ハリオ(HARIO) 創業100年の歴史とV60透過ドリッパーの飛躍

ハリオ(HARIO) 創業100年の歴史とV60透過ドリッパーの飛躍

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ハリオ(HARIO) 創業100年の歴史

"HARIOの歩み",HARIO Official Channel 2018年6月15日.

ハリオ(HARIO)は、1921年10月30日に柴田弘製作所として創業し、2021年10月30日に創業100年を迎えました。初代の柴田 弘(しばた ひろむ)から5代目の柴田 匡保(しばた ただやす)に受け継がれています。創業当初は理化学用ガラスの製造販売をしており、現在の使用されている素材と同じ耐熱ガラスの開発と量産化に成功しました。

「[HARIO TV NEWS] HARIO 工場見学会レポート」,HARIO Official Channel 2013年12月18日.

ハリオは、1948年にハリオ初の家庭用製品としてコーヒーサイフォンを発売、1965年に発売したフリーザーポット 1号型を発売しました。これはやかんで煮出した麦茶をそのままいれて冷やすことのできるガラス製の冷水筒で、大ヒットしました。この大ヒットを受け、1971年に古河工場が完成させました。これは1957年に完成した深川工場に続いて完成した工場でした。しかし、古河工場は2011年の東日本大震災で被害を受けました。

 100 年もの間にあった困難と言えば、東日本大震災です。HARIO の茨城県古河工場も甚大な被害を受けました。HARIO 古河工場では、24 時間休むことなく原料を電気で溶かして耐熱ガラスを生産しているので、電気の供給がストップしてしまったときには、どうすることもできませんでした。その後の社員の努力のおかげで 2 ヶ月足らずで復旧することができました。今もこうして理化学品や家庭用品を製造し続けることができるのも、いくつもの困難を乗り越えてきたからだと身に染みて感じることができます。

HARIO SCI. NEWS vol.124 もうすぐ創業100周年」,ハリオサイエンス株式会社.

その後、1979年に発売したコーヒー&ティープレスのハリオールも大ヒットしました。ハリオは、理化学用品・工業用品・家庭用品の3つの事業を展開しましたが、徐々に家庭用品の事業が大きくなり、その中でもコーヒー分野が圧倒的に強くなりました。2005年に発売したV60透過ドリッパーが世界的な大ヒット商品となり、コーヒー用品の製造会社として世界的に知られるようになりました。

ハリオは、2021年に創業100周年を迎えたことを受けて、過去に販売された商品の復刻版を販売しました。

V60透過ドリッパーの知名度の向上

「INTELLIGENTSIA(インテリジェンシア) Drip Coffee ドリップコーヒー」,oinari73 2012年5月1日.

V60透過ドリッパーは、2005年05月10日に発売されました。2007年度グッドデザイン賞受賞し、2009年6月にアメリカ合衆国で販売が始まりました。

アメリカ合衆国においては、スターバックス(Starbucks)が広まったことで、高品質なコーヒーを飲む土壌が生まれました。その後誕生したサードウェーブのコーヒー店が、ハンドドリップで一杯ずつ抽出し提供を行なった流れの中で、V60透過ドリッパーの使用が広まり、評価が高まりました。

「V60の人気に火がついたのは、アメリカのシアトルが最初です。2008年当時、シアトルではスペシャリティコーヒーというムーブメントが出てきました。その人の好みに合わせて、その人のためだけのコーヒーを入れるというものです。お客様一人一人のために、ペーパー・ドリップでコーヒーを入れるのですが、そこで使われていたのが、ハリオのV60だったんです。ペーパー・ドリップというのは、言ってしまえばただお湯をかけるだけなんですが、人によって仕上がりが異なる。スペシャリティコーヒーができたことで、コーヒーの専門家が出てきたんです」

シアトルのスペシャリティコーヒーブームを支えたハリオのV60フィルター」,家電 Watch 2013年12月26日.

V60透過ドリッパーは、インテリジェンシア・コーヒー(Intelligentsia Coffee)をはじめとするサードウェーブ店が、V60透過ドリッパーを使用したオンライン動画を公開したことから火がつき有名になりました。

2005年に発売されたHARIO V60ですが、2010年までの5年間、アメリカでの販売はほとんど「ゼロ」でした。しかし2012年現在、サンフランシスコのカフェでは当たり前のように使われています。この2年間で何が起こったのでしょうか。

元々、HARIOのコーヒーサイフォンは、米国を始めとする海外でも、コーヒーマニアの間では知られていました。しかし火を使う器具であるため、サイフォンではなくドリッパーだけを提供することにしていたそうです。そのドリッパーが注目された形になります。

2005年は、ちょうど全米でコーヒー熱が高まり始めるタイミングでした。5年間かけてスペシャルティコーヒーからサード・ウェーブのコーヒーカルチャー勃興する絶好のタイミングで紹介されたV60。美しく印象的で、かつおいしくコーヒーを淹れることができる器具は、オンラインビデオで一躍有名な存在になります。

Intelligentsiaなどのロースターが、V60を使ってコーヒーをサーブするビデオをアップし、そのクールな製品とややハウ・トゥ的な側面も相まって、新しいコーヒーの楽しみ方のアイコンとして、V60が一挙に広まることとなりました。

松村太郎「週末珈琲:世界のスタンダードとなった老舗耐熱ガラスメーカーHARIO」,2013年2月10日.

