丸美珈琲店:エチオピア イルガチェフェ チェルベサ G-1 ウォッシュト

丸美珈琲店のエチオピア イルガチェフェ チェルベサ G-1 ウォッシュトです。こちらは2006年4月に後藤栄二郎氏がオープンした札幌市中央区に本店があるスペシャルティコーヒー専門店です。現在札幌市内に4店舗展開しています。

エチオピア イルガチェフェ チェルベサ G-1 ウォッシュト

エチオピア

エチオピア(Ethiopia)は東アフリカに位置する内陸国です。北をエリトリア、東をソマリア、南をケニア、北西をスーダン、北東をジプチに囲まれています。首都はアディスアベバです。エチオピアは200以上の言語を話す70以上の民族グループを持っています。かつてエチオピアはアビシニア(Abyssinia)と呼ばれていました。

エチオピアはナイル一帯の高原地帯に位置している、面積113万平方キロメートル以上のアフリカ最大の国の一つです。エチオピアには海抜マイナス100mをきるアファール盆地(Afar Depression)があるダナキル砂漠(Danakil Desert)と、海抜約4,600mのエチオピアの最高峰、ラス・ダシャン山(Ras Dashan)までの険しい地形が広がっています。

エチオピアコーヒーの主要な産地として、コーヒーの名の由来といわれるカファ地方(Kaffa)、南部のシダマ地方(Sidama)、東部山岳地帯のハラー(Harrar)があります。

エチオピアはグレート・リフト・バレー(Great Rift Valley、大地溝帯)の入り口にあたり、北東の紅海から南西に向かって国土を半分に割るようにグレート・リフト・バレーが貫いています。グレート・リフト・バレーの西と東で、コーヒーノキのタイプに違いが見られます。イルガチェフェ群は東側の南部グループに位置付けられます。東側のコーヒーノキは人工的に栽培されたものがほとんどで、自生のコーヒーノキは見られません。西側には自生のコーヒーノキがみられます。

コーヒーがいつ発見されたのかについては多くの説がありますが、エチオピアでの発見伝説は1671年レバノンの言語学者ファウスト・ナイロニが著書「眠りを知らない修道院」で紹介した山羊飼カルディが有名です。

「アラビアである山羊飼が、山羊が寝ずに一晩中跳ね回っているのに困って、修道士に相談に行った。修道士は山羊が何か特効のある草木を食べたに違いないと周辺を探すと、食い荒らされた赤い木の実を発見した。そして、その実を持ち帰り、ゆでた汁を飲むと、それが眠気を払うものと気がついた。修道士はこの効用を夜の祈りに利用することを思いつき、毎日これを飲むと、眠ることなく夜通し祈り続けることができた。その後、徐々に他の健康への効用も知られるようになり、その地の人々の間に浸透していった」。この赤い木の実がコーヒーであるという説です。

イルガチェフェ

エチオピアのコーヒー生産地、アタカ通商 ホームページより

エチオピア イルガチェフェ(Yirgacheffe)は、エチオピア南部諸民族州(Southern Nations, Nationalities, and People's Region(SNNPR))ゲデオ地方(Gedeo Zone)イルガチェフェ地域(Yirgacheffe Area)で生産されるコーヒーまたはそのブランドです。

このエチオピア イルガチェフェ チェルベサ G-1 ウォッシュトは、エチオピア南部諸民族州(Southern Nations, Nationalities, and People's Region(SNNPR))ゲデオ地方(Gedeo Zone)ゲデブ郡(Gedeb Woreda)ウォルカ・チェルベサ住民自治組織(Worka Chelbesa Kebele)で生産されたコーヒーです。

このコーヒーはイルガチェフェ郡で生産されたコーヒーではなく、、ゲデブ群(Gedeb Woreda)で生産されたコーヒーですが、「イルガチェフェ」ブランドのコーヒーとして販売されています。

