工房 横井珈琲:ボリビア アグロ・タケシ ゲイシャとレッド・カトゥアイ

工房 横井珈琲のボリビア アグロ・タケシ ゲイシャとレッド・カトゥアイです。工房 横井珈琲は1996年にオープンした札幌市西区に本店があるスペシャルティコーヒー専門店です。現在札幌市内に2店舗展開しています。(ホームページはこちらから)。

ボリビア アグロ・タケシ

ボリビア

ボリビア(Bolivia)は、南アメリカの共和国です。北東をブラジル、南をアルゼンチン、南東をパラグアイ、南西をチリ、北西をペルーに囲まれた内陸国です。憲法上の首都はスクレ(Sucre)ですが、実際上の首都はラパス(La Paz)です。アンデス山脈はボリビア西部にまたがり、3つの主要地域を形成しています。西部の山岳地帯の高地とアルティプラーノ(2つかそれ以上の山脈の間に広がる標高の高い平坦な高原地帯)、東部の山の斜面にある亜熱帯のユンガス地域(Los Yungas)と温帯の渓谷、そして、リャノ (llano)またはオリエンテ (Oriente)と呼ばれる北部と東部に広がるアマゾン熱帯の低地です。

ボリビアは金・銀・錫・石油・天然ガス・リチウムなどの豊富な天然資源を持っていますが、かつて「黄金の玉座に座る乞食」と形容されたように、ラテンアメリカで最も開発が低く貧しい国です。この深刻な貧困国にとって、経済、社会、そして環境の持続可能性を支える質の高い製品を生み出すのに必要なインフラストラクチャや技術を開発することが問題となっています。

ボリビアのコーヒーの歴史は、ブラジルからコーヒー農園の黒人奴隷が逃亡したときに苗木を持ち込んだのが始まりです。ボリビアのコーヒー生産はラパスの北東にあるユンガス(Los Yungas、地元のケチュア語で「暖かい谷」の意味)の農村地域に集中しており、そこでボリビアの約95%のコーヒーが生産されます。ユンガス地方のマイクロクライメット(微気候)、高い標高(1,400-2,100m)、肥沃な土壌、温暖な気候は高品質なコーヒー生産に最適です。他のコーヒー生産地域にはサンタクルス(Santa Cruz)、ベニ(Beni)、 コチャバンバ(Cochabamba)、タリハ(Tarija)、パンド(Pando)があります。

ボリビアのコーヒー生産は1880年代にさかのぼります。ボリビアでは長年にわたり、ほとんどのコーヒー農園は裕福な大規模土地所有者によって所有されていました。ボリビア政府は1991年の土地改革によって、大部分の大規模土地所有を収用し、それらを農村の23,000の農家に再分配しました。1〜8ヘクタールの小さな区画が再分配され、ボリビアのコーヒーの85〜95%を生産しています。そこで栽培される品種のほとんどが有機栽培のアラビカ種です。

ボリビアコーヒー業界全体では、28の民間企業がコーヒー輸出貿易の70%以上を支配しています。残りの30%は、ボリビアの17のコーヒー協同組合によって取引されています。民間部門と協同組合部門の両方がボリビアコーヒー委員会であるコボルカ(Cobolca、Comite Boliviano del Cafeの略)のメンバーです。ボリビアのコーヒーのほとんどは、アメリカ、ドイツ、その他のヨーロッパ諸国、ロシア、日本に輸出されています。

ボリビアでは2004年からカップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence)が始まり、ボリビアコーヒーの認知度を高めましたが、ボリビアコーヒーは世界で最も高い標高と最も低い緯度で生産されるため、この国で生産される様々なコーヒーはまだ市場に充分に紹介されていません。

ボリビアは、高い標高、肥沃な土壌、定期的な雨期など、高品質のコーヒー生産のためのすべての条件が揃っています。しかし、険しい地形とインフラや技術の欠如により、収穫後の品質管理は困難な課題となっています。ボリビアコーヒーはかつてはブレンドにのみ適した低品質のコーヒー生産国と考えられていましたが、現在、コーヒー産業の変革に取り組んでいます。

