フジローヤル(FUJI ROYAL) Revolution
完全熱風式焙煎機 Revolution
Revolutionは、株式会社 富士珈機のフジローヤル(FUJI ROYAL)が開発した低温完全熱風焙煎機です。2010年9月22日から24日まで開催されたSCAJ 2010(SCAJ ワールドスペシャルティコーヒーカンファレンス アンド エキシビション2010)で初披露されました。
Revolutionは、フジローヤル 小型ロースターで唯一の熱風式焙煎機です。
「熱風式」ロースター
FUJI ROYAL 小型ロースターでは、「REVOLUTION」1機種が、熱風式ロースターです。
「熱風式」ロースターは、燃焼炉で作り出した熱風をシリンダー内へ送り込み、コーヒー豆に熱を伝えます。燃焼炉とシリンダーは遮られた造りのため、シリンダーを直接加熱することはありません。
熱風式
軽やかな味わい。優しい口当たりのコーヒーの焙煎に向いています。伝導熱が少なくなるため、コーヒー豆の個性がより引き立つ焙煎が可能です。
※ 風味の特徴は一例です。
「10月特集:ロースターの構造(第1回)」,FUJI ROYAL 2020年10月5日.
熱風式焙煎機は、伝導、対流、輻射の3つの熱の移動形態のうち、対流熱がメインで焙煎を進行します。
直火式焙煎機は読んで字のごとく直接コーヒー豆にバーナーから作られた熱カロリー
が当たります、一昔前の焙煎機は直火式が多く<メグロなどは100%>しかもドラムのすぐ下に
バーナーがありコーヒーを煎るというより炒るとか焼くという言い方のほうがより正しかったのでは。
しかし現状の直火焙煎機は昔と大きく違って熱源がドラムと離れ、豆温度に対して比例させたカロリーを
与えることができればとてもクリアできれいなコーヒーに仕上がります、またクイックにカロリーコントロール
できますので好みの香味を作ることが可能になります。
熱カロリーイメージ
鉄板の伝導熱 20% 熱風 70% 輻射熱 10%半熱風焙煎機は直火式とバーナーの位置は同じです、しかしバーナーによって作られたカロリーは
鉄板を介して豆に当たります、またドラムの後部から排気ダンパー操作によって送り込まれる熱風量をコントロールできます。
熱カロリーイメージ
鉄板の伝導熱 40% 熱風 50% 輻射熱 10%鉄板による伝導熱はコーヒー豆の表面から浸透してゆきます、結果カラメル化しコーヒーにコーヒーらしい
香味をつけます、また熱風による豆へのエネルギー浸透力は強くコーヒー豆に大きな熱循環を与え
しかもカラメル化しないクリアな仕上がりの香味になります、
輻射熱は焙煎工程の補助的な役割で焙煎機の予熱や余熱を管理すれば常に一定のカロリー
をえれます。
熱風焙煎機は鉄板の伝導熱は基本ありません、浸透力のある熱風を豆温度に対してコントロールすれば
ふっくらローストビーフみたいなコーヒーが作れます。
熱カロリーイメージ
「豆への浸透力と味」,DISCOVERY*cafe 2011年7月13日.
鉄板の伝導熱 0% 熱風 90% 輻射熱 10%
Revolutionは、従来の熱風式焙煎機と違い、焙煎温度を変えずに1kg~5kgまでのコーヒーを焙煎できます。
従来の熱風焙煎機と違い焙煎温度を変えずに1KG~5KGまでのコーヒーを焙煎出来ます。
「FUJI ROYAL REVOLUTION」,DISCOVERY*cafe 2010年3月29日.
簡単に言えば1Kから5Kまでの焙煎機が5台分ということになります。
通常少量焙煎のときは温度センサーに充分豆が当たらず排気温度もひろってしまいます。
新設計シリンダーにより1KGのコーヒーでも充分温度センサーに触れ、またシリンダーの回転スピードもコントロールしておりますので少量焙煎にも対応出来ました。
Revolutionは、焙煎機の従来のアナログ操作から、数値による操作によって焙煎を制御します。
焙煎を数値化し味づくりを立体化してコーヒー豆に合った焙煎をする、制御が複雑で数値がほぼ無段階に変えれるのでロースト制御に自動焙煎も取り込む。
我々機械屋は毎日毎日機械と睨めっこなので焙煎機の動きとコーヒーの味作りの連動性に欠けるので、アドバイザーとして日本屈指の珈琲理論を持つ神戸『樽珈屋』大平様を迎えよう。などREVOの開発には2年の月日と莫大な開発費用、つらい深夜作業を経てようやく世に送り出せるようになりました。完全熱風焙煎機が最高の焙煎機とは全く言えませんが、焙煎の数値化と命令伝達と珈琲の香味の連動には完全熱風式しかなかったのです。
「REVOLUTION」,DISCOVERY*cafe 2010年7月23日.
