サザコーヒー:パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュト ベスト・オブ・パナマ 2018年 第9位

サザコーヒーのパナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュト ベスト・オブ・パナマ 2018年 第9位です。

サザコーヒーは、1942年創業の茨城県ひたちなか市に本社のあるコーヒー会社です。コロンビア・カウカ県に自社農園であるサザコーヒー農園を所有しています。

パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュト ベスト・オブ・パナマ 2018年 第9位

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パナマとボケテ

パナマ(Panama)は中米で最も南アメリカ大陸の近くに位置し、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の境であるパナマ地峡を形成しています。西はコスタリカ、東はコロンビアに接し、北はカリブ海、南は太平洋に面しています。

パナマは紀元前1300年以前にはすでに先住民が生活していたと考えられています。パナマ中部や西部のチリキ県から金製品や彩色土器などが出土しているため、パナマにはオルメカ、マヤ、アステカなどの大規模な遺跡文明はありませんでしたが、これらを使用する先住民文化は存在していた考えられています。 1492年のコロンブスの新大陸発見後、パナマもスペインによって植民地化されます。1519年に現在の首都であるパナマシティ(パナマ市)が設立されると、ここがスペイン本国との船の拠点として繁栄しました。

17世紀-18世紀になるとヨーロッパでのコーヒー飲用が本格化したのに伴い、オランダやフランスの植民地でコーヒー栽培が始まり、グアテマラ、コスタリカ、メキシコなど中央アメリカにも18世紀後半にコーヒーが伝わりました。

パナマコーヒーの栽培は、コスタリカ国境に近いパナマ西部チリキ県(Chiriquí Province)ボケテ地区(Boquete District)を中心に行われています。高品質のコーヒーが栽培されるボケテ地区は、パナマの最高峰、標高3,474mを誇るバル火山(Volcán Barú)の東に位置するバホ・ボケテと呼ばれる峡谷地帯にあります。エスメラルダ農園もこのボケテ地区にあります。

パナマのボケテ地区には3度の移住ラッシュがありました。1度目の移住ラッシュは、19世紀半ばにカリフォルニアで金が発見され、ゴールドラッシュが始まったことがきっかけです。パナマ地峡を横断し、太平洋側からカリフォルニアに向かう船を待っている間、チリキ県の豊かな自然と肥沃な土地に触れた人々のなかから、そこで生活を営み、簡単な農業を始める人たちが現れました。さらにゴールドラッシュが終焉すると、一攫千金の夢に破れた人々のなかには、行きがけに通ったチリキ県の肥沃な土地を思い出し、パナマに戻って入植し、農業を始める人たちも現れました。入植はチリキ県南部の沿岸からボケテ区近郊まで進み、入植当初からコーヒー栽培が始まりました。

2度目の移住ラッシュは世界恐慌後の1935年以降です。第二次世界大戦中にはパナマ経済の好況を受けて、学校や教会、高速道路などが建てられてボケテ地区は発展を遂げました。その後、軍事政権が成立するとボケテ地区は停滞しますが、軍事政権崩壊後は再び発展しはじめました。

3度目の移住ラッシュは1999年以降です。ボケテ地区は自然豊かな住み心地の良い場所として、欧米で評判が高まり、リタイアした人々が余生を過ごすために移住するようになりました。2001年には、AARP(全米退職者協会)の機関紙「Modern Maturity(現 AARP the Magazine) 」で、2005 年にはFortune誌で、それぞれ「退職後に暮らしたい場所、世界のトップ5」の一つに選出されるほど評価の高い地区となりました。2011年には、ボケテ地区の100周年式典が開催されました。

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エスメラルダ農園

エスメラルダ農園のピーターソン家、エスメラルダ農園 ホームページより

パナマ エスメラルダ農園(Hacienda La Esmeralda)は、バル火山の裾野、平均標高1,600mに位置する、世界最高のコーヒーを生産する農園として知られています。豊富な降雨量、天然林など、豊かな自然環境に囲まれています。農薬を使わず、完熟実だけを手摘みし、収穫後の精製、乾燥など、細心の注意が払われています。

