コスタリカのカーボン・ニュートラル・プロジェクト：ナマ・カフェ・デ・コスタリカ（NAMA Café de Costa Rica）

ナマ・カフェ・デ・コスタリカ（NAMA Café de Costa Rica）

ナマ・サポート・プロジェクト（NSP）「低炭素コーヒーコスタリカ」

"NAMA Café de Costa Rica",ICAFE Costa Rica 2015年11月17日.

コーヒー業界での持続可能性への取り組みは、民間だけでなく、国際機関や政府を巻き込むまでに発展しています。例として、グローバル・コーヒー・プラットフォーム（GCP）（Global Coffee Platform）、サステナブル・コーヒー・チャレンジ（SCC）（Sustainable Coffee Challenge）、ナマ・カフェ・デ・コスタリカ（NAMA Café de Costa Rica）が挙げられます。

"#4AñosNSPCafé: ¿Qué es el Proyecto de Apoyo a la NAMA Café de Costa Rica?",NSP NAMA Café 2019年11月5日.

ナマ・カフェ・デ・コスタリカは、2014年にコスタリカの農業畜産省（MAG）（Ministry of Agriculture and Livestock）、環境エネルギー省（MINAE）（Ministry of Environment and Energy）、コスタリカコーヒー研究所（ICAFE）によって導入されました。「ナマ（NAMA）」とは、「開発途上国における適切な緩和行動（NAMAs）（Nationally Appropriate Mitigation Actions）」を意味しており、温室効果ガスの削減義務を負っていない開発途上国における気候変動防止の取り組みのことです。

コスタリカは、2015年にコーヒー生産をカーボン・ニュートラルにする計画を発表しました。ナマ・カフェ・デ・コスタリカのプロジェクトは、ナマ・サポート・プロジェクト（NSP）（NAMA Support Project）「低炭素コーヒーコスタリカ（Low-Carbon Coffee Costa Rica）」として実施され、これは開発途上国における適切な緩和行動（NAMAs）の農業部門での初めての取り組みとなりました。このプロジェクトは、ドイツ国際協力公社（GIZ）（Deutsche Gesellschaft für Internationale Zusammenarbeit）によって実装されました。

ナマ・サポート・プロジェクト（NSP）は、ナマ・ファシリティ（NAMA Facility）が資金提供をしています。ナマ・ファシリティは、ドイツの連邦環境・自然保護・原子力安全省（BMU）（Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation, Building and Nuclear Safety）とイギリスのビジネス・エネルギー・産業戦略省（BEIS）（Department for Business, Energy & Industrial Strategy）によって設立され、デンマーク政府とEU委員会が共同出資をしています。ナマ・ファシリティは、開発途上国や新興国が実施したいと考える野心的で有望なナマ・サポート・プロジェクト（NSP）を選択し、財政支援を提供しています。

ナマ・サポート・プロジェクト（NSP）「低炭素コーヒーコスタリカ」では、コーヒー生産者にトレーニングの機会を提供し、植林を促進し、精製所を運用する会社に技術革新やリソースを最適化することで、温室効果ガスの削減を目指しています。具体的には、亜酸化窒素の排出を引き起こす肥料の使用を削減または停止するようにコーヒー生産者を動機づけること、パルピング（果肉除去）で発生する廃水をリサイクルすることでムシラージを再利用可能なバイオマスに変換すること、リサイクルされたバイオマスを使用して、二酸化炭素排出量を削減するため乾燥工程に電力を供給すること、シェードツリーを植樹し、二酸化炭素を吸収し、土壌の健康を改善するアグロフォレストリーを促進することにより、二酸化炭素排出量をさらに削減することが含まれます。

このプロジェクトは、コスタリカが2021年（今年）にカーボン・ニュートラルを達成する最初の国の1つになることを目標としています。