南部諸民族州

エチオピアでは1995年に憲法改正があり、「エチオピア連邦民主共和国憲法(the Constitution of the Federal Democratic Republic of Ethiopia)」が施行されました。ここからエチオピアは「諸民族」の民族自治による連邦制へと移行しました。

このエチオピア連邦民主共和国憲法のもとで、「諸民族」の民族自治の理念に合わせて、1995年にエチオピアでは行政区画の変更がありました。エチオピアの行政区画は「州(Region または Regional state)」、「地方(Zone)」、「群(Woreda)」の順に区分されることになり、さらに郡の下に行政区画の最小単位として「住民自治組織(Kebele)」が置かれることになりました。

「南部諸民族州(Southern Nations, Nationalities, and People's Region(SNNPR))」は、1995年にエチオピアが各民族に州を割り当てた際、かつては独立していた各民族を一つの州にまとめ、形成された州です。現行憲法では一民族ごとに一州が割り当てられていますが、複数の少数民族で構成されている南部諸民族州は、「地方(Zone)」または「特別郡(Liyu Woreda)」が民族構成単位となっています。

ゲデオ地方

ゲデオ地方はゲデオ民族(Gedeo people)によって構成される地方です。

ゲデオ民族は、2007年のエチオピアの国勢調査によると、150万人を超えるエチオピアで11番目に大きな民族グループです。彼らは南部諸民族州のゲデオ地方とオロミア州(Oromia Region)のグジ地方(Guji Zone)西部に住んでおり、世界的に有名なイルガチェフェコーヒーの生産者です。エチオピアのコーヒー輸出の3分の1は、彼らの生産するコーヒーによって占められています。

また、ゲデオ民族の50万人以上は、オロモ民族のサブグループであるグジ・オロモ民族(Guji Oromo People)とともに、オロミア州の70の住民自治組織に住んでいます。

ゲデオ民族とグジ・オロモ民族は、同様の文化と生活様式を共有している共通の祖先を持つ民族であると考えられています。

ゲデオ地方に住んでいるゲデオ民族は、「バーレ(baalle)」と呼ばれる年齢階層秩序と農業経済によって集団形成をする二つの伝統文化を持っています。「バーレ」はオロモ民族(Oromo people)の「ガダー(Gadaa)」に似たシステムです。「ガダー」は8年ごとに権力者が入れ替わるシステムですが、「バーレ」では、誕生10年で一つの階層が区分され、70年を一つのサイクルとしています。

エチオピアのコーヒーは栽培の仕方によって、ガーデン・コーヒー(Garden Coffee)、 フォレスト・コーヒー(Forest Coffee)、セミ・フォレスト・コーヒー(Semi-Forest Coffee)、プランテーション・コーヒー(Plantation Coffee)の4つのタイプに分けることができます。

ゲデオ地方のコーヒー生産はガーデン・コーヒーで、家の裏庭のような場所で小規模農家が栽培しています。ゲデオ地方は鉄分の多い深い土壌で、高品質のコーヒーを生産するのに適した栄養価の高い土壌です。

ゲデブ郡

ゲデブ郡はゲデオ地方最南端に位置する群で、コーヒー生産地域としては比較的新しいです。コーヒー生産農家は第1世代目もしくは2世代目で、コーヒーノキの樹齢も20-30年のものが多いです。

農家の栽培面積は1.5-2ヘクタールと小規模ですが、5-20ヘクタールの比較的大きな農園もいくつかあります。北部のイルガチェフェ群より栽培面積が若干広いです。

ゲデブ郡は、北にイルガチェフェ郡とコチェレ郡(Kochere woreda)チェレレクツ住民自治組織(Chelelektu Kebele)の隣接する地域です。コーヒーを生産しているゲデブ郡の住民自治組織(Kebele)は、ウォルカ・チェルベサ(Worka Chelbessa)、ウォルカ・サカロ(Worka Sakaro) 、バンコ・ザザト(Banko Dhadhato)、ハロ・ハルツーム(Halo Hartume)、ハルムフォ(Harmufo)ゲデブ・グビタ(Gedeb Gubita)、ゲデブ・ガルーシャ(Gedeb Galcha)、バンコ・チェルチェレ(Banko Chelchele)、バンコ・ゴチチ(Banko Gotiti)です。