ボリビアの高品質なコーヒー生産は、アメリカが麻薬戦争の一環としてボリビアのコーヒー生産を支援したことが始まりです。アメリカからの開発援助によって、コーヒー農家の近くに精製加工施設が設立されるようになりました。それまでコーヒー生産者は、自分たち農園でコーヒーチェリーをパルピング(Pulping、果肉除去)してから、それをコーヒー生産地域から遠く離れたところにある集中処理所に運んでいました。まだ乾燥していないコーヒー豆は、山を通り抜ける長い曲がりくねった道で様々な高度や気候条件で運ばれるため、極端に変化する気温にさらされることになり、ダメージを受けていました。しかし、精製加工施設が農家の近くに設立されることによって、運送の手間と労力がなくなり、コーヒー豆が傷むことなく、精製することができるようになりました。

しかし、ボリビアのコーヒー生産量は年々減少しています。2006年の年間輸出は約8万5000袋で、 2010年約7万袋でした。(これはブラジルの1つの大農園の年間生産量に相当します)。 2014年には年間輸出3万袋にまで半減しました。

この減少に寄与するいくつかの要因があります。 1つは、コーヒー生産はボリビアで伝統的に栽培されるコカと競合していることにあります。コカは一年中収穫でき、儲けやすいため、農家はコーヒー栽培よりもコカ栽培を選びます。しかし長期的に見ると、コカ畑はコミュニティと土地に壊滅的な影響を与えます。手付かずのままの熱帯雨林はコカ栽培のために違法に破壊され、そしてシェードツリーの欠如は侵食に繋がる大きな問題を起こします。コカ生産者が作物を強くするために殺虫剤を過剰に使用すると、土壌も時間の経過とともに不毛になります。そこには他に何も育てることができないので、その土地は放棄されます。

コーヒー生産を支援し促進する中央組織が存在しないことも、ボリビアのコーヒー貿易の活力を脅かしています。グアテマラやブラジルのような他のコーヒー生産国とは異なり、ボリビアのコーヒー生産者は政府や国の農業団体からの支援を受けていません。歴史的には、アメリカの麻薬戦争の一環として、コカの代替作物としてコーヒー栽培が支援されていました。しかし、先住民族出身のエボ・モラレス(Evo Morales)が大統領になると、彼はアメリカによる支援を止めました。それは彼が元コカ生産者で、アメリカ帝国主義の象徴であるコーヒー生産よりも、ボリビアの伝統的な農産物としてコカ栽培を推進しているためです。

アグロ・タケシ農園

アグロ・タケシ農園(Agro Takesi)はラパス県南ユンガス地方ヤナカチ(Yanacachi)にあります。ヤナカチはペルーとボリビアにまたがる古代湖、3,890mの天空に近いチチカカ湖(Titicaca)周辺の村の一つです。ラパスから約100キロメートル北東に位置しています。

アグロ・タケシ農園は2009年ボリビアCoEで93.36点を獲得した、ボリビアでも有数の農園の一つです(この時の品種はティピカです。ボリビアCoE2009の結果はこちらから)。ちなみにこの時落札した会社の一つが丸山珈琲で、丸山珈琲とアグロ・タケシ農園の付き合いはこの時から始まります。

アグロ・タケシ農園はまた、コルディジェラ・レアル山脈(Royal Mountain Range (Cordillera Real de los Andes) )に連なる標高5,850mのムルラタ(Mururata)山を一望する、世界で最も高い場所に位置するコーヒー農園の一つです。農園は標高1,700m-3,000mに及び、コーヒーが栽培されている最大標高は2,600mに至ります。ヤナカチでコーヒーを栽培しているのは、このアグロ・タケシ農園のみとなります。

ムルラタ山からタケシ渓谷(Takesi Valley)へと数少ないインカ・トレイルがはしっています。タケシという農園名はこのトレイルにちなんで名付けられました。タケシというのは、現地の言葉で「人々を目覚めさせる」という意味です。