他方で、スコット・ラオ(Scott Rao)が、2007年頃からドリッパー内を攪拌する抽出方法の紹介を始めました。2012年頃になると、V60透過ドリッパーを使用してドリッパー内を攪拌する抽出方法がサードウェーブのバリスタたちに広まり始め、日本では、インテリジェンシア・コーヒーがドリッパー内を攪拌して抽出する動画が話題となりました。その後、V60透過ドリッパーを使用してドリッパー内を攪拌する新たな抽出方法が開発されるようになりました。

コーノ(KONO) VS ハリオ(HARIO)

V60透過ドリッパーのような円すい形のドリッパーの開発は、日本ではコーノ(KONO)の珈琲サイフオン株式会社が先んじています。V60透過ドリッパーは、コーノの名門ドリッパーの特許が切れたことによって開発が可能になった商品ですが、V60透過ドリッパーが世界的なヒットをしたことで、コーノの円すい形ドリッパーは影に隠れた存在となっていまいました。

形状の違いは、円すい形の角度、底穴の大きさ、リブの形状とリブの縁と底への伸びです。コーノでは、液が横漏れすることで雑味が混入することを防ぐためにリブを縁まで伸びておらず、リブの底穴への伸びが大きく、液がゆっくりと落ちる形状となっています。対して、V60透過ドリッパーは、縁まで伸びているスパイラルリブと大きな一つ穴によって透過速度が速く、これにより湯と粉の接触時間が短く済むことで、雑味やえぐみを減らすことができるという形状になっています。円すい形ドリッパー(透過式)の元々の開発意図を無視して、注湯をすべて落とし切ったり、ドリッパー内を攪拌して浸漬式のように使用するサードウェーブのバリスタたちは、透過速度がより速く、時間をかけずに抽出可能なV60透過ドリッパーのほうを好んだと考えられます。

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V60透過ドリッパー

左 01 クリア AS樹脂製 中央 01 ブラック 耐熱ガラス製 右 01 ホワイト セラミック製

V60透過ドリッパーは、ハリオを代表するコーヒードリッパー製品です。サイズは01(1〜2人用)、02(1〜4人用)、03(1〜6人用)、素材はAS樹脂製、耐熱ガラス製、セラミック製、金属製があります。ワールドバリスタコラボレーション(World Barista Collaboration)というバリスタとのコラボモデルも販売されています。

V60透過ドリッパーの特徴として、角度60°の円すい形、大きな一つ穴、長短12本づつ計24本の螺旋状に入ったスパイラルリブが挙げられます。急角度の円すい形、スパイラルリブ、大きな一つ穴という構造は、湯の透過速度を速くさせ、透過式の理にかなった抽出が可能とします。これによって、湯と粉の接触時間が短く済み、フレーバーをより引き立たせ、渋みやえぐみのないクリアな味に仕上がります。

V60透過ドリッパーは、元々はネルドリップに近い味わいを再現する意図でデザインされたドリッパーですが、スペシャルティコーヒーの一部のバリスタが採用する蒸らしの段階でドリッパー内を攪拌し、その後一気に抽出をする浸漬式のような抽出方法でも、蒸らし後の抽出の段階で短時間で抽出が可能なため、渋みやえぐみのないクリアの味に仕上げることが可能です(コーヒーの品質が高いことを前提にすると、雑味は湯温に、渋みやえぐみは抽出時間の長さに関連性が高いと考えることができます)。

AS樹脂製(プラスチック製)

V60透過ドリッパー 01 クリア AS樹脂製 右 V60 レンジサーバー360 01 クリア
V60透過ドリッパー 01 クリア AS樹脂製 右 V60 レンジサーバー360 01 クリア
上 V60透過ドリッパー 01 クリア AS樹脂製 下 V60 レンジサーバー360 01 クリア
スパイラルリブと大きな一つ穴

V60透過ドリッパー AS樹脂製(プラスチック製)は、安価で軽く耐久性があり、購入しやすく汎用性の高いモデルです。温まりにくいですが冷めにくいため、最初にしっかりと温めると効率の高い抽出が可能です。サイズ展開は、01(1〜2人用)、02(1〜4人用)、03(1〜6人用)です。

耐熱ガラス製

上 V60透過ドリッパー 01 クリア 耐熱ガラス製 下 V60 レンジサーバー360 01 クリア

V60透過ドリッパー 耐熱ガラス製は、ハリオの耐熱ガラス製品を使用したドリッパーです。素材の技術とデザイン、形状が一体となった、最もハリオらしいドリッパーであると言えます。サイズ展開は、01(1〜2人用)、02(1〜4人用)、03(1〜6人用)、ホルダー部分は、ポリプロピレン製のブラック、ホワイト、レッド、木製のオリーブウッドがあります。エレガントで美しいデザインが特徴です。

セラミック製

上 V60透過ドリッパー 01 セラミック製 下 V60 レンジサーバー360 01 クリア

V60透過ドリッパー セラミック製は、職人の手作りによる有田焼です。重く壊れやすいですが、美しいデザインのドリッパーです。セラミック製は保温性が高いため、最初にしっかりと温めると、効率の高い抽出が可能です。サイズ展開は、01(1〜2人用)、02(1〜4人用)、色はホワイト、レッドがあります。

