
カフェ ランバン ケニア カリミクイ・ファクトリーです。
カフェ ランバンは、北海道札幌市にある自家焙煎珈琲店です。
ケニア カリミクイ・ファクトリー
ケニヤ
ケニア(Kenya)は東アフリカに位置するイギリス連邦加盟国の共和制国家です。赤道直下にあり、北にエチオピア、北西に南スーダン、西にウガンダ、南にタンザニア、東にソマリアと国境を接し、南東はインド洋に面しています。首都はナイロビ(Nairobi)です。
ケニアで栽培されるコーヒーは、ほとんどがアラビカ種です。ケニアの高原、火山灰の土壌、適度な降雨量は、アラビカ種コーヒーの生産に最適な環境を提供しています。ケニアでは、枝刈り、適切な時期の収穫および処理などの、コーヒー農園の管理が厳密になされており、病気や害虫の防除には特に注意が払われています。
ケニアのコーヒーの歴史は複雑で、イギリスの植民地であったため、ケニアコーヒーの歴史はその国家の歴史と独立のための闘いを反映しています。 ケニアはコーヒーの起源と見なされているエチオピアに近接しているにも関わらず、長い間コーヒーの生産は行われていませんでした。
1885年頃、タンザニアとの国境近くで栽培されていたコーヒーが、ケニアのテイタ丘陵南部の村、ブラにまで栽培が広まったのが、ケニアでの最初のコーヒー栽培だと言われています。このタンザニアのコーヒーの始まりは、1877年にフランス人宣教師がレユニオン島から持ち込んだブルボンが最初です。
東アフリカには、レユニオン島(旧ブルボン島)由来のブルボンと、イエメン由来のモカが持ち込まれ、これらが東アフリカに広まる過程で、この二つを区別するために、前者のブルボンが「フレンチミッション」、後者のモカが「スコティッシュミッション」と呼ばれるようになったようです。
ケニアのコーヒー栽培については、旦部 幸博氏の百珈苑BLOG「東アフリカの品種」と「ケニアのコーヒー栽培」を参照できます。
ケニアは1895年にイギリス領になってから、1963年にケニヤッタ大統領(Kenyatta)が独立を勝ち取るまでに長く植民地の時代が続いていました。イギリスがケニアに植民地化した後、特定の換金作物は白人入植者によって栽培が管理されることとなり、ケニア人はそのために安価な労働として白人たちに使われることになりました。コーヒーはこの特定の換金作物の一つでした。
1952-1960年に続いたマウマウの反乱(Mau Mau war)までは、ケニア人の一部にコーヒーを栽培することが許可されていましたが、どのくらいコーヒーノキを生育できたかが厳密に管理され、彼らはコーヒー豆を飲料として直接消費することは許されませんでした。
ケニアではかつて、すべてのコーヒーが政府の管理の下、一元的に処理して販売されていました。このコーヒーの栽培と販売に関する政府の規制は、2006年に緩和されるまで続いていました。かつては政府主導のオークションを通じてのみコーヒーを販売することができましたが、現在では直接または協同組合を通じてコーヒーの売買契約することも可能になっています。
ルンゲト生産者協同組合
ルンゲト生産者協同組合(Rungeto FCS)(Rungeto Farmers Cooperative Society)は、1996年に設立された協同組合です。
ケニア山国立公園(Mount Kenya National Park)の南部に位置するルンゲト(Rungeto)には、1950年代にコーヒーが持ち込まれました。
ルンゲト生産者協同組合(Rungeto FCS)は、この地域の大手協同組合であったンギリアマ協同組合(Ngiriama Cooperative Society)の解散後に、1965年に設立されたキイ(Kii)、1968年に設立されたカリミクイ(Karimikui)、1995年に設立されたキアンゴイ(Kiangoi)の各ファクトリーが合流し、1996年に結成、1997年にコーヒーの精製を開始しました。
ルンゲト生産者協同組合(Rungeto FCS)は、キイ、カリミクイ、キアンゴイの3つのファクトリーを所有しており、キリニャガ ・カウンティ(Kirinyaga County)の標高1,700-1,800m、約1,400の小規模生産者が栽培したコーヒーが持ち込まれます。
ルンゲト生産者協同組合(Rungeto FCS)は、ケニアの他の生産者協同組合(FCS)よりも規模が小さいですが、精製の質に重点を置いており、トレーサビリティと品質の高さで定評があります。
また、ルンゲト生産者協同組合(Rungeto FCS)は、乳製品の冷却プラントも経営しており、月に12万リットル以上の牛乳を取り扱う、ケニアで最大の乳製品会社の1つです。
カリミクイ・ファクトリー
カリミクイ・ファクトリー(Karimikui Factory)は、1968年に設立されたミルです。中央州(Central)キリニャガ・カウンティ(Kirinyaga County)に位置しています。
カリミクイ・ファクトリーには、ギツレイア(Githureia)、ギツバ(Gituba)、キアムグモ(Kiamugumo)の村で栽培されたコーヒーが持ち込まれます。現在、ほとんどの小規模生産者が、コーヒーではなく茶を栽培している地域です。
品種
品種はSL-28とSL-34です。
SL-28とSL-34は、ケニアのスコット研究所(Scott Laboratories)(現在の国立農業研究所(NARL)(National Agricultural Research Laboratories))から輩出された品種です。スコット研究所は1903年にケニアのカベテ(Kabete)に設立された東アフリカ初のコーヒー研究所です。SL-28とSL-34は、この研究所から輩出された代表的な品種で、高品質なコーヒーとして知られています。
SLは"Scott Laboratories"の頭文字で、この研究所に集まられた種苗コレクションから選抜した品種に付けられました。SLの品種群は「SL選抜種(Scott Laboratories selection)」と呼ばれています。
SL-28はSLシリーズの28番目、SL-34は34番目のセレクションです。
精製方法
精製方法はウォッシュト(Washed)です。
収穫されたコーヒーチェリーを完熟実と未完熟実に手選別、24時間から36時間のドライ・ファーメンテション、水路で水洗後、綺麗な水でソーキング(水槽発酵)されます。
その後、アフリカンベッドで12日から20日間かけて天日乾燥させます。
味
ケニアに特有の赤ワインやカシスのような濃厚なフレーバーと重い酸、黒糖のような甘さが特徴です。
ケニア特有の明るく強い酸とカシスのようなフレーバーについては、旦部 幸博氏の『コーヒーの科学「おいしさ」はどこで生まれるのか』の「ケニアに潜むカシスの香り」に詳しいです。
カフェ ランバン ケニア カリミクイ・ファクトリー

