パナマのコーヒー生産地域とその特徴 コロン県
パナマ低地とロブスタ種
パナマ(Panama)では、年間に20万キンタルのコーヒーが飲用されます。近年は、アラビカ種のスペシャルティコーヒーを生産するチリキ県(Chiriquí Province)が話題となっていますが、標高900mに及ぶ低地でも、コーヒー生産が行われています。
パナマ低地で栽培されるロブスタ種は、パナマのコーヒー生産の約30%を占めています。パナマのコマーシャルコーヒーの生産者はしばしば、強いカップ・プロファイルを作るために、ロブスタ種と低地のアラビカ種の2つのコーヒー種を混合します。
コクレ県(Coclé Province)、パナマ・オエステ県(Panama Oeste Province)、コロン県(Colón Province)、ベラグアス県(Veraguas Province)、エレーラ県(Herrera Province)、ロス・サントス県(Los Santos Province)、ボカス・デル・トロ県(Bocas del Toro Province)、パナマ・エステ県(Panama Este Province)の生産者は、地元で消費される全国のコーヒー生産の30%を占めています。ダリエン県(Darien Province)では、海抜ゼロ地点のいくつかの地域で作物が植えられています。
パナマのロブスタ種のコーヒー生産者には、いくつかの共通点があります。彼らは小規模生産者で、継続的な生産と効果的な管理を欠いています。パナマ・オエステ県で見られるように、小規模生産者たちは、栽培を手助けし、コーヒーを市場に出すために、協同組合を組織することがあります。
作物の管理に関する適切な知識を欠いていることは、1ヘクタールあたり11キンタルというロブスタ種コーヒーの平均収穫量の低さに反映されています。低地には、植え付けにふさわしい広大な土地があるため、適正な収穫量として50キンタルを達成することが期待できます。
生産者は、1ヘクタールあたり50本や100本のコーヒーノキしか持っていませんが、1ヘクタールあたり1000本以上のコーヒーノキを持つことが可能です。このような理想的な状況でなくても、パナマでは小規模生産者の仕事が認識され始めており、持続可能な生活手段とすることが可能です。
コロン県
チリキ県に続くパナマのコーヒー生産地域は、重要性の高い順に、コクレ県、コロン県、パナマ・オエステ県です。
コロン県は、自由貿易地域(FTZ)(Free Trade Zone)として知られています。県都のコロン(Colón)は、パナマ運河のカリブ海側の入口とガトゥン湖(英語: Gatun Lake、スペイン語:Lago Gatún)の自然歩道と展望のあるアグア・クララ・ビジター・センター(Agua Clara Visitor Center)に非常に近接しています。
この地域は、最高気温33℃、最低気温19℃、降雨量が多く湿度の高い熱帯性気候です。コロン県はパナマで最初にコーヒーが持ち込まれた場所で、国内生産の8%を占めるパナマで2番目に重要なロブスタ種コーヒー生産地域です。ここでは、パナマ運河の両側に位置するコスタ・アバホ(Costa Abajo)とコスタ・アリーバ(Costa Arriba)で、3,500の生産者がコーヒーを生産しています。4,000ヘクタールにコーヒーが植えられており、収穫量は1ヘクタールあたり8キンタルです。