辻本珈琲:コロンビア サントゥアリオ ティピカ

辻本珈琲のコロンビア サントゥアリオ ティピカです。

辻本珈琲(TSUJIMOTO coffee)は株式会社すてきなじかん(SUTEKI NA JIKAN Inc.)が運営する大阪府和泉市春木町にあるコーヒー店です。元々日本緑茶を取り扱う「辻本製茶」が1983年にコーヒー事業を開始したのが最初ですが、2003年にコーヒー事業が独立し、「辻本珈琲」となりました。そして、2019年に株式会社すてきなじかんはコーヒーの国際的な品評会であるカップオブエクセレンス(Cup of Exellence(CoE))を運営するメンバーとして参画することになりました。

コロンビア サントゥアリオ ティピカ

コロンビア

コロンビア(Colombia)はカリブ海と大西洋に面する南アメリカ大陸北部の国です。東にベネズエラ、南東にブラジル、南にペルー、南西にエクアドル、北西にパナマとコーヒー生産国に囲まれています。首都はボゴタ(Bogota)です。ブラジル、ベトナムについで、世界第3位のコーヒー生産大国であり、年間平均1,200万袋(1袋60kg)、720,000トンです。コロンビアは南北にアンデス山脈が縦断しているため、山岳地帯の面積が広いです。地域によって標高差が大きく、雨季と乾季が異なるため、一年を通じてコーヒー豆を収穫できます。

コロンビア国内の大半の生産地では収穫期が1年に2度あります。北部の地域ではメインの収穫期が11月、そして5月~6月にかけて第2期の収穫(mitaca、ミタカ)が行われます。南部地域ではそれとは逆に、メインの収穫期が5月から6月で、ミタカは11月に行われます。

アンデス山脈では、年間1,600-1,800時間の日照時間が良質なコーヒー栽培にとって最適とされており、日照量をコントロールするためにシェード(遮光)栽培を行っています。この土地の雨季と乾季が交互で訪れる気候条件も、良質なコーヒー栽培には不可欠です。

標高の高いところは栄養価が高く、水はけが良い火山灰の土壌です。火山灰の土壌は良質なコーヒー生産にとって最適の土壌です。火山灰の土壌は植物が根を張りやすいため、育ちやすいです。また保湿力が高いため、雨の少ない乾季にも植物に十分な栄養を与え続けることが出来ます。また火山灰に多く含まれる硫黄が、コーヒー豆に豊かな香りを与えます。

コロンビアコーヒーは全体としては、フルーティーな風味と味わいが特徴で、柑橘系の芳醇な香り、滑らかで甘い風味、豊かなコクとほど良い酸味のあるマイルドなコーヒーです。コロンビアコーヒーは地域によって、それぞれ風味が微妙に異なります。

コロンビアコーヒーは、アンデス山脈のいたるところで栽培されています。アンデス山脈は3つの連峰に別れていて、この連峰によって分けられた地域には、それぞれ気候に違いが見られます。コロンビアのコーヒー生産地域は北部、中部、南部の大きく三つに分けることができます。北部・中部の年間平均気温は20.5℃、南部の年間平均気温は19.5℃となっていて、南部より北部のほうが気温が高めです。全体的な風味の傾向としては、南部よりも北部のほうがはっきりとした酸味、しっかりとしたボディ、強いコクが感じられます。コロンビア サントゥアリオ ティピカが生産されるカウカ(Cauca)県は南部に位置しています。

南部にはナリーニョ(Nariño)、カウカ(Cauca)、ウイラ(Huila)、スール・デ・トリマ(Sur del Tolima)地域があります。赤道に近いこの地域では、標高が高く、気温が低い土地で栽培されます。第1期のメインの収穫期が5月から6月で、第2期のミタカ(Mitaca)は11月に行われます。南部のコーヒーは、酸味よりも甘味のほうがより優れた味わいです。

コロンビアコーヒーの大部分は多くの小規模農家が生産したコーヒーを協同組合や生産者協会が集積した大ロットです。そのため、単一農園によるシングルオリジンは珍しく、高品質のコーヒーを他のコーヒーからいかに分離するかが課題となっています。