1967年に、現在の農園主であり、ゲイシャを発見したダニエル・ピーターソン(Daniel Peterson)氏の祖父、スウェーデン出身の銀行家でバンク・オブ・アメリカ (Bank of America Corporation)の頭取であったルドルフ・A・ピーターソン(Rudolph A. Peterson)氏(1904-2003)が、リタイア後の拠点として、チリキ県パルミラ(Palmira)地区に数百ヘクタールを占めるハシエンダ・ラ・エスメラルダ(Hacienda La Esmeralda)を購入しました。その場所は、1940年にスウェーデン人のハンス・エリオット(Hans Elliot氏が単一農園としてまとめた土地でした。この数百ヘクタールの土地には、現在のカーニャ・ベルデス農園(Cañas Verdes)やパルミラ農園(Palmira)の土地が含まれています。当時、この土地は主に肉牛用の牧草地でした。ルドルフ氏がこの土地を購入したのは、同じスウェーデン人同士であることが関係しているはずです。

購入後の最初の数年間、ルドルフ氏は農園を数ヶ月おきに訪問していました。しかし、 彼は1970年に国連開発担当局長を務めることになり、海外への義務が高まり、農園に行く時間が少なくなりました。 その数年前に、彼はパトリシア・プリンス(Patricia Price)女史と出会って結婚しています。 彼らの間にリネア(Linnea)とプライス(Price)という2人の子供が生まれ、プライス・ピーターソン(Price Peterson)氏が1973年にルドルフ氏から農園経営を受け継ぎました。プライス氏はペンシルバニア大学で神経化学を学び、1961年に博士号を取得しており、農園経営を受け継ぐ数年前にパナマに移り、農園でより大きな役割を果たし始めていました。彼の科学的背景は、農園の経営にとって大きな利点となりました。 

1975年に肉牛用の牧草地は乳牛用に切り替えられ、それは現在でもエスメラルダ農園の半分を占め続けています。1987年に農園の大部分にコーヒーが植えられるようになりました。コーヒーは少なくとも1890年代から、エスメラルダ農園周辺の土地で栽培されていました。ピーターソン家が1987年にパルミラでコーヒー農園用に土地の大部分を再開発し、さらに最初のコーヒー農園を拡張することを助けたのは、長い間この地域で培われていたコーヒーの知識と文化でした。しかし、1990年代になって初めてスペシャルティコーヒーという概念が生まれるまで、この時点ではまだ、パナマのコーヒーは農園や品種が混在した大衆向けの商品でした。

1994年には農園に精製所を建設し、コーヒーを直接自分たちで精製するようになりました。1997年により高品質で微妙な違いに優れたコーヒー生産を期待して、バル火山の高地に新しい農園を買い取り、その農園をハラミージョ(Jaramillo)と名付けました。エスメラルダ農園によって有名となったゲイシャはこの土地に偶然植えられていた品種です。(ゲイシャについて参照)

2004年にエスメラルダ農園のゲイシャがベスト・オブ・パナマで記録的な価格で落札された後、ピーターソン家は優れたロット分離、緻密な精製処理、そして健全なオークション形式をサポートするインフラストラクチャの開発に集中しました。エスメラルダ農園のゲイシャのオークションの価格が年々上がるにつれて、それまではウォッシュト精製のみだったゲイシャのナチュラル精製や、各ロットの詳細な情報への要求も高まっていきました。

2007年に、ピーターソン家は10年にわたるコーヒーの品種の研究プロジェクトを開始しました。 その研究プロジェクトの一環として、2012年に開園されたエル・ベロ農園(El Velo)の標高の高い場所に、400を超えるコーヒーの品種が実験的に栽培されています。そこで栽培されている品種のいくつかは、ゲイシャと同じ遺伝子バンクを起源とするもので、かつて高い標高で植えられていたゲイシャのロットが分離されその素晴らしい香味が発見されたように、この中からゲイシャのような優れた香味をもつ品種が発見されるかもしれません。

エスメラルダ農園は現在、プライスとスーザン夫妻の3人の子供、エリック氏(1966年フィラデルフィア生まれ)、レイチェル女史(1967年スウェーデン生まれ)、ダニエル氏(1974年パナマ生まれ)によって経営が引き継がれています。