カリミクイ・ファクトリーはケニアでも優良産地のキリニャガ県に位置しています。ケニアらしい明るくて濃い酸味と、黒糖のような甘みが特徴です。
カフェ ランバン ホームページより
カフェ ランバンでは、コーヒーの焙煎度を選択できます。ケニア カリミクイ・ファクトリーは、浅煎り(ライトロースト)、中煎り(ミディアムロースト)、深煎り(フレンチロースト)、極深煎り(イタリアンロースト)から選択できます。
浅煎り(ライトロースト)


味
レモンのような明るいフレーバーと酸味が華やかに広がり、黒糖のような甘さが控えめに主張します。浅煎りですが、濃厚な味わいを持つコーヒーです。
中煎り(ミディアムロースト)


味
黒糖のような控えめですが濃厚な甘さを持つフレーバーが広がり、明るく華やかですが重い酸がずっしりと口に残リます。
深煎り(フレンチロースト)


味
赤ワインやカシスのような濃厚なフレーバーと重い酸、黒糖のような甘さが印象的です。濃厚でずっしりと重い味わいです。
極深煎り(イタリアンロースト)


味
赤ワインのような濃厚なフレーバーと重い酸、ブランデーのような味わいが印象的です。濃厚でずっしりと重い味わいです。
<参考>
「カリミクイ・ファクトリー(キリニャガ)」,ATC Specialty Coffee<https://www.specialtycoffee.jp/beans/2402.html>
「Kenya Rungeto Coffee」,Crema.co<https://crema.co/countries/kenya/rungeto>