コーヒーの抽出方法 80/80/80 バイパス・メソッド
80/80/80 バイパス・メソッド
アンディ・スプリンガー(Andy Sprenger)は、コーヒー業界でのキャリアを始める以前は、妻とともにレバノンで湿地帯の保護活動に従事し、鳥の個体群の追跡と研究を行っていました。視覚と聴覚を駆使した観察力を磨く経験は、コーヒー業界へ転身した後も、嗅覚と味覚を駆使するキャリアに大いに役立ちました。
2003年にアメリカ合衆国に戻ったアンディは、メリーランド州ボルチモアのセレモニー・コーヒー・ロースターズ(Ceremony Coffee Roasters)に入社し、その後2014年にスイート・ブルーム・コーヒー・ロースト(Sweet Bloom Coffee Roasters)を設立しました。
バリスタとしては、2回のアメリカ ブリュワーズ カップ(U.S. Brewers Cup)優勝、ワールド ブリュワーズ カップ 2012(WBrC)(World Brewers Cup 2012)準優勝、アメリカ エアロプレス チャンピオンシップ 2013(U.S. Aeropress Championship 2013)優勝、アメリカ カップ テイスターズ チャンピオンシップ 2014(U.S. Cup Tasters Championship 2014)準優勝の経歴があります。
抽出
アンディの80/80/80 バイパス・メソッド(80/80/80 Bypass Method)は、抽出時間を早め、コーヒーベットと水の接触時間が長すぎることによるアストリンジェント(渋味)とオーバーエクストラクション(過抽出)を防ぐために考えられた抽出方法です。簡単で、再現性があり、一貫性のあるカップを作ることができます。
用意するもの
- コーヒー豆
- スケール
- Bee House セラミックコーヒードリッパー S(Bee House Ceramic Coffee Dripper S)
- メリタペーパー(あるいは代替品)
- サーバー
- ドリップポット
- ペーパーをドリッパーにセットし、リンスします。これにより、ペーパーの匂い移りを防ぎ、ドリッパーを予熱します。湯温は201°F (約93.8°C)以上、より浅煎りの場合は205°F (約96.1°C)まで湯温を高めに設定します。
- コーヒーベッドを通過させないお湯を50ccサーバーに移します。
- ドリッパーとサーバー、ペーパーをセッティング後、粉を入れコーヒーベッドをフラットにします。動画では、粉17g、水290cc(注湯240cc+バイパス50cc)、1:17の抽出比率です。通常の抽出よりもコーヒーベッドに多くの水を通過させないため、やや細挽き寄り(食卓塩よりも少し細かい)にグラインドします。
- 80/80/80 バイパス・メソッドは、1投目80cc注湯、30秒後2投目80cc注湯、30秒後3投目80cc注湯、約45秒で落とし切ります。
- 1投目は、コーヒーベッドの端から中央に向かって円を描きながら注湯します。コーヒーベッドは浸漬状態になります。2投目は、中央にゆっくりと注湯します。コーヒーベッドの水位が上昇します。3投目は、 コーヒーベッドの表面を崩すように注湯し、コーヒーベッドをお湯で覆います。全体の抽出時間は約2分15秒です。抽出後、端にコーヒー粉が残らず、コーヒーベッドはフラットになるのが理想的です。