コルディジェラ・レアル山脈から溶け出した水がタケシ川(Takesi River)を形成しており、この綺麗な水はコーヒー生産に使用されています。

農園主はカルロス・イトゥラルデ氏(Carlos Iturralde)と娘のマリアナ・イトゥラルデ女史(Mariana Iturralde)です。農園面積は2,500ヘクタールと非常に広大ですが、このうちの600ヘクタールでコーヒーを含む様々な農産物が栽培されています。残りの1900ヘクタールは自然の原生林として保全されています。

非常に高地に位置する農園のため、コーヒーの成熟が非常にゆっくり進み、完熟まで11ヶ月を要します。果実のゆっくりとした成熟が、コーヒー豆に豊かな香りと味を与えます。収穫時期は標高2,200m以上で6月~12月、標高2,200m未満で2月~11月です。平均気温は約15℃です。

農園ではコーヒーの他にも、蜂蜜、アボカド、花など、他の農産物を生産することを計画しています。

品種

品種はゲイシャ(Geisha,Gesha)とレッド・カトゥアイ(Red Catuai)種です。アグロ・タケシ農園では、このゲイシャとレッド・カトゥアイ種の他に、ティピカ(Typica)、ジャバ(Java)の品種が栽培されています。

精製方法

精製方法はウォッシュト(Washed、湿式)です。ウォッシュトは収穫したコーヒーチェリーをパルピング(pulping、果肉除去)し、発酵と水洗い後、パーチメント(Parchment)付きコーヒー豆を乾燥させ脱穀する方法です。ウォッシュトでは水洗いするためキレイな味わいに仕上がります。乾燥は機械乾燥です。

工房 横井珈琲のボリビア アグロ・タケシ ゲイシャ

アグロ・タケシ農園は、標高5,850mのムルラタ山を一望できる世界でも有数の標高を誇るコーヒー農園です。 

このヤナカチ村でコーヒー栽培をしているのは、アグロ・タケシ農園だけです。
タケシという農園の名前には現地の言葉で「人々を目覚めさせる」という意味があり、
ムルラタ山からタケシ渓谷へと続く、インカ時代から残る小道にちなんで名付けられました。
コーヒーのおいしさを決める要素はたくさんありますが、標高が高いことでフルーツのように
青実から赤実まで熟すのに時間がかかり、風味と甘さが豊かになると考えられています。
花から完熟の実になるまで、一般的には6~8ヶ月かかると言われていますが、
アグロ・タケシ農園では10~11ヶ月の時間がかかります。

農園のふかふかの有機層の土の中にはインカの遺跡の石が多くあり、この石が日中の日差しで温められ蓄熱し、
朝晩の厳しい寒さから木を守ります。このことがこのような高地でのコーヒー栽培を可能にしました。

また、アグロ・タケシ農園の特殊な農園環境では雨が降ったり止んだりする気候のため、一本の木の中にも
花が咲いているものや、青い実や赤く熟したものなど、様々な状態のコーヒーチェリーがあります。


木に負担をかけない様、熟したチェリーのみをその都度収穫し、アグロ・タケシ農園のこの特殊な地理的条件と、
完璧な作業の積み重ねがすばらしい甘さと酸味、豊かな風味や質感を持つコーヒーを生み出しています。

類い希な環境を生かし、ヤナカチ村でコーヒーの栽培をはじめようと決意し、この環境では標高が高すぎて
コーヒーの栽培は難しいと専門家に言われるも、このヤナカチ村の可能性を信じ、信念貫き今の
アグロ・タケシがあります。
この想いに呼応するかのように、ご愛飲いただいたたくさんのお客様の笑顔と感動が積み重ねられ、
アグロ・タケシの魅力がより増しているように感じます。
今年もお馴染みのアグロ・タケシ農園のご案内の季節が巡って参りました。
より多くのお客様にアグロ・タケシの素晴らしさをお愉しみいただきたいと思います。