金属製

上 V60カパードリッパー 02 金属製 下 V60 レンジサーバー 02 クリア

V60透過ドリッパー 金属製は、メタル(ステンレス製)とカパー(銅製)の2種類があります。金属製は非常に温まりやすいため、短時間で効率の高い抽出が可能です。しかし、保温性は低いため、長時間の抽出には向いていません。また、金属製のため、錆びやすい素材です。サイズ展開は、02(1〜4人用)のみです。

V60 ドリップデカンタ

V60 ドリップデカンタ
V60 ドリップデカンタ

V60 ドリップデカンタは、ドリッパーとサーバーが一体となったデザインです。ジェームス・ホフマン(James Hoffmann)の究極のHARIO V60テクニック(The Ultimate V60 Technique)では、このデカンタの使用が推奨されています。

V60 ドリップスケール

V60 メタルドリップスケール

V60 ドリップスケールは、V60シリーズのスケールです。時間と重さを図ることができるシンプルな機能ですが、比較的安価に購入できます。天板がブラックのV60 ドリップスケール ブラック、金属製のV60 メタルドリップスケールがあります。また、Bluetooth通信でスマートフォンと連携できるコーヒースケール SmartQ ジミーもあります。

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V60 ペーパーフィルター

"[HARIO]V60 Paper Filter - Made in Fuji, JAPAN[VCF]",HARIO Official Channel 2018年10月11日.

V60 ペーパーフィルターは、日本においては、V60 ペーパーフィルター ホワイト(酸素漂白)の袋入りと箱入り、V60 ペーパーフィルター みさらし(無漂白)の袋入りと箱入りの4種類があります。シュリンク包装のV60 ペーパーフィルターもありますが、これはオランダで製造されているため、日本で見かけることはありません。

天間特殊製紙 V60 ペーパーフィルター 右 三洋産業 V60 ペーパーフィルター

袋入りの1〜2杯用、1〜4杯用と袋入りの1〜6杯用、箱入りではペーパーの製造元も製造方法も異なります。ハリオのペーパーは、かつては株式会社 三洋産業(以下、三洋産業)がすべての製造を担っていました。円すい形ペーパーフィルターは、元々三洋産業がコーノのために開発したもので、ハリオは独自の円すい形ドリッパーの製造を始めた頃から、OEM(委託製造)を行なっていました。しかし、2015年頃から、需要の多い袋入りの1〜2杯用と1〜4杯用については、静岡県富士市の天間特殊製紙株式会社(以下、天間特殊製紙)に製造元を切り替えました(動画でも、袋入りを製造している工程を見ることができます)。ここでは、長網式という安価に大量生産が可能な方式が採用されているため。袋入りの1〜2杯用と1〜4杯用は薄くて芯のある硬いペーパーフィルターとなっていて、三洋産業のペーパーフィルターと比較すると目詰まりしやすく低品質のペーパーフィルターとなっています。袋入りの1〜6杯用と箱入りは、引き続き三洋産業が製造を担っています。そのため、柔らかく目詰まりしにくい抜けの高品質なペーパーフィルターとなっていますが、在庫が安定しません。

"The Truth About V60 Filter Papers",James Hoffmann 2018年10月31日.

ジェームス・ホフマン(James Hoffmann)が、箱入り(三洋産業)、袋入り(天間特殊製紙)、シュリンク包装(オランダ)のそれぞれのペーパーを使用した場合のコーヒーの抽出時間とペーパーフィルターを10分間浸漬したお湯の味わいの違いを検証しています。質の高さは、箱入り(三洋産業)>袋入り天間特殊製紙)>>>>シュリンク包装(オランダ)という順序で評価されています。三洋産業の箱入りのペーパーが最も抽出時間を短く終えることができ、お湯の味わいも優れたものとして評価されています。オランダ製のペーパーの質の悪さから、日本の製紙技術の高さを評価することもできます。

ホワイト(酸素漂白)とみさらし(無漂白)については、ホワイト(酸素漂白)のほうが味に与えるネガティブな影響が少なく済みます。リンスするかしないかについては、ホワイト(酸素漂白)は人によって異なり、みさらし(無漂白)は基本的にリンスをすることが推奨されます。みさらし(無漂白)は、環境に良いというイメージがあるかもしれませんが、単なるイメージです。

V60 ペーパーフィルター ホワイト(酸素漂白)

V60 ペーパーフィルター みさらし(無漂白)

三洋産業 フラワードリッパーとアパカフィルター

ちなみに、三洋産業のフラワードリッパーは、ハリオのOEM生産が終了した後に、独自の円すい形ドリッパーとして開発された商品です。

V60 抽出テクニック

V60透過ドリッパーを使った、おいしい珈琲の淹れ方

V60透過ドリッパーを使った、おいしい珈琲の淹れ方

V60透過ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、中細挽きのコーヒーを入れ、コーヒーベッドをフラットにします。湯を中心から珈琲粉全体が湿る程度に注ぎ、30秒程度蒸らします。その後、中心からうず状にペーパーフィルターに直接湯がかからないように注湯し、3分以内に抽出を終えます。これがV60透過ドリッパーを使用した標準的な抽出方法です。

ジョージ・ハウエル マニュアル・コーヒー・ブリューイング

"Coffee Brewing Principles with George Howell",How2Heroes 2014年9月8日.
"Manual Coffee Brewing (Pour Over Coffee) with George Howell",How2Heroes 2014年9月8日.

