Direct Fire Roast 環:コロンビア エル・ナランホと環水出し珈琲

Direct Fire Roast 環のコロンビア エル・ナランホと環水出し珈琲です。Direct Fire Roast 環は2014年設立の長屋幸代女史が代表を務めるスペシャルティコーヒーのブランドです。中川正志氏のフレーバーコーヒーのスペシャルティコーヒーラインです。"Direct Fire Roast"は直火式の焙煎からその名がつけられました。

Direct Fire Roast 環のチラシ

コロンビア エル・ナランホ

コロンビア

コロンビア(Colombia)はカリブ海と大西洋に面する南アメリカ大陸北部の国です。東にベネズエラ、南東にブラジル、南にペルー、南西にエクアドル、北西にパナマとコーヒー生産国に囲まれています。首都はボゴタ(Bogota)です。ブラジル、ベトナムについで、世界第3位のコーヒー生産大国であり、年間平均1,200万袋(1袋60kg)、720,000トンです。コロンビアは南北にアンデス山脈が縦断しているため、山岳地帯の面積が広いです。地域によって標高差が大きく、雨季と乾季が異なるため、一年を通じてコーヒー豆を収穫できます。

コロンビア国内の大半の生産地では収穫期が1年に2度あります。北部の地域ではメインの収穫期が11月、そして5月~6月にかけて第2期の収穫(mitaca、ミタカ)が行われます。南部地域ではそれとは逆に、メインの収穫期が5月から6月で、ミタカは11月に行われます。

アンデス山脈では、年間1,600-1,800時間の日照時間が良質なコーヒー栽培にとって最適とされており、日照量をコントロールするためにシェード(遮光)栽培を行っています。この土地の雨季と乾季が交互で訪れる気候条件も、良質なコーヒー栽培には不可欠です。

標高の高いところは栄養価が高く、水はけが良い火山灰の土壌です。火山灰の土壌は良質なコーヒー生産にとって最適の土壌です。火山灰の土壌は植物が根を張りやすいため、育ちやすいです。また保湿力が高いため、雨の少ない乾季にも植物に十分な栄養を与え続けることが出来ます。また火山灰に多く含まれる硫黄が、コーヒー豆に豊かな香りを与えます。

コロンビアコーヒーは全体としては、フルーティーな風味と味わいが特徴で、柑橘系の芳醇な香り、滑らかで甘い風味、豊かなコクとほど良い酸味のあるマイルドなコーヒーです。コロンビアコーヒーは地域によって、それぞれ風味が微妙に異なります。

コロンビアコーヒーは、アンデス山脈のいたるところで栽培されています。アンデス山脈は3つの連峰に別れていて、この連峰によって分けられた地域には、それぞれ気候に違いが見られます。コロンビアのコーヒー生産地域は北部、中部、南部の大きく三つに分けることができます。北部・中部の年間平均気温は20.5℃、南部の年間平均気温は19.5℃となっていて、南部より北部のほうが気温が高めです。全体的な風味の傾向としては、南部よりも北部のほうがはっきりとした酸味、しっかりとしたボディ、強いコクが感じられます。コロンビア エル・ナランホが生産されるカウカ(Cauca)県は南部に位置しています。

南部にはナリーニョ(Nariño)、カウカ(Cauca)、ウイラ(Huila)、スール・デ・トリマ(Sur del Tolima)地域があります。赤道に近いこの地域では、標高が高く、気温が低い土地で栽培されます。第1期のメインの収穫期が5月から6月で、第2期のミタカ(Mitaca)は11月に行われます。南部のコーヒーは、酸味よりも甘味のほうがより優れた味わいです。

コロンビアコーヒーの大部分は多くの小規模農家が生産したコーヒーを協同組合や生産者協会が集積した大ロットです。そのため、単一農園によるシングルオリジンは珍しく、高品質のコーヒーを他のコーヒーからいかに分離するかが課題となっています。

カウカ県

カウカ、FNC コロンビアコーヒー生産者連合会ホームページより

コロンビア エル・ナランホを生産するナランホ農園はコロンビア南部のカウカ県に位置しています。カウカ県は東にウィラ、西にナリーニョがある著名なコーヒー生産地と近接している有名なコーヒー生産地域です。コーヒーの他にも、豆やトウモロコシ、観葉植物のユッカなどを栽培する農業地域です。「カウカ」の名前はこの地を南から北へ流れるカウカ川に由来しています。

