
UCCカフェメルカード UCC直営農園 アメリカ合衆国 ハワイ島 コナ地区 UCCハワイコナコーヒー・エステートです。
UCCカフェメルカード(UCC Cafe Mercado)は、クラシフィカドール(コーヒー鑑定士)により、味覚、香り等、徹底的な品質テストをしたコーヒーだけを取り揃えています。
UCC直営農園 アメリカ合衆国 ハワイ島 コナ地区 UCCハワイコナコーヒー・エステート
UCCハワイコナコーヒー・エステート
UCCハワイコナコーヒー・エステート(UCC Hawaii Kona Coffee Estate)は、アメリカ合衆国(USA)(United States of America)ハワイ州(State of Hawaii)ハワイ島(Island of Hawaii)ホルアロア(Holualoa)に位置する農園です。ハワイ島コナ地区フアラライ山の裾野、標高約460m付近にあります。農園面積約16ヘクタールで、約1万8千本のコーヒーノキを栽培しています。
UCCグループは、ハワイ島コナ地区にUCCハワイ社(UCC Hawaii Corporation)を持っています。UCCハワイ社は、ハワイ島で農園経営やレギュラーコーヒーの製造販売を行っています。
UCCハワイ社は、ハワイ島コナ地区で直営農園として「UCCハワイコナコーヒー・エステート」を経営しています。UCCハワイコナコーヒー・エステートは、1989年にUCCは2番目の直営農園としてを設立しました。
UCCの1番目の直営農園は「UCCブルーマウンテンコーヒー・クレイトンエステート」です。UCC ブルー・マウンテン・コーヒー・クレイトン・エステートについては、以下の記事を参照してください。
ホセ・川島 良彰とUCCハワイコナコーヒー・エステート
「コーヒー・ハンター」として知られるホセ(José. )川島 良彰(かわしま よしあき)は、UCC在籍時にハワイの農園開発を託されました。
この農園開発のエピソードは、川島 良彰『私はコーヒーで世界を変えることにした。』第四章「次の舞台は、ハワイの溶岩台地」に詳しいです。また、川島良彰著 『コーヒーハンター 幻のブルボン・ポワントゥ復活』第3章「ジャマイカ、ハワイ、スマトラ、そしてレユニオンへ」にも、関連する記述があります。
一九八九年三月、ジャマイカからマイアミに飛び、テキサス州ダラス経由でホノルルへ。さらにアロハ航空でコナ近郊のケアホレ空港へ向かった。三十二歳のときだった。(中略)
ここコナでの農園開発は、会社が購入した小さな農園を中心に、その周辺の土地を買い足してプランテーションにするというものだった。標高二千五百二十一メートルのフアラライ山の斜面にある農園はブルーマウンテン山脈ほど険しくはなかったが、急こう配で幅が狭い土地だった。数年おきに発生する豪雨対策も緊急を要した。
川島良彰(2013)『私はコーヒーで世界を変えることにした。』,ポプラ社.p.144-145.
コナ地区の溶岩の土壌で農園を開発するのは、大変な苦労があったようです。
農園開発にあたってはなみなみならぬ苦労がありました。もともとコナ地区はフアラライ山の溶岩によってできた地形上にあるので、雨が降っても雨水が染み込みません。そこでまずは溶岩を引き剥がして砕き、その下にある土を掘り返して溶岩と反転させることからはじめなければなりませんでした。時にはダイナマイトで砕かなくてはならない固い溶岩にあたることも。また、農園開設時は灌漑工事も充分でなく、土壌が流出することもしばしばで、そのため、環境保護に重点を置きながら工事を施して、近代的灌漑設備を備えた農園に改良していったのです。
「UCC 直営農園 3 直営農園 開設秘話」,UCC
こうした苦労が報われて、UCCハワイコナコーヒー・エステートは、1993年にハワイ州政府機関によって、「ハワイ島西地区最優秀農園」として表彰されました。
また、川島とグリーンウェル農園(Greenwell Farms)のトム・グリーンウェル(Tom Greenwell)は、ハワイコーヒー協会(HCA)(Hawaii Coffee Association)とハワイコーヒー生産者協会(HCGA)(Hawaii Coffee Growers Association)の設立に携わりました。
農園観光
UCCハワイコナコーヒー・エステートでは、「焙煎体験ツアー」、「農園見学ツアー」、「コーヒー収穫体験ツアー」を行っています。
コナ・スノー
コナ地区のコーヒーノキは、毎年1月から3月頃に一斉に真っ白な花を咲かせます。それはまるで農園一帯に雪が降ったかのように見えることから、「コナの雪」、「コナ・スノー」と呼ばれています。