カウカ県

カウカ、FNC コロンビアコーヒー生産者連合会ホームページより

コロンビア サントゥアリオ ティピカを生産するサントゥアリオ農園はコロンビア南部のカウカ県に位置しています。カウカ県は東にウィラ、西にナリーニョがある著名なコーヒー生産地と近接している有名なコーヒー生産地域です。コーヒーの他にも、豆やトウモロコシ、観葉植物のユッカなどを栽培する農業地域です。「カウカ」の名前はこの地を南から北へ流れるカウカ川に由来しています。

カウカ県は標高1,700m~1,900mの高地で、昼夜の寒暖差が激しく、コーヒーチェリーが収縮を繰り返し、引き締まったコーヒーを生産できます。あまり高低差がなく、気候が安定しているため、他の地域と比べ、ばらつきのない安定した味のコーヒーを生み出すことができます。また、アンデス山脈から流れてくる綺麗な水、年間降雨量1,950mmの豊富な降水量、温暖な気候、火山性土壌が高品質のコーヒーを生産することを可能にしています。

カウカとウィラは平均約1,5ヘクタールの農園を持つ小規模農家が大半で、一回の収穫で約50袋が収穫されます。

カウカのコーヒーの一般的な特徴は、キャラメルのような香味と甘味、フルーティーな酸味があり、コクがほどほど、全体としてバランスがよく、まろやかな味です。

コロンビア サントゥアリオ農園

サントゥアリオ農園のカミーロ氏、WATARUOSAKAより

コロンビア サントゥアリオ農園(Santuario Estate)はカウカ県ポパヤン高原(Popayan highland)に位置しています。農園主はカミーロ・メリサルデ(Camilo Merizalde)氏です。

この農園の場所は、以前は牛の放牧地でした。荒廃した土地でしたが、標高1,890-2,010m、昼夜の寒暖差のある気候など、良質なコーヒー栽培の可能性を秘めた土地でした。

コロンビアはさび病対策として国を挙げて耐病性の品種に転換したため、コーヒーの味の品質は低下してしまいました。カミーロ氏は古き良きコロンビア・マイルドコーヒーを再生すべく、1999年からこの土地にコーヒー農園を一から設計しました。農学からのアプローチ、土壌管理、慎重な品種選択などによって、高品質なスペシャルティコーヒーを生産するコーヒー農園です。

この農園で栽培されている主な品種はティピカ(Typica)とブルボン(Bourbon)です。ティピカやブルボンは香味に優れていますが、病害虫の被害に弱い品種です。

コロンビアで主に栽培されている耐病性の品種、カスティージョ(Castillo)、カティモール(Catimor)、コロンビア(Colombia)などは、味に劣ると考えられ、栽培品種として選択されませんでした。

農園で栽培されるコーヒーの約80%を占めるティピカとブルボンの他に、ゲイシャ(Geisha)、マラゴジぺ(Maragogype)、モカ(Mocha)、ブルボン・ポワントゥ(Bourbon Pointu)が約20%実験的に栽培されています。

日本では「キョーワズ珈琲の指定農園」となっており、商社のWATARUでも取引されています。

サントゥアリオ・プロジェクト

サントゥアリオ・プロジェクト(Santuario Project)は、カミーロ・メリサリデ氏による国境を超えた高品質コーヒー生産プロジェクトです。コロンビア、ブラジル、コスタリカ、メキシコの生産者による共同プロジェクトであり、希少性の高い品種や実験的な生産処理を試みています。

インマクラーダ農園、Inmaculada Coffee Farmsより

サントゥアリオ農園を創業し、スペシャルティコーヒーの生産を始めたカミーロ氏は、2010年にコロンビアのカリ(Cari)でインマクラーダ農園(Inmaculada Coffee Farms)を創業し、実験的なコーヒー生産と研究を開始しました。

この農園は、エル・アルディン(El Jardin)、ラス・ヌベス(Las Nubes)、モンセラート(Monserrat)、インマクラーダ・コンセプシオン(Inmaculada Concepcion)の4つ農園に分かれており、ルメ・スダン(Rume Sudan)、ユーゲニオイデス種(C. eugenioides)ローリナ(Laurina)、ゲイシャ(Gesha)、マラゲイシャ(Maragesha)などの珍しい種や品種が栽培されています。