カウカ県は標高1,700m~1,900mの高地で、昼夜の寒暖差が激しく、コーヒーチェリーが収縮を繰り返し、引き締まったコーヒーを生産できます。あまり高低差がなく、気候が安定しているため、他の地域と比べ、ばらつきのない安定した味のコーヒーを生み出すことができます。また、アンデス山脈から流れてくる綺麗な水、年間降雨量1,950mmの豊富な降水量、温暖な気候、火山性土壌が高品質のコーヒーを生産することを可能にしています。

カウカとウィラは平均約1,5ヘクタールの農園を持つ小規模農家が大半で、一回の収穫で約50袋が収穫されます。

カウカのコーヒーの一般的な特徴は、キャラメルのような香味と甘味、フルーティーな酸味があり、コクがほどほど、全体としてバランスがよく、まろやかな味です。

コロンビア エル・ナランホ農園

コロンビア エル・ナランホ農園はカウカ県トトロ(Tortoro)に位置しています。農園主はリボリオ・ザンバノ・カマヨ(Liborio Zambrano Camayo)氏です。

トトロはカウカ県の古都ポパヤン(Popayán)のすぐ北西に位置しています。トトロのコーヒー産地は標高1,910m-2,100mと高地にあり、主にカスティージョ種とコロンビア(Colombia)種が栽培されています。エル・ナランホ農園は1995年にコーヒー栽培をはじめ、最初はカトゥーラ(Caturra)種を栽培していましたが、さび病の被害にあったのを機に、現在栽培しているカスティージョ種に植え替えました。

2014年のコロンビアCoEで第4位に入賞した同じカウカ県にあるエル・ナランホ農園とは別の農園なので、注意が必要です。

品種

品種はカスティージョ(Castillo)です。コロンビア種を生み出す品種改良の過程で生まれた種類です。コロンビア種とカトゥーラ種よりも環境への適応性と収穫量が高く、さび病やCBD(コーヒー・ベリー・ディズィーズ、炭素病)にも強い品種です。栽培しやすいため、現在コロンビアで最も多く栽培されている品種のひとつです。

精製方法

精製方法はウォッシュト(Washed、湿式)です。ウォッシュトは収穫したコーヒーチェリーをパルピング(pulping、果肉除去)し、発酵と水洗い後、パーチメント(Parchment)付きコーヒー豆を乾燥させ脱穀する方法です。ウォッシュトでは水洗いするためキレイな味わいに仕上がります。アンデス山のキレイな水によって水洗されます。

バニラやミルクのような甘いフレーバーが特徴です。ミルクのようなまろやかさとコロンビア豆特有のマイルドなボディがあります。全体的にバランスのとれた味わいです。

松屋式抽出方法

Direct Fire Roast 環とフレーバーコーヒーでは、松屋式という抽出方法を推奨しています。松屋式とは、1960年代に松屋コーヒー本店が編み出した抽出方法です。

松屋式ドリップ法とは、安定した味が出しやすくコーヒーの旨味成分だけを抽出し、時間が経っても味が劣化しない独自の抽出法です。中部地区の多くのカフェや喫茶店でも支持されています。

「松屋式ドリップ」,株式会社 松屋コーヒー本店ホームページより

上は50g用のレシピです。25g用のレシピは、以下の通りです。松屋式では3-5分の蒸らし時間をとりますが、このレシピでは4分を推奨しています。

【Drip$ de 松屋式 25gレシピ】
珈琲粉:松屋式用粗挽き 25g
(市販の粉よりかなり粗挽きです。ミルをお持ちでない方、粗挽きに挽けない方、豆ではなく、「粉:粗挽き」でご注文されることをお薦めします。)

蒸らし時間:4分
抽出量:150cc
全量:300cc(150ccのお湯で薄める。※濃さはお好みで薄める湯量で調整してください。)

松屋式では、粉が動かず、すべての粉から均一においしい成分だけが抽出されます。また、雑味やえぐみが出る以前に抽出を止めるため、非常にキレイな味に仕上がります。

2019年 Last Summer Collection

Direct Fire Roast 環のコロンビア エル・ナランホ

焙煎の様子

Direct Fire Roast 環の焙煎は、直火式と過熱水蒸気を用いた焙煎を特徴としています。発明家でもある中川氏は過熱水蒸気による焙煎で、特許を取得しています(詳しくはこちらから)。鳥目散帰山人氏のブログに詳しい解説があります(帰山人氏の記事はこちらから)。

コロンビア エル・ナランホ

「ブレンドの名脇役を主役に」
本商品のEl Naranjoは、今夏最後のアイス珈琲「GIN」、環水出し珈琲に使用しています。
 
このEl Naranjoに出会ったのは、カッピング会でのこと。
「香味に癖がなく、完熟トマトのような香味」に触れ、ブレンドの脇役として使えると確信しました。
※完熟トマトのフレーバーは、個人的に中南米産のポテンシャルが高い豆に共通して感じます。
 
