
ルリウェブとルリコーヒー
ルリウェブ
ルリウェブ(RULIWEB 루리웹)は、2000年1月に創設された韓国最大級のビデオゲーム情報サイトおよび総合コミュニティである。もともとは個人が運営するゲーム情報ホームページとして出発したが、韓国内でブロードバンドが普及する時期と重なり、いち早く最新情報を発信するサイトとして急速に知名度を高めた。
サイトの名称は、創設者が通信サービス、ハイテル(Hitel)で使用したID「ONRULI」(ONNURIの誤字)に由来するとされている。一方、ユーザーの間ではアニメ『機動戦艦ナデシコ』のキャラクター「ホシノ・ルリ」が元になっているとの説も存在する。
ルリウェブはビデオゲームを中心としつつ、アニメ、漫画、フィギュア、創作、スポーツ、料理など多様な趣味分野を扱う巨大掲示板システムを備えている。韓国の代表的な総合オンラインコミュニティの一つであり、全インターネットコミュニティの中でも上位に位置するアクセス数を維持している。
ルリウェブは、掲示板形式の投稿システムを中核に据え、ユーザー同士が情報やコンテンツを共有することを特徴とする。特にユーモア掲示板(Humor Bulletin Board)とユーザー情報掲示板(User Information Bulletin Board)はアクセスの中心をなしており、情報交換のみならず文化的・社会的議論の場としても機能している。
共同創設者のパク・ビョンウク(Park Byeong-wook)とジン・インファン(Jin In-hwan)は、大学時代にともにルリウェブを立ち上げた。パクは運営のために大学を中退し、以来20年以上にわたり代表取締役としてサイト経営を主導してきた。パクは、サイト上で「スマイル(smile)」というニックネームを使用していたため、ユーザーの間では「スマイル」と呼ばれることが多い。
2000年代中盤に入り、サイトは急拡大を遂げ、韓国を代表するゲームコミュニティとして知られるようになった。同時に、ユーザー層の拡大に伴い、掲示板間の衝突や炎上が増加し、運営難度が高まった。パクは掲示板管理者の権限を強化し、不適切投稿の取り締まりを強化したが、彼の対応が「独断的」または「高圧的」と受け取られることもあった。特にユーザーとのコミュニケーションにおける表現の強さや、問題への対応の仕方がしばしば議論を呼んだ。周囲からは「変わっているが良い人」という評価が共通しているようで、現在のように直接的な運営から手を離して、やりたい事業だけしろという意見が多かったようである。
2009年、ルリウェブはポータルサイト、ネイト(Nate 네이트)の運営下に入った。2010年に独立し、独立ドメイン(ruliweb.com)で運営。しかし、2011年にはダウム(Daum 다음)の運営下に入った。外部提携は経営基盤の安定化という点では合理的であったが、2011年の大規模サイト改編時にはレイアウト崩壊や掲示板機能の削除などが発生し、ユーザーの反発が激化。大量脱退や「難民」移住が起き、ルリウェブ史上最大の混乱期となった。
2016年7月、ルリウェブはダウムとの提携を終了し、再び独立ドメイン(ruliweb.com)として運営を開始した。以降、システムの改良や機能追加を経て安定化し、HTTPS化や統合検索機能、ベスト記事システムなどを導入した。
2010年代後半以降、サイトは多様化を遂げ、ゲームにとどまらずアニメ、漫画、映画、プラモデル、創作など幅広いジャンルを包括するコミュニティへと拡大した。投稿やコメントにはレベル制度や推薦/非推薦システムが導入され、ユーザーの信頼度が可視化される仕組みが整った。また、マイピー(Mypi)と呼ばれる個人ブログ機能やホットディール掲示板というユーザーの生活に密着したコンテンツも支持を集めている。ホットディール掲示板は、ゲーム関連商品の予約・割引情報を共有する目的で新設されたが、後には食品や日用品を扱う投稿が増え、ユーザーから高い人気を得ている。特に冷凍餃子の価格情報が増えたことで、多くのユーザーが突然冷蔵庫に大量の冷凍餃子を備蓄し、「餃子ウェブ(Dumpling Web)」という愛称まで生まれたほどである。
2019年以降は、GIF画像をMP4形式に自動変換する軽量化機能、HTTPSへの完全移行、統合検索システムの導入など、技術面での向上が図られた。こうした継続的な改良により、ルリウェブは速度・安全性・利便性を兼ね備えたサイトへと進化した。
2020年代に入ってからは、パクはより文化的・創造的な方向へ事業を広げ、「ライブ・ルリ(Live Ruli)」プロジェクトを立ち上げ、自社所属のバーチャルYouTuber(Vtuber)を企画・支援するなど新領域への展開を行った。さらに、自らも「バ美肉」キャラクターとして放送活動を行うなど、ルリウェブをオンライン文化の発信拠点として多層的に発展させた。
2024年6月、個人放送での発言や運営上の混乱により新たな騒動が発生し、パクは会計を除く全業務から退いた。現在はルリウェブの直接の運営からは距離を置き、カフェの経営や放送事業など個人の活動に重心を移している。
ルリコーヒーとDefinitive.
パクは食事のために頻繁に日本を訪問していた。その際に訪れた珈空暈の鈴木 樹(すずき みき)バリスタからDefinitive.を紹介され、顧客となった。そして、Definitive.の韓国支店として、2024年にソウル特別市中区明洞にルリコーヒー(RULI COFFEE 루리커피)をオープンした。
ルリコーヒーは、パナマのコーヒーを始めとして、最高級のコーヒーが取り扱っている。Definitive.と共同でベスト・オブ・パナマ(BoP)(Best of Panama)などのオークションコーヒーを落札したり、イベントを開催している。
最近では、2023年のワールド バリスタ チャンピオンであるボラン・ウム(Boram Um)とも親交が深い。
ルリコーヒー RULICOFFEE(ㄹㄹㅋㅍ):https://real-coffee.net/category/roastery-cafe/roastery-in-korea/rulicoffee