ニュー・オリエンテ(ヌエボ・オリエンテ)
グアテマラのコーヒー生産地域
グアテマラのコーヒー生産地域は、1960年に設立されたアナカフェ(Anacafé)(英語:Guatemalan National Coffee Association、スペイン語:Asociación Nacional Guatemalteca de Café)によって、8つの地域が認定されています。
ニュー・オリエンテ(New Oriente)(または、ヌエボ・オリエンテ(Nuevo Oriente))は、グアテマラの東部に位置するコーヒー生産地域です。
ニュー・オリエンテ(ヌエボ・オリエンテ)
グアテマラは、行政区画として22の県(英語:Department、スペイン語:Departamento)に分類されています。ヌエボ・オリエンテ地区の位置するグアテマラ東部は、サカパ(Zacapa)、チキムラ(Chiquimula)、ハラパ(Jalapa)、エル・プログレソ(El Progreso)、フティアパ(Jutiapa)の5つの県から成り立っています。
サカパ県
サカパ県(Zacapa Department)は、グアテマラの北東部に位置する県です。標高は低めで、気候は温暖です。「ロン サカパ(Ron Zacapa)」というラム酒の製造で有名です。
チキムラ県
チキムラ県(Chiquimula Department)は、グアテマラの南東部に位置する県です。グアテマラ国内では、「東の真珠(La Perla de Oriente)」として知られています。気候は温暖で、グアテマラ国内では最も気温の高い地域の1つです。
ハラパ県
ハラパ県(Jalapa Department)は、グアテマラ南東部に位置する県です。「ハラパ(Jalapa)」の名前の由来は、ナワトル語の "Xal-a-pan" で、「砂浜の場所」という意味です。人口の大部分はメスティーソです。多様な気候がありますが、全体的に温暖な気候で、標高の高い場所では、12月から1月に霜が発生する場所があります。
エル・プログレソ県
エル・プログレソ県(El Progreso Department)は、グアテマラの中央東部に位置する県です。グアテマラで最も人口が少ない県です。気候は多様ですが、一般的に温暖な気候で、東に行くと砂漠のような光景の広がります。
フティアパ県
フティアパ県(Jutiapa Department)は、グアテマラ最南東部に位置する県です。「フティアパ(Jutiapa)」とは、「太陽の昇る場所」という意味です。丘陵地帯で、街を見下ろす場所に「十字架の丘(Cerro de La Cruz)」があります。この県は牛と馬が象徴となっており、家畜見本市が開かれています。
フティアパ県には、ボルカン・スチタン(英語:Suchitan Volcano、スペイン語:Volcán Suchitan)、グアテマラとエルサルバドルの国境にまたがるボルカン・チンゴ(英語:Chingo Volcano、スペイン語:Volcán Chingo)という成層火山があります。グアテマラで火山活動による自然の多様性が最も顕著に現れるのが、このフティアパ県です。
ニュー・オリエンテ(ヌエボ・オリエンテ)
ニュー・オリエンテ(ヌエボ・オリエンテ)は、ホンジュラスとエルサルバドルの国境に隣接するグアテマラの東部のコーヒー生産地域です。グアテマラ国内でも歴史的に貧しく孤立した地域の1つでしたが、近年コーヒー生産地として急速に成長しています。かつては標高が高く、急斜面が多い地形のため、コーヒー栽培が困難な環境と思われていました。しかし、近年では恵まれた土壌と気候から、高品質なコーヒーの生産できる優良な産地として注目されています。
ニュー・オリエンテは、1950年代からコーヒーが栽培され始めました。この地域のコーヒー生産が成長し始めたのは、1980年代以降のスペシャルティコーヒーの需要の増加に伴ってからのことです。現在では、この地域の山の斜面は、ほとんどがコーヒー農園で埋め尽くされています。
ニュー・オリエンテは、シエラ・デ・ラス・ミナス(Sierra de las Minas)の山岳地帯で、非常に豊かな森林生態系が広がっています。気候は温帯から寒冷気候です。東に行くほど気温が高くなる傾向にあります。
ニュー・オリエンテは、標高1,300m - 1,700m、気温18℃ - 25℃、年間降雨量1,800mm - 2,000mm、雲りや雨が比較的多い地域です。古くは火山地帯であったため、土壌は変成岩(既存の岩石が変成作用を受けてできた岩石)や軽石を含む石灰岩で、ミネラルのバランスが整っています。火山活動が活発なグアテマラの他のコーヒー生産地域とは、土壌が異なっています。コーヒー栽培はシェードツリーの木陰で行われているため、この地域の山林とコーヒー農園は、多様な鳥たちの生育する環境になっています。
品種
ニュー・オリエンテの主な栽培品種は、ブルボン(Bourbon)、カツーラ(Caturra)、カツアイ(Catuai)、パチェ(Pache)です。
収穫時期
収穫時期は12月から3月です。
味
ニュー・オリエンテのコーヒーは、香り高く、チョコレートのようなフレーバーを持つバランスのとれた味わいが特徴です。味の特徴は、農園や品種、精製方法によって異なります。
ニュー・オリエンテ(New Oriente):https://real-coffee.net/category/coffee-origin/central-america/guatemala/new-oriente