澤井珈琲 タンザニア エーデルワイスです。
澤井珈琲(SAWAI COFFEE)は、鳥取県と東京都に店舗を展開する大手のコーヒー会社です。
タンザニア エーデルワイス
タンザニア
タンザニア(Tanzania)はアフリカ大陸の東海岸にある共和国です。周辺7ヶ国に囲まれており、一部インド洋に接しています。首都はドドマ(Dodoma)です。
タンザニアのコーヒー生産地域は北部・南部・西部に大きく分類されます。国土の大半がサバナ気候に属しており、雨季と乾季が明確に分化しています。中央部がステップ気候の乾燥帯、南部と北部の高地山岳部が温暖湿潤気候で比較的高温多雨です。降水量は海岸部やビクトリア湖岸、キリマンジャロ周辺で1,000mmを超えますが、内陸部では約500mmと乾燥しています。
タンザニアのコーヒー生産者は小規模農家がほとんどです。コーヒー生産の70%がアラビカ種、30%がロブスタ種です。タンザニアのアラビカ種はキリマンジャロ北部、アルーシャ、ムベヤ南部、ムビンガ、キゴマ西部が主要産地です。
タンザニア北部には大規模農園が多く存在し、南部には小規模生産者が多く存在しています。日本では「キリマンジャロ」ブランドで知られる北部のアラビカ種コーヒーが有名ですが、近年は南部で生産されるアラビカ種のスペシャルティコーヒーに注目が集まっています。
タンザニアのコーヒーは、かつてはタンザニアのコーヒー全体を統括するタンザニア・コーヒー・ボード(TCB)(Tanzania Coffee Board)を介してしかコーヒーの取引ができませんでしたが、1994年にコーヒーの流通の自由化により、一部で農協や農家との直接取引が可能になりました。
しかし、2018年にタンザニア政府はコーヒー規制の変更を行い、現在コーヒー生産者は農業マーケティング協同組合(AMCOS)(Agricultural Marketing Cooperative Societies)と呼ばれる組織にのみ、コーヒーを販売することができます。
キリマンジャロ
タンザニアのコーヒーでは、キリマンジャロで生産されるコーヒーが有名です。キリマンジャロコーヒーはキリマンジャロのふもとで生産されています。
キリマンジャロ(Kilimanjaro)の山はタンザニア北東部にある標高5895メートルのアフリカ大陸の最高峰です。スワヒリ語で、キリマは「山」、ンジャロは「輝く」の意味です。日本ではヘミングウェイ原作の「キリマンジャロの雪」という映画によって、一躍有名になりました。
このキリマンジャロのふもとは標高1,500m-2,500mで、この地域では特に高品質なコーヒー豆を生産することができます。しかし、キリマンジャロコーヒーがすべてキリマンジャロのふもとで生産されているわけではありません。タンザニア産アラビカ種をキリマンジャロと呼ぶため、キリマンジャロのふもとで生産されるコーヒーだけでなく、タンザニアで生産されるコーヒーのほとんどすべてが、キリマンジャロを名乗ることができるからです。
9) キリマンジャロ : タンザニアにて生産されたアラビカコーヒー豆をいう。ただし、ブコバ地区
レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約(平成30年6月更新)
でとれるアラビカコーヒー豆は含まない。
タンザニアのコーヒーは他の種類に、スノートップ(Snow Top)やアデラ(Adela)などがあります。
エーデルワイス農園
エーデルワイス農園(Edelweiss Estate Coffee)は、キリマンジェロから西へ200kmに位置するカラトゥ(Karatu)、オルデアニ(Oldeani)地区内にある農園です。農園面積は395ヘクタール、その内の220ヘクタールで現在約30万本のコーヒーノキが栽培されています。標高は1,600m-1,850mで、タンザニアでは最も高い標高に位置するコーヒー農園のひとつです。
この地区は、タンザニアで最初の国立公園に指定されたセレンゲッティ国立公園(Serengeti National Park)に隣接する豊かな自然に囲まれたサバンナ、山脈高地です。この地区にはンゴロンゴロ・クレーター(Ngorongoro Crater、火山活動でできた凹地)と呼ばれる直径20kmに渡る巨大なカルデラがあり、この斜面一帯でコーヒーが栽培されています。農園はンゴロンゴロ森林に隣接しており、象、バッファロー、ライオン、小さなアンテロープなどの野生動物が生息しています。
ンゴロンゴロ・クレーターがあるンゴロンゴロ保全地域は、もともとセレンゲッティ国立公園の一部でしたが、1959年に分離され、1979年にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されました。火山のカルデラ地帯のため、土壌は赤土で非常に肥沃な上に、年間降水量は900mの高品質なコーヒー栽培に恵まれた条件を備えています。エーデルワイス農園の周辺は利用可能な水が少ないため、雨水が利用されています。農園内には灌漑設備(農地の外から給水できる設備)も備えられています。
農園ではコーヒー栽培だけでなく、マカダミアナッツも栽培し、養蜂にも取り組んでいます。
エーデルワイス農園の歴史
