小川珈琲:パナマ デボラ農園 ゲイシャ ナチュラル SCAJ 2019 スペシャル・エディション

小川珈琲のパナマ デボラ農園 ゲイシャ ナチュラル SCAJ 2019 スペシャル・エディションです。小川珈琲は京都府京都市右京区に本社を置くコーヒー会社で、創業60年以上の歴史を持つ老舗です。

小川珈琲について、ocogawaより

パナマ デボラ農園 ゲイシャ ナチュラル SCAJ 2019 スペシャル・エディション

小川珈琲 商品ページより

パナマ ボルカン地区

パナマ(Panama)は中米で最も南アメリカ大陸の近くに位置し、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の境であるパナマ地峡を形成しています。西はコスタリカ、東はコロンビアに接し、北はカリブ海、南は太平洋に面しています。

パナマは紀元前1300年以前にはすでに先住民が生活していたと考えられています。パナマ中部や西部のチリキ県から金製品や彩色土器などが出土しているため、パナマにはオルメカ、マヤ、アステカなどの大規模な遺跡文明はありませんでしたが、これらを使用する先住民文化は存在していた考えられています。 1492年のコロンブスの新大陸発見後、パナマもスペインによって植民地化されます。1519年に現在の首都であるパナマシティ(パナマ市)が設立されると、ここがスペイン本国との船の拠点として繁栄しました。

17世紀-18世紀になるとヨーロッパでのコーヒー飲用が本格化したのに伴い、オランダやフランスの植民地でコーヒー栽培が始まり、グアテマラ、コスタリカ、メキシコなど中央アメリカにも18世紀後半にコーヒーが伝わりました。

パナマコーヒーの栽培は、コスタリカ国境に近いパナマ西部チリキ県(Chiriquí Province)ボケテ地区(Boquete District)を中心に行われています。デボラ農園はこのボケテのさらに西にあるチリキ県ボルカン(Volcán)地区に位置しています。

このボルカン地区には、デボラ農園だけではなく、2019年のベスト・オブ・パナマ(Best Of Panama(BoP))で一躍注目を浴びたジャンソン農園(Janson Coffee Farm)や、世界一高額なコーヒーを生産することで有名なナインティプラス(Ninety Plus®)、名門のカルメン農園(Carmen Estate)があります。

パナマ デボラ農園

デボラ農園、Finca Deborahより

パナマ デボラ農園(Finca Deborah)は他のパナマのコーヒー農園同様に、チリキ県のバル火山周辺に位置しています。「花の谷(VALLEY OF FLOWERS)」、「常春(ETERNAL SPRING)」とも呼ばれる美しいカルデラ渓流を見下ろすバル火山の高地にあり、標高1,900mとパナマでも最も高い標高、最も遠隔の地に位置する農園の1つです。

農園主はアメリカ人のジャミソン・サベージ(Jamison Savag)氏で、彼の妻はパナマ人のレスリー・H・フレイタグ(Leslie H. Freitag)女史です。

1915年にレスリー女史の祖父母に当たるジョン・S・ヴァンデハンズ(John S. Van der Hans)とジェーン・マリー・ブレッソン・ヴァンエプ(Jane Mary Bresson Van Eps)が、小さなカリブ海の島、キュラソー島からパナマに移り住みました。彼らはこの地域で当時数少なかった薬剤師として、パナマ運河の建設に携わっていた人々の病気の治療と根絶に取り組みました。レスリー女史は彼らから数えて第4世代目に当たります。

ジャミソン氏はアメリカで投資会社を経営していましたが、2007年にこの農園を購入しました。標高が高く、コーヒー栽培が難しい場所でしたが、2010年にゲイシャの初収穫がありました。

また、コーヒー品質協会(Coffee Quality Institute(CQI))仕様に基づいた気象ステーションと品質管理ラボが、それぞれ2014年と2015年に完成しました。

環境

デボラ農園は農園を複数のセクションに分ける3つの尾根により、3つの異なる微気候(マイクロクライメット、Microclimates)が存在します。 また、珍しい動植物豊かな自然環境にあり、1年間のほとんどが熱帯雨林の雲に覆われています。コーヒー栽培には、有機肥料と有機抑草剤を混合したものが使用され、農薬や除草剤は使用されていません。高い標高に位置しているため、夜は10℃にまで気温が下がるほど、昼夜の寒暖差のある気候です。

収穫

収穫は2月から5月に行なわれます。完熟実のみが手摘みされます。

パナマの他の農園と同様に、デボラ農園の主要な収穫労働者はパナマの先住民族であるノベ・ブグル(Nôbe-Buglé)族です。農園では彼らに快適な住居、社会保障、医療サービス、衣類、個人用の庭、食肉や卵用の鶏を提供しています。

