帰山人の珈琲遊戯:星空の誘惑と人文系のコーヒー本5冊
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帰山人の珈琲遊戯 星空の誘惑と人文系のコーヒー本5冊です。

帰山人の珈琲遊戯(GAME of COFFEE)は、2017年に始まった鳥目散 帰山人(とりめちる きさんじん)による焙煎豆販売です。

星空の誘惑と人文系のコーヒー本5冊

MIRACLE AUCTION

Coffee Pro

Coffee Proは、2022年6月8日に開設された、フレーバーコーヒー、Direct Fire Roast 環、帰山人の珈琲遊戯の3ブランドのコーヒーを取り扱うオンラインショップです。

MIRACLE AUCTION

Coffee Proでは、2022年11月23日からMIRACLE AUCTIONが始まりました。コーヒーのオークションに否定的である(と私は思っていた)鳥目散 帰山人(とりめちる きさんじん)も、自身の所有する本と焙煎豆を出品しました。

MIRACLE AUCTIONには、最初に「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズ6冊+「星空の誘惑」、次に人文系コーヒー本5冊+「星空の誘惑」とカフェ本4冊+「星空の誘惑」が出品されました。すべての本が未読でしたが、ライトノベルにもカフェの開業にも興味がないので、人文系コーヒー本5冊+「星空の誘惑」を落札しました。

人文系のコーヒー本を5冊(全て初刷)、オークションに供します。
焙煎や抽出がどうである、道具立てがこうである…そういう話だけでコーヒーの世界は成り立ちません。
異国での紀行はもちろん、詩人にも将軍にも天皇にも、コーヒーが絡んだ話題はあるのです。
それらの一部は、「帰山人の珈琲漫考」ブロクにおける読み込み&ボロクソ批評と照らし合わせてもみてください。

珈琲とエクレアと死人 https://kisanjin.blog.fc2.com/blog-entry-368.html
歴史は動いたのか? https://kisanjin.blog.fc2.com/blog-entry-583.html
赤いレトロな媒染記 https://kisanjin.blog.fc2.com/blog-entry-981.html

珈琲遊戯のクラシコ(定番)ブレンド「星空の誘惑」を飲みながらお楽しみください。
(鳥目散帰山人)

Coffee Pro

コーヒー本には、読み応えのある本や面白そうな本がほとんどない印象があって食指が動かないのですが、帰山人所有の本が自分の手元に渡ってくるのは、なんとなく感慨深い感じがしました。

私にとって、コーヒー本は、コーヒーの生豆やコーヒーの焙煎機やコーヒーの抽出器具とかなり似たところがある存在です。
手に入れる、手元に置いておく、それだけでも好いのかもしれませんが、観察したり検証したり試行したり吟味してこそ、その過程とその先に面白味を感じるからです。
どんな駄豆や駄機や駄具でも、その存在が全く価値がないわけではありません。
コーヒー本もまた、それがどのような内容の本であっても、その価値を見出して拾いあげるのは読み手の吟味によるものだろう、私はそう思います。
だから、モノが人から人へ渡っていくということ、その先に価値を見出したいと願って私は出品しているのです。
もしも Miracle Auction で「本とコーヒー」セットを手に入れた方が、読んだり飲んだりした感想や意見をたった一言でも反応していただければ、それはとても嬉しいことです。
無理強いはしませんが、楽しみにしています。

「本とコーヒー」オークション」,Coffee Pro  by 鳥目散帰山人

ということで、帰山人の珈琲遊戯のクラシコ(定番)「星空の誘惑」を飲みながら、落札した本を読んでみました。

人文系のコーヒー本5冊

「週刊フレーバー・オークションを深掘りする」,フレーバー放送局 2022年11月30日.

