辻本珈琲:コスタリカ プエンテ・タラス ティピカ ハニー

今回は辻本珈琲のコスタリカ プエンテ・タラス ティピカ ハニーの紹介です。辻本珈琲(TSUJIMOTO coffee)は株式会社すてきなじかん(SUTEKI NA JIKAN Inc.)が運営する大阪府和泉市春木町にあるコーヒー店です。元々日本緑茶を取り扱う「辻本製茶」が1983年にコーヒー事業を開始したのが最初ですが、2003年にコーヒー事業が独立し、「辻本珈琲」となりました。そして、2019年に株式会社すてきなじかんはコーヒーの国際的な品評会であるカップオブエクセレンス(Cup of Exellence、CoE)を運営するメンバーとして参画することになりました。

コスタリカ プエンテ・タラス ティピカ ハニー

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は f_06_costarica_500p.gif です

コスタリカ

コスタリカ(Costa Rica)は中央アメリカの小さな共和国です。北はニカラグア、南東はパナマと国境を接し、南は太平洋、北はカリブ海に面しています。首都はサン・ホセ(San José)です。この小さな国土の中に、地球上すべての生物種のうち5%が生息しているといわれているほど生態系に富んだ豊かな国土です。環境保護先進国としても名高く、全国土の1/4以上が国立公園・自然保護区に指定されています。コスタリカは1988年からコーヒー栽培を法律によってアラビカ種のみに限定し、ロブスタ種の栽培が禁止されました。そのため、コスタリカはスペシャルティコーヒーがコーヒー生産量の約50%を占める、高品質なコーヒーを栽培する国として知られています。コスタリカでは、1933年に設立されたコスタリカコーヒー協会(ICAFE)がコーヒー農家の支援をしており、環境に配慮したコーヒー生産に取り組んでいます。

コスタリカは18世紀の終わりにコーヒー栽培が始まり、それはセントラル・バレー地区の高地にゆっくりと広まっていきました。そして、コスタリカは中米でコーヒーを産業として確立した最初の国となりました。

コスタリカの8つの代表的なコーヒー生産エリアがあります。タラス(Tarrazú)、トレスリオス(Tres Rios)、セントラル・バレー(Central Valley)、オロシ(Orosi)、ウェスト・バレー(West Valley)、ブルンカ(Brunca)、トゥリアルバ(Turrialba)、グアナカステ(Guanacaste)の8つです。コスタリカ プエンテ・タラス ティピカ ハニーを生産するプエンテ・タラス・マイクロミル(Puente Tarazzu)は、タラス地区に位置しています。

コスタリカは複雑な地形で、海から来る風がこの複雑な地形を通ることによってマイクロクライメット(微気候)がはっきりと生まれます。また、土地は隆起した時代によって土壌が異なるため、少しの場所の違いでも味に変化が生まれやすいです。首都サンホセ(San Jose)の南部に位置するタラスはコスタリカコーヒの名産地として名高く、明るく高い酸味、非常に優れたボディ、非常に優れたアロマを特徴としています。

コスタリカは、他の中米諸国とは異なり、農園規模が小さく、収穫したコーヒーチェリーを農協系、または大手の加工会社に搬入する分業制が主流でしたが、近年ではマイクロミルの導入が進んでいます。マイクロミルの導入によって、家族や親類などの農園が小規模な水洗処理設備、乾燥設備を共有し、地区特性を反映した高品質のコーヒーを一貫して生産することができるようになります。コスタリカでは現在、150を超えるマイクロミルが導入されていると言われています。

コスタリカ プエンテ・タラス

プエンテ・タラス・マイクロミル(Puente Tarrazú Micro mill)はタラス地区周辺のコーヒー農家のいくつかの家族が共同で運営するマイクロミルです。このマイクロミルはタラス地区のサンタ・クルス・デ・レオン・コルテス(Santa Cruz de Leon Cortes)に位置しています。このマイクロミルの所有農園は1,400m-1,750mに位置しています。コスタリカ プエンテ・タラス ティピカ ハニーのティピカ種を栽培しているのはロドルフォ・リベラ(Rodolfo Rivera)氏です。(プエンテ・タラスのサン・マルティン農園(San Martin)のゲイシャについて以前に書いた記事はこちらから)。

コスタリカのハニー・プロセス

精製方法はイエロー・ハニー(Yellow Honey)です。コーヒー豆の精製方法は、大きく2つに区分できます。1つは、収穫したコーヒーチェリーをそのまま天日干し乾燥させ、その後、脱穀してコーヒー生豆を取り出す伝統的なナチュラル(Natural、乾式)です。もう1つの方法は、収穫したコーヒーチェリーの果肉と外皮を除去し、発酵、水洗いをしたパーチメント(Parchment、果肉除去した後のコーヒー豆)を乾燥させ、完全乾燥後に脱穀するウォッシュト(Washed、湿式)です。ナチュラルでは果肉の風味や甘味、酸味がコーヒー豆に移りやすく、複雑で強い味わいに仕上がります。ウォッシュトでは水洗いするため綺麗な味わいに仕上がり、コーヒー豆が持つ本来の風味を楽しむことが出来ます。ハニー・プロセスはその中間の半水洗式の一種です。ハニーはコーヒーチェリーの表皮だけを剥がし、ムシレージ(Mucilage、粘液質のこと、一般的にはミューシレージとも)を残した状態で乾燥工程に入ります。