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ゲイシャについて

エスメラルダ農園のゲイシャのコーヒーチェリー、エスメラルダ農園 ホームページより

ゲイシャはエチオピア起原の野生種で、最も希少で高価な最高品質のコーヒーとして有名です。パナマ エスメラルダ農園が復活させたゲイシャは現存するコーヒー豆のなかで、最も高品質で美味しい品種の一つとして知られています。

1930年代にエチオピアのゲシャ地方で発見された品種です。ゲイシャはイギリス植民地時代のアビシニア(Abyssinia、現在のエチオピア)で、ベンチ・マジ地方(Bench Maji)の領事であったリチャード・ウォーリー大尉(Richard Whalley)が、ゲシャ山周辺で10ポンドのコーヒーの種子を集めた時に発見されました。ウォーリー大尉はケニアの農業局長からの指令により、エチオピアコーヒーの野生種の調査の一環として、これらの種子を集めることを任務としていました。エチオピアの原生林はコーヒーの発祥の地であり、その主要品種を調査することでイギリス植民地でコーヒーの商業栽培ができるかどうか、その実行可能性を評価する目的で行われました。すでに1930年代時点において、ゲシャ地方のコーヒーが美味しいものであると、コーヒー業界の人々の耳には届いていました。

ゲイシャ(Geisha、Gesha)は、もともとはゲシャ(Gesha、あるいはGechaと書かれることもあった)と表記されていました。それがいつから"Geisha"と表記されるようになったかははっきりしていませんが、現地語のカッファ(Kafa)は口頭言語であるため、ローマ字に置き換える際に"Gesha"に"i"の文字が入ったという説や単純なスペルミスという説もあります。

ゲイシャはアラビカ種の亜種の一つです。アラビカ種はもともと栽培に大変な手間がかかり、病害虫にも気候変動にも弱い種です。ゲイシャはそのなかでも著しく生産量が低く、栽培と収穫には大きなリスクを伴います。

ゲイシャのコーヒーノキは樹高が4mにまで成長します。これは同じアラビカ種であるブルボンやティピカ種の約2倍の高さです。ゲイシャのコーヒーノキは枝葉が少なく、側枝と側枝の間隔が広いので、機械で収穫することは困難です。パナマの農園は険しい山の斜面に位置しており、手摘みの収穫には厳しい労働と高い精度が求められます。このようにゲイシャはもともと生産性の低いアラビカ種のなかでも特に生産性が低いため、商業生産は困難であると長い間考えられていました。

1970年に中南米では初めて、ブラジルでコーヒーさび病が発生しました。その後さび病は南米諸国に広まり、 やがて中米にまで被害が広がります。1984年までにはパナマを除く、中米地域のすべての産地がさび病に見舞われました。その後、多くの国でさび病対策のため、耐病性のアラビカ種とロブスタ種の交配種の生産を増やしたため、交配種の普及による香味劣化が問題視されるようになりました。ところが、現在までパナマのみ大規模なさび病の流行が確認されていません 。パナマではコーヒーの大敵であるさび病の流行がなかったため、ゲイシャの栽培に最適な環境を維持しています。

1930年代にエチオピアで発見されたゲイシャは、ケニアに渡り、その後タンザニアへ、そして海を渡り1953年に中米のコスタリカの熱帯農業研究および高等教育トレーニングセンター (英語:The Tropical Agricultural Research and Higher Education Center、スペイン語:Centro Agronómico Tropical de Investigación y Enseñanza(CATIE)) に入りました。

パナマ ゲイシャの歴史は1963年にパナマ ドンパチ農園のオーナーで、当時パナマ農業省の職員であったフランシスコ・セラシン・シニア(Sr. Francisco Serracín、通称ドンパチ・シニア(Don Pachi Sr.))氏がコスタリカのCATIEからゲイシャを持ち帰り、中米で栽培したのが最初です。ドンパチ農園は1873年に、セラシン家がカジェ・ホン・セコ地区(Calle jon Sec、「埃だらけの乾燥した道」という意味)に開園した歴史ある農園です。しかし、ゲイシャは栽培と商業的な難しさのために栽培が放棄され、しばらくはそのまま放置されることになりました。

