いつか珈琲屋 台湾 鄒築園(ゾウ・ジュ・ユエン) ゲイシャ ナチュラル ミディアムローストです。
いつか珈琲屋は、神奈川県平塚市にある自家焙煎珈琲店です。代表は、ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ 2016(JCRC)(Japan Coffee Roasting Championship)のチャンピオンの近藤 啓(こんどう ひらく)です。
台湾 鄒築園(ゾウ・ジュ・ユエン) ゲイシャ ナチュラル ミディアムロースト
樂野鄒築園
樂野鄒築園(Zou Zhou Yuan)(以下、鄒築園)は、台湾嘉義県阿里山郷に位置する農園です。
農園主は方政倫(Feng Cheng-lun)です。彼は台湾の先住民族である阿里山郷の鄒族(ツォウぞく)の青年で、「阿里山の咖啡王子」と呼ばれています。
方政倫は、2009年8月1日に鄒築園を創業しました。7日後の8月8日に、台風「モーラコット」による「八八水害(八八水災)」の大きな被害を受け、前途多難な始まりとなりました。
方政倫の父親である方龍夫は、親戚の家を訪れた時に日本占領期から残る古いコーヒーノキを見つけ、200本を摘んで持ち帰りました。彼はそれを家に植え、道端に放置しました。
方龍夫は退役後、故郷の阿里山に戻って一家で茶園や蘭園を経営していました。ある時、方政倫は父親から「200本のコーヒーノキはお前に任せた!」と言われ、彼自身も父親の茶園や蘭園を受け継ぐことに消極的であったため、コーヒーの栽培や精製加工のほうに目を向けました。
当時は阿里山郷にインターネットもなく、台湾でのコーヒーの流行もまだ始まっていなかったため、情報のない中で手探りでコーヒーの探求をはじめました。彼は1つ1つ摘み取ったコーヒーチェリーを素手で剥いたり、コーヒー豆を茶袋に入れて、トラックのタイヤで30回も40回も転がしてみたこともあるそうです。
方政倫は、探求の過程で様々なコーヒーの業界人、専門家、審査員と出会うようになり、精製、乾燥、焙煎などを学んでいきました。彼は様々な実験や情報交換を通じて、実験的な栽培技術や精製方法を探究しました。その結果、鄒築園は、2019年に台湾国産スペシャルティコーヒー品評会(台灣國產精品咖啡豆評鑑)で85.60点を獲得し特等賞(第1位)、85.23点を獲得し頭等賞(第3位)、2020年にはコーヒーレビュー(Coffee Review)で94点を獲得し、台湾コーヒー史上最も高い評価を受けるコーヒーとなりました。
鄒築園のオーナーである方政倫氏は、コーヒー業界で「阿里山のコーヒー王子」の愛称で呼ばれています。 方政倫氏は若く見えますが、彼はすでに数々の賞を受賞し、2017年には十大神農獎を受賞し、SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)認定のカップ審査員の証明書を持っているコーヒーの専門家です。
初めての珈琲
鄒築園は標高1300メートルの山中にあり、日照時間が短く、気温差が大きいため、コーヒーの栽培に最適です。
鄒築園はゲイシャコーヒーの栽培を選び、ゲイシャの香り高い柑橘系とフローラルのフレーバーを生み出しています。
方政倫氏も非常に実験的な精神を持っており、海外でまだ発見されていない品種を探し、自身の荘園に10種類以上のコーヒー豆を植え、1種類ずつテストし、台湾の地質、気候に最適なコーヒー豆を見つけ出そうと試みています。
近年、彼は研究所と協力して、科学的方法を使用して栽培環境のテストをしました。これにより、コーヒー豆の不足している要素をより正確に把握する事が出来ます。
方政倫氏が最も誇りに思っていることは、自身が栽培からロースト、販売等全て一手に引き受けるオールラウンドなコーヒーの専門家であるということです。
方政倫氏は、オールラウンドなコーヒー専門家になることによって、よりお客様の好みを把握し、それをもとに栽培から精製、ローストまで調整をして、初めてお客様にも最高のコーヒーをご提供できると話しています
品種
品種はゲイシャ(Geisha)です。
一般的にコーヒーの風味は産地や品種、精製方法によるが、台湾珈琲では「品種や産地の違いよりも農園の育て方や精製法による影響が大きい」と説明する。例えば、世界中で愛される「ゲイシャ」種では、同じ雲林県でもトロピカルフルーツのような味わいのものもあれば、ジャスミンのように洗練された香りと繊細な味わいのものもあり、嘉義県の農園産ではマンゴーやオレンジなどさまざまな果物の味わいが楽しめるという。
「台湾珈琲③ 飲み口優しく 個性豊かな味わい」,産経新聞 2021年10月20日.
精製方法
台湾は他の生産地に比べて経済が発展しており人件費や物価が相対的に高いため、価格ではなく品質での国際競争力が求められる。このため、それぞれの農家が1粒ずつ熟度を見極めて手摘みしたり、茶葉の生産技術を豆にも応用し独自の発酵・乾燥工程を加えたりと試行錯誤を繰り返す。
「台湾珈琲① コーヒー愛好家が注目 高品質豆の生まれる地」,産経新聞 2021年10月6日.
映画『初めての珈琲』
このロットは、雲林県古坑郷のコーヒーのPRのために製作された映画『初めての珈琲』のキャンペーンとして提供されたコーヒーです。
いつか珈琲屋の近藤 啓は、映画の主題歌を担当した鈴木 亜美(すずき あみ)にコーヒーをドリップして提供しています。
いつか珈琲屋 台湾 鄒築園(ゾウ・ジュ・ユエン) ゲイシャ ナチュラル ミディアムロースト
オーナーは台湾原住民族の一つ、阿里山郷の鄒族(ツォウ族)の青年であり、SCAA(アメリカスペシャルティ珈琲協会)認定のカップ審査員である方政倫氏。鄒築園の珈琲豆は毎年高い評価を受け、台湾国内の神農獎(農産最高賞)を受賞し、アジアのコンペでも優勝経験があります。出ていった同郷の若者たちに帰郷促すため、近年は彼らに珈琲の栽培を指導しています。阿里山の珈琲から、台湾を世界に知ってもらいたい。
いつか珈琲屋
主な受賞歴:
2019 年台湾国産スペシャルティ珈琲 特等賞 頭等賞
2019年 両岸(台湾中国)交流試合 チャンピオン
2018年 アジア大会チャンピオン
他多数
味
近藤、青山のカッピングコメント
フローラル、ジャスミンの香り。ネクタリン、マンゴー、ピーチ、オレンジなど様々なフルーツが折り重なるように感じられるリッチな味わい。味わいは重層的だが、とてもバランスが良く、クリーンでスムース、シロッピー。とても洗練された味わい。Floral, jasmine scent. A rich taste that makes feel that various fruits such as nectarine, mango, peach, and orange are folded. The taste is multi-layered, but very well-balanced, clean, smooth and syrupy. Very sophisticated taste.
いつか珈琲屋
鼻の奥に抜けるようなゲイシャフレーバーから黄色い果実を思わせるような酸味と甘さが広がります。他の産地のゲイシャと比べ、全体としてお茶のような質感と非常にクリーンな味わいをベースに豊かなフレーバーと酸味が広がるような印象です。