UCCカフェメルカード:ウガンダ シピ・フォールズ

UCCカフェメルカード ウガンダ シピ・フォールズです。

UCCカフェメルカードは、クラシフィカドール(コーヒー鑑定士)により、味覚、香り等、徹底的な品質テストをしたコーヒーだけを取り揃えています。

ウガンダ シピ・フォールズ

ウガンダ

ウガンダ(Uganda)は東アフリカに位置する共和国です。東はケニア、南にタンザニア、南西にルワンダ、西にコンゴ、北に南スーダンと、コーヒー生産国と国境を接してます。首都はカンパラ(Kampala)です。カンパラは、ガンダ族(Ganda People)の言葉で「カモシカの土地」を意味します。

ウガンダはイギリス連邦に加盟しており、チャーチルの著書では「アフリカの真珠」と形容されています。南に世界第2の淡水湖で、白ナイル川の始まるヴィクトリア湖(Lake Victoria)があります。

ウガンダは、人口の約80%が農業を営む農業国です。コーヒー、綿花、紅茶が主な生産物で、輸出品として外貨を稼ぐ手段となっています。綿花は20世紀初頭に栽培が奨励されたウガンダでもっとも重要な作物で、おもに鉄道に沿って栽培地が広がり、カンパラ周辺から東部テソ地方(Toso)やキョーガ湖(Lake Kyoga)の北部にまで普及しました。紅茶は西部のトロ王国(Toro)の首都であったフォート・ポータル(Fort Portal)近辺や、ヴィクトリア湖北岸のジンジャ地区(Jinja District)が主要な産地です。コーヒーと綿花の栽培は小規模農家によって、紅茶の栽培はプランテーションによって行われます。

ウガンダのコーヒーは、古くからブガンダ王国(Buganda)の主体となったガンダ族(Ganda People)によって生産されていました。彼らによって生産されていたのは、ロブスタ種です。

ウガンダは、ロブスタ種の最初の発見地であると考えられます。ウガンダのブガンダには、血盟の儀式の際に(おそらく)ロブスタ種のコーヒー豆を噛む習慣があり、1862年にウガンダに入り込んだ英軍士官ジョン・ハニング・スピーク(John Hanning Speke)の手記には、コーヒーを噛んで使用したと記されています。

1898年に、ベルギーの植物学者エミール・ローラン(Emile Laurent)によってベルギー領コンゴでロブスタ種が再発見された後、ロブスタ種の栽培が始められました。当初風味の悪さからロブスタ種は市場で敬遠されていましたが、栽培のしやすさ、耐病性、価格を武器にして世界中に広まっていきます。

1900年代初頭に、エチオピア、マラウイからウガンダにアラビカ種がもたらされました。ウガンダのコーヒーは1920年代に商品化が進み、1960年代には、アフリカで第3位の生産量を誇るようになりました。

ウガンダでは、ロブスタ種はヴィクトリア湖周辺の低丘陵地で、アラビカ種はエルゴン山で栽培されていますが、アラビカ種のほうが高品質なため、近年ウガンダではロブスタ種からアラビカ種への転換が進められています。

シピ・フォールズ

シピ・フォールズ・プロジェクト(Sipi Falls Project)は、エルゴン山(Mount Elgon)地域の自然環境を最大限活用し、ウガンダのアラビカ種のコーヒー生産と高品質なスペシャルティコーヒーを広めることを目的としたプロジェクトです。

シピ・フォールズ・プロジェクトは、2000年にケニアとの国境近く、ウガンダ東部のエルゴン山斜面、カプチョルワ県(Kapchorwa district)で始まりました。

カプチョルワ県の住民は、カレンジン族(Kalenjin People)と近縁のナイル系のセベイ族(Sebei People)が多く、バントゥー系民族(Bantu Peoples)のギス族(Gisu People)や少数のポコット族(Pokot People)やナンディ族(Nandi People)によって構成されています。セベイ族は元は牛牧民でしたが、植民地時代にコーヒー栽培を始めました。近年はトウモロコシを生産していますが、農耕用の牛は現在も保有しています。

エルゴン山は、カプチョルワ県シロンコ地区(Sironko District)とムバレ地区(Mbale District)の北東にあるアフリカで4番目に高い山で、高品質のコーヒー生産に適した火山性の土壌と高い標高に恵まれています。エルゴン山では、標高1,300mから1,900mまでコーヒーが育ちます。 アラビカ種はここでの主な換金作物であり、通常、バナナや豆などの他の作物と一緒に作付けまたは栽培されています。