パナマ ゲイシャの発見

1960年代以降、コーヒーはピーターソン家やその周辺の農園で栽培されていましたが、その後数十年に渡って、複数の農園で生産されたコーヒー豆は、すべて品種を問わずミックスし、出荷されていました。コーヒー豆を農園ごと、品種ごとに区別して取り扱うという考えは、スペシャルティコーヒーというコンセプトが生まれてからのことです。それまでは、生産者にも、消費者にも、コーヒーを品種ごとに扱うという考え方はほとんどなく、すべての豆が一緒くたに扱われるのが当然でした。

1990年代にスペシャルティコーヒーという概念の登場によってコーヒー生産が注目を集めるようになると、ピーターソン家は1997年に高地に新しい農園を買い取り、ハラミージョ(Jaramillo)と名付けました。1997年はパナマに「オホ・デ・ガーヨ(Ojo de Gallo)」、日本語で「アメリカ葉斑病(American leaf spot (of coffee)」というコーヒーの病気が広まりました。これは植物の葉に斑点を形成し、発光反応を阻害する"Mycena citricolor"という病原体が、コーヒーノキをゆっくりと腐敗させます。

ピーターソン家が買い取ったこの農園もこの病気で荒れ果てていましたが、ダニエル氏はこの農園に偶然植えられていたゲイシャのコーヒーノキだけは痛みが少ないことに気づきました。コスタリカに入る以前、ゲイシャは遺伝子バンクやコーヒー研究所のネットワークで交換されていましたが、当時「オホ・デ・ガーヨ(Ojo de Gallo)」に耐病性を示すサンプルについて、特別注意が払われることはありませんでした。ダニエル氏は、それまでゲイシャが植えられていた場所よりももっと高い標高1,650m以上の場所を含む、この農園の多くの場所に、ゲイシャのコーヒーノキを植えることにしたのです。

スペシャルティコーヒーという考え方が浸透し始めた2000年代から、コーヒー品評会が生産各国で開催されるようになりました。1999年にブラジルが世界で初めてコーヒーの国際品評会であるカップ・オブ・エクセレンス (Cup of Excellence(CoE))を開催します。その成功を受け、パナマでも2001年からカップ・オブ・エクセレンスが開催されます(現在のベスト・オブ・パナマの元となるパナマスペシャルティコーヒー協会のカッピング ・コンペティション(Cupping competition)は1996年から始まりました)。

ピーターソン家はこのカップ・オブ・エクセレンス出品のために、それまでになかった新しいことを試みました。生産したコーヒーを農園の異なる区画ごとに極めて注意深く精製処理をし、優れたロットを分離したのです。区画ごとにコーヒー豆をカップテストした際に、ハラミージョ農園で生産されたコーヒー豆だけが、特別に素晴らしい香りと味を持っていることを発見します。コーヒーのカッパーが100%ゲイシャのサンプルを味わったのはこれが初めてのことでした。それから、この独特の香りと味をつくるこの品種を選別し、分離して栽培し始めました。それまで忘れられていたゲイシャが、最初にエチオピアで発見されてから約70年後に再発見されることとなったのです。

2003年からカップ・オブ・エクセレンスに変わり、パナマではベスト・オブ・パナマ(Best of Panama)が始まります。そして2004年のベスト・オブ・パナマで、エスメラルダ農園の出品したゲイシャ「ハラミージョ・スペシャル(Jarmillo Special)」が1ポンドあたり21ドルという当時のオークションで破格の最高落札価格を記録したことから、エスメラルダ農園のゲイシャはそのユニークな香味特性とともに一躍有名となり、それまでは個性不足と言われたパナマ・コーヒーの個性を打ち出すことに成功します。エスメラルダ農園のゲイシャは2004年ベスト・オブ・パナマで最高価格を記録して以来、自ら持つ記録を毎年更新し優勝し続けます。2004年、2005年2006年2007年2009年2010年と、ベスト・オブ・パナマで連続一位に輝きます。2007年のオークションでは、落札価格1ポンドあたり130ドルという史上最高値を大きく更新し、世界中の注目を浴びます。