今回ブレンドに使ってみて、特質した香味がない分、主役の香味を阻害することなく、綺麗に引き出してくれました。
更に珈琲らしい豊かなコクとボディはブレンドに重厚感を与え、香味に奥行きを作ってくれました。
 
ここまで働き者とは予想しておりませんでした。正に「ブレンドの名わき役」です。
 
コロンビアと言えば、最近は、「ナリーニョ産」「ウィラ産」のコーヒーを目にすることが多く、CupOfExcellenceも多く受賞しています。
El Naranjoは、同じ南部に位置するカウカ産です。カウカも良質なコーヒーの産地です。

小粒ながら、香味のバランスが良く、芳ばしい甘い香りが特徴のコーヒーです。
 
そんな名脇役を焙煎度を変えることで、主役にしたのが、本商品です。

中煎りと2種類の深煎りを混ぜることで、芳ばしい甘い香り、珈琲らしい苦味、心地良い酸味をより明確にし、
単一焙煎では出せない香味幅を広げました。
 
深煎りを使っているのに苦過ぎず、中煎りを使っているのに酸っぱ過ぎない。
だからと言って、苦味、酸味、甘味のバランスが良い中深煎りだけでは出せない香味の奥行と厚み。
香味のバランスは絶妙なのに、しっかりとまとまりのある香味。
 
正統派珈琲として満足頂ける「主役のEl Naranjo」が、ここに完成致しました。
 
焙煎の三重奏が奏でる香味を、是非、お試しくださいませ。

Direct Fire Roast 環 ホームページより

焙煎

Direct Fire Roast 環のコロンビア エル・ナランホは香味幅を広げるために、中煎りと2種類の深煎りをブレンドしています。

欠点豆少しあります。とてもキレイな焙煎豆です。

バニラやミルクのような甘いフレーバーが印象的です。豆本来の甘味のなかに、深煎りの苦味が控えめに主張します。ミルクのようなまろやかさとマイルドなボディがあり、非常にキレイな口当たりです。深煎りをブレンドすることで、味に奥行きが生まれています。

Direct Fire Roast 環の環水出し珈琲

環水出し珈琲は、ケニア・キアンジュキAAの深煎りとコロンビア エル・ナランホの中煎りの水出し珈琲用のブレンドです。

ケニア・キアンジュキAAの焙煎の様子

環水出し珈琲

「王道の水出し珈琲」
梅雨が明け、連日暑い日が続いています。やっと夏本番になりました。
夏の定番となりつつある「水出し珈琲」は、お手軽なこともあり、大変、好評です。
 
そこで、当店でも「王道の水出し珈琲」を作ることに致しました。
 
水出し珈琲と言えば、ドリップコーヒーより軽いテイストで、がぶがぶ飲めそうなところが特徴です。
そして、何と言っても、最大の特徴は、水出しならではの「優しい甘味」です。
 
深煎りは、ケニア・キアンジュキAAとコロンビア El Naranjoの2種類を使いました。
ケニア・キアンジュキAAで水出しでも甘い香りが立つよう強調し、
コロンビア El Naranjo の中煎りを混ぜることで、甘さを円やかに強く感じられるよう綺麗に引き出しました。
 
マロングラッセのような優しい甘さは、正に、Sweets Coffeeです。
飲み干すと、柔らかな甘い香りの余韻に包まれます。
 
お手軽な水出しでも、「香りが立ち、余韻が続く」珈琲に仕上げました
これぞ、王道の水出し珈琲をお楽しみくださいませ。

Direct Fire Roast 環 ホームページより

バニラのような非常に甘い香りが特徴です。コロンビア エル・ナランホよりもさらに甘く、柔らかい口当たりで、非常に飲みやすいです。

総合評価

コロンビア エル・ナランホはカウカ県に特有の甘味のあるコーヒーです。環水出し珈琲では、ケニア・キアンジュキAAをブレンドすることで、さらなる甘味を引き出しています。焙煎やブレンドによって、香味が緻密に表現されています。これはDirect Fire Roast 環ならではのものです。

<参考>

「産地情報 カウカ(Cauca)」,FNC コロンビアコーヒー生産者連合会<http://cafedecolombia.jp/colombia/origin-cauca/>

「Crown Analysis: CJ1253 – Colombia Totoró Novirao & Paniquita Communities Parabolic Dried Crown Jewel」,Royal Coffee<https://royalcoffee.com/crown-analysis-cj1253-colombia-totoro-novirao-paniquita-communities-parabolic-dried-crown-jewel/>2019年8月27日アクセス.

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