ジョージ・ハウエル・コーヒー(George Howell Coffee)のジョージ・ハウエル(George Howell)は、V60透過ドリッパーを使用したマニュアル・コーヒー・ブリューイング(Manual Coffee Brewing)を紹介しています。

ジョージ・ハウエルは、ペーパーレスフィルターを使用するかペーパーフィルターを使用するかは好みの問題で、水の種類や温度が重要であると述べています。天然水(Spring Water)を使用するとフレッシュで、クリーン、ブライトな味に仕上がりますが、蒸留水(Distilled Water)は決して使用してはならないと述べています。温度は最低195°F(約90.6℃)から最高205°F(約96.1℃)までの温度で抽出すべきで、201°F(約93.9℃)が完璧であるそうです。これは通常日本で抽出について説明される温度よりも少し高めの温度であるため、浅煎りのコーヒーを前提とした温度設定として考えられます。

ペーパーをドリッパーにセットし、リンスをします。リンスをしないと、ペーパー臭がコーヒーに移るという説明をしています。使用する豆は24gから26g(ジョージ・ハウエルの個人的な好みは24g)に対し注湯量390g、コーヒー業界(海外)では、細挽き(Fine)を推奨するところが多いですが、だまと微粉が多く発生し過抽出の原因となるため、通常よりも粗挽き(Coarse)でグラインド(粉砕)し、抽出時間を3分30秒と長めに取ることで、未抽出を防ぎます。ブレード・グラインダー(Blade Grinder)はバー・グラインダー(Burr Grinder)に比べて、だまや微粉が多く発生し過抽出の原因となるため、バー・グラインダーを推奨しています。

粉をドリッパーに入れ、コーヒーベッドをフラットにし、中央に小さな穴を掘ります。一投目は、40gから50gを注湯し20秒から30秒の蒸らします。この段階で、新鮮なコーヒーであればドームができます。真ん中から周囲に回し入れ、ドームを引き上げすぎないように390gまで少しづつ注湯します。全体の抽出時間は2分30秒から45秒です。

"Hario V60 Brew Guide",George Howell Coffee 2020年7月2日.

ジョージ・ハウエル・コーヒーでは、15秒間隔で65gの水を6回に分けて注ぐことが推奨されています。ジョージ・ハウエルとジョージ・ハウエル・コーヒーの抽出方法は、通常のハンド・ドリップ(ポア・オーバー)に近い方法です。

How2Heroesの"Coffee Brewing Principles"は、2011年に公開されました。V60透過ドリッパーがアメリカ合衆国市場に紹介されてまだ日が浅く、ドリッパー内を攪拌する方法が一般的ではない時代に紹介された抽出方法です。

ジョージ・ハウエル・コーヒーは、様々な抽出器具を用いたブリュー・ガイド(Brew Guides)を公開しています。

  • 粉量 24gから26g
  • 挽き目 通常よりも粗挽き
  • 注湯量 390g
  • 湯温 195°F(約90.6℃)から205°F(約96.1℃)
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド 中央をくぼませる
  • 注投回数 15秒間隔で65gを6回
  • 注湯時間 2分30秒から45秒
  • 抽出時間 3分30秒

インテリジェンシア・コーヒー

"Pour Over Brew Method",Intelligentsia Coffee 2016年7月8日.

インテリジェンシア・コーヒー(Intelligentsia Coffee)は、V60透過ドリッパーを使用したポア・オーバー・ブリュー・メソッド(Pour Over Brew Method)を紹介しています。

ペーパーをセットしリンスします。粉量25gをドリッパーに入れ、コーヒーベッドをフラットにします。1投目は、50gから60gを注湯し蒸らします。その後、総量400gを1分45を目安に途切れなく注湯します。注湯は落としきりです。これは比較的シンプルなレシピです。

  • 粉量 25g
  • 注湯量 400g
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド フラット
  • 注投回数 2投(蒸らし+1投)
  • 注湯時間 1分45秒

スコット・ラオ V60 メソッド

"(old) V60 Method. See new manual pourover video for current method!",Scott Rao 2017年9月16日.

スコット・ラオ(Scott Rao)は、ドリッパー内を攪拌する方法をサードウェーブのスペシャルティコーヒー業界に広めた人物です(彼が最初に始めた訳ではありません)。この方法は、「ラオ・スピン(Rao Spin)」と呼ばれています。

10年前、私がスラリー(ドリッパー内の懸濁体)を攪拌するのを見たほとんどすべてのバリスタがゾッとしていた。 5年前には、サードウェーブのバリスタの約半数が、攪拌することで抽出の質が向上する可能性があることをしぶしぶ受け入れたように見えた。 最近では、「ラオ・スピン」によって均一な抽出がより簡単にできるようになり、私が実演してみせた数人のバリスタはすぐに考えを改めた。

Ten years ago, almost every barista who watched me stir a slurry was horrified.  Five years ago, about half of third-wave baristas seemed to grudgingly accept that stirring may help extraction quality.  Recently, the "Rao Spin" has made uniform extraction even easier to achieve, and the few whom I've demonstrated it for have been instant converts. 