コーヒーの花は、2日から3日のうちには茶色に変色してしまいます。その後、緑色の実を結び、やがて真っ赤に完熟したコーヒーチェリーは、手摘みで収穫され、その日のうちに精製工場へと出荷されます。コーヒーチェリーは、毎年9月から2月までの6ヶ月間、計6回から8回に渡って収穫されます。
UCCでは、「幻のコナスノーに出会う旅」という研修ツアーも行われていました。
ステートワイド・カッピング・コンペティションとUCCの協賛イベント
ハワイ島コナ地区で催されるUCCの協賛イベントに、「コナコーヒー・カルチュラル・フェスティバル」と「UCCコナマラソン」があります。コナコーヒー・カルチュラル・フェスティバルでは、ハワイコーヒー協会(HCA)(Hawaii Coffee Associacion)主催の「ステートワイド・カッピング・コンペティション(STATEWIDE CUPPING COMPETITION)」というコーヒーの品評会が開催されています。
UCCハワイコナコーヒー・エステートは、2019年の第11回 ステートワイド・カッピング・コンペティションで、ティピカ(Typica)のパルプト・ナチュラル(Pulped Natural)が83.560点を獲得、ブルボン・ポワントゥ(Bourbon Pointu 'Laurina')がフリー・ウォッシュト(Fully Washed)が81.060点を獲得しました。
また、「UCCコナマラソン」は、1997年からUCCがスポンサーとなったマラソン大会です。
一九九七年からは、日系三世のジョン・国武が三年前からおこなっていたコナマラソンのサポートを始めた。貧しい家庭に育ったジョンは、小さな身体を生かしてアメリカ本土でジョッキーとして成功し、四十代後半に故郷コナに戻り、コーヒーの精製工場を始めた男だった。
「コナを元気にするために」とマラソン大会を始めたジョンだったが、なかなかランナーが集まらず盛り上がりに欠けていた。そこで、私は本社と交渉し、その年からUCCが冠スポンサーになった。そして、スタートとゴール地点にテントを張り、ランナーや応援する人たちにコナ・コーヒーを提供した。
川島良彰(2013)『私はコーヒーで世界を変えることにした。』,ポプラ社.p.155-156.
品種
品種はティピカ(Typica)です。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)です。
コナ地区では、ウォッシュト精製が一般的です。
ハワイコナでは水洗式(ウォッシュド)と呼ばれる方法で精製します。コーヒーチェリーから果肉を除去し、パーチメントと呼ばれる殻付きのコーヒーに仕上げ、乾燥したパーチメントコーヒーを脱穀して生豆にします。その後、等級ごとに麻袋に詰められます。
「UCC直営農園 5 品質管理のもと、出荷へ」,UCC.
UCCは独自管理のもと、コーヒーチェリーを精製所を持ち込み精製するため、純粋なUCCハワイコナコーヒー・エステートの生豆に仕上がります。
精製された生豆は等級ごとに麻袋に詰められ、ハワイ州農務局で品質の検査を受けます。ハワイ州農務局の発行する「品質証明書」によって、生産履歴をさかのぼることができます。
UCCカフェメルカード UCC直営農園 アメリカ合衆国 ハワイ島 コナ地区 UCCハワイコナコーヒー・エステート

焙煎
UCCハワイコナコーヒー・エステートのハワイ・コナは、シティローストで焙煎されています。
コナコーヒーの特徴は、そのユニークな酸味とコク、そして焼きあがった後の芳醇な香りといわれています。 UCCハワイの厳しいトレーニングを積んだ焙煎技師は、その知識と経験からコナコーヒーの特徴を最大限引き出すための焙煎度合いは、シティーローストだと言う結論に達しました。
これより浅めの焙煎では、コナ本来の爽やかな酸味が鋭い舌に刺さる酸味になってしまい、これより深い焙煎では、コーヒーの苦味が強調されコナコーヒーがもつ特有のボディが消えてしまいます。焙煎技師は常に同じ焙煎をするために細心の注意を払っています。
「焙煎 コナコーヒーとは」,UCC Hawaii.

味
フローラルで華やかなフレーバーとパイナップルのような酸味、滑らかな口当たりが印象的です。華やかなフレーバーが花開く含み香とハワイ・コナ特有の爽やかな酸味、じんわりと広がる柔らかな甘さが 、全体として明るい印象を残します。
<参考>
UCC Hawaii Kona Coffee Estate<https://www.ucc-hawaii.com/ja/>