限安定した状態を保つための治療のために支払いを続けました。
そして8年前、彼の甥達がスペシャルティマーケットへの参入を勧めました。ホセさんのコーヒーには既にヨーロッパの買い手が付いていましたが、彼は決断し、甥達はスペシャルティコーヒーとしての精選のプロセスを教え今に至ります。
悲しいことですが、2021年、ホセさんは複合的な健康上の問題で亡くなりました。セドラル村のコミュニティの創設者の一人として皆の記憶に留められています。
現在農園は彼の息子の Bernardo(ベルナルド)さんが受け継ぎ、ホセさんの遺産を守り続けるべく農園での仕事に励んでいます。2022年5月、3年ぶりとなったサンタバルバラ訪問の際、ベルナルドさんと彼の兄弟に会うことができました。変わらず素晴らしい品質に驚いたと共に今年も買い付けることができ大変喜ばしい思いです。ブルーベリーやカシスなどの生き生きとした酸を伴った果実感とともに、蜂蜜やブラウンシュガーのような甘さと質感、後味では煎茶を思わせる滋味深い風味も感じられ、立体感のある味わいが続きます。
コーヒーカウンティ
味
ブルーベリーのような味わいから、冷めてくると酸味が生まれ、カシスのような味わいになります。酸味が濃度感を持って感じられる味わいです。