工房 横井珈琲 ホームページより

品種

品種はゲイシャです。ゲイシャは1930年代に発見されたエチオピアの野生種です。ゲイシャには大きく分けてアフリカで栽培されているアフリカン・ゲイシャと、中米で栽培されているセントロアメリカン・ゲイシャがあります。

ゲイシャはアフリカから1953年に中米のコスタリカの研究所に持ち込まれ研究されていました。そして、それはさび病対策として様々な農園に譲渡されていましたが、標高の低い場所では効果がなく、ほとんどの農園が放置するか処分していました。しかし、パナマ エスメラルダ農園のダニエル氏が買い取った農園に生えていたゲイシャを焙煎してみたところ、その優れた味わいに驚き、エスメラルダ農園で栽培を開始することになりました。そして、2004年のベスト・オブ・パナマ(Best of Panama、略称BoP)というコーヒーの国際品評会で、パナマ エスメラルダ農園のゲイシャが当時破格の落札価格を記録したことから一躍有名となりました。(エスメラルダ農園のゲイシャについて詳しくはこちらから)。

アグロ・タケシ農園のゲイシャは、標高1,900-1,960mで栽培されます。これはベスト・オブ・パナマ2018と2019で優勝したパナマのエリダ農園よりも高く、世界で最も高い場所で生産されるゲイシャです。

農園は肥沃な火山灰の土壌で、雲が太陽の熱と日射を遮り、植物の光合成に良い影響を与えています。

焙煎

焙煎:ミディアムロースト(8段階中3番目)

中浅煎りです。ちょうど基準となる焙煎度です。1ハゼが終わったぐらいの焙煎度です。酸味が強く、苦味は弱いです。焙煎する最初の段階の時にちゃんと水分抜きを行わないと、渋みが目立って、飲みにくくなります 。コーヒー豆の品質が味にわかりやすく表現される焙煎度合いです。高級豆はこのミディアムローストが多いです。

欠点豆少しあります。

ゲイシャ特有のジャスミンのようなフレーバー、ピーチのような果実感のある甘味、柑橘系の酸味、非常にキレイな口当たりが印象的です。ボリビアのコーヒーの中では、非常に高品質なコーヒーの一つだと思います。

工房 横井珈琲のボリビア アグロ・タケシ レッド・カトゥアイ

品種

品種はレッド・カトゥアイ種です。カツアイ(Catuai、カトゥアイ )は1949年にムンド・ノーボとカツーラの交配から生まれた非常に生産性の高い品種です。密集栽培に適しており、実が枝から落ちにくいので、強風や大雨の地域に適しています。ブラジルの主要栽培品種の一つで、イエロー・カツアイ (Yellow Catuai)とレッド・カツアイ(Red Catuai)があります。

焙煎

焙煎:ミディアムロースト(8段階中3番目)

中浅煎りです。ちょうど基準となる焙煎度です。1ハゼが終わったぐらいの焙煎度です。酸味が強く、苦味は弱いです。焙煎する最初の段階の時にちゃんと水分抜きを行わないと、渋みが目立って、飲みにくくなります 。コーヒー豆の品質が味にわかりやすく表現される焙煎度合いです。高級豆はこのミディアムローストが多いです。

欠点豆少しあります。

ゲイシャにも似た花のようなフレーバーが印象的です。滑らかな口当たりで、非常にキレイな味わいです。カトゥアイのなかでは、非常にクオリティの高いコーヒーです。

<参考>

「#016 Carlos Iturralde Agro Takesi Bolivia」『Discover Coffee』,丸山珈琲<http://www.discover-maruyamacoffee.com/dear-grower/single.html?no=16>2019年8月5日アクセス.

「AgroTakesi」<http://www.agrotakesi.com/>2019年8月5日アクセス.

「Bolivia 2009」,Alliance For Coffee Excellence<https://allianceforcoffeeexcellence.org/bolivia-2009/>2019年8月5日アクセス.

「93.36」,Alliance For Coffee Excellence<https://allianceforcoffeeexcellence.org/farm-directory/93-36/>2019年8月5日アクセス.

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