エスメラルダ農園のゲイシャは、コーヒー品評会に出品すれば、必ず優勝するという伝説のコーヒーになりました。そのため、2008年からはベスト・オブ・パナマの別枠で「エスメラルダ・スペシャル (Esmeralda Special)」として、エスメラルダ農園独自のスペシャル オークションが行われることになりました。この2008年はエスメラルダ農園はベスト・オブ・パナマに出品していません。上記の記録で2008年が抜けているのはそのためです。2009年、2010年はベスト・オブ・パナマに出品し、2年連続優勝します。2010年の落札価格は1ポンドあたり170ドルでした。2011年以後は、毎年スペシャル オークションが行われています。

エスメラルダ農園内にある4つの農園とエスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュト

エスメラルダ農園内にはハラミージョ農園(Jaramillo)、カーニャ・ベルデス農園(CañasVerdes)、エル・ベロ農園(El Velo)、パルミラ農園(Palmira)の4つの農園があります。

ハラミージョ農園

ハラミージョ農園、エスメラルダ農園 ホームページより

ハラミージョ農園(Jaramillo)は、2004年にダニエル・ピーターソン氏によってゲイシャが最初に発見された場所です。標高最大1,700mにまでマイクロロットが生産されています。ハラミージョのマイクロクライメット(微気候)は、ゲイシャの持つ花のような明るく大胆なフレーバーを生み出します。この場所は大西洋と太平洋の両方の影響を受けており、絶え間なく霧が発生し、一年中湿度が高いです。気温が低く、多くのシェードツリーがあり、ゲイシャを栽培するのに最適の環境です。エスメラルダ農園の最高級のマイクロロットは、ハラミージョ農園の斜面にある小さな畑から生まれます。

ハラミージョ農園には以下のような区画があります。

  • Mario
  • Noria
  • Reina
  • Bosque
  • Buenos Aires

カーニャ・ベルデス農園

カーニャ・ベルデス農園、エスメラルダ農園 ホームページより

カーニャ・ベルデス農園(Cañas Verdes)は、1967年からピーターソン家が所有しているバル火山の南東斜面にある農園です。大きな原生林に覆われ、爽やかで涼しい風の吹く、標高最大2,000mに至るまでマイクロロットが生産される場所です。エスメラルダ農園の最西端に位置しています。カーニャ・ベルデスは乾季が12月-3月にかけて3-4ヶ月あり、ハッキリとした酸味と非常に複雑な味わいを持つ、バランスの取れたフルーティーなゲイシャのマイクロロットを生み出しています。

カーニャ・ベルデス農園には以下のような区画があります。

  • Lino
  • Coronado
  • Fundador
  • León
  • Montaña
  • Trapiche
  • Chinta
  • Cabaña
  • Tumaco

エル・ベロ農園

エル・ベロ農園、エスメラルダ農園 ホームページより

エル・ベロ農園(El Velo)はバル火山の東、アルト・キエル(Alto Quiel)として知られるボケテ地区の北部にあります。エル・ベロは2012年の開園された、エスメラルダ農園の最も新しい農園です。農園面積50ヘクタール、若干傾斜の多い地形で、列ごとに異なった区画に整然と分けられています。標高最大2,100mにまでマイクロロットが生産されています。太平洋からの暖かい空気と大西洋から降りてくる冷たい空気がぶつかり合って生じる小雨が定期的に降り注ぎます。この場所の高い標高、明るい日差し、低い気温は、アプリコット、ジャスミンとバラ、レモングラスのような若々しいカップを生み出します。この農園ではゲイシャも栽培されていますが、高品質なコーヒー生産、病気の耐性や商業栽培の可能性の長期的な研究のために、ローリナ(Laurina)、パカマラ(Pacamara)、モカ(Mocca)とケニア由来のSL-28や、エチオピア由来の400以上の品種が栽培されています。

エル・ベロ農園には以下のような区画があります。

  • Guabo
  • Portón
  • Durazno
  • Higuerón
  • Higo
  • Buena Vista
  • Águila

3つの農園のコーヒーノキは標高1,650-2,100mに植えられていますが、エスメラルダ農園の土地は2,900mにまで至るバル火山のあらゆるところにあります。そこにはケツァールという色鮮やかな鳥や、絶滅の危機に瀕している鳥や動物がいる自然保護区があります。

エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュトは、エル・ベロ農園のグアボ(Guabo)という区画から収穫されたロットです。

パルミラ農園

パルミラ農園、エスメラルダ農園 ホームページより

パルミラ農園(Palmira)は1967年にルドルフ・A・ピーターソン氏が購入した最初の土地で、ここからエスメラルダ農園の歴史は始まりました。何年にもわたり小さな農園を買い取り、所有地を拡大していきました。パルミラ農園はバル火山の裾野に位置し、標高1,100m-1,250mと低い場所にあります。この農園ではパルミラというブランドで販売されるカツアイ (Catuai)を生産しています。パルミラ農園で生産されたコーヒーはすべて、農園の中心にある単一の精製所でウォッシュト(Washed、湿式)で精製されます。

精製方法

エスメラルダ農園のナチュラル精製、エスメラルダ農園 ホームページより

精製方法はウォッシュト(Washed、湿式)です。

エスメラルダ農園のウォッシュトでは、収穫されたコーヒーチェリーは受水槽に運ばれます。 そこでコーヒーチェリーを漏斗状になった下部に沈めるために、ポンプで水を汲み上げます。水に沈まず表面に浮かび上がった完熟していないコーヒーチェリーは処分されます。受水槽で浮遊物を除去した後、残りのチェリーは果肉と外皮(パルプ)をパルピング(果肉除去)します。 除去された果肉や外皮は集められ、農園や牧草地の肥料として使用されます。パーチメントとなった状態で、粘着性の粘液であるムシレージ(Mucilage)を機械で除去します。

エスメラルダ農園の各ブランドについて

エスメラルダ農園はゲイシャが有名ですが、ゲイシャ以外の品種も栽培していて、それぞれブランド名を持っています。ゲイシャには3つのブランドがあり、エスメラルダ スペシャル(Esmeralda Special)、プライベート コレクション(Private Collection)、ゲイシャ 1500(Geisha 1500)で構成されています。その他にティピカ、ブルボン、カツアイのダイヤモンド マウンテン(Diamond Mountain)、カツアイのパルミラ(Palmyra)、カツアイのエル ベロ カツアイ リザーブ(El Velo Catuai Reserve)のブランドがあります。

エスメラルダ スペシャル

エスメラルダスペシャル

エスメラルダ スペシャルは、こちらの赤いロゴが使用されます。エスメラルダ スペシャルは、スペシャル オークションに出品される特別に高品質のゲイシャです。ハラミージョ、カーニャ・ベルデスの1,600m-1,800mのエリアで生産されたゲイシャに対して、90点以上のカッピング評価がなされたロットにのみ与えられるブランドです。パナマ エスメラルダ ゲイシャの全生産量のうち、非常に希少なマイクロロットがこのブランド区分に位置付けられています。オークションロット名は収穫された区画と収穫時期によって名前がつけられます。1月に収穫されたロットは1月を意味するエネロにちなんで「エネロ(Enero)」、2月に収穫されたロットはカーニバルの時期にちなんで「カルナバル(Carnaval)」、3月に収穫されたロットは、3月19日のスペイン語で聖ヨセフの意味するサン・ホセ(San José)の祝日にちなんで「サン・ホセ(San José)」、4月に収穫されたロットはスペイン語で復活祭、イースターを意味するパスクアにちなんで「パスクア(Pascua)」と名付けられます。

エスメラルダ プライベート コレクション

エスメラルダ プライベートコレクション

エスメラルダ プライベート コレクションは、こちらの緑のロゴが使用されます。こちらはハラミージョ、カーニャ・ベルデス、エル・ベロの1600-1800mで生産されたゲイシャで、スペシャル オークションの出品には落選した豆のブランドです。エスメラルダ スペシャルを選別する際にカッピング評価90点未満でスペシャル オークションに出品できなかった豆ですが、87-90点の高品質なゲイシャとして提供できる豆が選別されています。こちらも非常に高品質のブランドです。

エスメラルダ ゲイシャ 1500

エスメラルダ ゲイシャ1500

エスメラルダ ゲイシャ 1500は、こちらの紫色のロゴが使用されます。2016年からスタートした標高1400-1500mの新しく開拓された区画で生産されているゲイシャのブランドです。ゲイシャ 1500は、エスメラルダ農園の比較的低い標高の区画で生産されています。こちらは比較的安価で、購入しやすいブランドです。