品種

品種はゲイシャ(Geisha,Gesha)です。

ゲイシャは2004年のベスト・オブ・パナマで、エスメラルダ農園のゲイシャが当時破格の落札価格を記録したことから一躍有名となった品種です。

このロットは、グリーンチップ・ゲイシャ(Green Tip Geisha)という新芽が緑色のゲイシャです。

精製方法

精製方法はナチュラル(Natural、乾式)です。

アフリカン・ベッドで約20日間乾燥させます。

NATURAL

We believe our natural process adds unique and outstanding flavor characteristics that develop Deborah’s cup profile to it’s fullest potential. Jamison designed a special 3 tiered, African bed system that allows for delicate, even drying. The system takes into consideration three primary variables; heat, airflow, and cleanliness.

After approximately 20 days the naturals are removed from the lowest level and placed in airtight bags and placed in bodega where reposo begins. Processing clean, natural coffees is a labor intensive and precise endeavor requiring attention to detail, discipline, and experience. Additionally, the Natural method is more environmentally friendly in that no water is used during the process.

Finca Deborahより

リポーゾ(REPOSO)

精製された後のゲイシャは倉庫で保管され、休養の時間が与えられます。この休養の時間のことを「リポーゾ(REPOSO)」と言います。パーチメント(Parchment)付きの状態でコーヒー豆に休養時間を与えることで、コーヒー豆を湿度や温度の変化から保護し、長持ちさせ、コクのある味わいにするといった、いくつかの良い効果が与えられると考えられています。

パナマ デボラ農園とWBC

バーグ・ウー氏の2016年WBC、源譯咖啡Starling Glowerより

パナマ デボラ農園は、台湾のバーグ・ウー(Berg Wu)氏が、2016年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(World Barista Championship(WBC))で、この農園のゲイシャを使用し優勝したことで、世界的に有名な農園となりました。デボラ農園のゲイシャは現在、WBCでよく使用されるコーヒー豆として知られています。

小川珈琲とSCAJ 2019

小川珈琲の衛藤 匠吾氏のJBC 2019、SCAJConferenceより

◆◆◆◆◆◆◆SCAJ2019出品◆◆◆◆◆◆◆
アジア最大のスペシャルティコーヒーイベント【SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2019】に出品したコーヒーです。

小川珈琲 商品ページより

このロットは、SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2019(以下、SCAJ 2019)に出品されたコーヒーです。

小川珈琲と、2015年にデボラ農園と契約を結びました。新たなコーヒー農園の開拓を目的にパナマに訪れた小川珈琲のコーヒーバイヤーが現地でカッピングを行い、コーヒーの優れた出来栄えと農園主のジャミソン氏の情熱に共感し、その場で契約を結ぶことになりました。

SCAJ 2019で開催されたジャパン・バリスタ・チャンピオンシップで、小川珈琲の衛藤 匠吾バリスタがパナマ デボラ農園 ゲイシャ カーボニック・マセレーション・ウォッシュト「イルミネーション」を使用しました。

「イルミネーション」ロットについては、以下の記事を参照してください。

パナマ ゲイシャはジャスミンやベルガモットのような明るく華やかフレーバーと柑橘系の酸味を特徴としています。

パナマ ゲイシャのナチュラル精製はウォッシュト精製と比べて、果実感が強く複雑なフレーバーに仕上がります。

小川珈琲のパナマ デボラ農園 ゲイシャ ナチュラル SCAJ 2019 スペシャル・エディション

小川珈琲の焙煎機は、ロースター タイプ R、ロースター タイプ RZ、ディードリッヒ焙煎機の3種類があります。このロットは、ディードリッヒ焙煎機で焙煎されています。

ディードリッヒ焙煎機は、コーヒー生産者が設計した焙煎機で、「コーヒー豆がもともと持っている個性を充分に引き出して欲しい」という想いで設計されています。ディードリッヒ焙煎機は、コーヒー豆に熱を加える際の、熱の対流、伝導、輻射をバランス良くコントロールします。原料の個性や持ち味を活かすために、急激に熱を加えることなく、じっくり芯まで均一に焼き上げることができます。焦げた風味や苦味が少なく、アフターテイストにまろやかな甘さが感じられる仕上がりが特徴です。

小川珈琲 ホームページより

熟したグレープやダークチェリーのようなフレーバー、ハチミツのような甘味、ジャムのようなとろみのある口当たりが印象的です。通常のナチュラル精製よりも味が強く、アナエロビック ・ファーメンテーション精製のゲイシャに近い味わいがします。

<参考>

Finca Deborah<http://www.fincadeborah.com/jp/>





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