"V60 Video",Scott Rao 2017年9月15日.

スコット・ラオは、ドリッパー内を丁寧に攪拌することで、チャネリング(不均一な透過)を減らし、抽出を均一にし、抽出の再現性を高めると考えています。また、攪拌しない場合は、乾燥したままの粉が存在することで不均一性な抽出となってしまい、攪拌しないで蒸らすと、蒸らしに時間がかかりすぎるとも考えています。

スコット・ラオは、蒸らし+1投もしくは2投での抽出を推奨しています。1投の場合では、1分20秒と抽出時間が短く済むため、カフェでのオペレーションをスムーズにします。2投の場合は、1投よりも粉を粗くグラインド(粉砕)する必要があり、抽出時間も30秒から40秒長くなります。時間に余裕があり、成分を0.5%余分に抽出したい場合は、2投が選択されます。20gから22g以下の粉量を使用して抽出する場合は、より細かくグラインド(粉砕)する必要があり、これによって苦味が増したり、抽出温度が低くする必要があるため推奨されません。また、3投以上での抽出も湯温が下がり、抽出の均一性が妨げられる可能性があるため、推奨されません。

動画では、22gの粉量に対して360gの注湯です。リンスをしドリッパーを温め、粉を入れコーヒーベッドをフラットにします。粉量の3倍の湯で蒸らし、その後1投で抽出します。蒸らしの段階で丁寧に撹拌し、抽出の段階でも攪拌しています。透過式ドリッパーを使用していますが、ドリッパー内に湯溜まりを作り出しており、ほとんど浸漬式の抽出方法となっています。

  • 粉量 22g
  • 挽き目 粉と透過速度によって調整
  • 注湯量 360g
  • 湯温 沸騰させたお湯
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド フラット
  • 注投回数 2投か3投(蒸らし(攪拌) 粉量の3倍(66g)+1投また2投(湯の上部を攪拌) 360gまで)
  • 注湯時間 1分45秒
  • 抽出時間 3分まで

スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ

"How to Brew Coffee in a Hario V60 | Stumptown Coffee",Stumptown Coffee Roasters 2015年7月17日.

スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ(Stumptown Coffee Roasters)の抽出方法は、コーヒーを上手に抽出する方法というよりは、ほとんどファッションです。粉量21g、温度205°F(約96.1℃)、注湯量360g、蒸らし時間15秒、抽出時間3分です。蒸らしの段階の攪拌はかなり雑で、円を描くようではなく螺旋を描くように、10秒から15秒間隔で途切れなく注湯します。また、意図があるのかないのかわかりませんが、ドリッパーの位置がサーバーの位置とズレています。

動画のコメント欄を見るとわかりますが、このような「最先端」のロースターのヒップスター的抽出方法が、アメリカ合衆国の一般消費者に受け入れられているわけではありません。

"An Instant Guide to Making Coffee",&Orange Motion Design 2015年9月16日.

スタンプタウン・コーヒー・ロースターズは、ブリュー・ガイド(Brew Guide)で抽出方法の紹介をしています。

  • 粉量 21g
  • 挽き目 細挽き
  • 注湯量 360g
  • 湯温 205°F(約96.1℃)
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド フラット
  • 注投回数 蒸らし(粉が十分湿るまで注湯し15秒)+ 10秒から15秒間隔で螺旋を描きながら360gまで注湯
  • 抽出時間 3分

ティム・ウェンデルボー

"How to make Pourover/Filter Coffee w/ Tim Wendelboe",Tim Wendelboe 2017年2月21日.

2004年のワールド・バリスタ・チャンピオンであるティム・ウェンデルボー(Tim Wendelboe)もまた、V60透過ドリッパーを使用してドリッパー内を撹拌する抽出方法を紹介しています。

水1ℓに対し粉量65g(動画では、水500mlに対し粉量32.5g)、ペーパーフィルター(白)を使用しリンスします。湯を捨て、ドリッパーに粉を入れます。コーヒーベッドをフラットにし、1投目は60gを注湯しドリッパー内を攪拌します。2投目は30秒後に200gまで注湯し軽く攪拌します。1分経過頃に500gまでさらに注湯します。注湯時間は2分から2分30秒、全体の抽出時間は3分から3分30秒です。抽出時間が長すぎると、苦味の強い過抽出のコーヒーとなります。

コーヒーの味は、粉量ではなくグラインドサイズで調整します。薄くて酸味の強いコーヒーはグラインドサイズが荒すぎ、苦味が強く濃いコーヒーはグラインドサイズが細かすぎます。抽出が終わったら、最後にスプーンでサーバー内を攪拌します。

ティム・ウェンデルボーの抽出方法はスコット・ラオの抽出方法に似ていますが、細かなことは気にする必要はないと述べており、注湯や撹拌も若干雑です。ティム・ウェンデルボーもドリッパー内に湯溜まりを作っていて、ほとんど浸漬式の抽出方法となっています。

  • 水1ℓに対し粉量65g(動画では、水500mlに対し粉量32.5g)
  • 挽き目 味に合わせて調整
  • 湯温 沸騰させお湯
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド フラット
  • 注投回数 3投(蒸らし+2投)
  • 注湯時間 2分から2分30秒
  • 抽出時間 3分から3分30秒

ジェームス・ホフマン 究極のV60 テクニック

"The Ultimate V60 Technique",James Hoffmann 2019年8月5日.

