グアテマラ アカテナンゴ・バレーと原産地呼称保護
グアテマラのコーヒー生産地域
グアテマラのコーヒー生産地域は、1960年に設立されたアナカフェ(Anacafé)(英語:Guatemalan National Coffee Association、スペイン語:Asociación Nacional Guatemalteca de Café)によって認定されています。
アナカフェ(Anacafé)は、アンティグア・コーヒー(Antigua Coffee)、トラディショナル・アティトラン(Traditional Atitlan)、レインフォレスト・コバン(Rainforest Coban)、フライハネス・プラトー(Fraijanes Plateau)、ハイランド・ウエウエ(Highland Huehue)、ニュー・オリエンテ(New Oriente)、ボルカニック・サン・マルコス(Volcanic San Marcos)の7つをコーヒー生産地域として認定していました。
2012年に、アカテナンゴ・バレー(Acatenango Valley)が認定に加わり、グアテマラのコーヒー生産地域は8つに区分されることとなりました。
アカテナンゴ・バレー
アカテナンゴ自治体
グアテマラは、行政区画として22の県(英語:Department、スペイン語:Departamento)に分類されています。アカテナンゴ・バレーは、グアテマラ(Guatemala)チマルテナンゴ県(Chimaltenango Department)アカテナンゴ自治体(Acatenango Municipality)に位置しています。
アカテナンゴ自治体は、グアテマラがスペインから独立した後、1825年に設立されました。アカテナンゴのある場所は、元々中央グアテマラの先住民族であるカクチケル族(Kaqchikel People)が住んでいました。17世紀に入植者がやってきた後、スペイン植民地時代にフランシスコ会の修道院が多く作られました。
「アカテナンゴ(Acatenango)」という名前は、アカテナンゴ火山(英語:Acatenango Volcano、スペイン語:Volcán Acatenango)から取られています。メキシコで「壁」を意味する"Tenamilt"と「ヨシまたはアシ(葦)」を意味する"Acalt"が名前の語源で、「葦の囲い」を暗示しています。
アカテナンゴ・バレー
アカテナンゴ・バレーは、アカテナンゴ火山(英語:Acatenango Volcano、スペイン語:Volcán Acatenango)とフエゴ火山(英語:Fuego Volcano、スペイン語:Volcán Fuego)の裏手に位置しています。
これらの火山の頻繁な噴火によって絶え間なく降り注ぐ火山灰が豊富なミネラル分を土壌に与え、太平洋からアティトラン火山(英語:Atitlán Volcano、スペイン語:Volcán Atitlán)まで伸びている高原の、至る所に吹く暖かい風が霜害を防ぎ、天日乾燥を可能にします。この火山の活動は、周辺一帯の地域に大きな影響を与えます。
標高1,300m - 2,000mの高地で、気候は温暖です。この地域の西側と北側は無数の丘や山が走る起伏に飛んだ地形で、この全域に多くの小川が流れています。
アカテナンゴ・バレーでは、シェードツリーの木陰でコーヒーが栽培されています。この地域ではグラビエラ(Gravilea(Gravillea robusta))、インガ・エドゥリス(Cuje (Inga sp.))、グアチピリン(Guachipilín (Diphysa americana))という熱帯性の植物がシェードツリーに使用されています。
品種
アカテナンゴ・バレーの主要栽培品種は、カツーラ(Caturra)と伝統的に栽培されているブルボン(Bourbon)、カツアイ(Catuai)です。
味
アカテナンゴ・バレーのコーヒーは、香り高さ、際立った酸味、バランスのとれたボディ、クリーンで余韻に優れた後味を特徴としています。味の特徴は、農園や品種、精製方法によって異なります。
原産地呼称保護
アカテナンゴ・バレーは、アンティグア・コーヒーに近接しているため、コーヒー生産地域としてはアンティグア・コーヒーの影に隠れた存在でした。かつてアカテナンゴ・バレーで生産されたコーヒーは、アンティグア産として販売されることもあったようです。
“The intermediaries sell ripe coffee from Acatenango as if it is from Antigua. It’s a problem all along the chain,” said Luis Pedro Zelaya, president of the Genuine Antigua Coffee Growers Association (APCA).
"Guatemala coffee atlas to fight fake gourmet beans",REUTERS 2007年1月20日.
2006年に、アカテナンゴのコーヒーの原産地呼称生産者協会(APDOCA)(英語:The Association of Coffee Producers Designation of Origin Acatenango、スペイン語:La Asociación de Productores Denominación de Origen Café de Acatenango)が設立され、アカテナンゴ・バレーの原産地呼称保護の運動が始まりました。
2012年10月4日に、アカテナンゴ・バレーは、8番目のコーヒー生産地域として、アナカフェ(Anacafé)に原産地呼称保護の認定を取得することになりました。
Anacafé: Café Acatanango obtiene denominación de origen:https://www.estrategiaynegocios.net/csp/mediapool/sites/EN/CentroAmericayMundo/CentroAmerica/Guatemala/GTNegocios/story.csp?cid=472274&sid=1420&fid=330
2015年10月5日には、「チマルテナンゴ県のアカテナンゴ・バレーのコーヒーのナッツにようなフレーバー(The coffee bean with a nutty flavor from the Acatenango Valley)」が「工業所有権保護(Industrial Property Registry)」の認定を取得しました。
ASOCIACIÓN DE PRODUCTORES DENOMINACIÓN DE ORIGEN CAFÉ ACATENANGO:https://www.centralamericadata.com/en/search?q1=content_en_le:%22Asociaci%C3%B3n+de+Productores+Denominaci%C3%B3n+de+Origen+Caf%C3%A9+Acatenango%22
原産地申告の認証プロセスを形式化するために、アカテナンゴの3人のコーヒー生産者がアカテナンゴのコーヒーの原産地呼称生産者協会(APDOCA)に集まりました。そのうちの1人は、ラ・ソレダード農園(Finca La Soledad)を運営しているエニオ・ペレス(Henio Pérez)氏です。
2015年10月28日に、アナカフェ(Anacafé)とアカテナンゴのコーヒーの原産地呼称生産者協会(APDOCA)は、原産地呼称の使用と管理の規則に従って提供される労働とサービスのガイドラインに関連する行動を調整することを目的とした協定に署名しました。これはアカテナンゴの生産者、輸出業者、労働組織の情報を確認するための技術的な支援の提供とアカテナンゴのコーヒーの品質とトレーサビリティを確かなものにするために必要な業務と活動の登録を促進するための協定です。
原産地呼称保護を現実化するプロセスには、すべてのコーヒー生産者が同意しなければならない様々な法的要求があります。認定された8つのコーヒー生産地域のうち、原産地呼称保護の手続きに従っている地域は、アンティグア・コーヒーのみです。
アカテナンゴ・バレー(Acatenango Valley):https://real-coffee.net/category/coffee-origin/central-america/guatemala/acatenango-valley