シピ・フォールズ・プロジェクトは、カワコム(Kawacom)によって推進されています。カワコムは約5,000人の小規模農家からこのプロジェクトをはじめ、現在は約30,000人の小規模農家にまで拡大しています。カワコムは1999年に初のオーガニック認証を取得して以来、EUと全米オーガニックプログラム(NOP)(National Organic Program)のオーガニック認証、UTZ認証、レインフォレストアライアンス(RA)(Rainforest Alliance)の認証を取得しています。

「シピ・フォールズ・プロジェクト」という名前は、地元の「シピ・フォールズ(Sipi Falls)」という滝に由来しています。

シピ・フォールズは、エルゴン山の山間から流れ出す3つの滝です。この滝は、ケニア国境近くのエルゴン山国立公園(Mount Elgon National Park)の端にあります。

「シピ(Sipi)」という名前は、「セプ(Sep)」という河畔に生育する在来の植物にちなんで名付けられました。セプは薬用植物です。野生のバナナの一種に似ており、葉ははしかと熱を治療するために使用されます。

シピ・フォールズ地域は、エルゴン山登山の出発点です。エルゴン山登山の最も人気のあるルートは、ブダディリ(Budadiri)から始まり、ササ・トレイル(Sasa Trail)を通って頂上へと続き、その後シピ・トレイル(Sipi Trail)を下りてシピ・フォールズに戻るルートです。滝周辺のハイキング・コースでは、カラモジャ平原(Karamojong Plateau)、キョーガ湖(Lake Kyoga)、そして山の斜面の素晴らしい景色を眺めることができます。エリア内にはロッジやキャンプ場などの宿泊施設が数多くあります。涼しい気候のため、都会の喧騒を離れてリラックスするのに最適な場所です。

品種

品種はSL-14とSL-28です。

SL-14とSL-28は、ケニアのスコット研究所(Scott Laboratories)(現在の国立農業研究所(NARL)(National Agricultural Research Laboratories))から輩出された品種です。スコット研究所は1903年にケニアのカベテ(Kabete)に設立された東アフリカ初のコーヒー研究所です。スコット研究所は世界中から入手した様々な品種を改良し、ケニアに特徴的な品種を輩出していきます。

SLは"Scott Laboratories"の頭文字で、この研究所に集まられた種苗コレクションから選抜した品種に付けられました。SLの品種群は「SL選抜種(Scott Laboratories selection)」と呼ばれています。SL選抜種は、ウガンダのアラビカ種生産でよく用いられる品種です。

SL-14はSL選抜種の14番目、SL-28は28番目のセレクションです。

SL-14はSLシリーズの14番目の品種です。1931年にタンガニカ地方の北部由来のブロンズチップ・ブルボンから選別され、耐乾品種として研究開発された品種です。低地栽培に適していていて、ブルボンから選別されたため、丸い形をしています。

精製方法

精製方法はウォッシュト(Washed)です。カワコムは、最先端のウェット・ミルを所有しています。

コーヒーチェリーは個々の農家によって手摘みされた後、カワコムの9つの集荷場のいずれか1つに集められます。これらの集荷場で集められたコーヒーチェリーは、その日の終わりに精製所へと運ばれます。ロットは栽培地域と標高によって決まります。

精製所に到着したコーヒーチェリーは再度選別されます。コーヒーチェリーをパルピング(果肉除去後)、機械でムシラージを除去し、パーチメントをタンクに12時間浸します。その後、天日乾燥か機械による低温乾燥を行います。季節性の雨のため、天日乾燥させるのはごく少量です。

雨のため天日乾燥させることが難しい地域ですが、非常に限られた量のナチュラル精製のコーヒーも生産しています。

シピ・フォールズのナチュラル精製は、スターバックス リザーブ®で取り扱いがありました。

UCCカフェメルカード ウガンダ シピ・フォールズ

ウガンダ シピ・フォールズ

深く焙煎することによって生まれるチョコレートのようなクリーミーな口当たりと甘苦さ。アイスコーヒーやカフェオレにもおすすめです。

ウガンダ シピ・フォールズ 商品カードより

ダークチョコレートのような濃厚なコクと強い苦味が印象的です。特徴的なフレーバーはありませんが、深煎りの濃厚な味わいのコーヒーです。

<参考>

「Case study:Kawacom, Uganda」Ecom SMS<https://www.ecomsms.com/case_study/kawacom-uganda/>

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