エーデルワイス農園の最初の所有者として知られているのは、1900年頃アスコナ農園のバッファロー・リッジ・ハウス(アフリカ式の家)に住んでいたドイツ人入植者たちです。1926年から1931年の間に、彼らはアスコナにコーヒーを植えました。 第二次世界大戦中になると、このドイツ人入植者たちは抑留され、農園はイギリス政府に引き継がれました。そして、コーヒー輸出者グループ(The Coffee Exporters Group)の創設者であるベン・ボホラ(BN Vohora)氏が、英国行政区域の農園の経営を監督することになりました。
戦後、1950年代にアメリカ合衆国の多国籍企業に売却されるまで、農園はイギリス人によって経営されていました。その後、1969年にベン・ボホラ氏はアスコナ農園とエーデルワイス農園を買収しました。 それから現在に至るまで、彼の家族が農園を経営しており、現在で3世代目です。
現在エーデルワイス農園の所有農園には、オルデアニにあるアスコナ農園(Ascona Estate)、ヘルゴランド農園(Helgoland Estate)があります。
コーヒー輸出者グループ
エーデルワイス農園のコーヒーは、コーヒー輸出者グループ(The Coffee Exporters Group)によって取引されます。
コーヒー輸出者グループは、1955年にベン・ボホラ(BN Vohora)氏によって設立されたタンザニアでコーヒーを栽培、精製、取引する60年以上の経験を持つ三世代にわたる家族経営のコーヒー会社です。タンザニアでは最も古い輸出業者のひとつで、タンザニアのスペシャルティコーヒーの生産、タンザニアとケニアのコーヒーの輸出、地元市場へのコーヒーの焙煎を請け負っています。
品種
農園では250ヘクタールの面積で、ブルボン(Bourbon)、SL-28、SL-34、TACRI、ケント(Kent)が栽培されています。
TACRIは、タンザニア国立コーヒー試験所(TaCRI)(Tanzania Coffee Research Institute)から輩出された品種です。
エーデルワイス農園で生産されている主な品種はブルボンです。農園では品種ごとに区画され、コーヒーが栽培されています。それらのコーヒーはQグレーダーの資格を持つスタッフによってカッピングされ、カップ・プロファイルが作り上げられます。
タンザニアのコーヒーの品種については、旦部幸博氏の百珈苑BLOG「東アフリカの品種」、「東アフリカのコーヒーの歴史と品種」を参照できます。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed、湿式)です。
農園内にはウェット・ミルがあり、収穫されたコーヒーチェリーはすぐにそこへ持ち運ばれます。最大36時間かけて、パルピング(果肉除去)と発酵処理がなされ、アフリカンベッドで8日から10日かけて日陰乾燥されます。水分が12%未満になると、コーヒー豆は袋詰めされ、アルーシャのドライ・ミルに送られてさらに処理されます。
アルーシャ・コーヒー・ミル(Arusha Coffee Mill)は1997年に設立されたドライ・ミルで、アルーシャのメルー山(Mt Meru)の麓に位置しています。アルーシャの涼しく温暖な気候は、コーヒーの精製加工と保管に最適です。 ここでは1日に4トンのパーチメントの精製が可能です。
収穫
11月から2月まで、降雨に応じてコーヒーの花が咲きます。収穫は6月に開始されますが、コーヒーチェリーのサイズと完熟度に応じて、1月までコーヒーの収穫が続きます。
コーヒーチェリーは、完熟実が手摘みされます。
規格
規格はAAです。キリマンジャロコーヒーは、コーヒー豆の大きさによって格付け、コーヒー豆が大きいほどランクが高くなります。AA-Cに分類され、AAが最高級品と格付けされています。
AAはスクリーンサイズ18以上が86%以上含まれたコーヒーにつけられる等級です。タンザニア エーデルワイスは、AAランクの最高等級です。
AA | 6.75mm以上 |
A | 6.25mm〜6.75mm |
B | 6.15mm〜6.25mm |
C | 5.9mm〜6.15mm |
味
キリマンジャロのコーヒーは、豊かな酸味を特徴としています。
澤井珈琲 タンザニア エーデルワイス
エーデルワイスは、タンザニア最高峰キリマンジャロの北部の都市、アルーシャの西170kmに位置するオルデアニ地区内のエーデルワイス農園で栽培されます。
この地区は直径15km、深さ600mにも及ぶ巨大なカルデラがあり、この斜面一体は、コーヒー栽培に最も適しています。
標高が高く土壌は赤土で非常に肥沃な上に、年間降水量はおよそ 900mmと豊富でコーヒーの栽培には最も適した条件です。
澤井珈琲
焙煎
焙煎はシティローストです。
味
薫り | ★★★★☆ |
---|---|
コク | ★★☆☆☆ |
酸味 | ★★★✪☆ |
苦味 | ★★☆☆☆ |
ナッツのようなフレーバーと豊かな酸味が印象的です。キリマンジャロ特有の酸味の印象が強いコーヒーです。
<参考>
Edelweiss Estate Coffee<http://www.edelweiss.co.tz/>
Tanzania Coffee Research Institute (TaCRI)<http://www.tacri.org/>
the tanzania coffee board<http://www.coffeeboard.or.tz/>
「Coffee production in Tanzania」,Wikipedia<https://en.wikipedia.org/wiki/Coffee_production_in_Tanzania>