Revolutionの開発には、樽珈屋(TARUKOYA)の太平 洋士がアドバイザーとして関わっています。
時代と共に変わりゆく価値観。自分自身の技術力。業務内容の変化。それに伴い焙煎という不可欠な加工に対して崇高な理想を求め、焙煎機の機能を変えてきた。
「完全熱風焙煎機 REVOLUTION」,樽珈屋
直火、半熱風、そして熱風へと。熱風では難しかった小型化とシリンダーへのこだわりを私の提案として受けて頂きながら、富士珈機への協力とで完成した未来型熱風機「レボリューション」富士珈機の最高傑作であり、私の分身である。
Revolutionは、熱風式の低温焙煎によって、香味と経時変化のバランスの取れたコーヒーを作り出すことができます。
FUJIROYAL REVOLUTIONが創るコーヒーの特徴
「FUJIROYAL REVOLUTION検証会報告①」,DISCOVERY*cafe 2011年2月4日.
・ 口当たりが非常に柔らかいこと
・ 深煎りのコーヒーが焦げ付かず非常に甘さが残ること
・ 賞味期限が従来機に比べ2倍長持ちすること
・ 加工品〈ドリップバック、リキッド〉の品質が高くなったこと
・ パターン焙煎出来ることによって労力が軽減できること
・ お店の営業中に焙煎が出来、より自家焙煎のアピールができること
◆低温で焙煎するためのカロリーの作り方◆
「FUJIROYAL REVOLUTION検証会報告①」,DISCOVERY*cafe 2011年2月4日.
従来の熱風焙煎機では焙煎温度が450℃近くで焙煎します、450℃の熱風に珈琲生豆はぐいぐい加熱され焙煎終了の温度へ到達いたします。このときのコーヒーの香味は口当たりが荒くキメの細かさはでません、しかし味の重たさはあまりなく全体的には軽い味わいになります。
しかしFUJIROYAL REVOLUTIONでは焙煎温度を300℃前後で焙煎しております、なぜ300℃なのか?もっと低温例えば250℃で焙煎するにはより大風量で焙煎をしなければなりませんが、コーヒーらしい香味は出ず生臭くなってしまいます。逆により高温例えば400℃で焙煎するとコーヒー豆の表面が荒れやはり口当たりがきつくなります。このような検証の結果、香味と経時変化の両立を計れたのが300℃付近の温度帯になりました。
株式会社 富士珈機の福島 建三(ふくしま けんぞう)は、樽珈屋(TARUKOYA)の太平による、コーヒーの香味に重たさをもたせる「Cカーブ焙煎プロファイル」、香味、経時変化を両立したバランスの良いコーヒーを作り出す「Iカーブ焙煎プロファイル」、浅煎りのコーヒーに大きなフレーバーをもたせるが深煎りには向かない「Sカーブ焙煎プロファイル」の3つの焙煎プロファイルを合わせた「CIS焙煎プロファイル」を紹介しています。
FUJIROYAL REVOLUTION焙煎検証 2011/1/22
「FUJIROYAL REVOLUTION検証会報告②」,DISCOVERY*cafe 2011年2月4日.
今回の目的☆バーナーのPIDをスロー設定にしてⅠローストカーブを作る
現在、Ⅰ ローストカーブ<温度カーブが比例のグラフになる>を作るには4段変速を焙煎中盤までに使ってしまうためPID設定値で炉温と製品温を同調させて上昇させる。一段目に高温をセットして検証する
PID制御は、比率制御(Proportional)に積分制御(Integral)と微分制御(Derivative)を加えたフィードバック制御です。
PIDの
P値は目標温度までの階段の数
I値はオフセットの補正力D値は外乱補正力
「FUJIROYAL REVOLUTION検証報告③」,DISCOVERY*cafe 2011年2月4日.