コーヒーは標高の高さが香味を決定づける重要なポイントとなります。標高が高ければ昼夜の寒暖差が大きくなり、コーヒーの果実が引き締まったり膨らんだりを繰り返すことで糖度を増し、それがコーヒーの香りの豊かさや甘味を生み出します。エスメラルダ農園では、1400m以上の標高がなければ、ゲイシャの個性の際立った風味特性を求める事は難しいと考えているため、標高1400m-1800mの土地でゲイシャの生産をしています。

パナマ ゲイシャは比較的大粒の細長い外観をしており、ジャスミンやワインのような強烈なゲイシャフレーバーが特徴です。すっきりした甘味を伴ったベルガモットやマンダリンオレンジのような柑橘系の酸味がフレーバーの印象を引き立てます。

エスメラルダ農園のゲイシャは、他の農園と比べて他の農園と比べてパワフルなフレーバーを持っている印象があります。エスメラルダ農園の世界的成功により、様々な生産国、生産地でゲイシャが生産されるようになりましたが、エスメラルダ農園 ゲイシャの強烈なまでの個性は、他の産地や農園では真似できないものです。

サザコーヒー パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュト ベスト・オブ・パナマ 2018年 第9位

パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュト ベスト・オブ・パナマ 2018年 第9位

ベスト・オブ・パナマ 2018

レイチェル女史とエル・ベロ農園

エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ) ウォッシュトは、ベスト・オブ・パナマ 2018で91.38点を獲得し、第9位に入賞したロットです。品種はグリーン・チップ・ゲイシャ(Green Tip Geisha)で、精製方法はウォッシュト(Washed)です。

LotBagsWeightIncrementBidTotal valueTitleHigh bidder
BOP-GW-92100lbs$1.00$140.00/lb$14,000.00ESMERALDA SPECIAL EL VELO (GUABO) WASHEDSaza Coffee/Coffee Treasures - sourced for D'Angelo Coffee & TSE Custom Roasters Taiwan/Haaya's Coffee/The Hub Coffee Malaysia
Best of Panama eAuction - Specialty Coffee 2018

サザコーヒーは、この年のゲイシャ ウォッシュト部門とナチュラル部門の優勝ロットである、エリダ農園のグリーンチップ・ゲイシャも落札しています。

エスメラルダ・スペシャル エル・ベロ (グアボ)ウォッシュト

Farm Name:Hacienda La Esmeralda, El Velo
Coffee Name:Esmeralda Special El Velo Guabo Washed
International Jury:91.38
Lot #:BOP-GW-09
Crop Year(s):Harvest date: April 31, 2018
Variety:Green Tip Geisha
Process:Wet process/Washed, then sundried on patio
Elevation:1800
Slope Direction: 
Avg. Temp:16 °C/50 °F
Avg. Rainfall:2,800mm 110im
Growing Region:Alto Quiel, Boquete
Owner:Peterson Family
Certifications:  N/A
Exporter:Hacienda La Esmeralda
Mill:Hacienda La Esmeralda
Warehouse:SCAP
Web Site:www.haciendaesmeralda.com
Email:rachel@haciendaesmeralda.com
Description:  
 
Hacienda La Esmeralda is best known for discovering the Geisha variety in 2003. In 2004 it won it's first of many competitions in the Best of Panama. After the events of 2004 and Geisha’s official coming out at the Best of Panama Auction, much of the Peterson’s focus settled on developing an infrastructure to support superior lot separation, meticulous processing, and consistency.
Cupping Notes:Superb jasmine aromatics, vibrant tangerine acidity and a kaleidoscope of flavors.
Lot BOP-GW-9: ESMERALDA SPECIAL EL VELO (GUABO) WASHED

パワフルで複雑なワインのようなフレーバーと、柑橘系の酸味と甘さが印象的です。エスメラルダ農園のゲイシャ特有のワインのようなフレーバーの強さは健在ですが、2017年のナチュラル部門の優勝ロットであるカーニャ・ベルデス ナチュラルには及びません。

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