コーヒーの品種 シドラ
シドラ
品種
シドラ(Sidra)は、詳細不明の品種ですが、エクアドル(Ecuador)ピチンチャ県(Pichincha Province)が原産の品種であると考えられています。
歴史
シドラは、ピチンチャ県にあったネスレのコーヒー育種施設で生まれた未発表の品種のひとつと言われています。オルガー・ロゲル(Olger Rogel)が、シドラとティピカ・メホラード(Typica Mejorado)をエクアドルのコーヒー産業に初めて紹介した人物であると言われています。
当初はティピカ(Typica)とブルボン(Bourbon)の交配種と報告されましたが、、一部の生産者やロースターがシドラのサンプルを研究機関に送って遺伝子検査を行ったところ、サンプルはエチオピア在来種と遺伝子的に類似していることが判明しました。一方、別の検査では異なる親系統が明らかになりました。
ワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)(World COffee Research)によると、シドラが明確な遺伝的特徴を持たない可能性があり、生産者が同じ名称で呼ぶ数種類の異なる品種である可能性もあるそうです。
シドラの商業栽培を最初に始めたコーヒー農園のひとつに、ラパルマ・イ・エルトゥカン(La Palma y El Tucán)があります。2012年に約1,800本のシドラの木を植え、その後、スペシャルティコーヒー業界で人気が高まったことを受け、2015年にさらに4,300本の木を追加しました。
シドラは、エクアドルでの栽培が急増し、現在ではさまざまな国の生産者間で取引されています。
特徴
シドラの木は幹が太く、高さは最大4mに達します。濃い緑色の葉をつけ、細長い5枚の花弁を持つ花を咲かせ、枝には小さな実がびっしりとつきます。この実は、先が尖った他のアラビカ種の実よりも大きく丸いです。シドラの種子(豆)は、一般的に他のアラビカ種のものよりも細長く、ゲイシャ(Geisha)に似ています。
シドラは収穫量が多く、いくつかの害虫や病気には耐性がありますが、コーヒーのさび病菌には耐性がありません。