イルマス・ペレイラ農園、CarmoCoffeesより

カミーロ氏は、2014年にカルモ・コーヒーズ(Carmo Coffees)のルイス・パウロ(Luiz Paulo)氏によるニュー・フレーバーズ(New Flavors)に関与しました。これはルイス氏の経営するイルマス・ペレイラ農園(Fazenda Irmas Pereira)をブラジルで最高品質のコーヒー生産農園にすることを目的としたプロジェクトでした。そして、カミーロ氏とルイス氏の共同でサントゥアリオ・スル農園(Fazenda Santuario Sul)が新しく開かれることになりました。

この頃に、コスタリカのトレス・ミラグロス農園(Finca Tres Milagros)を経営するルシン・エルナンデス(Nelsyn Hernandez)氏、そして、メキシコのグアダルーペ・サフ農園(Cafetalera Guadalupe Zaju)とチャンフル農園(Finca Chanjul)を経営するエドゥアルド・エステベ(Eduardo Esteve)氏の、各国のコーヒー生産者と情報交換や試験結果の共有などが行われ、2017年から本格的にサントゥアリオ・プロジェクトが立ち上がりました。

サントゥアリオ・プロジェクトの農園については、以下の記事を参照してください。

品種

品種はレッド・ティピカ(Red Typica)です。

ティピカは、ブルボン(Bourbon)と並ぶアラビアの代表的な品種です。ティピカは、インドネシアのジャワ島からオランダの植物園へ、そしてパリの植物園、そこからカリブ海のマルティニーク島(Martinique)に苗木が持ち込まれ、育てられた木からカリブ海の島々、中南米に伝播した品種です。円錐形の高木で、約3,5~4,0mまで成長します。病害虫に弱く、生産性は低いですが、香味に優れ、品質が高いのが特徴です。果実が赤い実を付けるので、レッド・ティピカと呼ばれます。

精製方法

精製方法はウォッシュト(Washed、湿式)です。

ウォッシュトは収穫したコーヒーチェリーをパルピング(pulping、果肉除去)し、発酵と水洗い後、パーチメント(Parchment)付きコーヒー豆を乾燥させ脱穀する方法です。ウォッシュトでは水洗いするためキレイな味わいに仕上がります。

ラズベリーのようなフレーバーと甘酸っぱさ、コロンビアらしいチョコレートのようなマイルドなコクが特徴です。酸味、甘味、苦味のバランスのとれたコーヒーです。

辻本珈琲のコロンビア サントゥアリオ ティピカ

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コロンビア・サントゥアリオ農園はポパヤン高原に位置します。ポパヤンは山岳地帯が多く、日照・降水量・標高・土壌といったコーヒー栽培の好条件の揃った特産地で、南東にはプラケ火山(標高4,646m)を望みます。
農園主カミーロ・メリサルデ氏は、古き良き時代のコロンビアマイルドコーヒーの復活を目指し、なおかつ完全にサスティナブルな条件のもと、一から農園を設計し1999年に農園作りをスタートさせました。

サントゥアリオ農園では当初からスペシャルティコーヒー、すなわち「至高のコロンビアマイルド」を目指し、苗木の播種から収穫、精選にいたるまで非常に高いクオリティを持った作業マニュアルを作り上げています。農園は標高1,850~2,000mの丘陵地にあり、敷地面積は260ha、このうち約188haにコーヒーが栽培されています。
農園には豊かな森林が広がり、多様な野生動物の住処となっています。農園は小さな区画に分けて整備されており、作業の記録や管理もしっかりと行われています。シェードツリーにはマメ科の植物を植え、施肥管理は有機肥料の投与のみを行い、また標高が高いため害虫の問題は皆無で、農薬の散布は行っていません。また、農園の従業員や近隣の地域社会への貢献も積極的に行っています。

辻本珈琲 ホームページより

焙煎

このコーヒーは、店主の辻本氏が直火式で焙煎しています。

コロンビアらしいチョコレートのようなマイルドなコクをベースに、ラズベリーのようなフレーバーと甘酸っぱさが広がります。フルシティローストで焙煎されているので、酸味、甘味、苦味のバランスが取れたコーヒーに仕上がっています。

<参考>

「産地情報 カウカ(Cauca)」,FNC コロンビアコーヒー生産者連合会<http://cafedecolombia.jp/colombia/origin-cauca/>

「COLOMBIA FINCA SANTUARIO AQUACATILLO WASHED RED TYPICA 2016」,Has Bean Coffee<https://archive.hasbean.co.uk/colombia-finca-santuario-aquacatillo-washed-red-typica-2016__12434>




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