2007年のワールド・バリスタ・チャンピオンであるジェームス・ホフマン(James Hoffmann)の究極のHARIO V60テクニック(The Ultimate V60 Technique)は、V60透過ドリッパーを使用した抽出方法としては、粕谷 哲の4:6メソッドと並んでよく知られている抽出方法です。この抽出方法は、シンプルで反復可能でカフェと自宅での両方で使用可能な方法としてデザインされています。

ジェームス・ホフマンが、ハリオ透過ドリッパーを他のドリッパーよりも好む理由は、大きな一つ穴によって物理的な抵抗なしに湯が流れるためであり、安価で(Cheapest)、壊れにくく(Hard to break)、保温性に優れている(Great job of method heat-retention percepective)ため、プラスチック製がより好ましいそうです。しかし、ジェームス・ホフマンが実際によく使用するのは、V60 ドリップデカンタです。ペーパーはV60 ペーパーフィルター 酸素漂白 箱入り、スケールを使用します。スプーンやケトルはどれでも良いですが、湯を移し替えると温度が下がるため、抽出に影響を与えます。水は非常に重要で、軟水が推奨されます。

1ℓに対し60gのコーヒーの注湯量、動画では30gで500mlです。抽出開始前にリンスを行い、ドリッパーを温めます。粉を投入し、穴を掘り中央にくぼみを作ります。浅煎りに対しては極力高い温度の湯を使用しますが、深煎りの場合は温度を下げて使用します。

一投目は粉量の倍の60mlを注湯し、ドリッパー・デカンタを揺らして粉に均一に湯を浸透させ、45秒間蒸らします。2投目は全体の60%(この場合は、240mlを注湯し300mlまで)を30秒(1分15秒まで)で注湯、ドリッパー内の湯がひたひたの状態になりますが、これによってドリッパー内の温度が高い状態で保つことができます。3投目は残りの湯(200ml)を注湯し、スプーンで時計回りと反時計回りに撹拌し、最後にドリッパー・デカンタを揺らします。

ジェームス・ホフマンは、粉に湯を均一に浸透させるためスプーンで攪拌する方法よりもドリッパーを揺らす方法を推奨してます。

ドリッパー内を攪拌する場合、ドリッパーを揺らす方法(Swirl)とスプーンなど道具を使って攪拌する方法(Stir)があります。どちらも湯を均一に粉に浸透させることを目的としていますが、それぞれ利点と欠点があります。

ドリッパーを揺らす方法は、湯がより均一に粉に浸透しますが、揺らすと湯が下に抜けてしまいます。昔の喫茶店には、最初に滴下した液を捨てることを推奨するところがありましたが、現在はほとんど聞くことがありません。

ペーパー・ネルドリップで珈琲を淹れる場合、お湯を何回かに分けて注ぐ、その一回目は粉を 蒸らす 目的で行います。通常、この段階では濃厚な抽出液が2〜3滴落ちてくるぐらいを目安にしますが、このわずか数滴が珈琲の味に影響を与えます。

この、最初の数滴は非常に良質の苦味が凝縮されている部分ですが、同時に雑味も含まれていて、豆によってはこれを残すと味が濁ることもあるようです。とはいえ、捨てるのは勿体ないのも確かで、この数滴を残せば個性が表に出た、苦味のある味に仕上がりますし、捨てれば苦味の少ない、あっさりしたものが出来ます。

あっさりしたものが好きならば最初の数滴は捨ててしまい、個性の強いものを楽しみたいなら残したままにするようにして、自分の求める味に合わせて使い分けてみてはいかがでしょうか。

もうちょっとだけおいしい珈琲を」,百珈苑

スプーンなど道具を使って攪拌する方法は、湯が下に抜ける割合が相対的には少ないですが、ドリッパーを揺らす方法に比べると湯の浸透の均一性に劣ります。

  • 水500mlに対し粉量30g
  • 挽き目 中細挽き
  • 湯温 焙煎度によって、温度を調整
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド 中央をくぼませる
  • 注投回数 3投(蒸らし45秒(撹拌(Swirl))+2投目 全体の60%(30秒)+3投目(撹拌(Stir)+(Swirl)))
  • 注湯時間 1分50秒
  • 抽出時間 3分30秒

余談として、東京のカフェ・ド・ランブルでコロンビアの1954年のオールドコーヒーを飲み、言葉で説明しようのない奇妙なコーヒー(Indescribable weird coffee)を味わったそうです。

井崎 英典 世界一美味しいコーヒーの淹れ方

「世界一美味しいコーヒーの淹れ方 〜ワールド・バリスタ・チャンピオン井崎英典が教える6つのポイント〜」,ダイヤモンド社 公式チャンネル 2020年1月15日.

2014年のワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎 英典(いざき ひでのり)は、『ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方』という書籍をダイヤモンド社から出版しています。そこで「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」を紹介しています。

HARIOの「V60」は底面にある抽出口が大きく、リブも長いため、お湯の抜けが良いドリッパーです。お湯の抜けが良い分、淹れ手によって湯量をコントロールすることで濃度感も調整しやすいドリッパーと考えられています。サッパリした濃度感を求めたい人に向いていると思います。

井崎 英典「え、こんなに違うの? コーヒーの味はドリッパーで劇的に変わる」,ダイヤモンド社 2020年1月22日.