近年になって、ゲデブ郡の政治的境界は北に伸び、以前はコチェレ郡(Kochere Woreda)の一部であった北部の住民自治組織を含むことになりました。しかしこの地域は2,400mを超える高すぎる標高のため、コーヒーはあまり生産されていません。

このコーヒーは、ウォルカ・チェルベサで生産されています。

ウォルカ・チェルベサ住民自治組織

このコーヒーは、ウォルカ・チェルベサ住民自治組織の約416の小規模コーヒー生産者が生産したガーデン・コーヒーです。

ウォルカ・チェルベサ住民自治組織は、ゲデブ郡で最大のコーヒー生産地域で、約1,240ヘクタールでコーヒーが生産されています。周辺をバンコ・チェルチェレ住民自治組織、 バンコ・ゴチチ住民自治組織、 ハロ・ハルツーム住民自治組織と優良コーヒー生産地に囲まれています。

エチオピアコーヒーと商標

2006年10月26日、オックスファム(Oxfam)がスターバックス(Starbucks)と全米コーヒー協会(National Coffee Association(NCA))に関するレポートを発表しました。

オックスファムはエチオピア政府がシダモ(Sidamo)、ハラー(Harar)、イルガチェフェ(Yirgachefe)を全米コーヒー協会に商標出願したことを、スターバックスが阻止しようと働きかけたとの声明を発表しました。しかし、スターバックスはエチオピア政府の商標登録出願に異議を申し立てたこともなく、原産地の所有権を主張したこともないと反論しました。

スターバックスがエチオピアの有名産地のブランド名を使用することによって高い利益を上げる一方で、現地の農家は低い利益しか得ることができないため、エチオピア政府とオックスファムはスターバックスにエチオピア政府とライセンス契約を結ぶように求めました。

2007年6月20日、エチオピア政府とスターバックスは流通、マーケティング、ライセンスに関する契約を締結することで決着しました。

また、エチオピア政府と日本の間でも商標登録を巡って争いが起きていました。

エチオピア政府と日本の間では、エチオピアの「シダモ」と「イルガチェフェ」が「商標」であるのか「産地名」であるのかをめぐり、長い間訴訟が起きていましたが、エチオピア政府が商標登録することで決着がつきました。

エチオピアには国家による行政区分の他に、「エチオピア商品取引所(Ethiopian Commodity Exchange(ECX))」によるコーヒー生産地域の区分があります。エチオピア政府が商標登録したのは、このコーヒー生産地域です。

エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆,エチオピア国YIRGACHEFFE(イルガッチェフェ)地域で生産されたコーヒー豆を原材料としたコーヒー29B01 32D04

「登録4955560」,特許情報プラットフォームより

この「イルガチェフェ地域」にはイルガチェフェ群の他に、ウェナゴ群(Wenago Woreda)、コチェレ群(Kochere Woreda)、ゲラナ・アバヤ群(Gelana Abaya)、ディラ・ズリア群(Dilla Zuria Woreda)が含まれており、これらの地域で生産されたコーヒー豆またはそれを原材料としたコーヒーは「イルガチェフェ」ブランドとして販売されます。

規格(グレード)

エチオピアコーヒーの等級には欠点豆の混入率によって、グレード1-9までに分けられています。日本に輸入されているのはグレード5以上のもので、ウォッシュトはグレード2以上に格付けされています。

エチオピアのコーヒーは大きく4つに区分されます。コマーシャル・ウォッシュト(Commercial Washed)、コマーシャル・アンウォッシュト(Commercial Unwashed)、スペシャルティ・ウォッシュト(Specialty Washed)、スペシャルティ・アンウォッシュト(Specialty Unwashed)です。グレード1-2までは「スペシャルティ」に分類され、グレード3-9までは「コマーシャル」に分類されます。

