パナマで最もポピュラーなコーヒーのブランド:カフェ・デュラン

カフェ・デュラン

カフェ・デュランとデュラン家

"Café Durán Documental",LaRumbaTV 2011年1月12日.

カフェ・デュラン(Café Durán)は、パナマ人にとって最も馴染みのあるコーヒーのブランドです。地元市場の70%のシェアを占め、30以上のコーヒー・ショップで取り扱われています。

カフェ・デュランは、1907年4月27日に、エステバン・デュラン・アマト(Esteban Durán Amat)によって創業されました。彼は妻のウルスラ・マリスタニイ(Ursula Maristany)とともにパナマに住んでいたスペイン人で、夫妻には7人の子供がいました。彼は漁業を生業とする家系から、より良い生活を求めて、かつてパナマ運河の区域の近くに位置していたゴルゴナ(Gorgona)の町へとやって来ました。彼はそこで自らのキャリアを開始し、小さな食料品店を開きました。大規模な事業の構築は、この時ちょうど始まりました。

彼は多くの労力を費やし、地元の生産者からコーヒーを購入、焙煎、粉砕、新聞に梱包し、パナマ運河の建設に携わる労働者に販売していました。1909年、運河の運行のために造られていたガトゥン湖(英語::Gatun Lake、スペイン語::Lago Gatún)からゴルゴナへ、洪水が際迫っているとのアナウンスがあったため、彼の家族はパナマ・シティ(英語:Panama City、スペイン語:Ciudad de Panamá)のセントラル・アベニューの小さな倉庫へと移り住むこととなりました。彼の事業は、最終的にこの倉庫を大規模なものにするまでに成長し、1954年に最終的な本社が設立されました。ここに位置する2つの建物は、現在カフェ・デュランの巨大な焙煎工場として操業しています。

デュラン家が事業を成長させていたとき、ラモン・ロマゴサ(Ramón Romagosa)という若いスペイン人がパナマへとやって来ました。彼は5歳のときに孤児になり、学校へ行ったことがありませんでした。彼はコロン(Colón)でパドロス(Padrós)という人物とともに働き始めました。パドロスは、富裕層向けの飲み物とタバコを販売する商人であり、バルセロナの親族に誠実で真面目な労働者を呼び寄せるように頼んでいました。そこでやって来たのがロマゴサで、彼はやがてコロンで営業部長となりました。

エステバン・デュランはスピリッツを販売していたため、同国人であるロマゴサと出会うこととなりました。彼らは良き事業パートナーとして信頼関係を構築しました。ロマゴサはデュランの娘であるマリア・テレサ(Maria Teresa)と結婚し、ステファン(Stephen)とロレンツォ(Lorenzo)が生まれました。彼らはコロンに住んでいましたが、ロマゴサの健康状態が悪化したために、子供たちが幼いうちはバルセロナに落ち着きました。しかし、やがてスペイン内戦が勃発したため、パナマへと戻らざるを得なくなりました。息子のロレンツォはノートルダム大学で経営管理を学ぶため、アメリカ合衆国インディアナ州へと旅立ちました。

ロレンツォは1945年に帰国し、叔父のパブロ・デュラン(Pablo Durán)を通して、すぐにカフェ・デュランに参加しました。彼はカフェ・デュランの部署で、ロレンツォを含む6人の労働者を受け持ちました。ロレンツォはコーヒーの配達を始め、それはすぐに軌道に乗り、バイクから車への配達にとって変わりました。それは、ベラグアス(Veraguas)、エレーラ(Herrera)、ロス・サントス(Los Santos)の県の配達を、週3日にすることを可能にしました。

ロレンツォは祖父のレガシーと父の努力を受け継ぎ、事業を軌道に乗せました。彼が経営のトップにある間、コーヒーに事業を集中させる新しいコンセプトを適用しました。彼はラッセン・マイヤー(Lassen Mayer)と結婚し、ロレンツォ(Lorenzo)とイダ・レベッカ(Ida Rebeca)の2人の子供をもうけました。彼は2016年に亡くなるまで、働くことを日課としました。

"Café Durán - 100 AÑOS - Centenario (2007)",Café Durán Panamá 2012年2月22日.
"Café Durán - Comerciales TV 01",Café Durán Panamá 2012年2月22日.

ロレンツォが1997年に最初のコーヒー店であるデュラン・コーヒー・ストア(Duran Coffee Store)を開店して以来、デュラン家の事業の努力はコーヒーに費やされています。デュラン家は2011年にカーサ・ルーカー(Casa Luker)に事業を売却しましたが、カフェ・デュランはパナマで最もポピュラーなコーヒーとして、パナマの人々に消費され続けています。

Acquisition of Café Durán by Casa Luker - ARIFA:https://www.arifa.com/about-the-firm/representative-transactions/n-792/acquisition-of-cafe-duran-by-casa-luker.html

焙煎工場

カフェ・デュランの焙煎工場には、チリキ県などパナマのコーヒー生産地域からコーヒーが届けられます。コーヒーは、重さ、大きさ、形、色などのによって分類され、焙煎後は挽き方や粉の種類によって様々な梱包機にかけられ、厳しい計量検査にかけられます。最後に「カフェ・デュラン」の包装がされ、配送車で全国の販売店に届けられます。

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