水100gに対し豆(粉量)6g〜8g(動画では、水300gに対して豆(粉量)21g(18g〜24g))、ペーパーフィルターをセット、リンスしドリッパーとサーバーを温めます。井崎は、V60透過ドリッパー セラミック製を使用しています。

セラミックはドリッパーで最も愛されている素材の1つです。見た目のエレガントさや重厚さがインテリアとして映えますし「ドリッパーと言えばセラミック」というイメージをお持ちの方も多いと思います。

セラミックはプラスチックより保温性が高い素材ですが、気をつけるべき点は「重量がプラスチックより重い」ことです。重量が重ければ抽出温度を劇的に下げますので、セラミックのドリッパーを使用する際には抽出前に入念に温めておくことが重要です。(中略)

きちんと温めて使うなら、やはりセラミックのドリッパーがおすすめです。セラミックのドリッパーであれば、きちんと温めれば保温性も高いですし、抽出温度を保ちやすい素材だと思います。

井崎 英典「え、こんなに違うの? コーヒーの味はドリッパーで劇的に変わる」,ダイヤモンド社 2020年1月22日.

コーヒーベッドをフラットにします。井崎は彼が敬愛するジェームス・ホフマンと同様に、ドリッパーを揺らすことを推奨しています。注投は3投、1投目は20%で蒸らし(60g)を1分間、2投目は20%(60g)、3投目は60%(180g)です。

"Hario V60 Pour Over by Matt Perger",Matt Perger 2012年7月30日.

注投は、中心から円を描くように縁までお湯をかけます。井崎が共同代表を務めるバリスタ・ハッスル(Barista Hustle)の創業者マット・パーガー(Matt Perger)が、V60透過ドリッパーを使用した抽出方法を紹介していますが、彼もまた縁までお湯をかけることを推奨してます。

3投目の後、再びドリッパーを揺らします。抽出時間は3分から4分です。井崎の世界一美味しいコーヒーの淹れ方は、ジェームス・ホフマンの究極のHARIO V60テクニックを原型にして、そこにマット・パーガーの抽出方法を組み入れた抽出方法と言えます。

  • 水100gに対し粉量6g〜8g
  • 挽き目 濃度に応じて調整
  • 湯温 93℃(焙煎度に応じて、2℃から4℃上下)
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド フラット
  • 注投回数 3投(蒸らし 1分間(撹拌(Swirl))+2投(3投目に撹拌(Swirl))
  • 抽出時間 3分から4分

井崎にとって、「「世界一美味しい」とは、自分が本当に美味しいと感じられる自分好みの最高の1杯を意味」するそうです。自分好みの最高の1杯を探究したい人は、ダイヤモンド社の連載と書籍を当たってください。

粕谷 哲 4:6メソッド

「ワールドブリュワーズカップ2016優勝 粕谷哲の抽出理論「4:6メソッド」」,HARIO Official Channel 2020年4月28日.

PHILOCOFFEA代表の粕谷 哲(かすや てつ)の4:6メソッドは、注湯量を4対6に分けて味を調整する抽出方法です。最初の40%で甘さを、次の60%で濃度を調整します。グラインド(粉砕)は粗挽き、粉量の3倍の湯量を45秒間隔で5回に分けて注ぎます。基本的な抽出レシピでは、5回の注湯でそれぞれ同じ注湯量ですが、注投回数や注湯量を変えることで味を調整します。注湯は落としきりです。

動画では、粉量20g、注湯量300g、1投60ml×5、抽出時間は3分30秒です。

この理論では、甘さと濃度がポジであり、酸味は甘さの、苦味やボディは濃度のネガとなります。そのため、酸味、苦味、ボディ、口当たりといった要素から味わいを説明する従来の発想から自由に見えます。

  • 粉量1:湯量15
  • 挽き目 粗挽き
  • 湯温 焙煎度によって調整
  • スケールを使用
  • リンスあり
  • コーヒーベッド フラット
  • 注投回数 5投(注投回数や注湯量は調整可能)
  • 抽出時間 3分30秒
"TETSU KASUYA - JAPAN (WORLD BREWERS CUP 2016 CHAMPION )",Zain Tajuddin 2016年11月14日.

粕谷は、2016年のワールド・ブリュワーズ・カップ(WBrC)(World Brewers Cup)で4:6メソッドを使用し優勝を果たしました。

"[HARIO]Kasuya Model Series [KDC/KDK/KCB/KCS]",HARIO Official Channel 2018年4月2日.

ハリオは粕谷と共同で製品開発を行なっており、「粕谷モデル」として販売されています。

丸美珈琲店 ニューウェーブドリップ

「丸美珈琲 with HARIO V60」,V60cafe HARIO 2014年9月25日.