収穫したコーヒーチェリーは傷むスピードが非常に早いため、すぐに精製処理施設に集められます。精製処理施設に集められたコーヒーチェリーは、選別後、パルピング・マシーン(Pulping machine、果肉除去機)によって果肉除去されます。ハニー・プロセスは、このパーチメントを醗酵行程をおかずに、ミューシレージを残した状態で天日乾燥させます。それによってムシレージの糖分と酸味がコーヒー豆に移り、複雑な香味やボディをもったコーヒー豆に仕上がります。またハニー・プロセスでは、パルパー(Pulper、果肉除去)の工程で過熟豆、未熟豆を取り除くことが出来るというメリットもあります。

ハニー・プロセスによって仕上げたコーヒーの味わいは、ムシレージの量と乾燥時間によって大きく変化します。ハニー精製は、ムシレージの量と乾燥時間によって「ホワイト・ハニー」、「イエロー・ハニー」、「レッド・ハニー」、「ブラック・ハニー」に区別されますが、ムシレージの量と乾燥時間が実際にどの程度なのかは、農園や精製所、精製を指定する商社やコーヒー会社によって異なります。

プエンテ・タラス・マイクロミルはイエロー・ハニー精製を採用しています。これはブラジルのパルプド・ナチュラル(pulped natural)に似た精製方法です。プエンテ・タラス・マイクロミルはこの精製方法を完成させることによって、コーヒーを甘味と同時に透明感がある洗練された味に仕上げることを実現しました。

コスタリカのハニー・プロセスは、コスタリカのコーヒー生産者であるファン・ラモン・アルバラード氏(Juan Ramon Alvarado)のハニー・プロセスのコーヒーが、2012年のカップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence)で93.47点を獲得し優勝、過去最高額で落札されたことから一躍有名になりました。このロットを落札した企業は、日本の丸山珈琲、工房 横井珈琲、株式会社ボンタイン珈琲、台湾の欧舎咖啡(ORSIR COFFEE)です。

品種

品種はティピカ種(Typica)です。ブルボン(Bourbon)と並ぶアラビア種の代表的な品種です。ティピカは、インドネシアのジャワ島からオランダの植物園へ、そしてパリの植物園、そこからカリブ海のマルティニク島に苗木が持ち込まれ育てられた木からカリブ海の島々、中南米に伝播した品種です。円錐形の高木で、約3,5~4,0mまで成長します。病害虫に弱く、生産性は低いですが、香味に優れ、品質が高いのが特徴です。

この農園では、非常に生産量の少ない希少なティピカです。

ティピカ種特有の香ばしさ、イエロー・ハニーのほのかな蜂蜜のような甘味とコスタリカらしい非常にクリーンな味わいが特徴です。

辻本珈琲のコスタリカ プエンテ・タラス ティピカ ハニー

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は CCI20190307_3-723x1024.jpg です

プエンテ・タラス ハニー&ティピカは、当マイクロミルの共同経営者の一人、ロドルフォ・リベラ氏のもつ農園に植えられている貴重なティピカ品種だけを収穫して、それをさらにハニーコーヒー仕立てに精製したコーヒーです。
ロドルフォ・リベラ氏は収穫したチェリーは農協に買い取ってもらうのが一般的な生産者に対し、独自の精製工場でコーヒー豆まで仕上げることでテロワール(産地特性)、品種、精製方法等のトレーサビリティを明確にし
美味しさを追及しています。
同氏が所有する農園の1,600mを超える高地でゆっくり熟した手摘みされたティピカ種は、年間にわずか数百キロ(10袋程度)しか生産されない貴重なスペシャルティコーヒーです。 

辻本珈琲ホームページより

焙煎

焙煎:ミディアムロースト(8段階中3番目)

中浅煎りです。ちょうど基準となる焙煎度です。1ハゼが終わったぐらいの焙煎度です。酸味が強く、苦味は弱いです。焙煎する最初の段階の時にちゃんと水分抜きを行わないと、渋みが目立って、飲みにくくなります 。コーヒー豆の品質が味にわかりやすく表現される焙煎度合いです。高級豆はこのミディアムローストが多いです。

欠点豆なく、キレイです。

ティピカ種特有の香ばしさと、ティピカ種とハニー精製のほのかな甘味が、非常にキレイに感じられるコーヒーです。コスタリカらしいクリーンさに際立ったコーヒーです。

<参考>

「Producer Profile: Rivera family & Puente Tarrazú」,COLLABORATIVE COFFEE SOURCE<https://www.collaborativecoffeesource.com/>2019年7月24日アクセス.

「Our Relationships / Tarrazú / Costa Rica」, Exclusive Coffees<https://www.exclusivecoffeecr.com/relationships_tarrazu.html>2019年7月24日アクセス.

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事