内容:本とコーヒー豆
・『住んでみた「日の当たる島」 レゲエとブルーマウンテンコーヒーの国の実相』
 著者:伊藤絢子
 出版社:文芸社
 発売年:2004
・『徳川慶喜家の食卓』
 著者:徳川慶朝
 出版社:文藝春秋
 発売年:2005
・『珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎』
 著者:橋口幸子
 出版社:港の人
 発売年:2011
・『一杯のコーヒー 昭和天皇とマッカーサー』
 著者:綾野まさる
 出版社:ハート出版
 発売年:2013
・『赤いレトロな焙煎機 遥かなる南米大陸をめざして』
 著者:玉川裕子
 出版社:春風社
 発売年:2016
・星空の誘惑(#004 珈琲遊戯) 200g

Coffee Pro

伊藤 絢子『住んでみた「日の当たる島」 レゲエとブルーマウンテンコーヒーの国の実相』

伊藤 絢子『住んでみた「日の当たる島」 レゲエとブルーマウンテンコーヒーの国の実相』

すでに絶版で、古本でも入手困難な本。外交官としてジャマイカに赴任していた著者によるジャマイカの社会生活の実相。ジャマイカのコーヒーに関する記述が少ないが、ある人が「ブルーマウンテンのコーヒーはブルーマウンテンの水で飲もう」というキャッチフレーズで、日本にミネラルウォーターの輸出を試みたことがあるらしい。当然ながら(本には、「なぜか」と書いてあったが)失敗したそうだ。

徳川 慶朝『徳川慶喜家の食卓』

徳川 慶朝『徳川慶喜家の食卓』

著者の曽祖父である徳川十五代将軍、徳川 慶喜の食にまつわるエッセイ。著者はサザコーヒーの「徳川将軍珈琲」の生みの親だが、(親切心か?)そのエピソードの部分にブックマーク(栞紐)が挟んであった。

橋口 幸子『珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎』

橋口 幸子『珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎』

晩年の北村 太郎と親交のあった著者のスケッチ。軽快な文体が、泥沼の生活をセピア色に変える。「大家の夫の詩人」、「友人の詩人」とは誰なのか。本書の後に「珈琲とエクレアと死人」の身も蓋もない論評を読んで、それらの落差に唖然としてほしい。

綾野 まさる『一杯のコーヒー 昭和天皇とマッカーサー』

綾野 まさる『一杯のコーヒー 昭和天皇とマッカーサー』

天皇をいちいち称揚する文体が鼻に付き、読み進めるのが苦痛。我慢して読み進めて「一杯のコーヒー」のエピソードに辿り着いたが、「かもしれない」が「ちがいない」という結論になっており、陰謀論と同じ論理という印象。「深イイ話」程度の話しとして聞いておけば良いのかもしれない。

玉川 裕子『赤いレトロな焙煎機 遥かなる南米大陸をめざして』

玉川 裕子『赤いレトロな焙煎機 遥かなる南米大陸をめざして』

短歌と散文が対になった歌文集。短歌を読んでいると写真が浮かんでくる印象があった。それから散文を読むと、写真集にキャプションされているような文章という印象で、岡井 隆が「反私性」という言葉で言いたかったことがなんとなく分かったような気もする。

本には、綺麗に切り取られた「あいちトリエンナーレ」の新聞記事とトークショーの案内のコピーが挟まっていたが、この過度な几帳面さに帰山人のパラノイア気質を感じる。

帰山人の珈琲遊戯 星空の誘惑

星空の誘惑

【生豆と焙煎の仕立て】

タンザニア連合共和国 アルーシャ地区
スノートップ AA
SL28・SL34・ケント他 ウォッシュト(湿式精製)  34%

コロンビア共和国 リサラルダ地区
アピア SUP ESP
カトゥーラ・カステージョ他 ウォッシュト(湿式精製)  33%

ブラジル連邦共和国 セラード地区・モジアナ地区他
サントス No.2
ムンドノーヴォ・ブルボン他 ナチュラル(乾式精製)  33%

3種類おのおのを直火の手廻し釜で火力一定の「一本焼き」、タンザニア20分00秒、コロンビアは19分25秒、ブラジルは19分30秒、3釜の単品を焙煎後にブレンドしました。
風味に突出したクセはありません。でも、コクがあってキレもよいので、また飲みたくなるような…研ぎ澄ました凡庸を狙う。
甘苦い珈琲「星空の誘惑」は深煎りブレンドのクラシコ(定番)、コク強めの冬味となった焙煎ロット#004 をご笑味ください。

Coffee Pro
「珈琲遊戯新作珈琲2022.10.26」,フレーバー放送局 2022年10月27日.

深煎りのコクがありながら、さっぱりキレのある味わいで、どのような抽出にも合う印象です。帰山人の珈琲遊戯で販売されたコーヒーの中でも、クセがなく非常に飲みやすい味わいです。この味わいが定番販売なのがよく分かります。

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