ニューウェーブドリップ(NEW WAVE DRIP)は、丸美珈琲店オリジナルの抽出方法です。

粕谷 哲の4:6メソッドが、コーヒーを粗挽きでグラインド(粉砕)することにより、クリーンさとフレーバーを引き出すことを目的にしていたのに対し、このニューウェーブドリップでは、コーヒーをエスプレッソ並みに極細挽きにします。蒸らしの段階でドリッパー内をヘラやバターナイフ、スプーンで攪拌、その後1投で注湯します。注湯は落としきりです。

具体的なレシピは、丸美珈琲店のホームページで確認できます。粉量、湯量、蒸らし時間は厳格に守る必要があります。この抽出方法では、細かなことに気を配る必要がなく、簡単に安定した味わいのコーヒーの抽出が可能であるという利点があります。ただし、コーヒーの焙煎が深くなるほどエスプレッソの味わいに近くなるため、お湯で薄めるのも1つの方法です。

丸美珈琲店では、スペシャルティコーヒーの特性を引き出すために焙煎度は浅めに仕上げています。

そしてニューウエーブドリップで抽出するとその味わいが際立ち、軽い味わいを好む方に特におすすめです。

レシピ通りに抽出する事が大事ですが、ポイントはコーヒーを抽出直前にできるだけ細かく挽く事.

コーヒーは細かく挽く程、酸素に触れる表面積が大きくなる為に酸化しやすくなり劣化につながります。

その為、コーヒーミルを用意する事をおすすめします。

レシピ通りに抽出するとスペシャルティコーヒーのもつ澄んだ後味が最後に感じられます。

この方法で抽出するとコーヒーが濃くなりすぎ酸味が収斂して渋みが感じられる場合があります。

そんな時はお湯で薄めるのも一つの方法です。

NEW WAVE DRIPについて No2」,丸美珈琲店 コーヒーと暮らしのものがたり 2018年3月28日.

V60 抽出テクニック

ジョージ・ハウエルインテリジェンシア・コーヒースコット・ラオスタンプタウン・コーヒー・ロースターズティム・ウェンデルボージェームス・ホフマン井崎 英典粕谷 哲
粉量24gから26g25g22g21g32.5g30g21g(18g〜24g)20g
挽き目通常よりも粗挽き粉と透過速度によって調整細挽き味に合わせて調整中細挽き濃度に応じて調整粗挽き
注湯量390g400g360g360g500g500g300g300g
湯温195°F(約90.6℃)から205°F(約96.1℃)沸騰させたお湯205°F(約96.1℃)沸騰させたお湯焙煎度によって、温度を調整93℃(焙煎度に応じて、2℃から4℃上下)焙煎度によって調整
スケール使用使用使用使用使用使用使用使用
リンスありありありありありありありあり
コーヒーベッド中央をくぼませるフラットフラットフラットフラット中央をくぼませるフラットフラット
注投回数15秒間隔で65gを6回2投(蒸らし+1投)2投か3投(蒸らし(攪拌) 粉量の3倍(66g)+1投また2投(湯の上部を攪拌) 360gまで注湯)蒸らし(粉が十分湿るまで注湯し15秒)+ 10秒から15秒間隔で螺旋を描きながら360gまで注湯3投(蒸らし+2投)3投(蒸らし45秒(撹拌(Swirl))+2投目 全体の60%(30秒)+3投目(撹拌(Stir)+(Swirl)))3投(蒸らし 1分間(撹拌(Swirl))+2投(3投目に撹拌(Swirl))5投(注投回数や注湯量は調整可能)
注湯時間2分30秒から45秒1分45秒1分45秒2分から2分30秒1分50秒
抽出時間3分30秒3分3分3分から3分30秒3分30秒3分から4分3分30秒
V60 抽出テクニック

すべてのバリスタや店が共通して、スケールを使用して豆の重さや注湯量、時間を測るレシピを組み立てており、抽出を開始する前にリンスをし蒸らしの段階を置いています。注湯した際の粉の反応によって抽出をコントロールするという、名人芸的抽出方法は紹介されていません。

ジョージ・ハウエル以外は、浸漬式に近い抽出方法を採用しており、ジョージ・ハウエルと粕谷以外は、ドリッパー内を撹拌する方法を採用しています。浅煎りのスペシャルティコーヒーの場合、浸漬式近い方法で抽出すると、成分が十分に引き出され、なおかつクリーンな味わいに仕上げることは可能です。丸美珈琲店のニューウェーブドリップでは、少ない粉量で浅煎りの安定した抽出が可能なレシピとなっています。逆に浅煎りのスペシャルティコーヒーを少ない粉量で、渋みやえぐみなく十分に成分を引き出すような透過式の抽出をするには、それに相応しいドリッパーの形状の設計が必要になります。

V60透過ドリッパーを使用した抽出方法は、これ以外にも数多く紹介されています。抽出方法自体は、ドリッパー(フィルター)の種類・形状(+ネル)、ペーパーの形状、ペーパーの抄紙工程、リンス有り無し、コーヒーベッド、蒸らし有り無し、蒸らし時間、豆の特性、焙煎度合、エイジング、メッシュ、粒度分布、微粉有り無し、粉の温度、水の種類、水を沸騰させるかさせないか、沸騰時間、湯温、土手有り無し、注投回数、流量、流速、注湯量、抽出時間など、それぞれの要素の組み合わせによって無数に創造可能なため、「最も良い」と宣伝される抽出方法はその中の1つが意図的に選択されたものに過ぎません。新しい抽出方法の創造が、バリスタや店の自己宣伝(価値誘導)であることも考慮に入れる必要があります。実際には、淹れ方が変われば味が変わるというだけです。

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