イルガチェフェでは、コマーシャルコーヒーはイルガチェフェ A(Yirgachefe A)またはイルガチェフェ B(Yirgachefe B)と分類されます。

スペシャルティコーヒーでは、Q1とQ2に分類されます。

この分類はコマーシャルとスペシャルティの両方とも、イルガチェフェ(Yirgachefe)、ウェナゴ(Wenago)、コチェレ(Kochere)、ゲレナ・アバヤ(Gelena Abaya)の4つの群(Woreda)に割り当てられます。

このエチオピア イルガチェフェ チェルベサ G-1 ウォッシュトのG-1は、Q1グレードのことです。

精製方法

乾燥の様子、丸美珈琲店 ホームページより

エチオピアのコーヒーは、ナチュラル(Natural、乾式)で精製されることが多いですが、イルガチェフェは水が豊富なため、ウォッシュト(Washed、湿式)で精製されることが多いです。このコーヒーはウォッシュト精製です。

このコーヒーは「スナップ・スペシャルティ・コーヒー(SNAP Speciality Coffee)」所有の精製所で精製されます。スナップ・スペシャルティ・コーヒーは、コチェレ郡(Kochere Woreda)チェレレクツ(Chelelektu)に3つの精製所を所有しており、ウラガ郡(Uraga Woreda)、グジ地方(Guji Zone)、ネンセボ郡(Nensebo Woreda)に提携している精製所があります。

会社の本拠地は首都アディス・アベバにあり、G1グレードのスペシャルティコーヒーは西アルシ地方(West Arsi Zone)から輸出されます。

スナップ・スペシャルティ・コーヒーのウォッシュト精製は次のように行われます。収穫したコーヒーチェリーをパルピングマシーン(果肉除去機)と水でパルピング(果肉除去)後、気象条件に応じて24-36時間水の中で発酵させ、水洗いします。

密度に基づいて2つのグレード(グレード1とグレード2)に選別されます。その後、豆を12-24時間タンクのきれいな水に浸して、ムシレージ(粘着質)を完全に取り除きます。

乾燥工程では、気象条件によりますが、アフリカンベッドで10-12日間、水分含有量12%になるまで乾燥させます。

エチオピア イルガチェフェは独特の華やかな香りと柑橘系の酸味が特徴です。ウォッシュトで精製されているため、通常のエチオピアコーヒーよりもきれいな味わいとなっています。

丸美珈琲店のエチオピア イルガチェフェ コンガ農協 G-1 ウォッシュト

<このコーヒーについて>
このコーヒーはスペシャルティコーヒーの生産地として有名なイルガチェフェ地域のチェルベサという町に住む約416の小規模生産者たちより集められたマイクロロットです。
このエリアは自然林で覆われており、各生産者の庭先のコーヒーの樹のシェイドツリーとして役割を果たしています。
11月~1月まで続く収穫期の間、生産者たちは丁寧に完全完熟のチェリーのみ収穫します。

摘み取られたチェリーは、「SNAP Specialty Coffee社」所有のウェットミルへと持ち込まれ、醗酵工程を終えたパーチメントは、 アフリカンベッドの上に薄く広げ、ゆっくりと乾燥を進めていきます。
このウェットミルで行われる生産処理は、Mill ManagerであるMr. Girum Assefagが厳しく状態や品質の管理を行なっています。

丸美珈琲店 ホームページより
後藤栄二郎氏の紹介

後藤栄二郎氏は2013年の焙煎技術日本大会で優勝し、2014年のイタリア開催の焙煎技術世界大会で日本代表世界第6位になった方です。

トロピカルフルーツのような華やかなフレーバーとハチミツやキャンディのような甘味が印象的です。甘みに隠れてレモンのような酸味が控えめに顔を出します。とても華やかな印象のコーヒーです。

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